【感想・ネタバレ】風と共に去りぬ 第5巻のレビュー

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マーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』最終巻。これまでスカーレットにとって嫌いとはいえないまでも好きではなかったメラニーとの関係を中心に描かれる。スカーレットにとって最も理解し難くとはいえ、見捨てられない存在であったメラニーが最も大切な存在であることに気がつく。鴻巣さんが言っているように、スカーレット=赤とメラニー=黒という色もどこか象徴的だ。
そして、タラ。南部の大地がもたらす力。しかしそれは古き良き南部ではなく新南部でもあってそれを象徴するのがスカーレットという存在なのだ。
南北戦争前後のアメリカ。現代のトランプにつながるアメリカ文化を理解する上で必読の作品と言えるだろう。

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2024年04月23日

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読書会で取り上げられてなかったら、読まなかっただろう。読書会での発表を意識して読んだお陰で、訳されている言葉の適不適であったり、表現されている意味を考えながら読む事が出来た。

また、読書会参加者の視点を得る事で、新たな気付きや新鮮な考え方に触れる事が出来た。

特に自分自身が年齢や経験(今回の場合はアトランタ在住経験も)を重ねてきた事で、頭の中の理解だけでなく実生活を通した感覚を持って読む事が出来たと思う。

後半になるに従いスカーレット自身の登場場面が少なくなると共に、今まで美しく見えていた彼女の力強さが、今度は醜くく変幻してきている様に思えてきた。

訳の良さもあってか(細かい点においては色んな疑問や注文、はあるけれど)文庫本5巻あってもあっという間に読めてしまう。そのため読書会のペースを越してしまうので、次に進みたい気持ちを抑えるのが大変でした。

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2023年12月21日

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私の人生で至高の作品!!
明日には明日の新しい風が吹くわ、と言って、どんなに絶望的な局面でも希望を捨てないスカーレットは、永遠の憧れ。、

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2022年09月11日

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ネタバレ

メラニー。なんという人。スカーレットとは真逆だが、陰の主人公だ。向こうとこちらに橋を架ける人。信念の人。今際の際での場面で涙止まらず。

そして、バトラー。4巻で家族のことが少しだけ出てくるが、後見人になっているのはあの人の息子。報われなさに、これも泣けてくる。

最期にスカーレット。彼女のビルドゥングスロマンなのだが、最期にその気付きが訪れる。僕にとってのタラは、記憶のなかにあるが、戻り、出発する場所をもてる人は強い。

とにかくうまい構成。

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2021年06月20日

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「どうして自分がちっとも幸せに思えないのか分からなかった。でも――なんなの、わたしたち、こんな年寄りみたいな話し方して!」

このスカーレットの叫びが、この小説の全てだった。
これぞアメリカ。これぞ青春。いや、これぞ人生。

たくさんの感想より一読するのがベスト。

大人になり、発売から80年以上も経過した、そんな今、読むからこその、大きな味わい深さがありました。

個人的には、主人公はスカーレットでもなく、レットバトラーでもアシュレーでもなく、途中からメラニーだと思って読み進めている自分がいました!

他人をどこまでも信じる力と、自分の力しか信じてやまない、そんな二人が物語をグイグイと引っ張っていく。

これは、今こそまた映画も観返すしかないなー。笑

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2021年06月18日

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ネタバレ

嘘でしょ…。まさかの終わり…。
スカーレットに感情移入していたから、絶望。
全てを失ったじゃない!それでも「明日考えよう」なのね。
初期のスカーレットの世界は風と共に去ってしまったんだ。あのキラキラしていたスカーレットも。
多分彼女の変化は仕方なかった。でも、「明日考えよう」が良くなかったのかなあ。
メラニーとレットという素敵な2人に出会いながら、孤独になるなんて…。
この結末を迎えるお話が世界中で人気なの面白い。
作者とは別の方が続編を書いたみたいだけど、無い方が良くない?衝撃的だけど素晴らしい終わり方。

風と共に去りぬはフェミニズム的な観点で見ると偉大だし、黒人差別の歴史を知る上でも興味深かった。長いけど、スカーレットの波乱万丈の人生は面白かったし。

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2021年04月20日

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母になってから読み返すと、この物語の終盤は、親とは何かについて考えさせられるパートでもあった。超安産体質で出産後はマミーに預けビジネスに邁進するスカーレットと、自らの命と引き換えにでも産もうとするメラニーの対比。
全編通して描かれているテーマの多様性に本当に驚かされる。

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2021年03月10日

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ネタバレ

2人がもう少しでも素直だったら、別れることは防げたはず。特にスカーレット。好意を持ってるなら「好き」、何かしてもらったら「ありがとう」、自分に非があったなら「ごめんなさい」。何かしら友好的な反応をしていたら、レットは愛されていないと思い悩むことを防げた。


まあ両者ともプライドが高くて素直さに欠けていたからできなかったのだろうけど。この小説では似た者同士だけが安定した結婚生活を送れる論を推すけど本当か?似た者同士は似たような短所をもつことも意味する。共通の短所を原因とした問題が発生したときにうまく対処することができない。スカーレットとレットはその際たる例。

作者はこの作品に10年かけた。長い時間をかけ作られた作品だけあって、どの巻も丁寧に抜け目なく描写されている。そして読書に没頭させる。一度読み始めたら止まらなくなり徹夜で2巻連続読んでしまうほど。この小説は言葉では表現できない興奮と刺激を与え読者に忘れさせない強烈な印象を与える。小説の快楽を存分に堪能させてくれる作品。出会えてよかった。

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2021年03月05日

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ネタバレ

この話はスカーレットとメラニーのダブルヒロインですな、というくらいメラニーの存在感がすごい。そして魅力的。
もし私が女優で、どちらの役をやりたいか、と言われたら、メラニーを選ぶかな。

スカーレットもやっと自分の本当の気持ちに気がついて、一気に大団円に行くかと思ったらすれ違い……。
それにしてもスカーレットの子供に対する愛情のなさはすごい。
ボニーじゃなくてエラが死ねばよかったのに、くらいなこと言ってるし。
これはつまり、その子たちの父親を全く好きじゃなかったというところにつながるのかな。
アシュリへの愛のさめ方がウケる(笑)。

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2020年03月05日

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風と共に去りぬ、というタイトルの通りの素晴らしさ‥。だが切ない。本当にみんな去っていってしまった。今まで、スカーレットの破竹な感じが痛快で読み進めていたが、この巻は、裏目に出るというか、どうもボタンを幾度もかけ違うように何事もうまくいかない。
だが‥それでも、タラに帰ってまた明日を考えようとする。この強さが、彼女が主人公たる所以であり、物語を寂しいだけにしない源なんだろうな。

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2020年01月24日

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ネタバレ

とうとう最終巻。

えー、ここで終わり!?と思ったが、その先は確かに不要かも。読者の想像に任されたということで。

スカーレットが、自分は間違っているのかも…とだんだん気づいていく。レットとの新婚生活は満ち足りていて、お金の心配もなく、好きなものに好きなだけお金を使えるのが何より幸せ。
でも、アシュリとの抱擁を見られたり、スカーレットが階段から落ちて…という事故があったりで、レットとの夫婦仲はおかしな方へ向いてしまう。極めつけに、ジェラルドを思い起こさせる娘の落馬事故。そしてメラニーの死。

ここまで来て、スカーレットはようやく「自分にはもう頼れる人が誰もいなくなってしまった。でもそうさせたのは紛れもなく自分自身だ」ということに気づく。レットへの愛も改めて認識するが、時すでに遅し。最後のレットとの会話は、お互いに「ああしてほしかったのに」「あのときあんな態度でなければ」とワガママを言い合っているようにもとれるが、やっぱりスカーレットが悪いかなと思う。お金と自分のことが一番、好きなことを好きなだけやりたいようにやってきた結果、周囲の人はもう誰もいなくなってしまった。

…自分はスカーレットが好きやし、たくましくて良くも悪くもまっすぐなところは尊敬に値すると思う。けど、最後にこういう展開になり、戒めのような感じでレットにも愛想つかされて…その後はどう生きていくのか。メラニーに言われたとおり、ボーとアシュリを守って生きていくのか。

有名な最後の一文、そしてタイトルが意味するもの、わかったようなそうでないような…

映画見て、原作読んで、もう1回考えてみようかな。

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2017年07月05日

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ネタバレ

最後のシーン。本当に風が吹き抜けた。その風に後押しされるように、スカーレットはいつものように前に進んでいく。

 まさに、「明日は明日の風が吹く。」

 こんなに中途半端な終わりでも、きれいさっぱりしている作品はなかなかない。スカーレットなら、こんな終わり方でもいっか。そんな気にさせてくれる。


 あと、本当の主人公が誰か、全巻よんできっとわかる。


 この作品を計算してつくったと作者はいう。(p526)
 10年もの歳月をかけて織り上げた作品だという。納得がいく。
 どうしてこんな嫌味な女の物語を延々と読まされているのに、見入ってしまうのだろう。飽きが来ない、どころか先を求めてしまう。悪どい女のすさんだ心のやり口を見せつけられているのに。でも、その女が何をやってもうまくいかない、いや実際は最悪の状況をいつも切り抜けて成功にゴリ押しで辿り着いている。でも、決して満足できない幸せになれない。そんな滑稽さに胸がすくのだろうか。
 他人の不幸は蜜の味。
 しかし、何度打ちひしがれても立ち直る人間の姿は、さわやかで、むしろ小気味いい。読んでいて、やはりどこか勇気づけられてしまう。
 そういうところが名著なんだろう。

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2016年04月05日

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こんなにも心を動かされる物語に今まで出会ったことがなかった。わがままで強情なスカーレット。「本当に子どもだなぁ」と思うけれど、その強い生き様から学ぶものが沢山あった。結末は意外だったけれど、こういう終わり方だからこそ感じるものが多かった。

登場人物全員が生き生きとした表現で描かれていて、一人一人本当に魅力的だった。結末を早く知りたいと思い ってページをめくってきたけれど、いざ終わりを迎えてみると、この世界とのお別れに寂しさがこみ上げてきた。スカーレット、レット、メラニー…本当に大好き!

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2016年03月26日

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スカーレットもレットもアシュリもすれ違いながら生きていたとわかる、壮大なラストで、長編なのに一気読みだった。
メラニーはすごい人!

映画も見てみたくなった。

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2016年01月15日

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圧巻の壮大なストーリー。全5巻に及ぶ長編ながら一度も飽きることなく次々と起こる展開に引き込まれて、読み終わってすごい話だったなと思う。読み終わった時点でまたもう一度読み直したくなったほど。結末を知ってまた違う読み方ができそう。
学生時代に一度読んでいたものの、かなり忘れていた部分もあったし、大学生と40代では同じ作品を読んでも感じ方が違う気がする。
アメリカ南北戦争前後の激動の時代背景とスカーレット・オハラの波乱万丈の人生。海外版の大河ドラマみたい。でもこれってまだスカーレットが28歳までの話だなんて驚き。
スカーレットの強さと賢さに感嘆したり、反面の愚かさとじりじりしたり。またレット・バトラーとの擦れ違いにやきもきさせられ。そしてメラニーの優しさと聡明さと強さに最後はこの女性こそが影の立役者であったことに気づかされ。
スカーレットの故郷タラに対する郷土愛も印象的。スカーレットの原点はタラの赤土。その強さの原点。最後に何もかも失ったスカーレットはタラに戻るところで物語は終わるけど、きっとスカーレットはをここでまた力を取り戻してこのままでは終わらない気がする。「今考えるのはよそう。明日考えよう。」スカーレットの印象的なフレーズ。彼女はそうして明日を切り開いていったのだから。
激動の時代の流れに翻弄されながら強く生きたスカーレットの物語。間違えなく名作だ。現代ものばかり読んでいたこの頃だったけど、時代物の読み応えはたまらない。世界史の教科書ではわからないその時代のアメリカ南部の空気に触れられた気がした。本当に面白かった。

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2016年01月11日

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数えてみたら高校生で読んで以来、ほぼ30年ぶりの再読である。数回読んではいるし、映画も観ているし、と思いつつ新訳で読み始め、旧訳・映画から受けていた印象がどんどんずれていくことに驚いた。
とはいえ、スカーレット像はそのままである。なぜか。スカーレットの心情は包み隠さず、あけっぴろげに語られるからである。誰かが何か示唆的なことを語り、読者も神妙な気持ちになったとたんに、スカーレットは心の中で”何の話をしているのか、さっぱりわからない”とばっさり切り捨てるものだから、私も、小賢しく頷いちゃっていた自分が恥ずかしくなったりもする。
ということで、高校生にも主人公の(単純な)心情は余すところなく理解できたのだろう。
スカーレットのお向かいにいるのが「影の主人公」メラニー。対して彼女が本当は何を思い、どう考えていたのかは最後までベールに包まれたままだ。ただし、その行動には嘘がないので、読者もメラニーの人間性を理解し愛する(スカーレットは全く理解してなかったけど)。
旧訳ではいかにも古い小説を読んでいる”ありがたさ”もあり、それも面白かったのだが、新訳は文章のリズムで読者の心を一気にその場に引っ張り込む。旧訳ではあまり印象に残らなかったスカーレットの「ダサさ」(敢えて言おう!)が際立ったのも非常によかった。
ところで、映画の印象に引っ張られて当時は気づかなかったが、これは「戦争小説」でもある。最初は絵空ごとのように思えていた戦争が、やがて間近に迫り、わが身のこととして降りかかり、一般の市民すら、戦場でもないのに人を殺めることにもなる。
背後に多くの物語を含む小説。訳者解説によると作者は「映画化は無理」と言っていたそう。映画はあくまで小説の一部分しか切り取っていない、だからこその傑作となりえたのだろう。語られていない部分を誰かと語り合いたいくなる(しかも熱を込めて)のは、各々の人物造形がしっかりとしているから。わたしが誰かと語り合いたいのはメラニーを後継者とする「聖母」の母、エレンである。

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2015年08月13日

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レットとスカーレットの結婚生活での二人の気持ちの変化が絶妙に著されている。最後の名台詞も心にとめておきたい一文。

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2015年07月27日

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主要4人の心の動き…とりわけ映画では今1つわからないままの最後のレットとスカーレットの、行ったり来たりの心の動きが丁寧に書き込まれていて、あれこれ納得する。もしや「風と共に去りぬ」はストーリーを楽しむ大河小説というよりも、”心理小説”なのかもね。。。

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2015年07月04日

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南北戦争に翻弄されながら強く生きるものの、何もかも失った女性の物語。
ありがちな「運命に翻弄されながらも地道に正直にコツコツ生きたヒロイン」とは訳が違う。戦争では敵兵を殺し、戦後混乱期には詐欺まがいの商法で金儲けし、奴隷さえ用いた。正直者はバカを見ると言わんばかりに、伝統や常識というものに唾を吐きかけて行く。
戦争で既存の伝統・秩序がひっくり返る様の描写は見事というほかなく、是非読むべき長編小説である

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2015年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とうとうラスト。
5巻は初めてほぼ全編がスカーレット・オハラとレット・バトラーの話、そして二人の関係が終わりを迎える。

「風と…」は南北戦争前後の南部を舞台にした男女の愛がベースになっていますが、それはある意味枠組みに過ぎなくて、南部のアメリカの女性に求められた「淑女」としての姿と、そういう「常識」に逆らって自分らしく生きようとする女性の話であり、しかも、その女性が清廉潔白とか、清楚でもなく、ある時は身勝手で、利己的であるにも関わらず、その泥臭さに親密感がある、、、
レット・バトラーも生き残るために南部の男子の典型からは外れる事を選ぶ男ですが、スカーレットの生き生きとした感じに比べると、いささかステレオタイプ、物語のために作られたキャラクターのような気もしました。

いずれにしても映画の「風と…」とは全く違うと思う。(僕は映画を観てませんが、小説の解説でもそう書かれているし、原作者であるマーガレット・ミッチェルも別物と言っている)
読めばわかりますが、この話を映画にはできないと思います。
映画の評価はおくとして、小説単体として、面白い!

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2021年07月17日

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kkkは解散してるね。今に至る悪名高きとは分けて、過渡期の必然、徒花と読むべきなのだろうか。
終わり方がすごい。

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2018年12月15日

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ネタバレ

戦争がかくも人の考え方や生き方を変えてしまうのか。主人公マーガレットのような、狡賢い女でさえも、戦争さえなければ。
ただ一方で、戦争でマーガレット自身の根本が変わったかというと、そうでもないと思う。ひもじい思いをしていた時代以外、相変わらず自分のことしか考えていない。最終盤で、メアリーやレットの有難さを知り、アシュリに対する思いはただの自分の妄想に近いものだと悟るが、彼女は果たして本当に心から自省したかというと、してないと思う。結局自分の為になってくれた人、自身の損得勘定でその時プラスだと感じた人の為に好きと言えたり泣けたりするだけであって、彼女は本当に冷たく心の貧しい人だと思った。
現代日本にもこういう人はいる。外面はいいんだけれど、知れば知るほど自分のことしか考えてない人(家族とか大親友レベルにまでならないとわからない)。本作が、そこに対する批評的な面までかかれていたら傑作だなあと思ったが、触れてないので、もしかしたら作者としては「マーガレットは本当に改心した」というお話なのだろうか?

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2023年10月07日

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