山形浩生のレビュー一覧
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タイトルの通り経済学についての本だが、人間の行動心理について書かれている部分も多くあり、そこが私にとってはとても興味深かった。
特に「時間不整合性」や「豊かな国に住む者は眼に見えないあと押しに囲まれて生活している」という二つの事実は、今後もずっと覚えておきたいと思った。
まず一つ目の時間不整合性は単純に言うと「今チョコレートを食べるのを我慢できないのに、来年にはダイエットに成功しているはずと思っている」ようなことで、これはとても身に覚えがある!いつも将来に過大な目標を立ててしまい、一方で現実は全く努力ができていない。いつもそう。
それは私がとんでもなく怠け者のせいなのかと思っていたが、人間す -
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ネタバレめちゃくちゃ難解なカルト小説だった。チャットのグループの読書会で皆で考察し合えたのが楽しかった。自分の考察を書いておきます(正しいか間違えてるかは置いといて)。登場人物皆狂ってますが色んな解釈ができて楽しめる作品です。読むのキツいですけど。
ヴァリスとは生きた情報システムであり、時間の概念を持たず色んな時代、空間を行き来できるものだと思っています。時間だけでなく空間も存在しないとは、色んな場所を行き来できるということだと解釈しました。
個人的に思うことだけどファットによる世界の考察は割と始めに集約されていると思う。
この世界全体は非理性で構成されており、理性的なものはヴァリスだけ。多分我々 -
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下巻の本書では、第三帝国の第二次大戦での、初めての大勝利だった対フランス戦から、同帝国崩壊までを著しています。上下巻でそれぞれ700ページ以上あったので、まず読み終えた達成感があります。ナチスに関する事前の予備知識は殆どなかったものの、訳者あとがきで現在でのナチスに関する各専門家の一般的な考察も大雑把ではありますが読めたので、本書の革新的なナチス経済の見解との違いをよく知ることができました。補遺にあるように多くの経済的な数値から導き出される当時の連合軍相手に戦った時のドイツの逼迫した経済状況は、もはや異常なものであり、国自体が日を増すごとに衰退していく様子がはっきりと分かります。本書は、ナチス
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【ぼくの世代がやった作業は諜報作業の再編と改良にとどまらない。諜報とは何なのかを完全に定義し直したのだ。ぼくたちにとって、それは秘密会合だの秘密情報交換場所だのの話ではなく、データについての話なのだった】(文中より引用)
アメリカ諜報界による大量監視について告発し、現在はモスクワで亡命生活を送るエドワード・スノーデン。彼が自らの生い立ちとともに、なぜそのような「謀叛」を起こすに至ったかを振り返った作品です。訳者は、シンクタンク勤務の傍ら翻訳業を営んでいた山形浩生。原題は、『Permanent Record』。
波乱に満ちた半生や内部告発に至る過程の叙述はストーリーとして抜群に興味深いのです -
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ネタバレ内部告発者として有名となったスノーデンについて、一人の人間としてのストーリーを伝えている本。いかに自分たちと共通する部分があるか、そしていかに強い信念と勇気、頭脳と愛情を持った人間であるか、ということを印象付ける。
国家が永久に私たちのプライベートな情報までも記録として収集し保管している、この事実への危機感や疑念を、あらためて抱く。本で書かれているように、2013年から法律や人々の意識の点でもよい変化がもたらされている一方で、より専門性を高め複雑化する政治と技術の関係性に、一般市民はどこまで何を知らされて、また何を知る必要があるのか、と不安にもなる。
社会の中でシステムの不全はいたるところ -
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ミルグラムの電気ショック実験。
これは、ナチスのアイヒマン実験とも呼ばれ、権威者による命令が個人を従属させ、殺人のような重大な結果をもたらしかねないことをシミュレーションしたもの。
解答者(役者)、被験者、指示者において、
ある単語の問題に対し、回答者が不正解だった場合、その被験者は低い電圧から徐々に大きいで電圧(疑似)電気ショックを与えていく経緯について分析した実験。
それぞれが置かれた立場、ヒエラルキー、権威によってどのような結果となる傾向なのか分析した実験。
『典型的な兵士が殺すのは殺せと言われたからで、かれは命令に従うのが自分の義務だと心得ている。被害者に電撃を加える行動は破壊的な -
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これは、凄い一冊です。上巻の本書ではヒトラーが総統に就任する直前からの1940年までのナチスドイツの経済状況を詳細なデータを基に、分析しています。例えば、ヒトラーの公共事業では高速道路の「アウトバーン」が有名ですが、それも詳細な雇用データによると、公共事業と呼べるほどの雇用は生み出しておらず、経済政策としては、殆ど成り立っていないことが本書では分かります。その他、ドイツが常に外貨不足で苦しんでいる状態で、幾つもの苦肉の策を編み出しては、失敗していく様が詳細に著されており、只々瞠目しました。蛇足ですが、本書の文章はやや難解な印象を受けるので読みにくさを感じる方は多いかもしれません。
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2019年にノーベル経済学賞を受賞した、インドの経済学者アビジット・バナジーとフランス人経済学者エスター・デュフロ(二人はご夫婦だそうです)の共著のこの本を頑張って読んでみました。
この本では経済、教育、農業、政治を通し、人間の心理まで考えます。
言葉が非常に丁寧で、貧乏な国や地域の問題を読者の多くがいるであろう先進国の人たちも身近に感じることができるような説明になっています。
そもそも「貧乏な国、家庭はずっと貧乏である」、つまり貧困の罠に囚われるということはあるのかということは、長年議論されています。
貧しいことに対して他者(他国)からの援助は必要なのか。この問題は「貧困に囚われているなら -
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