ローレンス・レッシグのレビュー一覧

  • CODE VERSION 2.0

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    インターネットを語る上で、もはや古典でありながら未だにその価値は全く色あせない名著。久しぶりに読み返したくなり再読するが、やはり面白い。

    今やクリエイティブ・コモンズの擁護者としても知られる法学者ローレンス・レッシグの代表作である本作「CODE Version2.0」は、1999年に発表された「CODE」の事例を幾つかアップデートした上で2006年に刊行されている。本書は一言で表すなら、インターネットを巡る”規制”の総体を4つのディメンジョンで示したうえで、特に「アーキテクチャ」を構築するソフトウェア、即ちコードが最も重要であることを看破した点にある。

    我々は日常的な用法として、”規制”と

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    2018年11月30日
  • CODE VERSION 2.0

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     サイバー空間というものが非常に曖昧であり、その曖昧さが実体空間の法の持つ曖昧さをも浮き彫りにした。それからどうするのか、というのがここでの議論となるのだが、コードがサイバー空間の法であり規制でもあるが規範ではないという点を理解して議論しなければならない。また、規制するのは法だけでなく市場も規制するという点も理解しておかなければならない。さらに「コードを書くのは誰か?」という問題もあって一筋縄ではいかない。そして「自由とは何か?」「民主主義とは何か?」という問題にまで発展してしまう。
     サイバー空間における法のあり方についてのかなり深い議論がなされており、また範囲も非常に広いため一読しただけで

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    2012年11月11日
  • CODE VERSION 2.0

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    ネタバレ

    インターネットの規制の話。現実とネットの世界との違いが生み出すいろんなことが影響してるが、容易に規制が進むというのは理解できる。それを見越して、全てを規制しないように規制が必要だと。不完全さを残すために、「自由」を守るために。矛盾してるようでも、真っ当と思える。でも、山形浩生さんの役と解説が無いとすんなり頭に入らなかったろうな。いつもの如く笑。

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    2020年01月13日
  • CODE VERSION 2.0

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    読み直したさ:★★★
    秩序のトリアーデに,コード・アーキテクチャという四つ目の要素を加味。全体を通して,民主主義との関係についての考察を含む。
    〈感想〉
    訳者の文体は読み進めれば慣れるし,むしろ読みやすくもある。ただ,誤植が目立つのが悲しいところ。
    全体を通して,自分の常識を揺さぶるような面白い読書体験だった。3.0はまだですか?笑

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    2015年09月03日
  • CODE VERSION 2.0

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    憲法が保証する「規制の不完全さ」がアーキテクチャに_意図的に_コーディングされなければならない。/アイデンティティ層の導入により匿名性が失われる。/間接規制は不透明。政府は政治的コストを払わない。/憲法の前提が変われば、「翻訳」(読み替え)が必要になる。/プライバシーは損害賠償ルールではなく財産権ルールで。/「コードは法」は比喩に過ぎない。東海岸コードと西海岸コード。新シカゴ学派。/アーキテクチャと市場は事前に、法と規範は事後に規制する。

    第三部 プライバシー

    「情報銀行」はレッシグのプライバシー保護に関する「損害賠償ルールより財産権ルールを」と整合的。

    「情報銀行」でプライバシーの財産

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    2015年09月15日
  • CODE VERSION 2.0

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    最初に書いておくと難読書。訳が非常に難しく(誤訳もあり?)、文章の組み立て方が非常に下手。恐ろしく読みにくい。が、重要な一冊。書かれた年代は少し古いが、ITの施策、提案、構築をする際に市場、法律、規範、アーキテクチャ(コード)という4点を意識することは非常に重要であることに気付く。

    またIT黎明期に先人たちが何を求めていたか、何を目指していたかを捉えることは、時として浮つきがちな、この世界に確固たる基盤を示してくれる。

    例えばプライバシーの問題を考える時、ITの世界ではそれを透明化することも秘匿することも容易(に見える)。だが、そもそもプライバシーとは何か?何をすべきで何をすべきでないか。

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    2011年11月07日
  • CODE VERSION 2.0

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    「インターネットと法」というようなジャンルになるのだろうけれど、これはそういう狭い範囲の話ではぜんぜんない。たしかに全編にわたってネットの事例が沢山出てくるし、プライバシーとか著作権とかの話もある。でも、ネットは考えられるべき話の発端なんだと思う。

    ネットやIT技術の進展は規制の実現可能性を高めるし、そうした技術の総体としてのアーキテクチャ自体が規制そのものとして参加者をコントロールしていく。それは、従来のコスト的にも技術的にも穴だらけの回避可能な規制ではなくて、回避がほとんど不可能ないわば法の完全執行が実現される世の中を作りだしうる。

    そして、そんな完全執行が実現したとき、法は立法者がそ

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    2010年09月10日
  • REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方

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    書き出しのスーザの話は面白い。彼は魅力的な味方だろう。しかし、読んでいても説得的に感じない。レッシグはもっとできる子、だよね。。

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    2014年06月30日
  • FREE CULTURE

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    文化財産の保護を目的とする著作権保護法に伴う利権や、
    さらなる弊害について述べる。危機に際し、パテントがどのように機能するのか、医薬品、オープンソースソフトウェアなど事例は多い。

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    2012年07月26日
  • REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方

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    「CODE」はテクノロジーがどんな社会を生み出しうるか、という現状整理であり思考実験であったのに対して、これはどんな社会を目指しうるのか、という行動指向のもの。だから、
    CODEほどのカチッとしたロジカルさはないし、思想面でも納得のいかないところがある。レッシグの実現したい社会がほんとうにいい社会なのか、まだ納得がいかない。それでも一つの可能性として、商業経済と交換経済とのハイブリッドの形はありうるだろうし、ただ商業経済だけを考えるのでは片手落ちであることは疑いようがない。

    ひとつ疑問なのは、こういうかたちで社会制度を考えているひとというのはどの程度いるのだろう。とても可能性があると思うのだ

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    2010年09月23日
  • REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方

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    基本的に訳者の山形浩生氏の解説に同意。

    レッシグの言いたいことも分からなくはないが、子供たちを犯罪者にしないというだけの理由で、ファイル共有を合法化するというのはさすがに無理だろう。

    それを合法化するなら、せめて
    ・それにより失われる、RO的著作者達の創造活動のためのインセンティブ、(会社等の支援環境を含めた)創造環境、及びそれらから生み出されるはずだった作品の量

    ・それにより生み出されるりミック作品の量、ファイル共有環境の充実により新たに生み出されるリミックス的ではない作品の量
    を比較し、少なくとも後者が前者と同じ以上でないとだめだろう。

    でもどう考えても、Winnyやマジコンを使

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    2010年05月22日