山形浩生のレビュー一覧

  • 服従の心理

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    人類必読だと思う。読まずには死ねない本

    誰もが知っているミルグラム実験だが、電気刺激を与えるといったことや権威へ安易に服従してしまうことを示したくらいのことしか殆どの人は知らないだろう。

    本書を読めばこの実験が多くの変数を設定していて、社会の根幹をなす権威と行動について、改めて多くの気付きを得られることだろう。

    実験の解釈については、ありきたりで俗なものなので、時間がない方は、実験部分だけ読むことをお勧めする。

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    2021年02月06日
  • 21世紀の資本

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    「資本収益率が経済成長率を上回っている状態だと、どんどん格差が拡大していく」ということの問題点と解決方法が提示された本。
    私個人的には格差社会などの社会問題が極限の状態にまで行きついたら、暴動や反乱、カリスマ指導者によって現状が打破されるといったイメージがあるが、著者は歴史的事実と彼が考えた合理的な制度の提案で解決方法を述べている。
    自分の生活を豊かにするために資本収益に手を伸ばしてもいいが、その一方で貧しくなっていく人もいることになる現在の経済のありかたに疑問を持たなければという視点が生まれる一冊でした。

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    2020年10月10日
  • プロトタイプシティ 深センと世界的イノベーション

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    自著で、「メイカーズのエコシステム」から5年経っていろいろアップデートされている。

    個人的に「メイカーズのエコシステム」との間で順位や優劣はつけられないのだけど、同人誌&現場ルポ的な「メイカーズのエコシステム」に対して、「プロトタイプシティ」はプロ編集者の高口さんを中心に、ライブ感を残したままうまく体系化・抽象化に成功しているように思う。

    僕としても、「高口さんがまとめるに足る本を作る」というのが一つのテーマで、全体としてバンドっぽいデキになったとおもう。

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    2020年08月10日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    タイトルの通り経済学についての本だが、人間の行動心理について書かれている部分も多くあり、そこが私にとってはとても興味深かった。

    特に「時間不整合性」や「豊かな国に住む者は眼に見えないあと押しに囲まれて生活している」という二つの事実は、今後もずっと覚えておきたいと思った。
    まず一つ目の時間不整合性は単純に言うと「今チョコレートを食べるのを我慢できないのに、来年にはダイエットに成功しているはずと思っている」ようなことで、これはとても身に覚えがある!いつも将来に過大な目標を立ててしまい、一方で現実は全く努力ができていない。いつもそう。
    それは私がとんでもなく怠け者のせいなのかと思っていたが、人間す

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    2020年07月20日
  • 雇用、利子、お金の一般理論

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    経済学史における三大古典一つであるが、
    既存の日本語訳が難解あるいは不正確であるという山形氏の判断で、
    ネット上に全訳・要約した文章を書籍化したもの
    でもケインズ自体が悪文家なので結局難解

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    2020年07月12日
  • ヴァリス〔新訳版〕

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ難解なカルト小説だった。チャットのグループの読書会で皆で考察し合えたのが楽しかった。自分の考察を書いておきます(正しいか間違えてるかは置いといて)。登場人物皆狂ってますが色んな解釈ができて楽しめる作品です。読むのキツいですけど。

    ヴァリスとは生きた情報システムであり、時間の概念を持たず色んな時代、空間を行き来できるものだと思っています。時間だけでなく空間も存在しないとは、色んな場所を行き来できるということだと解釈しました。

    個人的に思うことだけどファットによる世界の考察は割と始めに集約されていると思う。
    この世界全体は非理性で構成されており、理性的なものはヴァリスだけ。多分我々

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    2020年07月10日
  • ナチス 破壊の経済 下――1923-1945

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    下巻の本書では、第三帝国の第二次大戦での、初めての大勝利だった対フランス戦から、同帝国崩壊までを著しています。上下巻でそれぞれ700ページ以上あったので、まず読み終えた達成感があります。ナチスに関する事前の予備知識は殆どなかったものの、訳者あとがきで現在でのナチスに関する各専門家の一般的な考察も大雑把ではありますが読めたので、本書の革新的なナチス経済の見解との違いをよく知ることができました。補遺にあるように多くの経済的な数値から導き出される当時の連合軍相手に戦った時のドイツの逼迫した経済状況は、もはや異常なものであり、国自体が日を増すごとに衰退していく様子がはっきりと分かります。本書は、ナチス

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    2020年03月15日
  • 服従の心理

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    有名な「アイヒマン実験」。「服従の本質というのは、人が自分を別の人間の願望実行の道具として考えるようになり、従って自分の行動に責任をとらなくていいと考えるようになる点である」まさに、ブラック企業に蔓延るクラッシャー上司がこれにあたる。自ら考える(疑いを持つ)力が必要な時代である。

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    2020年03月15日
  • スノーデン 独白 消せない記録

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    【ぼくの世代がやった作業は諜報作業の再編と改良にとどまらない。諜報とは何なのかを完全に定義し直したのだ。ぼくたちにとって、それは秘密会合だの秘密情報交換場所だのの話ではなく、データについての話なのだった】(文中より引用)

    アメリカ諜報界による大量監視について告発し、現在はモスクワで亡命生活を送るエドワード・スノーデン。彼が自らの生い立ちとともに、なぜそのような「謀叛」を起こすに至ったかを振り返った作品です。訳者は、シンクタンク勤務の傍ら翻訳業を営んでいた山形浩生。原題は、『Permanent Record』。

    波乱に満ちた半生や内部告発に至る過程の叙述はストーリーとして抜群に興味深いのです

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    2020年03月09日
  • スノーデン 独白 消せない記録

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    ネタバレ

    内部告発者として有名となったスノーデンについて、一人の人間としてのストーリーを伝えている本。いかに自分たちと共通する部分があるか、そしていかに強い信念と勇気、頭脳と愛情を持った人間であるか、ということを印象付ける。

    国家が永久に私たちのプライベートな情報までも記録として収集し保管している、この事実への危機感や疑念を、あらためて抱く。本で書かれているように、2013年から法律や人々の意識の点でもよい変化がもたらされている一方で、より専門性を高め複雑化する政治と技術の関係性に、一般市民はどこまで何を知らされて、また何を知る必要があるのか、と不安にもなる。

    社会の中でシステムの不全はいたるところ

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    2020年03月08日
  • 服従の心理

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    人間は人としての責任を忘れてしまう事がある。
    誰かに服従した時、服従した人に対する責任を持ち、
    自分自身の行動に一切の責任を持たなくなる。
    それが、人を殺してしまう結果になっても。
    これを、エージェント状態と言う。
    そうならないために、何をすべきか、そして、
    どうやってこの心理と上手く向き合っていくのか。
    使い方次第で、人を幸せにすることもでき、人を不幸せに
    することも出来るこの服従の心理、
    あなたには使いこなせるか。

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    2020年02月29日
  • 服従の心理

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    ミルグラムの電気ショック実験。
    これは、ナチスのアイヒマン実験とも呼ばれ、権威者による命令が個人を従属させ、殺人のような重大な結果をもたらしかねないことをシミュレーションしたもの。

    解答者(役者)、被験者、指示者において、
    ある単語の問題に対し、回答者が不正解だった場合、その被験者は低い電圧から徐々に大きいで電圧(疑似)電気ショックを与えていく経緯について分析した実験。

    それぞれが置かれた立場、ヒエラルキー、権威によってどのような結果となる傾向なのか分析した実験。
    『典型的な兵士が殺すのは殺せと言われたからで、かれは命令に従うのが自分の義務だと心得ている。被害者に電撃を加える行動は破壊的な

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    2020年02月24日
  • スノーデン 独白 消せない記録

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    読みやすい文章と(技術解説は除く)ストーリーはまるでスパイ映画を観ているようだ。インターネットに載せた個人情報は保護されるなど思うな、という怖いことをリアルに警告される。G.オーウェル 1984年 は所詮昔書かれたフィクション。これは現在進行形の事実。

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    2020年02月24日
  • ナチス 破壊の経済 上――1923-1945

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    これは、凄い一冊です。上巻の本書ではヒトラーが総統に就任する直前からの1940年までのナチスドイツの経済状況を詳細なデータを基に、分析しています。例えば、ヒトラーの公共事業では高速道路の「アウトバーン」が有名ですが、それも詳細な雇用データによると、公共事業と呼べるほどの雇用は生み出しておらず、経済政策としては、殆ど成り立っていないことが本書では分かります。その他、ドイツが常に外貨不足で苦しんでいる状態で、幾つもの苦肉の策を編み出しては、失敗していく様が詳細に著されており、只々瞠目しました。蛇足ですが、本書の文章はやや難解な印象を受けるので読みにくさを感じる方は多いかもしれません。

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    2020年02月21日
  • ハードウェアハッカー~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険

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    この本はスタートアップや雑誌Makeで活躍するエンジニアが書いた本です。
    著者は、中国での量産の経験を持ち、デジタル製品に関する中国のエコシステムに造形が深い方です。
    中国での量産に関心のある人が読めば、たくさんの知見が得られるでしょう。また、彼は、ICやSDカードのみならず、ウイルスの遺伝子まで「ハック」する世界屈指の「ハードウェアハッカー」です。
    私は、彼のようになりたいと思います。この本を読んで、自分で壁を作らないようにいろんなことに挑戦しようと思いました。

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    2020年02月13日
  • 21世紀の資本

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    世界的ベストセラー本、話題にもなった。
    労働生産性と資本収益率について、論じている。
    世界的な税制を考えるきっかけとなった本。

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    2020年02月08日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    2019年にノーベル経済学賞を受賞した、インドの経済学者アビジット・バナジーとフランス人経済学者エスター・デュフロ(二人はご夫婦だそうです)の共著のこの本を頑張って読んでみました。
    この本では経済、教育、農業、政治を通し、人間の心理まで考えます。
    言葉が非常に丁寧で、貧乏な国や地域の問題を読者の多くがいるであろう先進国の人たちも身近に感じることができるような説明になっています。

    そもそも「貧乏な国、家庭はずっと貧乏である」、つまり貧困の罠に囚われるということはあるのかということは、長年議論されています。
    貧しいことに対して他者(他国)からの援助は必要なのか。この問題は「貧困に囚われているなら

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    2020年01月26日
  • 21世紀の資本

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    富の分配について、歴史的な観点から分析を行っています。ややこしい数式はさておき、資本所有における格差の大きさがポイント。ピケティ現象が政策に反映されることはあるのだろうか。

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    2020年01月08日
  • MONEY もう一度学ぶお金のしくみ

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    非常に有益な一冊でした。我々が使っているお金(不換紙幣)とは何なのか、金本位制とは、などのお金がたどってきた歴史から、お金にまつわる中央銀行の歴史や同組織がどの様にして紙幣を扱い、経済をコントロールしているかなどが分かり易く理解で来ました。個人的に大きかったのは、預金準備率の意味と大体の役回りが分かったことです。雑学的な話としては、大きな石のお金はどの様に使うのかという話が印象に残りました。納得の一冊です。

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    2020年01月06日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    2015年に読んでいたことが判明したので再読だったようだ。貧困問題に止まらず、様々な社会問題について、考えさせられるきっかけが豊富に含まれている。原書発売から10年を経ているが、色あせるどころか全く古びていないのが素晴らしい。

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    2020年01月05日