山形浩生のレビュー一覧
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ノーベル経済学賞も受賞したクルーグマンの最新著書。リーマンショック以来の経済の低迷に対する処方箋を平易な文章で訴えるもの。主張は単純明快で、政府はより積極的な財政出動を行うべきであり、中央銀行は更なる金融緩和を行おうというもの。議論の中心はあくまで米国経済であるが、ギリシアなど南欧諸国の債務危機に陥った欧州と失われた10年(20年?)に苦しむ日本といった先進諸国全てに当てはまるものとして議論を展開している。著者の現状認識は米国においては、オバマ政権成立後のリーマンショックに対する財政出動があまりに小さかったこと、バーナンキ率いるFRBの実施した量的緩和が中途半端であるとしている。バーナンキに対
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ネタバレ著者のポール・クルーグマンを知ったのは以前NHKで放送されていた番組でした。
失われた20年といわれる不況を脱しきれない日本に対しての分析と対処法を分かりやすく語っていました。
なかでも印象的だったのは
「私は天皇陛下に謝らなければならない。」
という言葉です。
90年代の日本はバブルが崩壊して不況のまっただ中にいました。
当時プリンストン大学の教授で現FRB議長であるベン・バーナンキは日銀が採るべき具体的な行動を主張したのです。
同じようにクルーグマン教授も日銀の行動を批判していたわけですが、実際にバーナンキが日銀と同じ立場(FRB議長)に立ってみると当時の日本と同じ -
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(いま流行りの)行動経済学の本です。ところで、書名にもなっているアニマルスピリットとは、安心、公平さ、腐敗、貨幣錯覚、物語だそうです。で、こういったアニマルスピリットが、時として、人を(経済)非合理的に振舞わせることになる源泉になるのです。
で、コンキチがこの本を読んで最も印象に残ったアニマルスピリットのファクターは、ズバリ、貨幣錯覚です。
大衆はインフレ率をちゃんと織り込むことができないということです。
つまり、「実質」ではなく「名目」しか眼中にないということ。物価スライド制とかそんなの関係ねぇって感じです。
ちなみにコンキチは、そういった大衆の盲目性を目の当たりにしたことがあります -
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多元性を尊重する価値観には大いに共感できる。目指したい価値観がいわゆるPESTを網羅した形でまとめられており、論調は極めてポジティブ。類似する形態の文書は他に思いつかないほどユニーク。
ただ著者(陣)の頭が良すぎるのかもしれないが、専門用語が前提なしにどんどん使われていくので、読み手を選ぶ本である。せめて索引は欲しかったかなとも思う。
また、ITを社会が徹底的に使うべきなのは賛同するが、やはり人間の社会性に伴う分断や紛争はそう無くならないのかなとも思ってしまう。例えば、仮にプルラリティ的な投票が常識となっても、個人が僅かに抱く不満のようなものは少しずつ蓄積されていくのではないかな、とか。
加え -
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私たちは誰しもが個性を持ち、一人ひとりが異なる視点と考え、死生観や宗教観、生き方や行動の仕方も生まれながらの多様な環境による影響を日々受けて生まれた時から死ぬまでそれは変化し変質し成長し進化していくだろう。
現代(2026)において、私たちはAIという皆の知識や過去の書物やあらゆる情報からの恩恵を受けることができる時代となった。これから、更に多様で多角的な影響を受け環境や人格形成から気づきの連続により複雑化していくだろう。日本において、未だAIの普及率は少ない。個人レベルでは、生成AIを使ったことがある人は2024年度時点で約26.7%と、米中などと比べてかなり低い水準にとどまり、企業では、生 -
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多様な声を生かす未来は単一の正解を求める焦燥からは生まれない。オードリー・タンとグレン・ワイルが示す「Plurality」は対立を否定せずむしろ創造の源として迎え入れる発想だ。テクノロジーは社会を分断する刃にも協働を育む橋にもなる。彼らは後者の道を選ぶ。
AIや巨大プラットフォームに権力が集中すれば人々の声は薄れ民主主義の根が弱る。だからこそ多様な意見が可視化され互いの違いを理解し合える仕組みが欠かせない。
単なる技術論ではない。投票制度、参加型議論、市場設計など社会の基盤そのものを「協働」に向けて編み直す構想である。
世界はひとつの声に支配されるべきではない。多元性を尊ぶ社会こそが孤立 -
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本書の主張は「資本主義はこれまですばらしい成果をあげてきた。グローバル化することで、その威力はさらに高まった。しかもそれは、先進国が途上国を搾取とか、金持ちが貧乏人を足蹴にしてとかいった、不均衡な発展ではない。格差はあるけれど数十年単位で見れば、みんな良くなっている。それは、常に自由と競争とそれによる技術革新が起こり、それが生産性を激増させたおかげだ」というものである。グローバル化が格差を生んでいる、格差が不幸の元凶、分配をどうするか、これからは脱成長を目指すべき、中国のような強力な統制が経済を強くするといったような話が新聞やテレビで良く聞かれるが、過去からのデータを用いてその様な主張が全くデ