山形浩生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
過去の世界的な恐慌、日本の失われた20年、昨今の金融危機、
これらは伝統的な経済学の理論では説明できない。
なぜなら、伝統的な経済学は人間が合理的、つまり、
インフレを加味した実質価値で判断でき、統計や確率の計算を間違えず、
自制心があって貯金もできる、そんな前提に立っているが、
人は実際には感情があって、勘違いもする。
そういう、従来の理論で加味していなかった人間の部分を
「アニマルスピリット」と名づけて、これが無視できない影響がある、
という内容。
訳者のあとがきにもあるが、
普通の人からすると当たり前すぎて、経済学者ってそんなことも分からないの?
と思ってしまいがちだが、分かっていない -
Posted by ブクログ
アベノミクスが正しいということを有名なポール・クルーグマンが説明した著書。内容には概ね賛成する。歴史的な事実を抑えているところも共感が持てる。しかし、他のレビュワーの方も書いていますが、「違和感」を感じる。今世界のGDPは、60兆円。金融資産は220兆円と聞いています。実体経済の3倍の規模の金融経済がある。この中で、さらに金融緩和を進めたら、信用が拡大する一方で、いつか爆発するしか道がないと思うのです。 その中で、「金融緩和をどんどん進めなさい」という筆者の主張は、違和感というか怖い? どこか、リスクを見落としている感じがする。 その違和感かな・・・ 頭では理解できるが腑に落ちないというのはこ
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Posted by ブクログ
ポール・クルーグマンが、なぜ金融緩和によるインフレが不況時に有効なのかを分かりやすく解説。
デフレでは→個人の消費の減少→企業の収入の減少→設備投資ができなくなる→給料少なくなる→個人の消費の減少・・・
という悪循環が生まれ、ここで誰かが資金を注入しなければいけません。
簡単に言うと、これができるのは政府だけであって、政府が金融緩和政策を行うべきだと解いている。
さらに、金融緩和政策によってデフレが解決しないのは、量や時間が足りなかったせいで、金融緩和そのものが無効なわけでもないと論じている。
とにかく、この経済学の分かりにくい現象をわかりやすく平坦な言葉で、例を使って解説してくれるので -
Posted by ブクログ
本書の中心的な主張は、流動性の罠に陥った経済の下では、財政政策と金融政策(一時的でない継続的な金融緩和)の両方が必要だということである。これは、マクロ経済学の初歩中の初歩であるISーLMモデルの意味するところと基本的に一緒であり、特に目新しさはない。
ただ、「実際」の経済ではIS曲線やLM曲線がどのような形(傾き)で、外生変数の変化に対して、どれ位の幅でシフトするのか(シフトしないのか)が分からないのが厄介な所である。
結局、不況に対する万能薬はないので、(1)効果があると考えられる政策は全てやる、(2)効果が出るまでやり続ける、(3)政府が景気回復に対して強いコミットメントを持つ、という -
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Posted by ブクログ
「CODE」はテクノロジーがどんな社会を生み出しうるか、という現状整理であり思考実験であったのに対して、これはどんな社会を目指しうるのか、という行動指向のもの。だから、
CODEほどのカチッとしたロジカルさはないし、思想面でも納得のいかないところがある。レッシグの実現したい社会がほんとうにいい社会なのか、まだ納得がいかない。それでも一つの可能性として、商業経済と交換経済とのハイブリッドの形はありうるだろうし、ただ商業経済だけを考えるのでは片手落ちであることは疑いようがない。
ひとつ疑問なのは、こういうかたちで社会制度を考えているひとというのはどの程度いるのだろう。とても可能性があると思うのだ -
Posted by ブクログ
行動経済学の紹介の常として、合理的経済人を前提とした今までの経済学では不十分、という書き方をする。それは確かにそうだけど、それは今までの経済学が間違っている、ということじゃない。
合理的経済人を仮定した経済学はどんどん発展しているし、たくさんの経済事象を説明できる。政策立案や制度設計の役にも立っている。ただ、それだけじゃ、全ての経済事象を説明しきれないから、もっと人らしい人を仮定して分析してみよう、ということ。そういう前提がこの本にはある。従来の経済学の成果と限界との両方を最先端でわかっている学者だからこそ書けたわけで、経済学の可能性を示した本であって、間違っても経済学批判の本じゃない。