鴻巣友季子のレビュー一覧

  • 英語と日本語、どうちがう?

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    昔「不思議の国のアリス」の原書を読んでいて、たくさん出てくる韻を踏んだ詩のような言葉遊びのような部分を、日本語だとどう訳すのだろうと不思議に思ったのを思い出し、なるほどと今回納得。翻訳者さんもいかに原文を活かしつつ読者に伝わりやすくするか、考え考えなのだなぁ。

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    2026年02月07日
  • 緋色の記憶〔新版〕

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    面白いのだけれども、お上品過ぎて進展がおそい〜!笑。でも読むことをやめられない!タイパが〜とかいう人は絶対読めない笑。そして読めない方はかわいそうに衝撃の結末には、たどり着けないのです。ラッキーな方は最後のさいごに、まさしくこの水彩画の表紙のような美しい世界観と作者の表現力にどっぷりハマっている自分に気づくのであります…。みたことも会ったこともない彼女の、ゆっくりと沈んでいく姿がありありと浮かぶことでしょう。読めてよかったぁ笑

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    2026年02月07日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    十年の歳月を挟んで切り取られたある二日の情景。密度濃く描かれる一瞬一瞬の連なり、その思索や夢想が各人の中に降り積もり、人生を織り上げる。記憶は結晶のように固く残るが、肉体は儚く消えてゆく。時も人も、無常ゆえに永遠なのかもしれない。不思議な充足感が残った。
    昨年新訳が出たということで読んでみた本作、実はこれがウルフ初体験。なぜ今まで手を出してなかったんだろう?というくらい好きなタイプの空気感だった。ドラマを追う展開も嫌いではないけど、思索や意識の流れに重きを置いた作品を読むのが好き。他のウルフ作品も読んでみたい。

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    2026年01月24日
  • あずかりっ子

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    『ほんのささやかなこと』に続き、この著書を読んだ。全編を通じて語りすぎず、かと言ってそこはかとなくメタファーやが散りばめられていて、想像の翼を広げることができる。きつい労働、厳しい自然に黙々と生活する大人たち。そんな中で「手をかけられなかった」女の子が、悲しみの中に生きる夫婦に預かられ、自分に手をかけることの始まり知ってゆく。それは完璧な愛でもなく、むしろ不器用な、行ったり来たりの揺れる愛だ。それゆえにこの夏が、彼女の不思議な気持ちへの気づきに繋がり、人間味ある情緒の芽生えになったと分かる。読後は何やら暖かい気持ちが、自分の中に滲み出てくる。果たして彼女は今後どうなるのか、わからない、そして私

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    2026年01月23日
  • ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作

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    鴻巣さんは、訳者としてだけでなく、文才もあるのですね。この他にも2冊ほど読んでいますが、とても分かり易く書かれているだけでなく、読者の興味をかき立てる内容。

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    2026年01月19日
  • NHK「100分de名著」ブックス マーガレット・ミッチェル 風と共に去りぬ 世紀の大ベストセラーの誤解をとく

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    鴻巣友季子さんの深掘りが、とてもおもしろかったです。さすが、翻訳家さん。マーガレット・ミッチェルもびっくり!

    “ヘェ〜”と思ったところ多数。(以下、本書より)

    ・スカーレットとメラニーのダブルヒロイン論。

    ・スカーレットの容姿、スカーレットの実家〈タラ〉の外観が、原作と映画は違う。

    ・作者は、本作品を結末から冒頭に向かって書いた。

    ・アシュリとメラニー、レットとスカーレット、2組のカップルの夫婦生活にも言及。(4人の複雑な心理、行動の考察がスゴイ)

    ・本質は「恋愛小説」ではない。土地をめぐる「不動産小説」、米国の南北分断の根本を浮き彫りにす「戦争小説」、女性同士の複雑な友愛関係を描

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    2026年01月15日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    登場人物たちの心の中や辺りを自在にたゆたっているような、不思議で素敵な感覚に包まれ今までにない新しい読み心地。

    100年ほど前に書かれた小説だが、物語の世界へ入り込むとそこは現代的にまで感じられるというのが驚き。時々何かを失い、目に見えないものを積み重ねながら人は生きていく。深い思考の奥底へと沈んでいくような、読んでいる間豊かな時間を過ごした。この先何度でも読み返したい。

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    2026年01月04日
  • ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作

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    翻訳家の鴻巣友季子さんによる海外小説のブックガイド。いっとき、何も意識せず読みたい本を選んでいたら鴻巣さんの翻訳が続いていたことがあり、それまで翻訳家の方を意識したことがなかったが以来気になっていた方。

    読んだことのある作品もまだ知らぬ作品もあり、ページを進める時のドキドキした気持ちや、人間の悍ましさに直面した時のような恐ろしい気持ちが一気に呼び起こされた。海外文学への憧れがぎっしり詰まっていて、自分が何故こうも海外の小説に惹かれてしまうのかもよく分かった。同時に、翻訳家の偉大さを改めて知る。

    このあと、紹介されていた『灯台へ』、『ねじの回転』、『若草物語』を読んだ。『ジェイン・エア』、『

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    2026年01月04日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    Twitterで話題になっていたので購入。最初はなんか思ってた感じと違う!読みにくい!これ耐えられるかな?と思ってたけど、読み進めていくうちにどんどん夢中になっていった。

    この本の1番の特徴は、色んな登場人物たちがその瞬間頭の中で考えている細かなことが、ほとんどそのまんまと感じられるほど正確に淡々と書き続けられていくところ。
    ほんの一瞬の間にも周りにいる人間たちは各々全然違うことを考えているんだな、同じものを見ても目の前にいる人間と自分とでは全く違うことを考え、お互いに対しても常に何らかの印象を覚えているのだなと、色んな人たちの心の声を聴きながら、それぞれの脳内に瞬時にワープし続けながら考え

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    2026年01月06日
  • 英語と日本語、どうちがう?

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    言葉についての深い洞察から翻訳の難しさを語っている。
    翻訳とは球体に1箇所から光を当てること
    内容語と機能語
    日本語は機能語なしでも通じる
    主語優先か主題優先か

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    2025年12月31日
  • 誓願

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    長編大作でした。
    3人それぞれの語りが過去に現在に飛んでいき、
    徐々に交錯していく…
    著者の手腕で置いていかれることなく、
    しっかりと作り込まれた世界に浸れました。
    現実でも起こりうる、起こっているであろう世界観、
    虚無感が随所でありながら、
    希望も感じさせ、
    感情移入ができる作品です。

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    2025年12月27日
  • 嵐が丘

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    ストーリーの乱暴さには何度読むのをやめたくなったかわからないけど、それでも引き込まれて読んでしまいました。まだ下があったか!というくらい引きずり下ろされていく登場人物たち。語り手の配置のうまさ。登場人物が「思った」という描写は一切なくあくまで「登場人物はそう思ったんだろう」という話し手の想像で描かれてるのがユニーク。

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    2025年12月25日
  • ほんのささやかなこと

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    1985年、寒さ厳しい冬のアイルランド。家族とのつつがない暮らしを守る実直な石炭商人の男。世界が誰にとっても完全に良いものになることはないのかもしれないし、どんなに善く生きたいと願っていても誰ひとり取りこぼすことなく全ての人に手を差し伸べることはできないが、彼の選択に勇気をもらう。

    自分を驕るでもなく、他人を羨むでもなく、これまでのささやかなことの積み重ねで今の自分があると知り自分でこれから進む方向を決めるって何よりも豊かなことだ。クリスマス飾りのように煌めく文章や描写の全てに、心が潤される。

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    2025年12月24日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    第一部は「明日晴れたら灯台に行こう」という母と子の会話から。別荘に集まって食事を楽しむ家族と友人の、たった一晩のやりとりで200ページを超えます。
    食事のシーンでのごく自然な会話、その奥でそれぞれが何を思っているかが全部!(ホントに全部)書き出されてます。
    会話の間で思考がぐるぐる、話を振られたら次はそこからぐるぐる…(「意識の流れ」というらしい)
    すなわち腹の中までお見通しなので、登場人物のキャラがハッキリ。海外文学あるある「この人なんだっけ」が起こりにくくありがたい。
    そして忘れた頃に、まーだ灯台の話してる!

    第二部はその日の真夜中。ロウソクを消してから〜朝起きる頃にはダダダッと10年の

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    2025年12月24日
  • ほんのささやかなこと

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    ケルティッククリスマスというコンサートに行き、アイルランド関連本として会場で販売されていて、売り子さんがイチオシだったので手に取って読んだ本。ただ、ただ良かった。贅沢な暮らしをしているわけではないが、愛する妻と娘たち、重労働だがやりがいのある仕事をする主人公に、ふと、こことは違うが地続きの、裏の世界が見えてくる。それは自分の生い立ちにも関わる世界だった。そこに一歩を踏み出すことは、幸福な自分の足元が崩れてしまうかもしれない危うさを含んでいる。。。クリスマスのこの時期に読んで本当に良かった。ディケンズの『クリスマス・キャロル』を彷彿とさせる、新しいクリスマスの物語。日本語訳の素晴らしさは言うまで

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    2025年12月23日
  • ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作

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    ひろさんの本棚から

    作品名もかわいいし、表紙も素敵

    翻訳家の鴻巣友季子さんが自らを形作った本として海外文学を紹介しています
    第一章 青春の輝き
    第二章 真実の愛
    第三章 奇妙な夢と苦い挫折
    第四章 大人のための童話
    第五章 強く生きる女性たち
    第六章 未来の予言
    各章に4〜5冊の本が紹介されています

    コンパクトな見出し、著者の紹介は親切で、翻訳家ならではの本の内容紹介は興味深いです

    私の読みたい本を各章1冊ずつご紹介します

    『あしながおじさん』ジーン・ウェブスター
    『高慢と偏見』ジェイン・オースティン
    『黒猫』エドガー・アラン・ポー
    『ハックルベリー・フィンの冒険』マーク・トウェイン

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    2025年12月21日
  • 緋色の記憶〔新版〕

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    初めは殺人を犯した女の異常さを追うのか?
    と期待し、どうやら途中で違うと気づく。
    女の感情的な様子を批判した内容なのか?女批判に感じる中盤
    と同時に、独りよがり幻想を抱きがちな男性陣。 
    思春期の変な思い込みで突っ走る。
    読み返すと、それはチャニングの父の本を読んで感銘を受けたところからくるのかもしれない。
    最後には絶望
    読み終わった後にまた初めの方から読み返すと、主人公の自己中心的さが際立つ…
    自分が悪いとは結局最後まで思っていないのかもしれない。

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    2025年12月20日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    100年前に書かれた小説の中で、過去の人として描かれるラムジー夫人。
    それでも、詳細に描かれる心の動きを読み進める中で、「その気持ち知ってる」と、ドキリとする。
    幼い子供と気持ちのケアを求める夫に対する気持ち、夫と通じ合える部分と通じ合えない部分、集団の中で気持ちを奮い立たせる振る舞い、どれも普段意識していないもしくは意識することを躊躇うことを、克明に書き出している。何気なく通り過ぎていく気持ちの機微を掬い上げ、言語化する筆者の手腕に驚く。時代が、文化が、世代が違くとも共有できる気持ちがあることに新鮮に驚いた。
    第一部は意図せず個人に立ち入りすぎてしまったような、どこか気まずい気持ちで読み終え

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    2025年12月08日
  • あずかりっ子

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    ネタバレ

    短い物語ですぐ終わってしまうので、大切に丁寧に読んでいく。
    はじめから、心に響く文章がいくつも登場する。
    秘密は恥。
    黙っていることは良いことだ。
    信じて良い人は見極める。
    手をかけて育てる。
    丁寧な言葉遣い。
    礼儀正しく。
    嘘をつかない。
    ギャンブルをしない。
    噂話をしない。
    教養。

    子供を亡くした夫婦で、崩壊する話はたくさんあるが、ここでは夫婦のお互いの愛情と優しさで支えあっている。
    周りに噂好きの友人達がいても、自分さえしっかりと愛を持って生きていたら、腐らない。
    黙っとく。
    人生って、苦行ではなく、心のままに愛を感じる素晴らしい日々。
    腐ってる人の家は散らかっていて、顔もキツい。

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    2025年12月01日
  • ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作

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    まずタイトルにそそられた。子供の頃、エニドブライトンのおちゃめな双子やはりきりダレルを読み、美味しいに違いない未知の食べ物を頬張る少女たちの描写にワクワクした私。赤毛のアンを読んで、素敵に違いない未知の生地のお洋服の描写にうっとりした私。あの頃読んだ外国の本は、よくわからないけど素敵そうなもので溢れていた。その感覚を思い起こさせるようなタイトル。ギンガムチェックと塩漬けライム…!

    どうやら同じような子供時代を過ごしていたらしい著者は、翻訳家で文学評論家。本書では彼女が子供の頃や若い時分から読んできた外国文学の解説が載っていて、外国文学への良い入り口になると思う。堅苦しくなく親しみが持てる語り

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    2025年11月15日