鴻巣友季子のレビュー一覧
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重い、これは告発小説なのだろうか?
圧倒的な力の不均衡のもとにループしてゆく暴力、暴力。
男と女、白人と黒人、若者と老人、人間と動物。
欲望と憎悪と復讐心と。
これはアフリカーナーの懺悔録なのだろうか。帝国主義のもたらした残滓としての「恥辱」が重層的に描かれる。52才にして未だ枯れやらぬ男であるが故に社会的に抹殺されるデヴィッドと、要らない生き物として殺処分される犬の運命が重ね書きされているところに、この作品の救いのなさがある。色好みの中年男性が年下の女性に入れあげて失敗し、都落ちして現地の女性と関係する、というストーリー自体は、一種の英雄流離譚とも読めなくも無くて、日本なら『伊勢物語』『源氏 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ2人がもう少しでも素直だったら、別れることは防げたはず。特にスカーレット。好意を持ってるなら「好き」、何かしてもらったら「ありがとう」、自分に非があったなら「ごめんなさい」。何かしら友好的な反応をしていたら、レットは愛されていないと思い悩むことを防げた。
まあ両者ともプライドが高くて素直さに欠けていたからできなかったのだろうけど。この小説では似た者同士だけが安定した結婚生活を送れる論を推すけど本当か?似た者同士は似たような短所をもつことも意味する。共通の短所を原因とした問題が発生したときにうまく対処することができない。スカーレットとレットはその際たる例。
作者はこの作品に10年かけた。長 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻の半分くらい読んで、まだ何の話なのかが掴めない。北米大陸の赤狩りの話?
全体的に陰鬱な調子で物語が進む中、庭を始めとした自然の描写が美しいのが印象的。
上巻の後半から物語が加速してくる。「昏き目の暗殺者」の男女が指すのがアレックスとローラだと思ってたけど、リチャードが絡んでくる辺りから、ローラじゃなくアイリスなのかも、そして、作者もローラではなくアイリスなのではないかと思われてくる。
にしても、回想で語られるアイリスの無知と無力に比べて、老境にあるアイリスの皮肉屋にして頑迷ぶり、そのギャップに時間の残酷さを思い知らされる。そして、アイリスにそれ相応の教育がなされ、母や祖母の後ろ盾があったな -
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Posted by ブクログ
ネタバレこの話はスカーレットとメラニーのダブルヒロインですな、というくらいメラニーの存在感がすごい。そして魅力的。
もし私が女優で、どちらの役をやりたいか、と言われたら、メラニーを選ぶかな。
スカーレットもやっと自分の本当の気持ちに気がついて、一気に大団円に行くかと思ったらすれ違い……。
それにしてもスカーレットの子供に対する愛情のなさはすごい。
ボニーじゃなくてエラが死ねばよかったのに、くらいなこと言ってるし。
これはつまり、その子たちの父親を全く好きじゃなかったというところにつながるのかな。
アシュリへの愛のさめ方がウケる(笑)。 -
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Posted by ブクログ
スカーレットからみたアシュレとレットの比較が、克明に記載されていて面白い。
アシュレとレットは、実は勝ち目のない戦争に巻き込まれている現状を把握できている似たもの同士なのだが‥レットは憤然と周囲に立ち向かうけど、アシュレは諦め半分に運面に流されていく夢追い人‥
そのことを考えるとスカーレットは訳が分からなくなるのだ。
しかし、なんといっても2巻の、スカーレットの燃え上がるような強さは、読んでいてスカッとする。戦争の外にいるアウトサイダーであるのに、自分のこと、自分の希望、ひいてはアシュレへの想いを第一に考えながら、メラニーを守り、プリシーをこき使い、タラのみんなを取り仕切っていく。
相変わ -
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Posted by ブクログ
南アフリカの大学(都会)と田舎の二つが舞台。
仕事で2度しか訪れていないが、リアリティをもって読むことができた。
主人公は西欧文学専攻の大学教員。それがセクハラ疑惑から転落し、犬の殺処分に携わる中で、これまでの人生を振り返る。その振り返りは生やさしいものではない。過去の女性は彼の中では全て美しく輝く。しかし、唯一、実の娘ルーシーだけは、妥協点が見えない。彼女こそ、もう一人の主人公ともいえる存在。覚悟が決まっていて、不可解だが、魅力的なのだ。
読み終わって、ただただすごいものを読んでしまったという感想しかない。ヒロイズムのかけらもないのに、人間とは、社会とは何なのか、考えさせられる。