【感想・ネタバレ】OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残るのレビュー

あらすじ

『エコノミスト』誌ブック・オブ・ザ・イヤー受賞
楠木建氏(一橋ビジネススクール教授)、山口周氏(独立研究者)推薦
すべては「オープン」対「クローズド」の戦いだ――。
1万年の人類史が示す、文明・経済・ビジネスの本質と未来!

「オープンな交易、クローズドな部族化、いずれも人間の本性の発露。どちらに傾くかで体制は決まる」
――楠木建(一橋ビジネススクール教授)

「『閉じる』ことを求める人が増えている今、本書が『開く』ための大きな勇気と知性を与えてくれる」
――山口周(独立研究者)

なぜ世界は「敵と味方」に分かれるのか?
なぜ人類はここまで繁栄したのか?
現代を覆う「未曾有の危機」を突破する方法とは?
私たち人類には、「オープン」と「クローズド」という、進化の過程で生まれた「2つの矛盾する本能」が備わっている。前者は見知らぬ他人やアイデアに積極的に心を開く本能であり、これが交易と文明を駆動してきた。そして後者は、家族や身内を守るために、世界を「敵と味方」に分け、「敵」を徹底的に攻撃する本能である。
そして――いま世界各国で起きている悲劇は、人間の「クローズド」な本能に拍車がかかる条件がそろってしまっていることによるのだ。
では、どうすればこの窮地を乗り越えられるのか?
ローマ帝国の興亡からトランプ以降の各国情勢にいたるまでの世界史を軸に、経済、ビジネス、テクノロジーの豊富なエビデンスを揃え、未来への確かな道筋を示す。全世界ベストセラーの希望の書。


「どんな人間も、どんな社会も、みずからが抱える問題を『独力』で解決できるほど賢くもなければ立派でもない。物事や他人のアイデアに対して徹底的に『オープン』であること――これがウェルビーイング実現のたった一つの道だと、ヨハン・ノルベリは明快に教えてくれる」
――スティーブン・ピンカー(ハーバード大学教授、『暴力の人類史』『21世紀の啓蒙』)

「コロナ後の世界では、『オープンであること』がかつてないほど重要になる。開かれたマインドセット、開かれた精神、開かれたコミュニケーション、開かれた市場。『開かれていること』こそが、1万年にわたる人類の成功のカギであり、今日の繁栄と平和の秘訣である。ヨハン・ノルベリは本書で、圧倒的な実例をもとにこのことを証明してみせた」
――マット・リドレー(『繁栄』『人類とイノベーション』)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

前半はOPENな社会とその効用について歴史的に振り返り、後半はそれに対する抵抗勢力やオープン性が継続しない理由についての考察となっている。
個人的には、主にネットやSNS等で絶えない紛争について、なぜそのような分断が深刻化するのか俯瞰的に眺めた箴言に膝を打った。

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2023年01月09日

Posted by ブクログ

オープンの良さとオープンにできない要因が共感。内容を急いで知りたい人は山崎さんの訳者後書を読むと要点分かります。

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2022年07月23日

Posted by ブクログ

歴史上、新たな技術などの”異質なもの”に対して「オープン」な姿勢で接した国家が成功してきた反面、それらの国々がいつしか「クローズ」になり、没落していったのはなぜか。人間の進化の過程を遡ってその要因を明らかにし、現代社会に影を落としつつある「クローズ」の脅威に立ち向かう方策を提唱する啓発書。

著者は、かつての古代ギリシャやローマ帝国から、8世紀以降のイスラム諸国、宋代の中国や近代オランダ帝国に至るまで、歴史上「帝国」と呼ばれた国々に共通する成功の根本要因は、”他所者”たちと能動的に交流する社交性や、それらがもたらす異文化や新技術などを認める寛容性と、既存の価値観に捉われずに新たなものを積極的に学び、模倣して取り入れる柔軟な精神にあったと分析する。

しかしそれらの国々が様々な要因で政治的・経済的に行き詰まると、社会生活が「ゼロサムゲーム」であった旧石器時代以来の人間の本能が呼び覚まされ、人々は”仲間”(オレたち)と”他所者”(ヤツら)を区別して後者を敵視し排外的になるとともに、未来の不確実性を嫌う一方で過去を美化し、古い安定的な価値観に執着するようになり、最終的には国全体が衰退することになるという。

著者は、17世紀以降のヨーロッパ啓蒙主義とイギリスの産業革命、それに続くアメリカを中心とした現代社会の繁栄が、今のところ歴史上「唯一の例外」であるが、それが今後も継続するかどうかは、「保守 vs リベラル」ではなく、「オープン vs クローズ」の対立軸を乗り越えられるかにかかっており、我々一人ひとりが本能的なクローズの誘惑を克服する必要があると説く。

誰もが頭では理解しているオープンさの重要性、それでも時にクローズになってしまう要因を、人類の歴史や人間の本能といった観点から丁寧に紐解き、説得力のある理論を展開しており、翻訳者のあと書きも含めて、「オープン」を読者一人ひとりが自分事としてより深く考えるきっかけとなる良書。

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2022年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「オープンな社会の方がクローズな社会よりも望ましい」という直感的にも納得感のある主張を、歴史を振り返りながら検証していくと同時に、なぜ人類はオープンな社会を維持できないのか/維持するにはどうすればいいのかについても考察された本。

人は、共感しやすい内集団と攻撃的に振る舞いがちな外集団をつくりだすが、内集団を広げて、多様性をどこまで取り込めるかが、オープン性にかかっているような気がした。
この内集団と外集団の境界は簡単に変化するもので、外集団と接して共通点を見つけるだけでも内集団は広がるし、逆に内集団内で疑心暗鬼が広がるだけでも内集団は狭まる。
オープン性を維持する方法は、シンプルに、外集団との接点を持つことと、内集団内での風通しをよくすることかもしれない。(もちろん、組織が大きくなればなるほど、このシンプルなことをやる/やり続けることは難しくなるが。。。)

あとは、ゼロサム思考が蔓延らないようにするということかもしれない。外集団の得は内集団の損というゼロサム思考は、なんとなく正しい気がしがちだが、必ずしもそうではない。(移民という外集団によって、仕事が奪われる/犯罪が増えるといった話は、数字を見ると必ずしも正しくない)
自由貿易や感染症に対するグローバルな対応等、オープン性を追求することで非ゼロサムの実現に繋がることに注目する必要がある気がした。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

OPENでいられることが社会を進化させるマインドセットであると読み取れた。それを様々な事例から説明し納得感が得られた一方で、社会が閉鎖的であると衰退を招く点についても同様に高い納得感のある筆者からの示唆を感じる読後感がある。
変化を恐れ忌み嫌うのではなく、それを所与のものとして受け入れる度量を持つべきと思えたのがこの本からの学びであった。

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2024年07月12日

Posted by ブクログ

■■概要・感想■■
○人類の歴史を振り返ったときに、OPENさを基調とした組織は発展し、クローズドな組織は発展しなかった。その実例たんまりで解説した本。
○これとFACTFULLNESSとを続けて読んだことで、自分の常識が古くて間違ったていたり、懐古主義だったりすることに気づくヒントを得られた。
OPENであることの重要さとともに、Closedになってしまう心境、本能、実例などがある。両方の側面から見ることで、それでもOPENでいることは大事。というか、今まで成功した事例は、ホントはclosedにしたかったけど、openにせざるを得なかったという状況が、全体のレベルアップに貢献したということになったのだと感じた。

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2023年08月08日

Posted by ブクログ

自由でオープンな方がいいよね、という考え方に反対する人はそんなにいないはず、だけど一方で自分たちとは違う人たちを排除しようとしたり線引をして仲間とそれ以外を分けたくなる衝動も内に秘めている。
オープンだという自覚には疑いを持ったほうがいい。どこかでクローズドへの憧れや欲求のようなものが実はあるのかもしれない、と思っているくらいが、丁度良いのかもしれない。

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2022年07月17日

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