【感想・ネタバレ】風と共に去りぬ 第5巻のレビュー

あらすじ

スカーレットの二番目の夫フランクは敗戦後の混乱のなか殺されてしまった。周囲の批難を意に介さず、スカーレットはついにレット・バトラーと結ばれる。愛娘ボニーも生まれ、レットはことのほか溺愛するが、夫婦の心は徐々に冷え、ある事故をきっかけに二人の関係は決定的に変わってしまう。メラニーは、アシュリはどうなるのか。物語は壮大なスケールに相応しい結末を迎える。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

5巻もあるお話を、こんなに一瞬で読み終えるとは思ってなかった。レット・バトラーとスカーレットが魅力的すぎて、のめり込んでしまった。
私は、レット・バトラーに一体どんな策略があってスカーレットと結婚することにしたんだろうとずっと疑っていたし、酔っ払ってメラニーに泣きつく場面でもなんて演技が上手いんだろうと感心していたくらいで、最後の最後までレットがスカーレットをそんなにも愛していただなんて、全然分からなかった…なんて思っている私は、スカーレット並みに人の気持ちが分からない人間なんだろうか笑
他の人が書いたものらしいけど、続編もあるようなので気になる。
あと、お話全体を通して、スカーレットからも、メラニーからも、大切な人生訓を学んだ気がする。欠点はあれども、スカーレットの強さとしなやかさは尊敬するし、好き。メラニーの優しさは見習わなければ…。レットからも学んだと言いたいところだけど、彼は住んでいる世界が別次元過ぎて、私にはとても参考にできそうにないかな笑

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2024年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

メラニー。なんという人。スカーレットとは真逆だが、陰の主人公だ。向こうとこちらに橋を架ける人。信念の人。今際の際での場面で涙止まらず。

そして、バトラー。4巻で家族のことが少しだけ出てくるが、後見人になっているのはあの人の息子。報われなさに、これも泣けてくる。

最期にスカーレット。彼女のビルドゥングスロマンなのだが、最期にその気付きが訪れる。僕にとってのタラは、記憶のなかにあるが、戻り、出発する場所をもてる人は強い。

とにかくうまい構成。

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2021年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

嘘でしょ…。まさかの終わり…。
スカーレットに感情移入していたから、絶望。
全てを失ったじゃない!それでも「明日考えよう」なのね。
初期のスカーレットの世界は風と共に去ってしまったんだ。あのキラキラしていたスカーレットも。
多分彼女の変化は仕方なかった。でも、「明日考えよう」が良くなかったのかなあ。
メラニーとレットという素敵な2人に出会いながら、孤独になるなんて…。
この結末を迎えるお話が世界中で人気なの面白い。
作者とは別の方が続編を書いたみたいだけど、無い方が良くない?衝撃的だけど素晴らしい終わり方。

風と共に去りぬはフェミニズム的な観点で見ると偉大だし、黒人差別の歴史を知る上でも興味深かった。長いけど、スカーレットの波乱万丈の人生は面白かったし。

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2021年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2人がもう少しでも素直だったら、別れることは防げたはず。特にスカーレット。好意を持ってるなら「好き」、何かしてもらったら「ありがとう」、自分に非があったなら「ごめんなさい」。何かしら友好的な反応をしていたら、レットは愛されていないと思い悩むことを防げた。


まあ両者ともプライドが高くて素直さに欠けていたからできなかったのだろうけど。この小説では似た者同士だけが安定した結婚生活を送れる論を推すけど本当か?似た者同士は似たような短所をもつことも意味する。共通の短所を原因とした問題が発生したときにうまく対処することができない。スカーレットとレットはその際たる例。

作者はこの作品に10年かけた。長い時間をかけ作られた作品だけあって、どの巻も丁寧に抜け目なく描写されている。そして読書に没頭させる。一度読み始めたら止まらなくなり徹夜で2巻連続読んでしまうほど。この小説は言葉では表現できない興奮と刺激を与え読者に忘れさせない強烈な印象を与える。小説の快楽を存分に堪能させてくれる作品。出会えてよかった。

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2021年03月05日

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ネタバレ

この話はスカーレットとメラニーのダブルヒロインですな、というくらいメラニーの存在感がすごい。そして魅力的。
もし私が女優で、どちらの役をやりたいか、と言われたら、メラニーを選ぶかな。

スカーレットもやっと自分の本当の気持ちに気がついて、一気に大団円に行くかと思ったらすれ違い……。
それにしてもスカーレットの子供に対する愛情のなさはすごい。
ボニーじゃなくてエラが死ねばよかったのに、くらいなこと言ってるし。
これはつまり、その子たちの父親を全く好きじゃなかったというところにつながるのかな。
アシュリへの愛のさめ方がウケる(笑)。

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2020年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とうとう最終巻。

えー、ここで終わり!?と思ったが、その先は確かに不要かも。読者の想像に任されたということで。

スカーレットが、自分は間違っているのかも…とだんだん気づいていく。レットとの新婚生活は満ち足りていて、お金の心配もなく、好きなものに好きなだけお金を使えるのが何より幸せ。
でも、アシュリとの抱擁を見られたり、スカーレットが階段から落ちて…という事故があったりで、レットとの夫婦仲はおかしな方へ向いてしまう。極めつけに、ジェラルドを思い起こさせる娘の落馬事故。そしてメラニーの死。

ここまで来て、スカーレットはようやく「自分にはもう頼れる人が誰もいなくなってしまった。でもそうさせたのは紛れもなく自分自身だ」ということに気づく。レットへの愛も改めて認識するが、時すでに遅し。最後のレットとの会話は、お互いに「ああしてほしかったのに」「あのときあんな態度でなければ」とワガママを言い合っているようにもとれるが、やっぱりスカーレットが悪いかなと思う。お金と自分のことが一番、好きなことを好きなだけやりたいようにやってきた結果、周囲の人はもう誰もいなくなってしまった。

…自分はスカーレットが好きやし、たくましくて良くも悪くもまっすぐなところは尊敬に値すると思う。けど、最後にこういう展開になり、戒めのような感じでレットにも愛想つかされて…その後はどう生きていくのか。メラニーに言われたとおり、ボーとアシュリを守って生きていくのか。

有名な最後の一文、そしてタイトルが意味するもの、わかったようなそうでないような…

映画見て、原作読んで、もう1回考えてみようかな。

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2017年07月05日

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ネタバレ

最後のシーン。本当に風が吹き抜けた。その風に後押しされるように、スカーレットはいつものように前に進んでいく。

 まさに、「明日は明日の風が吹く。」

 こんなに中途半端な終わりでも、きれいさっぱりしている作品はなかなかない。スカーレットなら、こんな終わり方でもいっか。そんな気にさせてくれる。


 あと、本当の主人公が誰か、全巻よんできっとわかる。


 この作品を計算してつくったと作者はいう。(p526)
 10年もの歳月をかけて織り上げた作品だという。納得がいく。
 どうしてこんな嫌味な女の物語を延々と読まされているのに、見入ってしまうのだろう。飽きが来ない、どころか先を求めてしまう。悪どい女のすさんだ心のやり口を見せつけられているのに。でも、その女が何をやってもうまくいかない、いや実際は最悪の状況をいつも切り抜けて成功にゴリ押しで辿り着いている。でも、決して満足できない幸せになれない。そんな滑稽さに胸がすくのだろうか。
 他人の不幸は蜜の味。
 しかし、何度打ちひしがれても立ち直る人間の姿は、さわやかで、むしろ小気味いい。読んでいて、やはりどこか勇気づけられてしまう。
 そういうところが名著なんだろう。

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2016年04月05日

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ネタバレ

とうとうラスト。
5巻は初めてほぼ全編がスカーレット・オハラとレット・バトラーの話、そして二人の関係が終わりを迎える。

「風と…」は南北戦争前後の南部を舞台にした男女の愛がベースになっていますが、それはある意味枠組みに過ぎなくて、南部のアメリカの女性に求められた「淑女」としての姿と、そういう「常識」に逆らって自分らしく生きようとする女性の話であり、しかも、その女性が清廉潔白とか、清楚でもなく、ある時は身勝手で、利己的であるにも関わらず、その泥臭さに親密感がある、、、
レット・バトラーも生き残るために南部の男子の典型からは外れる事を選ぶ男ですが、スカーレットの生き生きとした感じに比べると、いささかステレオタイプ、物語のために作られたキャラクターのような気もしました。

いずれにしても映画の「風と…」とは全く違うと思う。(僕は映画を観てませんが、小説の解説でもそう書かれているし、原作者であるマーガレット・ミッチェルも別物と言っている)
読めばわかりますが、この話を映画にはできないと思います。
映画の評価はおくとして、小説単体として、面白い!

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2021年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦争がかくも人の考え方や生き方を変えてしまうのか。主人公マーガレットのような、狡賢い女でさえも、戦争さえなければ。
ただ一方で、戦争でマーガレット自身の根本が変わったかというと、そうでもないと思う。ひもじい思いをしていた時代以外、相変わらず自分のことしか考えていない。最終盤で、メアリーやレットの有難さを知り、アシュリに対する思いはただの自分の妄想に近いものだと悟るが、彼女は果たして本当に心から自省したかというと、してないと思う。結局自分の為になってくれた人、自身の損得勘定でその時プラスだと感じた人の為に好きと言えたり泣けたりするだけであって、彼女は本当に冷たく心の貧しい人だと思った。
現代日本にもこういう人はいる。外面はいいんだけれど、知れば知るほど自分のことしか考えてない人(家族とか大親友レベルにまでならないとわからない)。本作が、そこに対する批評的な面までかかれていたら傑作だなあと思ったが、触れてないので、もしかしたら作者としては「マーガレットは本当に改心した」というお話なのだろうか?

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2023年10月07日

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