鴻巣友季子のレビュー一覧

  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    この名作をはじめて読みました。鴻巣友季子さんの訳が美しい。自然の美しさ、登場人物の魅力が目の前に立ち上ってくるようです。
    スカーレットの未来、南北戦争の歴史も知りたい。2巻目が楽しみです。

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    2026年04月05日
  • なぜ日本文学は英米で人気があるのか

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    非常にためになる良書。翻訳を通して世界の構図がわかる感じが良い。著者の達観したスタンスもこのテーマと合っている。村上春樹の世界戦略とか、初めて知ってへーという感じ。

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    2026年04月01日
  • なぜ日本文学は英米で人気があるのか

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    タイトルの通り、日本文学が英米でどのように、そしてなぜウケているのかを説明している。
    butterなど日本文学が海外で注目されているというニュースをよく見ていたが、本当にそうなのか疑問だった。
    データを元にどれくらい人気があるのか示してあり、その理由はそもそも翻訳文学が盛り上がっていることにあるとのことで、納得がいった。
    日本後から外国語に翻訳されている本も気になったが、中南米やインドなど、非英語の言語から訳されている本も読みたくなった。

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    2026年03月31日
  • ほんのささやかなこと

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    クレア・キーガンは「Walk the blue fields」と「Foster」は原書で読んでいて、読むのはこれが3作目ですが、これまで読んだ3作品の全てが本当に素晴らしい。

    丁寧な日常の描写の中にふと差し込まれる違和感と、主人公が自らの生い立ちを振り返って、後悔をしないための選択をするまで、彼の感情の流れを読みながら一緒に追体験できるような臨場感のある描写がすごく良かった。

    この先、彼には多くの困難が待っているはずだけど、それでもなお、その選択は「後悔しないための決断」というよりも、彼が彼である以上そうするしかなかったもののように感じられた。

    しかし、この出来事が1980年代だというの

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    2026年03月31日
  • 嵐が丘

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    大学時代に卒論で取り上げた大切な一冊。
    嵐が丘でしか味わえない空気感に、まさに虜になってしまいました!
    色々な要素が無駄なく絡み合いながら、壮大だけども非常に個人的な唯一無二の世界が作り上げられていると思います。だからこそ200年にわたって、さまざまな形でアダプテーションされ続けているのでしょう。
    これからも読み続けます!

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    2026年03月28日
  • 恥辱

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    犬の眼差し

    文が強く鋭い。主人公である50代男の現実的な視線をよく表現している。南アフリカは社会面でも自然面でも日本と違う土地だが、見える風景に対する毒づき方にはいちいち共感した。彼は西欧文学に通じる大学教授。西欧白人社会の偽善にうんざりしていて、口からは皮肉しか出てこない。その南アフリカは、ケープタウンから少し郊外に行くだけで、そうした偽善の裏側にある野生的で危険で不条理な社会がある。彼は学内のセクハラで訴えられ、追われるように娘の住む郊外に行くが、娘を食い物にして消化しようとしているその不条理な社会にも憎しみの目を向ける。鋭い社会批判小説だが、その視点は白人社会にも黒人社会にも置かれず、

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    2026年03月28日
  • ほんのささやかなこと

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    衝撃。1996年に施設が閉鎖されるまでこんな非人道的なことが国家規模で暗黙の了解でまかり通っていたなんて。2013年にようやく政府が公式謝罪したなんて。しかもこんな重大なことを記録に残すフィクションやノンフィクションがほぼ存在しないなんて。並行して読んでいるアトウッドの小説の世界とも完全にダブり、映画も現在上映中のようだからぜひみておこうと思う。犠牲になった女性たちの鎮魂のためにも。
    ある平凡で幸せな一家の穏やかで誠実な父親の勇気と正義が風穴を開けるがその後この一家はどうなるのか。彼自身も未婚の母親の子供だったにも関わらず母親の雇い主である気概のある女主人のおかげで悪の施設に行かされることもな

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    2026年03月28日
  • なぜ日本文学は英米で人気があるのか

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    ここ最近、川上未映子や村田沙耶香ら日本の女性作家の翻訳作品が英語圏で売れている。ちょっと前まで村上春樹一強のはずが何が起きたのか。読み手の変質(特に英米)はまあそうだろうが、書き手と読み手に挟まって日の目を見なかったプロフェッショナル達が評価されてきたというのはいい傾向だなと思う。

    あとAIによる翻訳についても言及があって面白い。アメリカの翻訳者が言うところの、死のない書き手による文学に興味はないってのは普通の読者はそこまで達観しないだろうが、AIの作った文学に何となく忌避感があるのは最終的にはそこに行き着くのかも。

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    2026年03月25日
  • 風と共に去りぬ 第5巻

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    人生を変えそうな小説。訳が相当良くて、夢中になって家にこもって読破しました。南北戦争と黒人差別、タラやアトランタの情景、スカーレットの強さと弱さ、メラニーの愛、魅力的なレット、タラのご両親、そしてアシュリ…。とにかく盛りだくさん、というかぎゅーっと濃い濃い読書体験でした。

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    2026年03月22日
  • ほんのささやかなこと

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    早くも、2026年の小説のベスト候補となる小説に出会ってしまった。

    日本語に不自然なところが多く、英語版と並行して読んだが、伝統的なアイルランド小説の流れを汲むと思しい散文的というか、1人称に限りなく近い3人称で思索の流れを中心に読者が主人公の思考に没入して類推していくことを強いるような文体で、翻訳が難しいところもあったのかと思った。

    内容は、強い衝撃を受けた『ドイツ亭』を思い出さずにはいられない。社会的な事象を、一人の人間のあり方として具体化して示すことで胸がしめつけられるような思いを抱かせる。ラストも救うでもなく絶望させるでもなく、読者をただ複雑な現実に放り出す。ウイスキーをぐいっと飲

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    2026年03月20日
  • なぜ日本文学は英米で人気があるのか

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    ​漫画などのサブカルチャーの枠を超え、現代の日本小説が英米で「正統な文芸作品」として確固たる評価を獲得している現在地を解き明かす一冊。
    ​特筆すべきは、その人気の理由を歴史的・社会的背景と接続させた分析の鋭さ。9.11以降の不安やブレグジット等に揺れる社会の閉塞感。そこに、日本の女性作家たちが描く多様な価値観や、猫・ヒーリングをテーマとした中編小説が、現代人の精神的渇望を満たすものとして合致しているという見事な構造的理解。
    ​また、このムーブメントの裏にある「翻訳者」の存在への着目。文化的文脈や解釈を深く理解し、言語の壁を越えて共感を再構築する彼らの媒介なしに、いまの熱狂は語れないという確信。

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    2026年03月08日
  • ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作

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    「海外文学の名作を読み解く」と始まり手にとった。小難しいジャンルだから考察本のようにかいつばみ、まぁ知ったと気になろうと思った。が、読んでびっくりする内容。
    現代は全ての積み重なった本の上に立っているのに、当たり前に受け入れその足元を見ていなかったと思うような衝撃。
    どれもが、これまでの人間の姿であり、自分であり、未来を示唆していた。
    この著者が女性の翻訳者であるからより女性の自立を戦う姿を読み解く場面が多く、
    これを新時代の女性のアイデティティ=フェミニズムとも言える。
    現代の私達はまだ一人で立つ事を受け入れられている途中であると感じているけれど、それでもこの海外文学の名作から読み解くに、な

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    2026年02月28日
  • あずかりっ子

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    ネタバレ

    読みはじめてすぐ、アイルランド版赤毛のアンみたいなお話なのかなと思った。全然違った。
    「水が染み出すマットレス」のあたりで、キンセラ夫妻が大好きになっていて、そのあとはずっと、
    主人公や夫妻に傷ついてほしくなくて、幸せになって欲しいという期待と不安でドキドキしていた。

    主人公はおじさんとおばさんと一緒に過ごして、愛されて、手をかけられる経験をして、二人を好きになって、二人の喪失と哀しみの片鱗に触れる。かと言って、両親や兄妹と離れたいわけでもないし、まだ幼い彼女には自分の居場所を自分で決めることはできない。
    最後のシーンの大泣きには、二人から離れる(自分自身の)寂しさだけじゃなくて、自分がいな

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    2026年02月28日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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     ラムジー一家とその仲間たちと、一緒に濃密な時間を過ごしている感じで読んだ。
     第二部では、一家のうち3人が亡くなり、荒廃した空き家の様子が描かれている。特に家を切り盛りしていたこの小説の中心人物であるラムジー夫人を失うことは、読んでいる私にも辛かった。
     第三部では、第一部から10年後、家は改修され、残された人達がかつての生活を回想しながら、新たな人生を送っていることがわかる。絵描きのリリーが、自分の描く絵に迷いがあったのに、最後に自分のヴィジョンを発見する所が良かった。
     灯台へと目指す舟で、父と子3人でサンドイッチを食べるシーンも良かった。
     「灯台」とは残された家族の再生の象徴なのかも

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    2026年02月22日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    まるでなにかに呼ばれたかのように、リリーはあわててカンバスに向き直った。まぎれもなくここにある──自分の絵が。そう、緑や青をふんだんに使い、ラインを縦横に描きこみ、なにかを表現しようとしているものが。

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    2026年02月21日
  • 嵐が丘

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    生けるものも死ぬものも、なにかを目にすれば、ある普遍概念に結びついてしまうんだ、無理に気をそらさないかぎり……望むことはただひとつだ。俺はそれをつかみたいと、全身全霊で切に願っている。あまりに長いこと一筋に焦がれてきたから、じきに手が届く気がするんだよ。それも、まもなくのはずだ。それほどに俺という人間は、そこに首まではまりきっている──願いがなかう予感に飲みこまれているんだ。

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    2026年02月21日
  • ほんのささやかなこと

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    静かな物語です。
    けれど静かな中に、作者の強い思いが伝わってきます。ほんの少し前まで実際にあった「マグダレン洗濯所」をモデルにして、その非人道的な活動、実態を皆んなに知ってもらおうと小説のかたちで書かれたもの。
    カトリック教会とアイルランド政府が、手を結んで進めてきた社会の暗部に対し、主人公は自分たちの今の生活が、子供たちの将来も含めて厳しいものになるのをわかっていても、一人のキリスト教徒として見過ごせなかった。
    そのあたりの苦悩がよく伝わってきました。
    この作品に目を止めて、翻訳してくださった鴻巣さんに感謝します。
    ささやかな小説ですが、たくさんのものが詰まった本でした。良かったです。

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    2026年02月16日
  • ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択

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     あるキリスト教系団体の村で起きた大量レイプ事件。最年少の被害者は3歳の少女。それは「悪魔の仕業」「作り話」とされたが、実は身内の8人の男による犯行だった。彼らを保釈させようと村の男たちが外出する2日間。女たちは子どもを守るために未来を選ばねばならない。何もしないか、闘うか、村を出ていくか。文字の読めない女たちの会議(ウーマン・トーキング)が始まる。

     2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれている。彼等はメノナイトという集団で暮らしており、自らの規律で生活できる土地を求めて放浪していた。ボリビアは熟練の農夫たちとして彼等を受け入れ、教育や福祉、自治体、紛争解決、財産

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    2026年02月15日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    今まで何度か挫折していたものの、コツさえ掴めばすんなりと読めてしまった。
    そしてそれが癖になり、味わったことのない読書体験に様変わりして、物語に囚われてしまう。
    ほとんどどこにも移動していないのに、随分と長く居座ってしまったこの感覚。

    時間感覚や空間感覚までもがこの作品に掌握されてしまい、最後のページを読み終えると同時に「これが物語(小説)の力よ」と心臓を鷲掴みにして、その力の偉大さにひれ伏す。

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    2026年02月11日
  • 英語と日本語、どうちがう?

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    昔「不思議の国のアリス」の原書を読んでいて、たくさん出てくる韻を踏んだ詩のような言葉遊びのような部分を、日本語だとどう訳すのだろうと不思議に思ったのを思い出し、なるほどと今回納得。翻訳者さんもいかに原文を活かしつつ読者に伝わりやすくするか、考え考えなのだなぁ。

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    2026年02月07日