あらすじ
敗戦後の混乱はますます激しくなり、戦勝した連邦政府の圧政と解放された奴隷の横暴に南部人が苦しむ最中、スカーレットは、妹スエレンの婚約者フランクを横取りして再婚した。夫とともに製材所の経営に乗り出し、意外な商才を発揮するが、秘密結社KKKが結成され、フランクやアシュリも否応なく渦中に引き込まれる。スカーレットの周辺には、にわかに血の匂いが立ちこめ始めた――。
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Posted by ブクログ
タラへの税金を支払うために妹スエレンの許嫁だったフランクと結婚したスカーレット。リアリストぶりを発揮し、材木商のとしてビジネスを成功させる。南部の名誉のにしがみついて生きる男たちとの対比が印象的。特にスカーレットが思いを寄せるアシュリはタラで畑仕事をさせても、アトランタでビジネスをやらせてもダメ。そんなアシュリでもスカーレットは本来こんなことをさせるべき人ではなく文化的に生きるべきと言って庇う。この点、工業力があるが文化のないヤンキーと、豊かな文化があり、元々は上流階級であった南部の価値観の対比になっている。
第4巻では、解放奴隷やヤンキーから南部の人々(特に女性)を守るためという大義名分を掲げて、クー・クラックス・クランの結成も描かれている。加えて、北部側は奴隷解放を旗印にしていたものの、その実、黒人との間には明確な差別意識をもっており、一方、南部では、黒人を(同格ではないが)家族の一員として扱っているような描写もある。などなど、非常にリーダブルでありながら、当時のアメリカ南部の状況・価値観が伺える点も風と共に去りぬの魅力。
第4巻ではメアリーの芯の強さも描写されており、スカーレットとは異なる南部の女性の強さ伺える。
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3巻まででも十分すぎるほど激動なのに、まだ嵐が訪れるのかと、一息もつけない展開に、読み手も心を落ち着ける暇がない。
アイルランドの血をまっすぐに受け継いだスカーレットの商売人としての才能が光る反面、人間関係の構築や世渡りの不器用さが露呈してきてしまう…ほんとうに、不器用な人だ。。
愕然としたのはメラニーの変化。あれほどお淑やかで穏やかな性格だったのに、いつからこんなに強く逞しい一面を備えたのだろう。
アシュレに襲った悲劇のシーンでは、果敢に立ち向かうメラニーの姿が必見。お人好しな優しい面を残しながら、愛する者を守ろうとする意志がしっかり見えてくる。
メラニーに関しては、本当に、読み進めるごとにただならぬ人だという印象を思わせる。
スカーレットとレットのシーンには、いつも冷や冷やさせられる…もう、お互い素直になったらいいのに…頑固者と頑固者の会話は、痛くて聞いてられない。笑
最後のページに、最後の一文。
5巻の登場人物の紹介文まで読んで、
「あぁ…やっとか」と思う半分、「まだ波乱が一つや二つじゃないな」と予感せずにはいられない。
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この巻は恋愛模様よりも政治的なメッセージを強く感じる。拝金主義、人種差別、宗教、アメリカの今に繋がっているであろう思想が、スカーレットとその周辺に散りばめられている。
Posted by ブクログ
この巻は、歴史が少しずつ動いて、それに振り回される登場人物たち…という色合いが濃い。時代背景の説明はあるけど、さらっと読んだだけでは全部理解しきれず、もうちょっと理解する必要ありやなと思う。
今までの中で一番ドッグイヤーも少なめ。
スカーレットは策略でフランクと結婚して、タラにかかる税金を払って、製材所を買って、どんどん金儲けるぞー!というスタンスで毎日がんがん働く。あくまでもまだ19世紀やし、女性が自分の力で商いをするなんて、フランクが言うように「男勝り」でしかないと思う…笑
「わたしはこの世で一番大事なのはお金だとわかったし、神に誓って、お金のない生活は二度としないつもりなの」
でもやっぱりそんなスカーレットが私は好き( ´∀`) 新しい夫の前でこう言い放ち、有言実行できるところが尊敬!
…毎回おなじみのアシュリとのやりとりは今回もあったが、もうアシュリが辛気くさすぎてイライラした(-.-)
レットの言う通り、なぜいつまでもタラにいてスカーレットのおんぶにだっこ?しかも決めたなら北部行けよ!!いつまでスカーレットに世話になる気?そして製材所の仕事も役に立たないというひどい有り様…
まぁそれは、スカーレットがどんどん変わっていく様子を表現するために必要な描写なのかなと思った。生き延びていくためにはお金が必要!って感じて以降、読者としては「アシュリのこと好きやろうけど、それはもはや情なのでは?」と思うこともある。
そんなことよりもお金!って感じ(笑)
もう最終巻まできてしまった…あらすじ読んだが、すごい展開になっていくなあ!期待がふくらむ。。でも読み終わりたくない~。
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これはアメリカの『レ=ミゼラブル』だ。南北戦争に吹き飛ばされた秩序、善良なるものが悪にあざ笑われる時代。強さとは何かを教えてくれる。日本の戦国時代と同じだ。司馬遼太郎を感じた。
この巻でアシュリの言わんとしていた、自分への悲観の真相が明らかになる。切ない。これはやるせない。死にたい。
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スカーレットはなんだかんだでフランクの事を大切にしていたし、フランクもそうなんだろうな、と思う。
4巻読んだと思えないくらい、どんどん先が気になる(●^o^●)
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<タラ>や家族を救うため、フランクと結婚したスカーレットが実業家として、活躍する姿が読みどころ。まったく生活力のないアシュリやタラを救うためスカーレットが奔走する。
Posted by ブクログ
怒涛だった………
最初から最後までずーっとハラハラしながら読んでいた気がする。
KKKってなんとなく存在だけは知っていて、「(白装束の姿の白黒写真とか見て)薄気味悪いな〜」っていう印象しかなかったんだけど、まさかここで物語に関わってくるとは。
無知すぎてKKKが元々は南部の人たちで結成された組織っていうことすら知らなかった。
4巻は、ただ楽しく読むだけじゃなくて深く考えさせられることが多かった。
南部でずっと行われてきた奴隷制の是非や、KKKが結成されざるを得なかった当時の情勢とか。
自分の中では、黒人も白人も関係なく平等だし、就く仕事も誰と結婚するかも、人種というのに制限されずに個人で選択されるべきだと思うけど、ずっと南部の古き良き暮らしの中で生きていたらその考え方は当たり前じゃなかっただろうな、と痛感した。
実際、物語の中で奴隷解放令で街に解き放たれた奴隷たちが好き勝手やっているのを読んだりすると「南部は南部で、そのままでよかったんじゃ?」って思ったりしちゃう。
うーん、やっぱり考え方ってその人の生きてきた環境にすごい左右されるんだな。
次巻で最終巻、スカーレットには必ず幸せになってほしい。フランクが死んじゃったのは悲しすぎるけど、幸せになって、お願い。
Posted by ブクログ
「風と共に去りぬ」全5巻の4巻目。
南北戦争に敗れた南部は北部のヤンキー達の支配の下で不遇をかこう。
黒人奴隷達は解放されたものの、手に入れた自由の扱いに困り、労働者として働くよりも、主人に仕え、家族の下僕として暮らしていた頃を懐かしむ者も出てくる。
南部の白人はどうか。貴族的な暮らしをしていた南部の名家は南軍の敗北と共に没落し、下層の貧困白人層が嘗ての屈辱的な暮らしに復讐するように、お金を武器に南部名家の土地を買い取ろうとする。
自分の生まれ故郷に戻っていたスカーレットも北軍が課した税金の担保として一族の農園を取られるのを防ぐため、妹の許婚者であったフランクと結婚し、フランクの財産で難を逃れた。
しかし安心も束の間、フランクに任せていては、この新しい時代を生き抜いていけないと直感したスカーレットは商いに目覚め、レット・バトラーから借りたお金で古くなった製材所を買い取り、復興に沸くアトランタの人々に木材を売りつけることで財をなす。
しかし、そんな、「南部の女性」らしからぬ行動をとるスカーレットに対して反発する人たちもいた、、、
恋愛物語と思っていた作品がいつの間にやら商魂の物語に?
今回はほぼスカーレットの独壇場。レット・バトラーはまたしてもチョイ役です。
Posted by ブクログ
波乱すぎー!!
スカーレットはどんどん気が強くなっていくね。
この気の強さがフェミニズムには大きな影響を与えたんだろうな。
もうレットと結婚するしか幸せになる方法はないと思うんだけど。
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妹から婚約者を奪うスカーレットにドン引き。
けど支払い期限が迫っていたから仕方なかったかも。にしてもかなり自分本位。友達にはしたくない笑
アメリカ南部視点のKKKを知れたのよかった。
Posted by ブクログ
最終巻で感想を書く
さてさて、この第4巻はなかなかねじれている。
(単純なのはスカーレットだけ?)
ここまではどちらかというと派手だけど一本道だった。
現代にまで続く複雑な人種感情が、勝敗や肌の色に関わらず暴露されていく。
しかし、エンディングへ向かうための重要な巻であることは想像がつく。
Posted by ブクログ
やっと4巻読み終えた。
4巻はちょっと退屈だったけど、この後の展開のためには必要なのかな。
アシュリの妹インディアは25歳でオールドミスなのか。
まあ、昔だからね。
スカーレットがなんでアシュリをいつまでも好きなのか解せない。恋は盲目なのか、顔がどタイプなのかしら。
最後の最後、事件が起きた時もフランクの心配せずにアシュリのことばっかり考えてるのでフランク気の毒(笑)。
スカーレットの「後ろばっかり向いてないで、前を向いて生きよう」という考え方は尊敬する。
この時代にそんな考え方をする、しかも女性はどれだけいたのかな。