山形浩生のレビュー一覧
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> 社会世界は、孤立した個人の無秩序な寄せ集めでもなければ、一枚岩の全体でもない。むしろそれは、個人アイデンティティと集合的組織の両方を特徴づける、多様で交差する帰属性が織りなすものだ。(3-0 プルラリティ(多元性)とは?)
PLURALITYの思想には共感する。一方で、この思想に世界全体が染まる日は来ないだろうと感じた。
> 文明の最大の価値は、生活手段をもっと複雑にすること、つまり、人々が衣食住を持ち、あちこちに移動できるように、単純で無秩序な知的努力ではなく、大きく統合された知的努力が必要となることなのだ。(3-1 世界に生きる)
それぞれの人が知的努力を義務として必 -
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読み切った!!!!が素直な感想。
今まで読んだ本の中で一番文量が多く、他領域の話で読み切るのがしんどかった。
でも最初に他の解説本を一つ読んでおいて良かった。
今目の前に起きているお金・経済的なことに対して、長期的な目線で俯瞰して物事を捉えられるようになるかもしれない、いい本だと思えた。
格差はこれだけ広がっているんだなと。このままいけば、もっと広がるんだなと。21世紀、自分が生きている中で、どういう行動・思考をしたほうがいいかをじっくり考えさせてくれる本だと思えた。
自分がこの経済をどうにかしようとは流石に思えなかったが、仮に自分が資本的に裕福な状態になったとしても、ピケティが提唱して -
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多少極端かなと思うところもあるし、このデータって本当に全体を見たとき、また違う視点から見たときに正しいのだろうかと思う点もあるが、資本主義がこの世界の中で主流となっていることや、今起きている世界に対してある1つの見方を知るという意味ではよかった。
資本主義は人間の欲と密接に結びついており、よく=より良い生活をしたいより、お金を得たいと言う欲求をもとに成り立っている。
そのため、資本主義はあらゆる経済や産業に対して発展をもたらす。それは何かの発明であったり改革と言うわけではなく、そこに対してのエネルギーが注がれていた結果だと私は思う
資本主義があらゆる世界で広まったことによって、人々の経済水準が -
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原著2011年、日本語版2012年。当時のビジネス書ベストセラーらしい。インド出張からの帰国便の中で読んでみた。(著者のひとりはインド人)
開発援助の経済学については、制度設計が(素人が思うより)非常に難しく、効果の測定も入念な準備が必要であることは、行動経済学の本で見聞きはしていたつもりだけど、本著者の執念にはアタマが下がる思いだ。
多用されている、ランダム化対照試験(randomized controlled trial)は、社会学者にとってはとてもやりがいがある手法だと思うが、平等思考の日本では中々導入が難しいだろうなあと思った。仮に、「ゆとり教育」を全国導入する前に5年程度特定地域 -
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資本主義の良い面の指摘は納得。環境問題は環境税の導入が前提となっているが未達成。
資本主義の批判主体が左派から右派に変化したのは興味深い。
・資本主義は儲けのために、人種差別を拒否する。
例)1900年米国南部の人種分離州法導入時の反対訴訟
・ラストベルトの貧困はグローバル化と相関しない。補助が複雑で稼ぐ、貯蓄すると手取りが減る。移動の自由がないこと。
・ゾンビ企業が1ポイント増えると、経済の生産性上昇率は0.1ポイント下がる
・中国の改革プロセスは「自発的な力の利用に習熟し、自発的な力を意識的な政策に変える」という話だった。
・2010年以降も専制化 -
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ー 無形資産は四つの変わった経済的性質を持つ。こうした性質は有形投資にもあるが、全体として無形資産のほうがそれぞれの度合いが高い。
その特徴とは以下の通り:
・スケーラビリティ
・サンク性(埋没性)
・スピルオーバー
・シナジー
この四つからは、さらに三つの特徴が派生する。それが不確実性、オプション価値、紛争性だ。本書の残りでは、こうした性質から生み出される、ますます無形リッチとなる経済の影響について論じよう。 ー
容易には計測出来ないけれども、意識的に投資していかなければ、急激に見える形で差が出るわけではなく、じわじわと効いてきて気がつくと大きな差が出てしまう、そんな無形資産の重要性が -
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そう言われてみれば、組織に属している限りはその安寧と引き換えに、何かを預けている気がしないでもない。
それは、主体性だったりするのかもしれない。
そりゃそうだ。会社員がいちいち会社の方針を批判したところで、何も変わらないし、仕事が進まない。
だったらサラリーマンなんかやめて、起業すればいい。
服従なんてまっぴらごめんだわ。
ん?
えー⁈
めんどくぜーな。それ。
ちゃうちゃう。
権威が正しい権威たるように、ちゃんと“服従”できるように、組織員がそれぞれの役割に応じて、主体的に、そして有機的に機能することこそが重要なんではないか、それが組織を健全にし、ナチスやその他もろもろの悪の組織に陥らな -
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「経済発展によって、もう世の中からは貧乏なんてなくなる」と言われて久しいが、しかし実際のところは格差だけが広がり、貧乏な人はあいかわらず貧乏のままだ。世の中がこんなに豊かになっているにもかかわらず、貧乏人は貯蓄の手段がなく(ので貯蓄もせず)、保険にも入れず、事業のための借り入れもできず、結局貧乏から抜け出す手段がない。貧乏人への救いの手は途中にいる様々な人々によって搾取されて当人に届かない上、予防接種や基本教育のように効果が見え難い施策は今度は人々が見向きをしないのだ。
そんな現状を打破するために、ランダム化対照試行をひっさげて「貧乏を打破するボタン」を探して回る著者たちの研究成果をまとめた -
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「資本とイデオロギー」という題名だが、内容は、格差というものは何か、それが悪化している現在はどんな世界なのか、それを克服出来るのか、を歴史と膨大な統計を使って分析する壮大なもの。
著者の主張ポイント(最も危機感を持つ未来予測)は、バラモン左翼と商業右翼の権力(ブルジョアブロック)の思い上がり(高所得者有利の政策・高教育インテリ富裕層の過度な称賛)が、社会の混乱に憤激する大衆の暴走、つまり暴動を伴う移民排斥や自国中心主義の台頭を許すのではないか、というもの。
今日の民主主義の混乱は、市民的、政治的な領域において、経済学が他の社会学から独り歩きしすぎたのが原因。経済学者は、「持ち合わせてもいない