山形浩生のレビュー一覧
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「アベノミクス」という言葉を耳にしたことがないという人はもはやいないと思います。ではアベノミクスって具体的にどのような戦略なのかを語れるか、というとかなりの方が「難しいよね」と言うのではないでしょうか。
そのような方に読んで頂きたいと思いました。
ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン教授の名は、ある程度、経済や金融に親しんでいる人にはなじみがあるかと思いますが、一般の方に定着しているほどではないと(私の肌感覚ですが)思います。
本書は、口述されているせいか、とてもわかりやすいです。
アベノミクスの功罪が議論される中、どちらに手を挙げるにしても、アベノミクスをきちんと理解していなければなりません。現在の経済政策や金融政策は、どういう理論を基にし、どういうゴールを目指しているのかを知るために、本書は一助になると思います。
逆に、普段から経済ニュースに触れ、エコノミストの主張に耳を傾けている方には、平易すぎて面白くないかもしれません。
本書を読んでの感想については、私個人的には、財政出動のやり過ぎはごめんだと思ってはいるものの、ケインズ派であるクルーグマン教授の主張も一理あるなとも思います。
期待が人を動かし、その結果、実体経済が動くのであり、まずは将来に期待を寄せることが大切だとのこと。確かにそうだと思います。人々の期待が変わらず将来への不信感だらけであれば、どんなに頑張っても経済は良くならないからです。
ケインジアンへの批判に対して、反論を説明していますので、アベノミクスを快く思わない方も反対意見として一読されることをお勧めします。
なるほどと思った個所は、「平常時は現場の人の持論で良く、非常時には学者の意見が参考になる」という記述です。確かに、実務面での経験が生かされるのは、それに似た状況を経験した現場の人間です。誰もが未経験の環境では、学術研究に耳を傾けることも必要だな、と気づかされました。 -
Posted by ブクログ
ノーベル経済学者のクルーグマン教授いわく、デフレを脱却して景気回復するには、ケインズ的な財政出動で赤字国債を大量発行し、公共投資を行うしかない! 過去20年にわたってデフレの不景気が続き、ゼロ金利で金利操作もできない流動性の罠そのものにはまっている日本で、公共投資を減らして、事業仕分けで節約して、縮こまっていてどうする!
巨額の財政赤字が将来のツケになるかって?? 戦後アメリカが負った1250億ドルの債務は、当時のGDPの120%に達していたが、今では1250億ドルなどGDPの1%にすぎない。つまり、アメリカは赤字国債の借金を全く返さずに、15兆ドルの経済規模に成長した。要は、経済成長とインフレで、国の借金はチャラになったわけである。 日本だって、明治維新のときの赤字国債依存は80%もあったし、戦時中もGDP比200%近い債務を負っていた。国はその借金を返したことはないのである。
インフレになったら購買力は下がるけど、デフレで額面の賃金カットをされるより、よほどマシだ。毎年下がる給料で280円の牛丼食べるより、毎年少しづつでも昇給して、400円の牛丼食べたほうが、労働者にとっては幸せだろう。計算するとバカかもしれないが、お金の購買力がインフレで下がっても、会社や上司に文句を言う労働者はいない。
ギリシャやスペイン、イタリアは自国通貨を放棄してしまったため、通貨を切り下げることができないから、労働者の賃金カットでしか競争力を回復できない。ギリシャやスペインは自国の中央銀行を持たないから、デフォルトの恐れがあって、投資家がパニックになる。 日本は自国通貨であることが決定的に違う。アメリカではFRB、や日本では日銀(中央銀行)が赤字国債を買い続ければ、国家のデフォルトなど起こらない。 日本の国債は、国の債務がGDP比200%に達していても、10年もの国債の金利が1%にすぎないのは、デフォルトのリスクがないからだ。
日本がジンバブエみたいなハイパーインフレになるかって??? -
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サイバー空間というものが非常に曖昧であり、その曖昧さが実体空間の法の持つ曖昧さをも浮き彫りにした。それからどうするのか、というのがここでの議論となるのだが、コードがサイバー空間の法であり規制でもあるが規範ではないという点を理解して議論しなければならない。また、規制するのは法だけでなく市場も規制するという点も理解しておかなければならない。さらに「コードを書くのは誰か?」という問題もあって一筋縄ではいかない。そして「自由とは何か?」「民主主義とは何か?」という問題にまで発展してしまう。
サイバー空間における法のあり方についてのかなり深い議論がなされており、また範囲も非常に広いため一読しただけではなかなか理解するのは難しい。しかし読み終わった後の名状しがたい不安感こそが筆者の求めるまず最初のものではないかとも思う。 -
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ノーベル経済学賞も受賞したクルーグマンの最新著書。リーマンショック以来の経済の低迷に対する処方箋を平易な文章で訴えるもの。主張は単純明快で、政府はより積極的な財政出動を行うべきであり、中央銀行は更なる金融緩和を行おうというもの。議論の中心はあくまで米国経済であるが、ギリシアなど南欧諸国の債務危機に陥った欧州と失われた10年(20年?)に苦しむ日本といった先進諸国全てに当てはまるものとして議論を展開している。著者の現状認識は米国においては、オバマ政権成立後のリーマンショックに対する財政出動があまりに小さかったこと、バーナンキ率いるFRBの実施した量的緩和が中途半端であるとしている。バーナンキに対しては日銀の金融緩和が不十分だと学者時代に主張していたのに、FRB議長になった当の本人が学者時代の主張を実行できていないと痛烈に批判されている。一方で、これを逆手に緊縮財政と金利上昇を目論む人々(ようは米国内の共和党支持者)を彼らの理論が如何に間違っているかを彼らの主な主張を取り上げ論破を試みている。
読み物としては基本的な経済の理論(高校の政治経済で習う程度の知識)を持ち合わせれば容易に理解できる内容であり多くの人に勧めることのできる一冊である。 -
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ネタバレ著者のポール・クルーグマンを知ったのは以前NHKで放送されていた番組でした。
失われた20年といわれる不況を脱しきれない日本に対しての分析と対処法を分かりやすく語っていました。
なかでも印象的だったのは
「私は天皇陛下に謝らなければならない。」
という言葉です。
90年代の日本はバブルが崩壊して不況のまっただ中にいました。
当時プリンストン大学の教授で現FRB議長であるベン・バーナンキは日銀が採るべき具体的な行動を主張したのです。
同じようにクルーグマン教授も日銀の行動を批判していたわけですが、実際にバーナンキが日銀と同じ立場(FRB議長)に立ってみると当時の日本と同じようなことしかできていない。
だから日本謝れというのです。
第三者の立場から物をいうのと実際に当事者になって行動するのとでは
まったく違うということです。
ただ、だからといって当時の日銀が正しかったというわけではありません。
気持ちは理解できるようになったと言っているのです。
また厳密にいえば、謝るのは天皇陛下ではなく日銀総裁に対してなのですが、
そこは彼なりのユーモアなのでしょう。
文体も経済書独特の専門用語も極力使わず、口語体で書かれているので経済の知識がなくても十分に読んでいけるおもしろい作品になっています。
世界的な不況の原因は?
不況を脱するための方法は?
など今起こっている経済状況に少しでも疑問がある人はぜひおすすめの一冊です。 -
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(いま流行りの)行動経済学の本です。ところで、書名にもなっているアニマルスピリットとは、安心、公平さ、腐敗、貨幣錯覚、物語だそうです。で、こういったアニマルスピリットが、時として、人を(経済)非合理的に振舞わせることになる源泉になるのです。
で、コンキチがこの本を読んで最も印象に残ったアニマルスピリットのファクターは、ズバリ、貨幣錯覚です。
大衆はインフレ率をちゃんと織り込むことができないということです。
つまり、「実質」ではなく「名目」しか眼中にないということ。物価スライド制とかそんなの関係ねぇって感じです。
ちなみにコンキチは、そういった大衆の盲目性を目の当たりにしたことがあります。それは、小泉政権初期のデフレ経済下、(コンキチの大嫌いな)労組の職場会で、次節の要求を話しあうことになりました。コンキチは、所謂ベア(ベースアップ)とは、賃金におけるインフレ調整機能だと考えていたので(実際には全くそうなっていないが)、ベースダウンすることを主張しました。デフレ下で、要求する側自らがベースダウンを切り出せば、ベアのインフレ調整機能としての役割は確固たる地位を築くことになる、そう考えたのです。そして、景気浮揚時にはなんの問題もなく、システマティックにベースアップが実行に移され、結果、実質賃金(購買力)の安定に寄与するという至極あたり前な主張をしました。しかしながら、120%歯牙にもかけられませんでした。
ま、そんなもんなんでしょうね。時の政府も、貸金業規制法改正とか、派遣規制とかの愚策にご執心(とまではいかないか)であったようだし。物事の表層しか見ていないのだ。
皆さんも本書を読んで、アニマルスピリットを学んでみませんか?大衆の非合理性を理解することができるかもしれませんよ♥ -
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Pluralityとは『社会的差異を超えたコラボレーションのための技術』のことである。
近年のIT技術、とりわけAIに代表されるデジタル技術は既存の社会の常識を一変させたが、一部企業が営利目的のために寡占状況を作り出したり、一党支配体制の国家主導にて推進されることによって、社会の分断や国家による個人への支配力を強めてしまう結果に陥っている。
本書の著者の1人であるオードリー・タンは、台湾での自身の経験をもとに、ITとデジタル技術によってトップダウンではなく市井のコミュニティ主導でより良い民主主義を作ることができると提唱する。
4章以降では実際に具体例を上げながらAIやIT技術によって、個人もしくはコミュニティのアイデンティティを定義し、情報の機密性や完全性を保ちながら国家や人種の壁を超えたコラボレーションの方法が提示される。最新の技術を用いたフロンティアについて触れつつ、現時点での限界やその未来についても細かく書かれており、よくある具体的な方策なしで理想論のみ書かれている啓蒙書とは一線を画す。
一方、最重要と思われるコミュニティの形成とIT技術を初めとしたPlurality 概念をコミュニティに浸透させる方法や、Plurality の推進者がコミュニティから信頼を得る方法ついてはあまり取り扱われず、台湾での成功はその特異な歴史とタンによる強力なリーダーシップあってのものだという部分はあまり掘り下げられないため、理論の実践にはまだ問題が山積みであるという印象は最後まで拭えなかった(実際、タンが2024年に政務委員を辞退してからは台湾も難しい局面になっているようだ)。
本書でも取り上げられている安野氏が、支持率を維持できず、国会において期待されていた変革をいまだに実施できていないことこそ、本書が描ききれておらず、それでいて最も本質的な問題の一つの表れだと思う。
とはいえ、IT技術やAIの進歩が急速に加速する中で、民主主義や自由を守るために必要な協力の手法が本書には詰まっている。
地勢的にも思想的にも、このPluraliy概念においては台湾とは類似点が多い日本では、この本から学ぶべきことは多いだろう。 -
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ネタバレ「所得」だけを見ていると、富の構造を見誤る
本書を読みながら最も大きく変わったのは、経済を見るときの視点だった。これまでは「いくら稼いでいるか」という所得のフローを中心に考えがちだったが、本書はその背後にある資本ストック、そこから生まれる所得、さらにそれが世代を越えて蓄積されていく構造を見せてくれる。
GDPや所得が「一年間にどれだけ生み出したか」というフローだとすれば、資産は過去から積み上がったストックである。この違いを意識すると、同じ「お金」の話でも見えてくる世界がまったく違ってくる。
資産は「持っているもの」ではなく「生み出すもの」として見る
本書を読み進めて、資産についても見方が変わった。資産とは単に現金、株式、不動産などを所有していることではなく、そこから将来の所得や便益を生み出すストックとして捉えられる。
金融資産なら配当や利息、不動産なら賃料、事業なら利益を生み出す。そして、さらに広げれば、知識、技能、経験、人脈、信用など、将来の所得を生み出す能力そのものも、人的資本という別の形のストックとして考えることができる。
「お金を持っているか」だけではなく、「将来の価値を生み出すものを持っているか」という視点が重要なのだと思った。
コップからあふれた水を使う
このことを考えていて、映画『マルサの女』に出てくる「コップから水があふれるまでは我慢し、あふれた分だけを使う」という資産家の話を思い出した。
これは単なる節約術ではない。資産ストックから生まれる収益が生活費を上回る状態をつくり、その余剰を再び資産に戻していくという、資本蓄積の構造そのものに見える。
資産をA、収益率をr、生活費をCとすれば、A×r>Cになったところから、資産収益だけではなく、その余剰まで次の資産形成に回せる。すると「働いて稼いで貯める」という段階から、「資産が生んだ余剰がさらに資産を生む」という段階へ移っていく。
お金が「お金を呼ぶ」という言い方も、こう考えれば神秘的な話ではない。
資産形成はお金だけの問題ではない
ただし、最初から大きな金融資産を持っている人ばかりではない。むしろ重要なのは、資産を形成するための原資をどこから作るかという問題だろう。
そこで人的資本という考え方が効いてくる。学習、経験、技能、信用、人脈などへの投資によって所得を生み出す能力が高まれば、その所得の一部を金融資産へ変換できる。
つまり、
能力を育てる
↓
所得を増やす
↓
余剰をつくる
↓
資産に変える
↓
資産が所得を生む
↓
さらに資産を増やす
という循環が考えられる。
「ある分使う」ことと「将来の自由度を買う」こと
もちろん、所得をすべて使わずに貯めればよいという単純な話でもない。現在の消費には現在の価値があり、経験や生活そのものも重要な便益を生む。
問題は、所得をすべて現在の消費に変えるのか、それとも一部を将来の所得や自由度を生むストックに変換するのか、という配分にある。
ここで本書の「資本」という視点が効いてくる。所得だけを見れば、毎年いくら入ってくるかが問題になる。しかし資産ストックまで見ると、「誰が何を所有しているのか」「その所有物はどんな所得を生むのか」「それは次の世代へどう移るのか」という別の問題が現れてくる。
格差を「所得差」だけで見ない
本書の意義は、格差を単なる年収の差としてではなく、資本の所有構造と、その資本が生み出す所得、さらに相続による世代間移転まで含めた長期的な現象として捉え直したところにあると思う。
r>gという有名な関係も、それだけを覚えて終わるものではない。重要なのは、資本から得られる収益が再投資され、資産ストックが拡大し、それを所有する人が次の世代へ資産を渡すという循環が、どのように社会の分布を形づくるかということだ。
そして読後に残ったのは、「どうすれば金持ちになれるか」という問いよりも、「人は所得だけでなく、どのようなストックを形成し、それをどのように次の価値創出につなげているのか」という問いだった。
『21世紀の資本』は、経済格差について書かれた本であると同時に、「フローだけを見るのではなく、ストックを見る」という認知フレームを与えてくれる本でもある。その視点を持つと、個人の家計から企業、国家、世代間の資産移転まで、これまでとは違った景色が見えてくる。 -
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「資本主義の奴隷になれる本」
あまりにも知見がないので読んでみた経済関連。
ときに害悪のように語られる資本主義ってなんなの?って疑問から手にとったわけだけども、要するにかつて悲惨な結果を招いた方法、約束された成功もないけど、見たことも無い・有るかも分からない主義に夢想するなら今の最善を選びましょうって話しか。
内容は一重に素晴らしい!と感嘆の声をあげてしまうことうけあいだ。人類史上最大の富をもたらした資本主義を礼賛している。胡散くせぇ!と言いたくなるけどそれを裏付けるデータもあり隙がない。社会主義の人がどう受け取るのか知らないけど、今の世の中に産まれ生きてることに感謝。
とはいえ、お行儀の良いビジネス書でなく著名な人間を名指しで間違っていると批判してる。自分の考えとそれを裏付けるデータに自信を持っている。実に痛快だ。
初心者向けか分からないけど、読みやすい。知らない用語は調べながら読んだけども…… -
Posted by ブクログ
農場の動物が反乱を起こし、農場主を追い出した。彼らは知能の高いブタをリーダーとし、7つのルールを七戒として掲げ、搾取から解放され自分たちのために働き、食べ、より豊かになるための労働をしていく。
二匹のブタ、スノーボールとナポレオンはどちらもリーダーだが意見は合わない。スノーボールが風車の建設を掲げ、今は労働が増えるが一年後には電気が使えて週休3日になると言うも、ナポレオンは絵空事だと否定。
それでもなんとか一つにまとまって生活していたが、ある日農場主が仲間とともに銃を持ってやってきた。
みんな平等に生産して平等に配分する社会主義。それだけ聞くと良さそうなのに社会主義国家はどこも独裁制である理由が、寓話で語られる。
なかなかにえぐい。
訳者後書きを読んで、スターリン時代のロシアそのままに近いような(実際のロシアの方がひどかったそうだが)設定で、イギリスでとはいえ出版社に嫌煙されたのもわかる。でもそうやって怖いから口を閉ざしたり、非難されるかもしれないから避けていたりするのが重なるとまさに動物農場のようなことになるんだな、と。
今の日本も、そうなりつつあると恐ろしくなった。 -
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ネタバレこれからの世界に必要なリチウムを巡る解説本。
『ブラッド・コバルト コンゴ人の血がスマートフォンに変わるまで』でも読んだけど、やっぱりレアアース関連の話は代替が利かないからこそぶつかりやすいよなぁ……。
まず前提として、リチウムを使用したEV化が温暖化に対して(化石燃料よりは)プラスに働くっていうのはある程度の共通理解らしい。
当然採掘や環境に対する負荷はあるんだけど、総合的に見ればメリットの方が勝つというわけだね。
その上で、国防上の理由もあって(アメリカでは)採掘を進めようとするのだけど、一方で環境への負荷を見過ごせない人たちも出てくる。
粉塵対策、植物種などへの配慮、汚水処理(これはお金をかければ解決できるらしいけど)……。どの内容も守らなければならない”当たり前”ではあるけど、それだけを守っていれば温暖化を止めることは出来ないという矛盾。
この話は答えが無く、だからこそ難しいね……。当たり前に使っている製品一つに対しても多くの社会問題があるという、考えさせられる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ家畜たちが人間を追い出して、動物たちだけが暮らす社会、「動物農場」をつくる。初めは美しい理想に基づいて「動物農場」が運営されていくが、次第に賢いブタの権力が肥大化していく。
・巻末の解説で、肥大化するブタの権力に対して声を上げなかった他の動物たちを非難する意見があったけど、殺されるかもしれないという恐怖を乗り越えて声を上げられる人はどのくらいいるのだろうか。自分なら殺されるくらいなら敢えて1人で声を上げることはしない。
・この物語はレーニン没後のスターリンによる専制政治をもとにしているらしい。自分の利害を第一の関心事にする権力者の「弱さ」が、どのようにして苛酷な環境を生み出すのかを具体的にイメージすることができてよかった。
・登場人物の中で一番嫌いだったのはスクウィーラーだった。流れに乗っかる、口が上手いだけの奴って本当に卑怯だと思う。こういう人って何に幸せを感じるの?と思う。