山形浩生のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
こちらのジョージ・オーウェル氏は「一九八四年」の方で御存知の皆様もいらっしゃるのではないでしょうか?
私はどうも「星を継ぐもの」以来、SF的な作品に慎重になってしまいまして(笑)。
「狐には向かない職業」のヴェラに出会った事ですっかり気持ちは「シェイディ・ホロウ」の住人になってしまっておりました故、以前から気になっていたこちらの「動物農場」を購入致しました。
こちらの作品も、私は非常に楽しめました!!!
一説では当時の時代を風刺した作品だとも言われており、実際後書きにもそのような内容が書かれてはいるのですが、個人的には風刺うんぬんは関係無く普通にファンタジーとして楽しみました -
Posted by ブクログ
本書は、経済学を再び「政治経済学」の座へと引き戻した記念碑的な著作です。著者は、18世紀以来の富と所得がどのように推移してきたかについて膨大な統計に基づいた客観的な考察を行い、そこから驚くべき教訓を導き出しました。議論の柱となるのは、格差拡大の根本的な力である「r > g」という不等式。これは、投資や相続から得られる資本収益率 (r)が、賃金上昇の源泉となる経済成長率 (g) を常に上回り続けるという構造を示しています。つまり、労働によって豊かになる速度よりも、資産が資産を生む速度の方が速いということです。歴史的に見れば、この不平等の拡大を止める力となったのは、良識ある政策ではなく、皮
-
Posted by ブクログ
本物のスパイ
現代外交でいまや公然の秘密になっているのは、大使館の現在の機能はスパイ活動のプラットフォームなのだとういことだ。なぜある国が、別の国の国土上に独立主権を持つ物理的な存在を確保すべきかという古くさい説明は、電気通信やジェット旅客機の台頭でもはや完全に古びてしまった。(本書引用)こういう記述を見ると、はやりこの筆者は内部の人なのだなあ、と感じてしまう。現代の本物のスパイが書いた本というだけで、読む価値は大いにある。それにしても、あらゆるデータが政府に筒抜けになってしまう現代の監視社会は、実に恐ろしい。それに実際にかかわっていた人が書いたのが、この本。 -
Posted by ブクログ
豚は誰か
本書に登場する豚がこのコロナ禍で誕生しつつあるように読んだ。知識は専門家に任せろと主張して囲い、解釈を恣意的に変え、他の価値を踏み躙り、人々の行動を制限し、人々を支配しようとする。今、この現実の世界で、専門家にしてやられてしまったのが政治家であることが、情けない。本当に情けない。ウイルスが人間ジョーンズ、豚ナポレオンが政府系専門家、豚スノーボールが政治家といった当てはめか。本書が結末で豚の王国の崩壊を描いていることを期待したが、叶わなかった。『1984』で描かれる全体主義国家も揺るぎなかった。揺らいだのは個人だった。相当まずい時代が来ている。本書を読んで改めて感じた。 -
Posted by ブクログ
経済学における革命ともいえるケインズ大先生の「一般理論」要約版です。
ただ、要約版で読みやすいとはいえ、内容はちょっと難しい。
訳者の山形浩生さん(私はこの方の文体が好きです)も言うように、消費、需要、雇用、投資とかの相互関係が分かりにくく、内容がいささかとっちらかってるのも大きな要因かと。
しかしながら、現在の経済と経済学を支える重要な考え方がたくさん示されており、世界を変えた一冊という評価も大いに頷けるものです。
一般理論を理解するためのエッセンスとして、訳者あとがきにあるポール・クルーグマン先生の結論要約をちょっと引用してみます。
・経済は、全体としての需要不足に苦しむことがあり得るし -
Posted by ブクログ
ネタバレ第1部 「Plurality」を“読まずに”読んだ体験として
本書を一文一文なぞるように読むのではなく、関連する理論や自分の実務経験と接続しながら“立体的に眺めた”というのが、今回の読み方だった。物理学の相対性理論や量子力学、三体問題、さらには生物学のエピジェネティクスといった、一見日常から遠い法則群が、実は社会や民主主義とフラクタルに相似である、という直感からスタートしている。そのうえで、自律分散システムやAI、インターネットの設計史(ウィーナー、リックライダー、ジンメル、八木・宇田アンテナ、光ファイバ)を、自分の手元のゲーミングPC上の環境構築や、自治体の「課長」の権限感覚と重ねながら読 -
Posted by ブクログ
原題は「A Tract on Monetary Reform」というもので、「貨幣改革論」などとも訳されているようです。
ケインズ大先生が、かの「雇用・利子および貨幣の一般理論」(The General Theory of Employment, Interest and Money)を世に送り出したのは1936年ですが、本書はその13年前、第一次大戦後の1923年に発表されました。
当時は、一部の国において戦後の激しいインフレやデフレに悩まされていた時代であり、お金(貨幣)が経済に与える影響について考察する内容です。
特に目を引くのは、やはりインフレとデフレに対する考え方でした。
お金の価 -
Posted by ブクログ
今回、私は「プルラリティ」という言葉がなかなか理解できませんでした。
また、audibleで聞き始めたので、難解な言葉や慣れないカタカナ単語が出てくると、わからないままどんどん進んでしまい、一周聞いただけではなかなか内容が頭に入ってきませんでした。結局、3、4周ほど繰り返し聞きました。
これまでの自分といえばまるでぎゅうぎゅう詰めの歩行者天国を流されるまま歩いていたような感覚でした。そして身動きできないことに疑問も持っていませんでした。この本が提示する「色々な考え方を認めながら、一つのより良い方向を見つけてゆく」という考え方はとても新鮮です。意見が違うは分断だと思って言いました。
ぎゅうぎゅ -
Posted by ブクログ
過去のロシアを風刺した寓話らしく、こんな世の中で本当にあるのかと疑いたくなった。もしあったとしたら過ごしたくないと率直に思った。本書を出版するのは大変だっただろうな、と思ったがに巻末に苦労が書かれており、著者の執念を垣間見れる。
特に気になった描写はことあるごとに発せられる羊のわめき声。最初は単なる賑やかしのように思っていたが、物語の後半のそれは意見を伝えようとする者に対しての妨害になっていく。発言の正しさではなく声の大きさや多さで正しさが決まる世の中は怖い。根拠のないデマがSNSで広がっている現代において同じことが起こりうると考えるとさらに怖い。ただ、そんな世の中と分かっていながら自身が何