鴻巣友季子のレビュー一覧

  • 嵐が丘

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    まず、この超大作を読めた達成感で一個満足。
    愛憎入り乱れる(憎しみマシマシ)狂気のラブストーリー面白かったです!!!

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    2026年06月03日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    とても難解だった。
    最初は心情描写がトリッキーな作品なのかなと思ったけど、
    途中からガラッと変化した。
    帯にある通り、小説でこんなことできるんだという感想。
    難しくて読むのに時間がかかったけど、読んで良かったと思えた作品。

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    2026年06月01日
  • あずかりっ子

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    こどもの時に憧れた海外の丁寧なくらし(摘んだベリーでジャムを作ったり、ハーブを摘んだり、動物のお世話をしたり)の描写と
    主人公の感じている無力感や寂しさなどがないまぜになって
    寂しいのにカラリというしている不思議な読後感がありした

    現代の私たちの感覚で主人公のおかれた状況をみると、「この親はありえん!」と断罪したくなりますが、舞台となったアイルランドでは1980年代までカトリックの影響力がとても強く、避妊も中絶も困難なこと、農家では労働力として多子が望まれていたことなど今とは異なる背景があります

    個人的には、優しい人も正しい人も心が豊かでない人も悪意がある人も、いろんな人がいるんだ、と主人

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    2026年05月31日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    日常の出来事のなかで登場人物が感じる思考をすべて文章化しているのではないかと思うくらい話の進み方がゆっくりしています。
    全体的に例えの表現が多く、私のイメージの範囲が狭いせいもありページを進めるのに時間がかかりました。
    ラムジー夫人が、自分の子供達の今の瞬間をそのままにしておきたい、という感情にとても共感し読んでいて胸が熱くなりました。
    第一次世界大戦の頃なので100年ほど前の話になりますが現代とは違うゆったりとした空気感にとても穏やかな気持ちになりました。
    こういったじっくりと味わう物語をまた読んでみようと思います。

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    2026年05月23日
  • 嵐が丘

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    ネタバレ

    ネタバレ全開の感想につきご注意です。

    おもしろかったし、人生で読んでおいて良かったな〜と感じる小説だった。2回目読んだら1回目より面白かったという人もいる。
    なんか演劇とかミュージカルぽかったな。美しい自然と荒廃した館の情景とか映画版のレ・ミゼラブルみたいな感じだったらすごく自分が好きそう。

    登場人物たちみんな、語り手含めて激情型だったり、結構畜生な発言とかあって、モラル薄いのが結構笑ってしまった。
    恋愛小説だと思って気軽に読むと結構重めの復讐劇、愛憎劇で心にずっしりとくる。
    重い話なのだけれど、会話や行動がどこかコミカルなところもあってそのバランスと抑揚が絶妙だった。

    小説に共感を求

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    2026年05月22日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    本屋の棚に割と目立つように展示していたので、購入。

    登場人物が考えていることが長々と綴られていく。いつの間にか、その叙述が別の人間の考えになっていたりする。その点については、あれ、と感じるが、読みづらくは感じない。
    ただ、何かが起こるというより、登場人物の頭の中の考えをずっと読まさせていくのは、すごく疲れた。ページが進まない。前半はほんの半日の話なのに、だいぶ時間が掛かってしまった。
    登場人物たちについて説明的な記述がある訳ではないので、哲学者ラムジー、美貌のラムジー夫人、その子供たち、夫妻の別荘に集う独身主義の画家リリー・ブリスコウ、学者、詩人達の人となりが判ってくるまで、ずいぶん時間が掛

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    2026年05月12日
  • 嵐が丘

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    求めているのに誰ひとり幸せそうではなくて、最後まで報われないのかもしれないと思った。
    小説の大半は家政婦の語りで進んでいきますが、その家政婦の話していることは実は本当はすべてが嘘なんじゃないかと疑う気持ちも出てきたり、本当は破滅を望んでいるんじゃないのかと思ってしまったり、誰よりも優しく感じたり、でも嘘をついたり欺いたり。進むごとに不安が増していきました。
    カズオ・イシグロさんの「信用できない語り手」と似た雰囲気を感じます。
    人物に関しては、二つの邸に住む家族と使用人、医者以外は登場しないのにこんなに入り乱れて複雑な小説ってあまりないように感じます。構成が面白い!
    解説を読むとさらに。

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    2026年05月05日
  • ほんのささやかなこと

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    冒頭に「アイルランド母子収容施設で苦難を経験した人々へ捧げる」という献辞と、全国民に自由と平等を謳う「アイルランド共和国宣言」が引用されている。
    この部分で「こんな宣言しておいて、実態はこんなことをやっていたではないか」という問題提起小説で、登場人物にはきっと不幸が訪れるんだろうなあ、と気持ちを引き締めながら読み始める。


    時代は1980年代のクリスマス前の数日間で、主人公はアイルランドの南東部のニューロス町で石炭と木材を商う中年男ウィリアム(ビル)・ファーロング。ファーロングは自分の父を、というより当時16歳だった母を妊娠させた男を知らない。町では母のような女はふしだらな女と見られるが、母

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    2026年04月25日
  • ほんのささやかなこと

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    "正しい”と思われる選択が、幸福に繋がるとは限らない。
    その正しさが他者を不幸にする可能性もある場合、それでもその正しさを選ぶことができるのか。
    その選択は傲慢ではないか。という葛藤
    ほんのささやかなことの積み重ねによって作れてきたファーロングの人生が彼に与えた決断。
    クリスマス前の美しい描写と残酷な歴史との対比が突き刺さる。

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    2026年04月25日
  • 嵐が丘

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    今年公開された新たな映画版「嵐が丘」を観たので、原作が気になり読んでみた。
    映画はかなり改変されていると聞いたが思った以上に全然違ってびっくり!違うというか、原作の要素をかいつまんでまとめるとああなったというか。
    みんな性格に難ありだな〜と思っていたけど、原作は映画の倍くらい難ある登場人物が出てくる(笑)

    キャサリンは新旧どちらもヒステリーすぎてマジで一回ちょっと落ち着けよと思うし、ヒースクリフはサイコパスすぎるし、ジョウゼフも気狂いジジイだし、淡々と喋ってるネリーも絶対自分では語らないヤバい部分山ほどありそうだし、一行も気が抜けなくて楽しめた。

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    2026年04月20日
  • ほんのささやかなこと

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    ネタバレ

    SL 2026.4.15-2026.4.16
    1985年のアイルランド、クリスマスの時季の中篇。カトリック修道院での信じられないほどの人権侵害。しかも政府はそれを容認。
    アイルランドに実在のマグダレン洗濯所をモデルにしているとのこと。
    こんな非人間的なことが1996年まで現実として行われていたのかと驚くと同時に、大きな権力の前には倫理などどうにでもなってしまうんだという諦観もある。それは21世紀の今でも人知れず世界のどこかにはあるのではないかと。

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    2026年04月16日
  • 風と共に去りぬ 第5巻

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    ネタバレ

    初めはすごく好きだったスカーレット、戦争の中メラニーの出産を助け、その後のヤンキーたちからタラを守る姿はカッコ良すぎて痺れた。だが、そこからのスカーレットには感情移入できる部分が少なかった。特にレットと結婚した後のスカーレットに対しては作中で最も嫌いなキャラになってしまった。
    ラストシーンではレットのスカーレットへの愛情とレッド以外を失ったスカーレットの対話は素晴らしかった。
    最後の1日はメラニーとアシュリ、レットの最愛の人3人を失ってもまだ明日にはなんとかなると考える。

    スカーレットはきっとこれからも自分を支えてくれた人や自分が愛した人がどんどんいなくなってもそれに気づくことなく人生を歩ん

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    2026年04月08日
  • 嵐が丘

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    光文社版より新潮版の方が好みだ。
    もちろん2度目なので、背景や人間関係もわかったうえで読んでいる。作品への没入感が高まっているためもあるけど。
    で、腰巻きには「全てを破滅させる恋ー」とあるけど、やっぱり人間のエゴと心理をリアルに抉る作品なんだね。誰かが「ヒースクリフほど純粋なヒーローはいない」って評していたけど、これ納得できるんだな。

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    2026年04月08日
  • 誓願

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    解説入れてほぼ700ページ!「侍女の物語」の15年後を描く続編。前作の重々しい感じからはだいぶタッチが変わって軽めのノリで、残酷な拷問場面や女性リーダーによる国家転覆を目論んだ復讐劇や狂信国からのハラハラする脱出劇などのスリルとサスペンス感も多分に加わって意外と読み進めやすかった。アメリカの女性が現実に感じてる違和感や恐怖、もちろんイスラム圏での女性蔑視など世界中、過去現在未来の全ての時制で女性が晒さられる危機をアトウッドはその筆に込めている。人ごととしてではなく自分ごととして考え、注視していかなければ。自分を取り巻く世界なんて簡単にひっくり返るかもしれないのだから。

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    2026年04月01日
  • ほんのささやかなこと

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    北海道恵庭市で元市会議員が経営する牧場で3人の知的障害者が、長い人では40年近く食事もまともに与えられない劣悪な環境で奴隷のように無給で働かされていた。恵庭市はことを荒立てないために虐待事案としての申し立てを無視し続けた。この人たちが解放されたのはなんと2022年のことだ。全く同じ話だし、昔の話ではない。この短い小説は社会の問題を外側から糾弾しているのではない。そんな社会のなかで生きていく中で、どうやって己の倫理を守り通せるのかということだ。そのための行動は確かに未来において大きな難題を産むかもしれない。でも、少なくともいまその倫理や徳を守るための行動はささやかなことなのだ。

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    2026年03月31日
  • あずかりっ子

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    短いのに、読み終えたあとにじんわり余韻が残る物語。多くを語りすぎない文章だからこそ、行間から家族の事情や少女の気持ちを想像しながら読めた。両親も悪い人ではないのだろうけれど、少女に愛情を注ぐ余裕がなかったのだと思う。特に父親にはがっかり。おじさんとおばさんのもとで、少女が少しずつ本来の明るさを取り戻していく様子がよかった。人に大切にされる経験の大きさを感じた。『コット、はじまりの夏』も見てみたい。

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    2026年03月31日
  • なぜ日本文学は英米で人気があるのか

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    柚木麻子さんの『Butter』、王谷晶さんの『ババヤガの夜』でダガー賞の翻訳部門にノミネート、のち王谷さんが受賞となったあたりから翻訳系の出版関係の人たちが日本のおもに女性作家がよく読まれているというのを聞いて「なんで!?」と思っていたらまんまのタイトルの本が出版された
    読んでいくと日本の小説が翻訳、出版される歴史やきっかけとなった要因などが細かに解説される
    それにあたり翻訳されている小説が挙げられるのだが「この作品も?」というものがたくさんあり、片っ端から読みたくなってくるからだめだ
    本に関する本というのはたいてい読みたい本が増えて、どうしよう…となる、いつものこと。
    そのなかで英語圏とその

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    2026年03月28日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    灯台へ、流されるように

    流されるように最後までなんとか読み切りました。久々にこういったタイプの作品を読みました。翻訳じゃなかったら無理ですね。現実と心の声がごっちゃになります

    二部を読み始めるとちょっとドキッとしました(汗

    読んであらすじを追う読書ではなく、読み進むに任せて読んでいくタイプの本、なのでしっかり印象に残りました、というシーンが実はパッと思いつかないですけど、現代の読み方だとリリーにスポットライトが当たりそう。

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    2026年03月17日
  • なぜ日本文学は英米で人気があるのか

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    イギリス滞在中、やけに日本人作家の本が目につくなと思っていた。すると帰国後にこの本を見つけて、やはり間違いではなかったのだと早速購入。

    内容は日本文学と翻訳についての概要が体系だって説明されていて、読みやすかった!
    現代日本文学の立ち位置、世界文学の情勢を理解することが出来てとても良い。

    あとは次から次へと作家さんや翻訳者さんが紹介されるので、読みたい本が沢山でてくる。
    インド系や中東の小説、もっと読みたいなー英訳をすらすら読めたらきっともっと読める幅が広がるんだろうな。悔しいなと思った。

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    2026年03月16日
  • なぜ日本文学は英米で人気があるのか

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    好書好日のコラムが楽しみな翻訳家、評論家。
    英語ネイティブがわずか6%にもかかわらず英語帝国主義(米英)が文学界を牛耳っている事実に驚く。
    好きな国際ブッカー賞の舞台裏が見えて興味深い。

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    2026年03月09日