山形浩生のレビュー一覧

  • スノーデン 独白 消せない記録

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    これはフィクションではなく現実の出来事なのである。
    それを理解するにはあまりにも壮大で、(少なくとも私にとっては)非現実的で、衝撃的な一冊だった。
    最終章にある、監視システムの拡大により懸念される市民得点の計算は犯罪者の予測システムは、アニメPSYCHO-PASSの描く未来の日本そのものであり、2つの作品は私の中で完全にリンクした。
    PSYCHO-PASSでは、個人の犯罪係数の測定、その係数が(罪を犯してなかろうが)向上すると、処刑対象になる。その支配下の中、個人ではなく集団での犯罪(個人の犯罪係数はあがらない)の場合の倫理、
    個人に自覚のない形で連携犯罪がなされる場合の対処方法、先天的に犯罪

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    2020年01月05日
  • 9 プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために

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    ネットワーク優位の世界にあって、社会にどう適応していくかを考えた本。旧来の生産性的価値観との相性は悪く、そこをどう混ぜていけるかが鍵と思われる。未来に向けて必読の書。
    以下、備忘用メモ。
    1.権威より創発
    2.プッシュよりプル
    3.地図よりコンパス
    4.安全よりリスク
    5.従うより不服従
    6.理論より実践
    7.能力より多様性
    8.強さより回復力
    9.モノよりシステム

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    2019年10月31日
  • 服従の心理

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    心理学の文献ではしばしば登場する「ミルグラム実験」について、ミルグラム教授ご本人が書かれた報告書。
    「アイヒマン実験」とも呼ばれるこの本は2008年に新訳として再版されるまでは約10年は絶版だったそうだ。
    2012年には文庫化されたが、357ページで1300円という価格となっている。高すぎるのではと思い読み始めたら、疑念はすぐに払拭された。実験の全貌、ミルグラム教授の分析等、事細かく書かれている。被験者を募集するための広告、役割や条件を変えての全18種類の実験内容、被験者のナマの声等、読み応えは充分。

    更によかったのが訳者山形氏による「訳者あとがき」である。通常のあとがきに加え、「蛇足 服従

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    2019年08月12日
  • そして日本経済が世界の希望になる

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    著名かつ過激ともいえる、経済学者のグルーグマン氏の日本経済に関しての考えと現状とつづった本。グルーグマン氏自身、極端なインフレ推進派ですが、本の中身をちゃんと理解して読み進めると、その考え方が極端なだけではなく、歴史を振り返った時の資本主義社会での金融政策のオススメを言っているように思える。著者も言っているが、人間はもちろん過ちもするので完璧なかじ取りなどできるはずはない。それは個人の投資戦略にももちろん言えると思う。

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    2019年06月12日
  • CODE VERSION 2.0

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    インターネットを語る上で、もはや古典でありながら未だにその価値は全く色あせない名著。久しぶりに読み返したくなり再読するが、やはり面白い。

    今やクリエイティブ・コモンズの擁護者としても知られる法学者ローレンス・レッシグの代表作である本作「CODE Version2.0」は、1999年に発表された「CODE」の事例を幾つかアップデートした上で2006年に刊行されている。本書は一言で表すなら、インターネットを巡る”規制”の総体を4つのディメンジョンで示したうえで、特に「アーキテクチャ」を構築するソフトウェア、即ちコードが最も重要であることを看破した点にある。

    我々は日常的な用法として、”規制”と

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    2018年11月30日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    貧乏人が貧乏であり続け、豊かな人が豊かになれる社会構造が理解できる。
    人はカロリーの高さで食べ物を選ぶのではない。そのため餓死が起きる。
    貧乏な人は重要な情報を知らない。
    人生の多くの側面に責任を背負っている。すべて自分で決断しないといけない。やらないといけない。
    貧乏だとサービスが受けられなかったり、不利な価格になる。
    貧乏だから失敗確実ではない。

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    2018年11月01日
  • 21世紀の資本

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    フランス人経済学者による、資本主義について書かれた本。
    著者は、r>gという不等式を使って、過去に蓄積された富が、労働賃金の成長より上回ることを問題視している。フランスをはじめ、イギリス、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパ諸国、あるいは米国、日本などに関する豊富なデータをもとに、論理を展開しており、論理的で説得力がある。問題解決策として、累進的な資本税の導入を主張している。
    マルクスやレスター・サローと資本主義に関する分析は大きく違わないと思うが、不完全にしろデータの裏付けがある分、より学術的アプローチに挑戦していると言えるのではないか。

    「資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生

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    2018年10月30日
  • 服従の心理

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     通称「アイヒマン実験」の報告にあたる本著。ここで得られた実験報告は人は権威に対して服従する生き物であるという、目を背けたくなるような結果だったということ。厳密にいえば、この実験で行われた手法の正確さについて異論等もあるようだが、いずれにせよ確実なことは、権威という目に見えないパワーの強大さ。そして人間がそれに対して、社会システムの構造上指示に従わざるを得ないところにいるという点は否定しにくいのではないだろうか。
     日々、家庭、学校、会社、社会・・・あらゆる生活の場に権威は存在しており、その権威に服従して生きている。こう考えると、自分はさも奴隷かのように感じてしまうが、そうではなくて視点を変え

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    2018年09月23日
  • 服従の心理

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    このアイヒマン実験について著者のミルグラムは、参加者の良心と権威に対する服従についての葛藤の場として見ている。一方で日本語訳者は、参加者の社会に対する信頼の度合いと、なにがより高位の規範であるかについての判断の場として見ている。これら実験に対する向き合い方の違いは、人の理性について理解しようとする際の方向性の違いだけでなく、アウシュビッツの存在がそれぞれに与えた衝撃の受け止め方の違いのように感じた。
    前者の考え方の落とし穴は、人の良心を信じる者がアイヒマン実験の結果を知ったときに、その結果を人の性悪説の証明であるかのように感じ、実験のプロセスを含めて強い拒否反応を示すことにある。また後者の考え

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    2018年06月06日
  • 9 プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために

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    ネタバレ

    人生100年時代と呼ばれ、健康な期間も延びている中で、かつ、変化が早いという最悪の組み合わせに思えるような時代で、大げさでなく「生き残る」ためには、一言で言えば適した変化ができるということなのだろう。

    ネットワークや学習、プルや創発、回復力、というワードからも確実に読み取ることができ、変化のための失敗の費用は確実に下がっているから、どんどん実践していこう、というもの。(分野によるが)

    そのためには「面白い」ということを思える必要があるし、複雑性やカオスな状況にも対応できる必要がある。ワード以上にタフな印象を持つ。

    一方で、「必要な時に必要なものプルできる」ということは、逆に言えば自分もそ

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    2018年04月08日
  • 9 プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために

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    触れている分野が広いし、訳のせいなのか少し難解だったけど、これからのヒントがいっぱい詰まっている。これまでも21世紀がどうあるべきか発信されてきた多様性に始まる新たな創造性の創出について、研究・技術の視点で改めてそうなんだと再認識させられる内容だった。日本の大企業が足りない視点(きっと多くは自らは変えられないけど)、大学などの研究機関の必要な視点、考えさせること盛り沢山であった。でも、ひとつ確実に言えること、世の中20世紀より面白くなる。そういう高揚感が読後に残った。帯にもあるけど何度も読み返すべき本なのだ。

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    2017年09月25日
  • 9 プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために

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    現代のイノベーションの仕組みは実に多様化している。それゆえ技術オンリーではNGだし、用途提案力だけでもNG。双方を併せ持ち、そのために必要なリソースの組み合わせを考えることができ、しかもモノを生み出した結果、用途環境をどのように変えるかを見通せる力まで要求される。日本でも昨今「異業種融合」とか「医工連携」といった分野の複合化が一般的になってきているが、その結果生み出されるアウトプットに対しての展望力はどうだろうか?MITの方が上とか下とか、そういう議論ではなく、本書を教訓に一度考えてみる価値があるということを言いたい。

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    2017年09月17日
  • ティモシー・アーチャーの転生〔新訳版〕

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    山形浩生さんの訳で読みました。とてもおもしろかった。ジョンレノンの亡くなったニュースはそろばん塾で聞いたなーとか。そんときそもそもビートルズってまだ生きてるんだくらいに思ってたこととか。シャタックアベニューの中華料理屋とか言われるともうなんか懐かしくて泣けるし。

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    2017年03月18日
  • 21世紀の不平等

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    ピケティの本をさらに深堀りしたような本と認識している。未来に関心がある人であれば、まず読んでおいて損はないと思われる。

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    2016年10月25日
  • ヴァリス〔新訳版〕

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    初めて読んだ時は「釈義」の内容についていくのに必死だったけど、読み直す内に、これはディックにとって非常にパーソナルな小説だったのではないかと思うようになった。ソフィアがリピドン協会の三人に語る言葉(実に感動的!)は、書いている自らに檄を飛ばしているように見える。人間の可能性と、その善なるところを信じる。ディックからの人間讃歌、それが『ヴァリス』。

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    2016年05月20日
  • 服従の心理

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    人間が社会的な生物だからこそ権威への服従という性向は進化の過程で要請されたのだろう。またこの実験の詳述を見るに改めて観察とは対象への影響を及ぼさずにはいられないということを感じる。
    人格とは真空状態で観察できるものではなく、
    人間関係のネットワークにリンクする関係体としかありえないのだなあ

    あとがき訳者の「蛇足」のミルグラム批判、一番クリティカルなのはやはり人間にはそもそも攻撃的性向があるのでは?という点。
    非人道的な行いができるのはまさに攻撃対象たる他者が
    もはや人間とは認識されていないゆえなのだろうか。

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    2015年12月19日
  • 服従の心理

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    組織や経営の研究、または大学で学生が獲得すべきスキルとして権威や服従のシステムを理解し、社会に出た中で、役立てられるような教育の仕組みを考えられるのかもしれない。紛れも無い名著であると感じた。

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    2015年05月29日
  • 服従の心理

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    ミルグラム実験についての詳細な報告。長らく読み継がれてきた報告ですが、新訳&文庫落ちにより手に取りやすくなりました。

    ミルグラム実験は非常に著名な実験でありご存じの方も多いと思いますが、そのうえでなお本書は必読。実験デザイン、結果、解釈という繰り返しにもかかわらず、一気に読み進めてしまう力を持ちます。

    権威の中に位置づけられた人間がいかに容易く非人道的行為を為し得るか、そしてそのような行為を為したことをいかにして弁護するか。この二点には衝撃を受けることになるでしょう。
    個人的には、かつてハンナ・アーレントが述べた「悪の陳腐さ」を想起しました(順番としてはアーレントが先なのですが)。

    なお

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    2014年09月26日
  • お金の改革論

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    今リーマンショック後に世界の中央銀行で行われている、量的緩和政策についての重要な要素となる、インフレとデフレと貨幣量との関係が書かれており、本書を手に取り熟読されたら、何故デフレよりもインフレの方がマシなのか。
    お金とは何かと云う考えがスッキリするだろう。

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    2014年10月13日
  • 雇用、利子、お金の一般理論

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    本文の内容を読解する事は難しくないのだが、書き方から言葉の意味や概念を理解するのが大変な気がする。私の語彙の無さも問題なのだろうが…

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    2014年06月17日