山形浩生のレビュー一覧

  • 21世紀の資本

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    8年ぶり再読。2024年現在の状況は日経平均最高値更新、なかなか増えない名目賃金とまさにr>gの世界であり、ますます本書の指摘通りとなっている。

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    2024年03月26日
  • 新訳 平和の経済的帰結

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    知らない事ばかりで自分が恥ずかしくなる。
    ヴェルサイユ条約に関わるドイツ代表の回顧録を読んでみたくなった。

    本書の見立てが正しかったと仮定するのであれば。
    ケインズのように先を見通せる賢人がある程度の地位にいたとしても、どうしようもない事がある、ということが恐ろしい(まあ当たり前だが‥‥)。
    正しい解決方法でも、握り潰され無視された事例は、これまでもこれからも、それこそ山のようにあるのであろう。

    私が1919年当時にフランス人としてこの本を読んだとしたら、どのような感想を抱いたのであろうか。私は、自分が感情を超えて理性で判断できる存在でありたいと願っているが、非常に難しいであろう。

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    2024年03月09日
  • 才能の科学 人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法

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    3部作の最後 「人の能力の可能性」を認める
    超ブラシーボ効果 戦場で食塩水を麻酔薬として手術 「人の意識」の強力さ
    才能は先天的より後天的 ものすごい可能性を認める

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    2023年11月18日
  • プロトタイプシティ 深センと世界的イノベーション

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    ネタバレ

    視点が広がるという意味で興味深かったですね。
    こんな見たことのない世界があるということ。
    そして新たなものを作る形式にも
    様々なものがあるということ。

    もともとある通販を使っているので
    この地域の店舗はよく見かけるんですよね。
    ああ、なるほどと思いました。
    (ただし私が求めていたある情報は本の数行のみ)

    きっと時代はこの形式になるのでしょう。
    悲しいけれどもね。
    それを受け入れないといけないのだと思います。

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    2023年08月01日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    収益を得るにはある程度まとまった投資をする必要があるため,それ以下の投資では逆に貧しくなってゆく貧困の罠について,その有無を机上で論じるのは無意味でで,調査してどちらの場合になるのかRCTで確かめなくては問題は解決できない.この方針で,様々な調査結果が示される.
    防接種率を,豆のオマケを付けることで向上させる著名な例の紹介.イデオロギーでは,右派からは無駄,左派からは不道理と言われる政策だが,それよりも実効性が重要と主張している.
    イデオロギー ideology,無知 ignorance,惰性 inertia の3I問題のため,実効性のない政策が行われる.インドで親が学校の運営に関わる政策で,人々に権限を与えるイデオロギーに基づいて,人々の要求を知ること無く政策が立案され,それの結果が評価されずに惰性で維持される例など.
    ドグマ・ルール指向の施策より,現実に有効なのはシステム指向であるという主張を支持する内容で,よく同意できる内容だった.

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    2023年02月28日
  • 「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて

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    とにかく読むのが大変だった本。特に序盤、批判対象が何であるのかを掴むのが非常に難しかったけれど、後半に向けて対象が一つに集約されているのでそれは解消された。と同時に、対象が何であるか分かりにくくなるのは対象に明確な定義・名称がない為ある程度仕方のない事だとも納得できた。これまで読んできた書籍の中でも恐らく同じ対象に対してあらゆる名称が使われていたし、対象者自体が同じ言葉を使っていないのだからこの場合は仕方がない。本書では名称は<理論>と呼称している。最終的には面白く読めた、けれど結言にはやや同意しかねる。それと、とにかく全体を通して言葉がきつい。

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    2023年01月23日
  • 「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて

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    本書の訳者解説がWEB上から早々にキャンセルを食らったという笑えない話になっていてある意味話題の一冊。これは海の向こうの話ではあるが、日本でもここ二、三十年で左派の色合いが随分変わってきた事に気付かされる。8〜90年代に盛んだったスキャンダルやエロなど何でもありの冷やかし的な姿勢は影を潜め、ジェンダー周りなど特定の領域で実に活動的で「真面目な」左派が世間に対して非常に攻撃的な言辞を吐く姿が目立ってきた。世界の潮流は確実に繋がっていそうだ。

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    2023年01月19日
  • OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る

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    前半はOPENな社会とその効用について歴史的に振り返り、後半はそれに対する抵抗勢力やオープン性が継続しない理由についての考察となっている。
    個人的には、主にネットやSNS等で絶えない紛争について、なぜそのような分断が深刻化するのか俯瞰的に眺めた箴言に膝を打った。

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    2023年01月09日
  • 才能の科学 人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法

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     めちゃくちゃいい本でした。
     この本は、「才能なんてものはなく、すべては努力次第だ!」という著者の主張を、とても丁寧に科学的論拠をもとに考察されています。
     運動競技を見ると「黒人ばかり活躍していて、黒人は遺伝的に運動に向いている!」と思っていましたが、「黒人選手はただ努力の量が凄いんだ!」「遺伝や才能なんて関係ない!」という結論は、とても刺戟的で良かったです。
    視野が広がり、やる気が起こる、とてもいい本です!!
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

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    2023年01月07日
  • ティモシー・アーチャーの転生〔新訳版〕

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    「ティモシー・アーチャーの転生」

    ディックのヴァリス3部作の最後。そしてディックの遺作とされている作品。

    個人的にはすばらしい作品だと思う。模造品について書いてきたディックが、その一番深いところにたどりついた。

    生きるための軸となっていたもの、たとえば信仰が揺さぶられたとき、人はどうなるのだろう。という問い。ヴァリス同様、大量の情報におぼれる人々。今回は情報が大量だからではなく、大量の情報の中から、アイデンティティを崩壊させる「真実」を発見してしまう。自分の存在が否定された人間の物語。

    ディックはここまで辿りついたか、という感動を覚えた。純文学の作家を目指していて、でも金のためにSFを書かざるをえなかったディックが、最後は純文学を書いていた。しかもみんなが知っている彼のSF小説を深化させた形で。これがすばらしい。

    この偽物だらけの世界で、ディックは本物の作家だったなあ。




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    2022年11月26日
  • 才能の科学 人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法

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    才能より努力が重要である。そしてその努力についても正しい目標を持つといった工夫が重要であると言う主張の本。相変わらず山形さんの訳者あとがきがわかりやすい。

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    2022年08月19日
  • 才能の科学 人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法

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    才能、しなやかマインドセット、ステレオタイプ、プラシーボ効果。
    元トップアスリートが記載すると説得力が違いますね。

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    2022年08月13日
  • OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る

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    オープンの良さとオープンにできない要因が共感。内容を急いで知りたい人は山崎さんの訳者後書を読むと要点分かります。

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    2022年07月23日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    1年前から少しずつ読んでやっと!RCTを経済学に応用してノーベル賞を取ったお2人。“人は生まれながらにして小さなコストを先送りし現在ではなく将来に負担させたがる”
    膨大な研究結果を体系立てて平易にまとめて、経済学なのに現場感がひしひしと伝わってくる。翻訳も◎

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    2022年05月05日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    ネタバレ

    ・貧乏な人は重要な情報を持っていないことが多く、間違ったことを信じている。魅力的で単純な方法でキャンペーンを実施。信頼できる情報源を。
    ・貧乏な人は自分の人生にあまりに多くの側面について責任を背負い込んでいる。意思決定の難しさ。お金持ちであれば、誰かが正しい判断を下してくれる。⇨先送り傾向⇨既に正しいと分かっていることをできるだけ実行しやすくすれば人生は大幅に改善する。
    ・一部の市場が貧乏人に提供されていなかったり、そこで貧乏人がかなり不利な価格に直面したりするのにはやむを得ない理由がある。
    ・貧乏だから失敗する、不幸な過去を持つから失敗確実ということはない。大いなる陰謀のせいではなく、詳細な政策設計における欠陥が原因。即ち、無知、イデオロギー、惰性。
    ・自己成就的な予言

    ⇨もっと細かくみよう。怠惰で紋切り型の発想を拒絶しよう。

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    2022年02月23日
  • 服従の心理

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    ネタバレ

    個人の道徳観の力は、社会的な神話で思われているほど強いものではないっていう本。


    この有名な実験について大枠しか知らなかったが、人や場所や状況等のパターンを変えてみたり、被験者の実験時の言動が細かく書いてあったりと、ミルグラム実験の詳細が知れる。
    尚且つ元々の原文が良いのか訳者が良いのか最後まで飽きずに読める。



    p.22〜p.23

    道徳律の中で「汝、殺すなかれ」といった能書きはずいぶん高い位置を占めるが、人間の心理構造の中では、それに匹敵するほど不動の地位を占めているわけではない。新聞の見出しがちょっと変わり、徴兵局から電話があって、肩モールつき制服の人物から命令されるだけで、人々は平然と人を殺せるようになる。


    p.67

    あるいは過去には、物理的に近くにいる相手への攻撃的行動は、報復による懲罰をもたらし、それが最初の反応形態を打ち消したのかもしれない。一方、遠くにいる他人への攻撃は滅多に報復をもたらさなかったのかもしれない。

    p.209

    事前条件の中には、その個人の家族的な知見や、非人格的な権威システムに基づく一般的な社会環境、そして権威の遵守が報酬をもたらし、非遵守が罰につながるような報酬構想との長期的な体験がある。

    エージェント状態

    p.244

    非服従の代償は、自分が信念を破ったという身を切られるような思いだ。
    道徳的には正しい行動を選んだとは言え、被験者は自分が引き起こした社会的秩序の破壊に困惑したままであり、自分が支援を約束した目的を放棄したと言う感覚を捨て去ることができない。
    自分の行動の重荷を感じるのは、従順な被験者ではなく、服従しなかった被験者なのである。

    p.276


    人は自分の独特な人格を、もっと大きな制度構造の中に埋め込むにつれて、自分の人間性を放棄できるし、また必ず放棄してしまう、ということだ。

    p.303


    いずれにしても、何か単一の気質面での性質が非服従と結びついていると思うのは間違っているし、親切で善良な人は反抗するが、残酷な人は反抗しないと思うのも間違っている。
    目下のプロセスにはあまりに多くの点がありすぎ、またそれぞれに対して人格の各種構成要素が複雑な形で関係してくる可能性があるため、あまりに単純化しすぎた一般化はまったくできない。
    さらに、それぞれの人が実験にもたらす成功は、行動の原因としておそらくほとんどの人が考えるほど重要ではないだろう。
    というのも今世紀の社会心理学は大きな教訓を与えてくれるからだ。
    その教訓とはつまり、しばしば人の行動を決めるのは、その人がどういう人物かと言うことではなく、その人がどういう状況に置かれるかと言うことなのだ、ということである。

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    2021年12月14日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    この本はノーベル経済学賞を受賞した本です。

    この本は、「貧乏な人を救うにはどのような方法がいいのか?」という問題について、様々な研究や検証を行い答えを探していきます。
    「援助は無駄である❕」という考え方や「どーんと援助しないと効果がないよ❕」など、様々な意見もあるなか、本当に必要なものは何か?を探していくという内容です。

    とてもいい本なので、ぜひぜひ読んでみてください

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    2021年11月10日
  • 無形資産が経済を支配する―資本のない資本主義の正体

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    無形資産 経済の形を変えつつある無形資産について、それが何なのか、なぜ・どう経済を変えているのかの説明と、どうやってうまく付き合って経済を発展させていけばいいのかの提言。
    とても興味深く、経済の変化をデータに基づきながら学べた。
    一方、そもそもの有形資産経済についてよりわかっている前提だと、より楽しめるのかもしれない。自分にはその点の知識は不足している気がする。


    無形資産の特徴
    スケーラビリティ
    シナジー
    サンクコスト
    スピルオーバー

    元は金融市場が事業に貢献するためにあったが、近年は事業が金融に日奉仕する体制が進んでいる。

    経営者の役割は、権威を用いた社内市場の調整。特にコストが埋没している場合には調整が難しく高コストになるので、経営者の役割が大きくなる。無形資産は埋没してやすいので、経営者の役割と報酬は大きくなる。
    ただ、無形資産企業においては権威よりもリーダーシップのほうが、追随者とともに自律的に良い組織を作れるという意味で、コストが低くなり、価値が高い。
    リーダーは、追随者よりも知識豊富であり、かつ知識豊富であることを追随者に納得してもらう必要がある。

    無形経済の進展により、強大な勝ち組企業とその他に二極化する可能性が高い。
    一方で、無形経済においてはシナジーやスピルオーバー、協働などが重要であり、それらを持つ企業が成長しやすい。
    ここには矛盾があり、無形経済で成長した強大な企業は、自分たちの保護のために、無形経済が発展しやすい社会制度を脅かしかねない。
    この矛盾に対する解は今はないが、もし解を見つけた政府や自治体は、来たるべき無形経済において繁栄を享受するだろう。

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    2026年04月28日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    10年も前に書かれたとは思えない、今現在の状況を表している。
    貧乏人に寄り添う形でいろんな切り口で調査実験して問いかけている。食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資や貯蓄について、漠然と感じていた事が間違っていたことも分かる。その根本に訴えないと供給ワラーだけでは解決しない。
    貧困から脱する方法、この極貧状態の人々だけではなく、全ての人々にも大いなるヒントを示していると思った。
    素晴らしい本で、海外援助などに関しても勉強になりました。

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    2021年09月24日
  • 経済のトリセツ

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    ネタバレ

    21世紀の資本論の訳者で途上国の開発援助に携わる実務的なエコノミストから見た世界の経済をざっくり語る雑文集。古い話もあるが雑学として読むなら楽しい。

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    2021年09月23日