訳がおかしくて理解できず、結局、洋書で読んだ方がわかりやすかった。
MIT Media Laboのジョイイトウによる、イノベーションを起こすには、スピードが求められる現代における大事なプリンシパルとは。
マップよりコンパスを。これが最もいい言葉だ。細かく計画していったとしても、結局修正修正。それであれば、コンパス、つまりは方向性をしっかり決めて、あとは全力で進む。途中、色々困難もあろうけど、それをその場で臨機応変に対応する。MBAホルダーが計画して、そこから金を集めて、デザイナー、エンジニアに作らせるのはBIつまりインターネット以前の話。インターネットが登場したあとは、イノベーションコストは限りなくゼロに近い。その環境下では、デザイナーやエンジニアがドリブンとなったイノベーションモデルが登場する。学生であっても、何かを生み出せるし、そのあとで金を集めて、最後にビジネスプランを立てるためにMBAを雇えばいい。ジョイさんは本当に面白い。シリコンバレーではもはやイノベーションが起きない、ファンドが集まっていてお金はあるが、人はグーグルに持って行かれて誰もいない。よって、大学のそばでイノベーションの卵を見つけて、お金はシリコンバレーで集める。そんなモデルもありじゃないか。自分の子供は小学校にはいれたくない。子供は、何かを作ったりするときに成長する。覚えることに時間を費やす意味なく、Wikipediaがあれば十分じゃないか。それより、質問すること、そしてそれをメンターとしてファシリテーターとして見守り進めてやる大人の存在、そして世代の違う人たちが交わることが大事。それは全て、日本の小学校ではできないと感じている。
ジャンルとしては経営、テックなのか分類が難しいが、シンプルな人生訓である。
この本(原題Whiplash: How to survive our faster future)の大前提として、ネットによる無数のコネクションと処理テクノロジーの発展により現代は変化のスピードが加速しており、予測は不可能だしトレンドに乗って安泰となることもない。その環境下を生き抜くすべがトップダウン、例えば一つの技能、権威、理論、方法論、ではなく、各人がやりたい方向を向いて、失敗を繰り返し、そこから学びながらやり抜くことである。
9つの原則は、権威より創発、プッシュよりプル、地図よりコンパス、安全よりリスク、従うより不服従、理論より実践、能力より多様性、強さより回復力、モノよりシステム。