ローレンス・レッシグの作品一覧 「ローレンス・レッシグ」の新着作品・人気作品や、最新のユーザーレビューをお届けします! 作者をフォローする フォローするとこの作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
作品一覧 2016/04/08更新 コモンズ~ネット上の所有権強化は技術革新を殺す 試し読み フォロー CODE VERSION 2.0 試し読み フォロー FREE CULTURE 試し読み フォロー REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> ローレンス・レッシグの作品をすべて見る
ユーザーレビュー CODE VERSION 2.0 ローレンス・レッシグ / 山形浩生 インターネットを語る上で、もはや古典でありながら未だにその価値は全く色あせない名著。久しぶりに読み返したくなり再読するが、やはり面白い。 今やクリエイティブ・コモンズの擁護者としても知られる法学者ローレンス・レッシグの代表作である本作「CODE Version2.0」は、1999年に発表された「C...続きを読むODE」の事例を幾つかアップデートした上で2006年に刊行されている。本書は一言で表すなら、インターネットを巡る”規制”の総体を4つのディメンジョンで示したうえで、特に「アーキテクチャ」を構築するソフトウェア、即ちコードが最も重要であることを看破した点にある。 我々は日常的な用法として、”規制”という言葉を用いるときに、国や行政といった立法権を持つ主体が法律や省令、ガイドラインのような文書で人々の行動を特定の方向にインセンティブ付けする、という姿を想起することが多い。しかし、レッシグの”規制”の概念はもっと広範なものであり、一般的に我々がイメージする”法”以外に、”規範”、”市場”、そして”アーキテクチャ”の4点から構成される。 例えば、かつてのNapsterのようなMP3のP2Pダウンロードに対する規制は以下のような総体として示される。 ・法による規制:著作権法などによる罰則規定 ・規範による規制:教育や業界団体を通じたP2PのMP3ダウンロードが不法であるというキャンペーンと世論形成 ・市場による規制:AppleによるiTunes Music Storeのように1曲1ドルという安価な価格設定を通じた公式MP3のマーケットプレースへの誘導 ・アーキテクチャによる規制:CCCDのようにMP3へのファイル変換を禁じる技術の導入 そして重要なのは、 ・この4つは独立して存在しているのではなく、相互依存性を持つ。特に法が規範・市場・アーキテクチャに働きかけることで、一見して法が強制しているようには見えないが、何らかの立法主体の思惑が実は強く反映されていることが往々にして起こり得る ・インターネットでは最後のアーキテクチャによる規制が最も人々の行動を束縛する。なぜならば、リアルワールドにおいては建築・デザインといった実空間の操作によってしか行えなかったアーキテクチャの変更は、インターネットにおいてはソフトウェアのコードを変更するだけの労力で実現できてしまう という点を鮮やかに描き出した点にある。 1999年にレッシグが描いたこの規制の総体は、そこから20年が経過した現代において、どのような重要性と示唆をもたらすのか?例えば、それは1999年と比較して明らかに強大になりすぎた特定のプラットフォーマーの影響力をどのようにバランスさせるのか、という点で、GDPRのような法による規制以外のアプローチが有効であることを含意するだろう。それについては、またいつか。 Posted by ブクログ CODE VERSION 2.0 ローレンス・レッシグ / 山形浩生 サイバー空間というものが非常に曖昧であり、その曖昧さが実体空間の法の持つ曖昧さをも浮き彫りにした。それからどうするのか、というのがここでの議論となるのだが、コードがサイバー空間の法であり規制でもあるが規範ではないという点を理解して議論しなければならない。また、規制するのは法だけでなく市場も規制する...続きを読むという点も理解しておかなければならない。さらに「コードを書くのは誰か?」という問題もあって一筋縄ではいかない。そして「自由とは何か?」「民主主義とは何か?」という問題にまで発展してしまう。 サイバー空間における法のあり方についてのかなり深い議論がなされており、また範囲も非常に広いため一読しただけではなかなか理解するのは難しい。しかし読み終わった後の名状しがたい不安感こそが筆者の求めるまず最初のものではないかとも思う。 Posted by ブクログ CODE VERSION 2.0 ローレンス・レッシグ / 山形浩生 インターネットの規制の話。現実とネットの世界との違いが生み出すいろんなことが影響してるが、容易に規制が進むというのは理解できる。それを見越して、全てを規制しないように規制が必要だと。不完全さを残すために、「自由」を守るために。矛盾してるようでも、真っ当と思える。でも、山形浩生さんの役と解説が無いとす...続きを読むんなり頭に入らなかったろうな。いつもの如く笑。 Posted by ブクログ CODE VERSION 2.0 ローレンス・レッシグ / 山形浩生 読み直したさ:★★★ 秩序のトリアーデに,コード・アーキテクチャという四つ目の要素を加味。全体を通して,民主主義との関係についての考察を含む。 〈感想〉 訳者の文体は読み進めれば慣れるし,むしろ読みやすくもある。ただ,誤植が目立つのが悲しいところ。 全体を通して,自分の常識を揺さぶるような面白い読書...続きを読む体験だった。3.0はまだですか?笑 Posted by ブクログ CODE VERSION 2.0 ローレンス・レッシグ / 山形浩生 憲法が保証する「規制の不完全さ」がアーキテクチャに_意図的に_コーディングされなければならない。/アイデンティティ層の導入により匿名性が失われる。/間接規制は不透明。政府は政治的コストを払わない。/憲法の前提が変われば、「翻訳」(読み替え)が必要になる。/プライバシーは損害賠償ルールではなく財産権ル...続きを読むールで。/「コードは法」は比喩に過ぎない。東海岸コードと西海岸コード。新シカゴ学派。/アーキテクチャと市場は事前に、法と規範は事後に規制する。 第三部 プライバシー 「情報銀行」はレッシグのプライバシー保護に関する「損害賠償ルールより財産権ルールを」と整合的。 「情報銀行」でプライバシーの財産権化が進めば「売血」のように「弱者はプライバシーを売り、強者はプライバシーを保つ」というプライバシー格差が社会問題になるだろう。これ小説の設定に使えるな。 P3PとOpenID Connectの融合みたいなのがトラストフレームワーク上に情報銀行を可能にするんだろうな。 インターネットにアイデンティティ強化層が導入されて「匿名でアクセスする権利」がなくなるとき、分人(ディブ)の法人格を認める法が作られる。 第四部 主権 企業がつくるサイバースペースの「主権者」はユーザーではなく、そもそも民主主義どころか「ユーザー主権」ですらない。むしろ人権が成立する以前の中世に似ている。 しかし、社会契約論的・一般意志的に自治の延長で「主権」を構成することもできる。それは株式会社よりもNPOなりが運営するサイバースペース・アーキテクチャにおいてありえることだが、前者においても「一般意志」を独裁者が体現すればいい。 ライフログの位置データにもとづく滞在時間から住民税が基礎自治体に配賦される未来。 もっと立法スピードが速ければ「コードへの法規制」が現実的にいろいろできるわけだが、次善策は業界団体の自主規制や共同規制かいな。 Posted by ブクログ ローレンス・レッシグのレビューをもっと見る