山形浩生のレビュー一覧
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経済学における革命ともいえるケインズ大先生の「一般理論」要約版です。
ただ、要約版で読みやすいとはいえ、内容はちょっと難しい。
訳者の山形浩生さん(私はこの方の文体が好きです)も言うように、消費、需要、雇用、投資とかの相互関係が分かりにくく、内容がいささかとっちらかってるのも大きな要因かと。
しかしながら、現在の経済と経済学を支える重要な考え方がたくさん示されており、世界を変えた一冊という評価も大いに頷けるものです。
一般理論を理解するためのエッセンスとして、訳者あとがきにあるポール・クルーグマン先生の結論要約をちょっと引用してみます。
・経済は、全体としての需要不足に苦しむことがあり得るし -
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ネタバレ第1部 「Plurality」を“読まずに”読んだ体験として
本書を一文一文なぞるように読むのではなく、関連する理論や自分の実務経験と接続しながら“立体的に眺めた”というのが、今回の読み方だった。物理学の相対性理論や量子力学、三体問題、さらには生物学のエピジェネティクスといった、一見日常から遠い法則群が、実は社会や民主主義とフラクタルに相似である、という直感からスタートしている。そのうえで、自律分散システムやAI、インターネットの設計史(ウィーナー、リックライダー、ジンメル、八木・宇田アンテナ、光ファイバ)を、自分の手元のゲーミングPC上の環境構築や、自治体の「課長」の権限感覚と重ねながら読 -
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原題は「A Tract on Monetary Reform」というもので、「貨幣改革論」などとも訳されているようです。
ケインズ大先生が、かの「雇用・利子および貨幣の一般理論」(The General Theory of Employment, Interest and Money)を世に送り出したのは1936年ですが、本書はその13年前、第一次大戦後の1923年に発表されました。
当時は、一部の国において戦後の激しいインフレやデフレに悩まされていた時代であり、お金(貨幣)が経済に与える影響について考察する内容です。
特に目を引くのは、やはりインフレとデフレに対する考え方でした。
お金の価 -
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今回、私は「プルラリティ」という言葉がなかなか理解できませんでした。
また、audibleで聞き始めたので、難解な言葉や慣れないカタカナ単語が出てくると、わからないままどんどん進んでしまい、一周聞いただけではなかなか内容が頭に入ってきませんでした。結局、3、4周ほど繰り返し聞きました。
これまでの自分といえばまるでぎゅうぎゅう詰めの歩行者天国を流されるまま歩いていたような感覚でした。そして身動きできないことに疑問も持っていませんでした。この本が提示する「色々な考え方を認めながら、一つのより良い方向を見つけてゆく」という考え方はとても新鮮です。意見が違うは分断だと思って言いました。
ぎゅうぎゅ -
Posted by ブクログ
過去のロシアを風刺した寓話らしく、こんな世の中で本当にあるのかと疑いたくなった。もしあったとしたら過ごしたくないと率直に思った。本書を出版するのは大変だっただろうな、と思ったがに巻末に苦労が書かれており、著者の執念を垣間見れる。
特に気になった描写はことあるごとに発せられる羊のわめき声。最初は単なる賑やかしのように思っていたが、物語の後半のそれは意見を伝えようとする者に対しての妨害になっていく。発言の正しさではなく声の大きさや多さで正しさが決まる世の中は怖い。根拠のないデマがSNSで広がっている現代において同じことが起こりうると考えるとさらに怖い。ただ、そんな世の中と分かっていながら自身が何 -