山形浩生のレビュー一覧
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これまでの経済学では人間を合理的な存在として考えていたが、実際、人間の行動はそんなに合理的ではない。
経済変化の中にナラティブ(ある特定の物語や物語群の形)の感染を組み込む必要がある。
経済学からほど遠い自分としては、むしろこっちのナラティブ経済学の方がしっくりくるように感じたり。
これからは、人々のナラティブがSNSなどでデータ収集しやすくなる。そうすると、経済の予測もしやすくなるのだろうか?
ただ、この本の具体例はアメリカのものが多く、正直よく分からなかったり…
以下メモ
・ナラティブ経済学を研究することで、経済の変化を理解する、より良い予測ができるようになる。
・ヴァイラル(viral) :ウイルス性の。疫病のように人から人へとうわさが広がり伝染する
・通俗ナラティブの例:ビットコイン
ビットコインは皆が価値あるものと思わなければ何の価値もない。他の人がビットコインに興味を持つから、他の人も関心を持つと信じているから価値が出る
・人が物語を伝えるときにはオキシトシンとコルチゾールの分泌が高まる。人は物語を伝えたい性質。 -
Posted by ブクログ
1日1ドル未満で生きる最底辺10億人の人々は先進国の莫大な援助に関わらず何故改善しないのか?
現地でのリアルな事例に基づく、人々が何故、どう動いているのか、その現状と制度の問題提起。
難しいことではないのだが、ひどく手間はかかる。
正しい情報、教育、制度を整えると同時に現場に即した形に調整し、それが正しく運用されるように監査し、成果を測定する。先進国の政府制度への「信頼」が全くないことや、援助のわずかな割合しか現地に届かない現状。
援助が有害であるという説、大規模に或いは革命的に変えなければという論、いずれも一面ではあるが、最終的には手間をかけるしかない。
3つのI、つまり無知、イデオロギー、惰性は第三世界の問題だけではなく、小さな社会組織にも共通する課題ではある。 -
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何回であった。幾度もところどころ読み返しても、頭に入ってこず。、「社会的差異を超えたコラボレーションのための技術」について今までとこれから期待されること(懸念されるととも)をわけて、解説をしているのだが、鈴木健の日本語版解説で何とか、ぼんやりと掴んだか、という感覚。自分の理解が、ちょっと頼りない。ただ、これは別のところは引っ張ってきた知見だが、ICTがInformation Communication Technologyという頭文字なのが、これからはInnovation Collaboration Technologyと取り替えたほうがずっとしっくり来るだろうな、ということは納得できた。
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> 社会世界は、孤立した個人の無秩序な寄せ集めでもなければ、一枚岩の全体でもない。むしろそれは、個人アイデンティティと集合的組織の両方を特徴づける、多様で交差する帰属性が織りなすものだ。(3-0 プルラリティ(多元性)とは?)
PLURALITYの思想には共感する。一方で、この思想に世界全体が染まる日は来ないだろうと感じた。
> 文明の最大の価値は、生活手段をもっと複雑にすること、つまり、人々が衣食住を持ち、あちこちに移動できるように、単純で無秩序な知的努力ではなく、大きく統合された知的努力が必要となることなのだ。(3-1 世界に生きる)
それぞれの人が知的努力を義務として必ず行う社会はどのようにしたら実現できるのか。
さまざまな観点からPLURALITY的な視点や技術を与えるカタログ的な文章が並んでおり、勤勉で多元的な社会に共感を示して語ることのできる人々だけが想定され、現実の厳しさや悪意に対抗するための方法論が欠如している。 -
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読み切った!!!!が素直な感想。
今まで読んだ本の中で一番文量が多く、他領域の話で読み切るのがしんどかった。
でも最初に他の解説本を一つ読んでおいて良かった。
今目の前に起きているお金・経済的なことに対して、長期的な目線で俯瞰して物事を捉えられるようになるかもしれない、いい本だと思えた。
格差はこれだけ広がっているんだなと。このままいけば、もっと広がるんだなと。21世紀、自分が生きている中で、どういう行動・思考をしたほうがいいかをじっくり考えさせてくれる本だと思えた。
自分がこの経済をどうにかしようとは流石に思えなかったが、仮に自分が資本的に裕福な状態になったとしても、ピケティが提唱していることに対しては、賛同できるだろうなと思えた。 -
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多少極端かなと思うところもあるし、このデータって本当に全体を見たとき、また違う視点から見たときに正しいのだろうかと思う点もあるが、資本主義がこの世界の中で主流となっていることや、今起きている世界に対してある1つの見方を知るという意味ではよかった。
資本主義は人間の欲と密接に結びついており、よく=より良い生活をしたいより、お金を得たいと言う欲求をもとに成り立っている。
そのため、資本主義はあらゆる経済や産業に対して発展をもたらす。それは何かの発明であったり改革と言うわけではなく、そこに対してのエネルギーが注がれていた結果だと私は思う
資本主義があらゆる世界で広まったことによって、人々の経済水準が上がって、より良い暮らしになったと言われている。これは本当のデータ本当に相関性があるのかと言われると断定はできないが、確かに一理あるかと思う。何よりこの本で話していたのは人が強制ではなく、自由に働く場所や住む場所であったり、どのように生きるかと言うことを選択できることと書いてあった。確かにこれは今までの制度ではなかった仕組みだったと思うので、私の中では参考になった。 -
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原著2011年、日本語版2012年。当時のビジネス書ベストセラーらしい。インド出張からの帰国便の中で読んでみた。(著者のひとりはインド人)
開発援助の経済学については、制度設計が(素人が思うより)非常に難しく、効果の測定も入念な準備が必要であることは、行動経済学の本で見聞きはしていたつもりだけど、本著者の執念にはアタマが下がる思いだ。
多用されている、ランダム化対照試験(randomized controlled trial)は、社会学者にとってはとてもやりがいがある手法だと思うが、平等思考の日本では中々導入が難しいだろうなあと思った。仮に、「ゆとり教育」を全国導入する前に5年程度特定地域でRCTを行っていたとして、ネガティヴな結果が測定されたとしたら(政策趣旨上何を測定するのか不明だが)、該当集団は導入を承認した責任者(市長とか)を訴えたくもなるだろう。
訳者解説より
本書の知見の多くは、かなり意外なものだ。たとえば、
・飢えているひとでもカロリー増よりおいしいものやテレビのほうを優先する。
・就学率が上がらないのは、学校がないからではない。むしろ子供自身や親が学校に行きたがらない/行かせたがらないから。
・マイクロファイナンスは悪くはないが、一般に言われるほどすごいものでもない。
高利貸しは悪らつな強突く張りでは(必ずしも)ない。
・途上国に多い作りかけの家は、実は貯蓄手段。
本文より
P347
網羅的な結論にかえて
貧困を削減するのに魔法の銃弾はありません。でも貧乏な人の生活を改善する方法については、まちがいなくいろいろわかっています。特に、重要な教訓五つが浮かび上がってきます。
まず、貧乏な人は重要な情報を持っていないことが多く、まちがったことを信じています。(中略)
第二に、貧乏な人は自分の人生のあまりに多くの側面について責任を背負い込んでいます。金持ちになればなるほど、だれかが「正しい」判断を代わりに下してくれます。(中略)
第三に、一部の市場が貧乏人に提供されていなかったり、そこで貧乏人がかなり不利な価格に直面していたりするのには、やむを得ない理由があるのです。(中略)
第四に、貧乏な国は貧乏だからといって失敗が運命づけられているわけではありませんし、また不幸な過去を持つから失敗確実などということもありません。(中略)
最後に、人々に何ができて何ができないかという期待は、あまりにしばしば自己成就的な予言に早変わりしてしまいます。きみはカリキュラムを習得できるほど賢くないよ、というシグナルを先生(そして時には両親)から受け取った子供は、学校をあきらめてしまいます。(中略)看護師たちは、クリニックにいるとだれにも期待されていないために、クリニックにこなくなります。
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資本主義の良い面の指摘は納得。環境問題は環境税の導入が前提となっているが未達成。
資本主義の批判主体が左派から右派に変化したのは興味深い。
・資本主義は儲けのために、人種差別を拒否する。
例)1900年米国南部の人種分離州法導入時の反対訴訟
・ラストベルトの貧困はグローバル化と相関しない。補助が複雑で稼ぐ、貯蓄すると手取りが減る。移動の自由がないこと。
・ゾンビ企業が1ポイント増えると、経済の生産性上昇率は0.1ポイント下がる
・中国の改革プロセスは「自発的な力の利用に習熟し、自発的な力を意識的な政策に変える」という話だった。
・2010年以降も専制化 -
Posted by ブクログ
ー 無形資産は四つの変わった経済的性質を持つ。こうした性質は有形投資にもあるが、全体として無形資産のほうがそれぞれの度合いが高い。
その特徴とは以下の通り:
・スケーラビリティ
・サンク性(埋没性)
・スピルオーバー
・シナジー
この四つからは、さらに三つの特徴が派生する。それが不確実性、オプション価値、紛争性だ。本書の残りでは、こうした性質から生み出される、ますます無形リッチとなる経済の影響について論じよう。 ー
容易には計測出来ないけれども、意識的に投資していかなければ、急激に見える形で差が出るわけではなく、じわじわと効いてきて気がつくと大きな差が出てしまう、そんな無形資産の重要性が分かる作品。
DXもその一つなんだろうけど、結局、どういう価値を企業として育てていきたいのか、その目指すものが曖昧だと、何に投資しているのか分からなくなってしまうのだろうな。 -
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そう言われてみれば、組織に属している限りはその安寧と引き換えに、何かを預けている気がしないでもない。
それは、主体性だったりするのかもしれない。
そりゃそうだ。会社員がいちいち会社の方針を批判したところで、何も変わらないし、仕事が進まない。
だったらサラリーマンなんかやめて、起業すればいい。
服従なんてまっぴらごめんだわ。
ん?
えー⁈
めんどくぜーな。それ。
ちゃうちゃう。
権威が正しい権威たるように、ちゃんと“服従”できるように、組織員がそれぞれの役割に応じて、主体的に、そして有機的に機能することこそが重要なんではないか、それが組織を健全にし、ナチスやその他もろもろの悪の組織に陥らないようにすることでっせ、とこの本を読んで思いました、と。
がしかし、クソみたいな会社に文句言いながら居続けるのも、もう疲れたな。。。