【感想・ネタバレ】PLURALITY 対立を創造に変える、協働テクノロジーと民主主義の未来(サイボウズ式ブックス)のレビュー

あらすじ

全世界で大反響!
米TIME誌でも取り上げられた話題の書の日本語版が、サイボウズ式ブックスから遂に刊行!

「PLURALITY」は、台湾の初代デジタル発展省大臣オードリー・タンとマイクロソフトの首席研究員にして気鋭の経済学者グレン・ワイルという世界のトップランナーが提唱する、新たな社会のビジョンだ。
「プルラリティ/多元性」―――それは、「シンギュラリティ/単一性」とは異なる道。対立を創造に変える、協働テクノロジーともに歩む未来。

【権利】【通貨】【コミュニケーション】【投票】【市場】【メディア】【環境】【学習】【政策】……起こり得る未来を全検証した一冊です。

訳:山形浩生…世界的ベストセラー、トマ・ピケティ『21世紀の資本』の訳者として知られる翻訳家
解説:鈴木健…『なめらかな社会とその敵』著者であり、スマートニュース株式会社取締役会長


世界はひとつの声に支配されるべきではない。

対立を創造に変え、新たな可能性を生む。
プルラリティはそのための道標だ。

空前の技術革新の時代。
AIや大規模プラットフォームは世界をつなぐと同時に分断も生んだ。
だが技術は本来、信頼と協働の仲介者であるべきだ。

複雑な歴史と幾多の分断を越えてきた台湾。
この島で生まれたデジタル民主主義は、その実践例だ。
人々の声を可視化し、多数決が見落としてきた意志の強さをすくい上げる。
多様な声が響き合い、民主的な対話が社会のゆく道を決める。

ひるがえって日本。
少子高齢化、社会の多様化、政治的諦観……。
様々な課題に直面しながら、私たちは社会的分断をいまだ超えられずにいる。

しかし、伝統と革新が同時に息づく日本にこそ、照らせる道があると著者は言う。

プルラリティ(多元性)は、シンギュラリティ(単一性)とは異なる道を示す。
多様な人々が協調しながら技術を活用する未来。

「敵」と「味方」を超越し、調和点をデザインしよう。
無数の声が交わり、新たな地平を拓く。
信頼は架け橋となり、対話は未来を照らす光となる。

現代に生きる私たちこそが、未来の共同設計者である。

《著者からのメッセージ》

真の調和とは差異を避けることではなく、多様な声を積極的に束ねて共通の目標へ向かうことにある。日本こそが、次なる道を照らし出す存在になり得ると強く信じている。
ーーーオードリー・タン

プルラリティは、世界中のめまいがするほど多様な文化から引き出した伝統を、完成させ、折り合わせ、慎重にハイブリッド化して改善するという昔ながらの日本の誇りと共鳴するものだ。
ーーーE・グレン・ワイル

《各界から賛同の声が続々!》

『PLURALITY』は、いま日本で読む価値のある本である。読者には、「社会的差異を超えたコラボレーション」として本書を日本の文脈に取り入れ、発展させることが求められている。
ーーー鈴木 健(『なめらかな社会とその敵』著者)

多元性という広大無辺の広がりの中で、それぞれの生命は唯一無二の尊い存在である...外部の状況がいかに危ういものであろうとも...分かち合う善の種が大地を突き破り、共感、喜び、調和の花へと開花するよう、積極的に行動しよう。
ーーーチベット ダライ・ラマ14世法王

民主主義は相反する価値観の対立であった。しかし台湾では、民主主義は多様な価値観の対話となっている。オードリー・タンは、イデオロギーの制約を超越した「デジタル・デモクラシー」を創造する方法を示してくれた。
-ーーー蔡英文 中華民国前総統(台湾)

技術的に進歩し、政治的に挑戦的で、急速に進化する21世紀において、自由で開かれた未来とはどのようなものだろうか?グレン、オードリー、そして共著者たちは、説得力のある展望を提示している。
ーーーヴィタリック・ブテリン イーサリアム創設者

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Posted by ブクログ

ようやく読んだ!多分1/3も理解していないです。
でも恐らく今後の人生でこの本を思い出すことは多いでしょう。「あーこれPluralityで言ってた思想、あるいは技術だ! 」と。

しかし、半信半疑なところもある。それは人の主体性を信じすぎてる気がするところだ。自分は民主主義を無意識化する成田悠輔の思想もPluralityの一翼を担うと思う。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

本書の示す「PLURALITY」は多元性という意味を通り越して差異のある社会の成員がコラボレーションするための技術であると述べる。民主主義や資本主義の行き止まりにあるかのように感じられる現代社会と、シンギュラリティを目の当たりにしている現代の情報技術をつなぐ「PLURALITY」によって、歴史の終わりの終焉を乗り越えた新たな協働社会を築くため本。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

かなり難しい。
数カ月間少しずつ読み続けていて途中で読むのを諦めようかと思ったが、理解できない部分は軽く流して最近一気に読破した。

技術の背景には思想が絡んでいるという話は、意識したことがなく新鮮だった。

人類は立ちはだかる困難をコラボレーションによって乗り越えていけるという、希望を持たせてくれる内容だった。

Talk to the city使ってみようと思う。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

率直に言うと難しい、難解である。その上でボリュームも600ページ以上あり心理的ハードルも高い。
もちろん自分の理解力の無さが原因である。
思想、学術用語が多用されており、また言葉以外の背景や文脈を共有している度合いが高く、技術科学的概念が詳細説明無く使われており、理解が難しい。
最後に鈴木さんの解説があり、その要約が一番分かり易いかもしれないが、出来れば時間をかけて(多分一ヶ月以上は余裕でかかりそう)でも本文を理解したいと思った。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

難しい。
そしてボリュームがすごい。
だからこそもう1回読みたい。

ITと社会の将来ビジョンを描いているのだけど、カバーされる分野が多くて、一度じゃ理解できなかった。

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

PLURALITY多元性 オードリータン他
サイボウズ式ブックス
本文だけでもこの550ページに及ぶ
紙による本は3,000円だけれど
本来の公式サイトでダウンロードすれば
日々更新する生きた最新版に無料で参加できる
時代を先取りした最初の一行目から
「目から鱗」の異次元では無いか‼︎

コンピュータもインターネットもSNS も
軍事用に開発されたものだしそのルールや仕組みを作る管理者がそこから生まれる情報も富も権力も独り占めして格差社会を広げ中央集権体制を広げてきた

しかし一方でシンギュラリティと呼ばれるAIが管理者の手を離れて自己管理するようになると民衆も解放されて
競争原理社会から逃れお互いの分断が解けそれぞれの多様な存在を確認し合い相乗効果を発揮して切磋琢磨の環境を生み出すだろうと私は思う
さて
この本を囲むコミュニティではどこへ向かうことになるだろうか?

二章では突然台湾の歴史が語られだし
それがあまりに綺麗事なのに驚きをおぼえ
流し読みして先へと進む

三章では本題であろう多元生に踏み込む
この分厚い本が言いたいのはつまり
この相対性三次元時空間には何一つ決まったものなだ無く常に全てが有機的に変化をしつつも全体と部分がフラクタルに調和していると言いたいのだろう
神も仏も悪魔も全ての答えを含んだまま
1成る無限を創造していると言うことなのだろう
この本はそこに辿り着く具体性を持ったプラットフォームをここに作り
みんなで模索し続けて行こうと言う提案なのだろう

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

社会に対しての技術の方向性
・テクノクラシー:AIの可能性を重視し、それに社会を適応させる
・リバタリアニズム:暗号とネットワークコミュニティが政治・組織に替わり、
          規制から解放され自由市場に個人が参加できる

全要素生産性の停滞要因
・テクノクラシーに起因
 →技術進歩が自動化に向かい、労働力を補う方向になっていない
・リバタリアニズムに起因
 →政策が積極的な産業発展の構築を止め、自由市場任せにしてしまっている

デジタル民主主義のプロジェクト
・零時政府/g0v(ガブゼロ):オープンソース・自ら実施・公共性
政府のデジタルサービスの品質・データの透明性に不満
  →市民ハッカーが政府Webサイトのデータ表示・インタラクションを変革
   →オリジナルよりも人気になり政府でもサービスに取入れ
    →技術に明るくない市民団体を活発な市民ハッカーと交流させる
 

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

何回であった。幾度もところどころ読み返しても、頭に入ってこず。、「社会的差異を超えたコラボレーションのための技術」について今までとこれから期待されること(懸念されるととも)をわけて、解説をしているのだが、鈴木健の日本語版解説で何とか、ぼんやりと掴んだか、という感覚。自分の理解が、ちょっと頼りない。ただ、これは別のところは引っ張ってきた知見だが、ICTがInformation Communication Technologyという頭文字なのが、これからはInnovation Collaboration Technologyと取り替えたほうがずっとしっくり来るだろうな、ということは納得できた。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

> 社会世界は、孤立した個人の無秩序な寄せ集めでもなければ、一枚岩の全体でもない。むしろそれは、個人アイデンティティと集合的組織の両方を特徴づける、多様で交差する帰属性が織りなすものだ。(3-0 プルラリティ(多元性)とは?)

PLURALITYの思想には共感する。一方で、この思想に世界全体が染まる日は来ないだろうと感じた。

> 文明の最大の価値は、生活手段をもっと複雑にすること、つまり、人々が衣食住を持ち、あちこちに移動できるように、単純で無秩序な知的努力ではなく、大きく統合された知的努力が必要となることなのだ。(3-1 世界に生きる)

それぞれの人が知的努力を義務として必ず行う社会はどのようにしたら実現できるのか。

さまざまな観点からPLURALITY的な視点や技術を与えるカタログ的な文章が並んでおり、勤勉で多元的な社会に共感を示して語ることのできる人々だけが想定され、現実の厳しさや悪意に対抗するための方法論が欠如している。

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2025年06月08日

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