鴻巣友季子のレビュー一覧
-
-
-
訳者によってよみがえる名作
翻訳なんて誰がやってもだいたい同じ…と思っていましたが、鴻巣友季子さんの新訳は全然違う!
キャラクターはみずみずしく、ストーリーも臨場感に溢れ、風景もリアル。
大学の授業で他の訳との読み比べもしましたが、翻訳の力を最も感じさせてくれました。
有名だから題名だけは知っているしいつかは読もうと思っているけど…という人はぜひ鴻巣訳でどうぞ!
-
Posted by ブクログ
「やみくも」を全面組み替え、加筆訂正、そして新しいものをプラス。
ということで、「やみくも」を買った人でも、損はなし。
翻訳や言葉についてのあれこれを真摯に突き詰めるかと思うと、日常で出合った出来事にプチあっと驚く結末?があったり、思わぬ切り口での考察で「そうなのか」と発見させられたり、かと思うとちょっとしんみりしてみたり。
どのエッセイも中身がギュッと詰まって、「いずれの地もそれぞれ」に楽しい。
青山南さんといい岸本佐知子さんといい鴻巣さんといい、翻訳家の人はエッセイの巧い人が多い、と思う。 言葉とじっくり向き合っているせいなのか、独りであれこれ考えることが習慣になっているせいか。
鴻巣 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めはすごく好きだったスカーレット、戦争の中メラニーの出産を助け、その後のヤンキーたちからタラを守る姿はカッコ良すぎて痺れた。だが、そこからのスカーレットには感情移入できる部分が少なかった。特にレットと結婚した後のスカーレットに対しては作中で最も嫌いなキャラになってしまった。
ラストシーンではレットのスカーレットへの愛情とレッド以外を失ったスカーレットの対話は素晴らしかった。
最後の1日はメラニーとアシュリ、レットの最愛の人3人を失ってもまだ明日にはなんとかなると考える。
スカーレットはきっとこれからも自分を支えてくれた人や自分が愛した人がどんどんいなくなってもそれに気づくことなく人生を歩ん -
Posted by ブクログ
解説入れてほぼ700ページ!「侍女の物語」の15年後を描く続編。前作の重々しい感じからはだいぶタッチが変わって軽めのノリで、残酷な拷問場面や女性リーダーによる国家転覆を目論んだ復讐劇や狂信国からのハラハラする脱出劇などのスリルとサスペンス感も多分に加わって意外と読み進めやすかった。アメリカの女性が現実に感じてる違和感や恐怖、もちろんイスラム圏での女性蔑視など世界中、過去現在未来の全ての時制で女性が晒さられる危機をアトウッドはその筆に込めている。人ごととしてではなく自分ごととして考え、注視していかなければ。自分を取り巻く世界なんて簡単にひっくり返るかもしれないのだから。
-
Posted by ブクログ
北海道恵庭市で元市会議員が経営する牧場で3人の知的障害者が、長い人では40年近く食事もまともに与えられない劣悪な環境で奴隷のように無給で働かされていた。恵庭市はことを荒立てないために虐待事案としての申し立てを無視し続けた。この人たちが解放されたのはなんと2022年のことだ。全く同じ話だし、昔の話ではない。この短い小説は社会の問題を外側から糾弾しているのではない。そんな社会のなかで生きていく中で、どうやって己の倫理を守り通せるのかということだ。そのための行動は確かに未来において大きな難題を産むかもしれない。でも、少なくともいまその倫理や徳を守るための行動はささやかなことなのだ。
-
Posted by ブクログ
柚木麻子さんの『Butter』、王谷晶さんの『ババヤガの夜』でダガー賞の翻訳部門にノミネート、のち王谷さんが受賞となったあたりから翻訳系の出版関係の人たちが日本のおもに女性作家がよく読まれているというのを聞いて「なんで!?」と思っていたらまんまのタイトルの本が出版された
読んでいくと日本の小説が翻訳、出版される歴史やきっかけとなった要因などが細かに解説される
それにあたり翻訳されている小説が挙げられるのだが「この作品も?」というものがたくさんあり、片っ端から読みたくなってくるからだめだ
本に関する本というのはたいてい読みたい本が増えて、どうしよう…となる、いつものこと。
そのなかで英語圏とその -
Posted by ブクログ
日本の小説が海外で読まれる、といえば村上春樹、というのが定番だった。
が、どっこい今は違うフェーズに来つつある。
女性作家が大いに読まれている。
代表は「コンビニ人間」の村田沙耶香。
その他続々女性が進出している。
その背景には若い翻訳家の登場も大きく影響している、というのがこの新書の見立て
なるほどねえ。
柚木麻子のバター、も取り上げられている。
読んだことはおろか聞いたこともない要チェックだ。
ひところクールジャパンといえばマンガ、アニメだったが、
どっこい文学も頑張ってる、というのはすばらしいことだ。
はじめに 日本文学になにが起きているのか?
第1章 海外に進出する日本の作家た -
-
-
Posted by ブクログ
アマンダ・ゴーマンさんの詩集ですね。
訳は、鴻巣友季子さん。
アマンダさんが2021年、バイデン大統領の就任式で22歳にして本作品を朗読。
英語の対訳も掲載されているのと、柴崎友香(詩人)さんと鴻巣友季子さんの解説対談も附記されています。
朝が来るたびに、わたしたちは自問する。
どこに光を見出せるというのか?
この果てなくつづく暗がりに。
わたしたちの抱える喪失、これからわたる荒波に。
………………………………………………………………………
朝が来たら、暗がりから踏みだそう。
熱い思いを胸に、臆することなく。
解き放てば、新たな夜明けが花ひらく、
光はきっとどこかに -
Posted by ブクログ
ネタバレヒースクリフとキャサリンは激情型の性格で、言葉で確かめ合うことはなかったものの、互いに愛し合っていたと思う。ただし、キャサリンはヒースクリフを結婚という形で所有しようとは考えていなかった。一方ヒースクリフは、同じ気持ちであれば結婚に至るはずだと信じていたため、その選択に強い衝撃を受け、逃げ出してしまう。帰ってきた後のヒースクリフの生き方は、残酷な支配者だった。他人を支配し、痛めつけることを復讐と呼び、相手を突き放すような言葉を投げつけ続けた。キャサリン亡き後も、彼は復讐を生き甲斐としていたように見える。喪失を埋めるためには復讐を続けることしかできなかったのだろう。感情のままに言葉を投げつけ、そ