鴻巣友季子のレビュー一覧
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聖書の次に読まれているベストセラーというキャッチコピーも納得できる名作。新約が出たのを機に初めて読んだが、手にとってよかったと本当に思った。
といっても、まだ1巻目を読んだだけ。ただ、これだけ長いのにあと4冊も楽しみがあると思えるのはありがたい話だ。というか、序盤がこれだけ面白いからみんな最後まで読みたくなるんだろう。
なぜこれだけ面白く思えるのか不思議だが、一つには南北戦争の結果を読み手が知っているということはあるだろう。だからこそ南部の人々の戦争に対するピュアな興奮や彼らのパーティーに寂しさに儚さを感じ、その一瞬の情熱が主人公オハラとリンクする。そして、その対極にあるバトラー。
映画として -
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数えてみたら高校生で読んで以来、ほぼ30年ぶりの再読である。数回読んではいるし、映画も観ているし、と思いつつ新訳で読み始め、旧訳・映画から受けていた印象がどんどんずれていくことに驚いた。
とはいえ、スカーレット像はそのままである。なぜか。スカーレットの心情は包み隠さず、あけっぴろげに語られるからである。誰かが何か示唆的なことを語り、読者も神妙な気持ちになったとたんに、スカーレットは心の中で”何の話をしているのか、さっぱりわからない”とばっさり切り捨てるものだから、私も、小賢しく頷いちゃっていた自分が恥ずかしくなったりもする。
ということで、高校生にも主人公の(単純な)心情は余すところなく理解で -
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訳者によってよみがえる名作
翻訳なんて誰がやってもだいたい同じ…と思っていましたが、鴻巣友季子さんの新訳は全然違う!
キャラクターはみずみずしく、ストーリーも臨場感に溢れ、風景もリアル。
大学の授業で他の訳との読み比べもしましたが、翻訳の力を最も感じさせてくれました。
有名だから題名だけは知っているしいつかは読もうと思っているけど…という人はぜひ鴻巣訳でどうぞ!
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「やみくも」を全面組み替え、加筆訂正、そして新しいものをプラス。
ということで、「やみくも」を買った人でも、損はなし。
翻訳や言葉についてのあれこれを真摯に突き詰めるかと思うと、日常で出合った出来事にプチあっと驚く結末?があったり、思わぬ切り口での考察で「そうなのか」と発見させられたり、かと思うとちょっとしんみりしてみたり。
どのエッセイも中身がギュッと詰まって、「いずれの地もそれぞれ」に楽しい。
青山南さんといい岸本佐知子さんといい鴻巣さんといい、翻訳家の人はエッセイの巧い人が多い、と思う。 言葉とじっくり向き合っているせいなのか、独りであれこれ考えることが習慣になっているせいか。
鴻巣 -
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ネタバレチャタム校に赴任してきた女性教師エリザベス・チャニング。懸想するリード。そばで彼らを見続ける主人公ヘンリー。老ヘンリーの回想で物語が進んでいくのだけど、この「におわせ」が苦手な人もいるだろうなと思いながら読んだ。
結局、男のロマンと女の嫉妬で正気のチャニングは破滅してしまうんだけど、一番かわいそうなのは前向きに勉強していたサラかなと。しかも主人公サラと良い仲になってるにも関わらず、事件が過ぎた後もチャニングのことばかり考えててなかなか理解できない。男尊女卑の時代の話なので貧乏くじを引くのは女性、というのはわかるけどあまりにも救いがないなあと思う。メアリとの最終章も男(ヘンリー)にやさしいだけ。 -
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タイトルがいい。
確かに子供のころ読んだ海外作品の中には、なんだかわからないけど、おいしそう、素敵っぽいと思った言葉がたくさんあった。
昔の作品から最近の作品まで紹介されている、内容も翻訳家さんならではの内容で、訳し方やその時代の背景なども書かれていて興味深かった。
youngを若きと訳すのか若いと訳すかでニュアンスが変わるという部分は、なるほど!と思ってしまった。翻訳家は日本語にも通じていないとできない職業だと感じた。
あとがきに書かれていた、読書は本を閉じておしまいではない。私たちの中に入ってから育ちつづけていくのだという部分にはおもわず頷いてしまった。確かに、本を閉じた後も、その本につ -
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ネタバレ文学史に燦然と輝く、モダニズム文学の傑作。
本当に読んでよかった。
第一部では、主にラムジー夫人の視点から、孤島の別荘を取り巻く人間模様と夫人の思考(意識の流れ)をひたすらに描写し続ける。描かれるのはたった1日なのに、情景と思考の記述が膨大で、この時点で文字どおり「実写化不可能」な作品だと思い知らされる。
1920年代に書かれた作品にも関わらず、男性像と女性像に対して赤裸々な描写が見られ、フェミニズム文学としても記念碑的作品だと言える。
読み始めてしばらくは面白さが全然わからなかったものの、チャプター17の全員での会食から突然面白くなった。ここで描かれる人物像がとても丁寧で、「どこかが残念な -
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かつてアイルランドにあった「ふしだらな娘」の収容所に閉じ込められた少女をみた主人公が……の話。
アトウッドの「侍女の物語」とは違って、これは100%真実。
最近も、この種の施設から乳幼児数百人の遺体が見つかったらしい。
1996年まで実在していたそうで、私が最初の妊娠をした時にもあったんだと思うと恐ろしい。
自分の家族が不利益を被るとしたら、私はどう行動するだろうか……と思う。
ファーロングは、自分自身が「助けられた」ことを理解していたからこんな行動ができた。
「ウィルソンさんがいなければ、うちの母さんは十中八九、あの施設に入れられていただろう。自分がもっと昔に生まれていたら、いま助けよ