鴻巣友季子のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム
    ハーマンについて実践的に論じてくれた上間さんの回がとりわけ素晴らしかった。トラウマ経験者にとって、震えながら読んだ。

    上野さんの半身で組織に関わる提言も素晴らしい。
  • 文学は予言する(新潮選書)
    いや〜おもしろかった!

    課題図書として『侍女の物語』を読んでおいて正解だった。

    そもそも第一章の「ディストピア」が読みたくて買った本だったのだが、「翻訳」について書かれた部分が本当に勉強になった。蒙を啓かれるとはこのことかと。今まではなんとなく翻訳で読むというのは原文で読む体験に少しは劣るんだろ...続きを読む
  • 緋色の記憶〔新版〕
    静かな文章だからこそ、ぞっとする内容だった。
    文学小説慣れしてない人には、ちょっと読むのが苦痛かもしれないと思った。
  • 風と共に去りぬ 第1巻 無料試し読みブックレット
    映画が有名ですが、ミッチェルの原典を読まずに人生終えなくてよかった。
    良き作品を創ることに男女も年齢も関係ないと教えてくれる。名作中の名作。
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム
    フェミニズムに関わる本とそれで描かれるフェミニズム要素について、4名の方が書かれてるんだけど、どれも異なる視点で面白かったです。読めてよかった!

    『侍女の物語』『誓願』は前から気になってたけどいっそう読みたくなったな〜。最悪な構造の中で異なる立ち位置にいる女性たちが描かれる物語、気になる‥‥。

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  • 風と共に去りぬ 第5巻
    読書会で取り上げられてなかったら、読まなかっただろう。読書会での発表を意識して読んだお陰で、訳されている言葉の適不適であったり、表現されている意味を考えながら読む事が出来た。

    また、読書会参加者の視点を得る事で、新たな気付きや新鮮な考え方に触れる事が出来た。

    特に自分自身が年齢や経験(今回の場合...続きを読む
  • 緋色の記憶〔新版〕
    以前にクックの「夜の記憶」を読んだことがあり、この作品はまあかなり、いわゆる「イヤミス」で読んだ後になんとも言えない気持ちになって、登場人物の名前を全く別のシチュエーションで聞いてもその気持ちが蘇るトラウマミステリーでした。
    なので、なんとなくしばらく遠ざかっていたクックなのでした。


    こちらの作...続きを読む
  • 翻訳ってなんだろう? ──あの名作を訳してみる
    タイトル通り翻訳とはなんであるのかを書いてくれる本です。
    何個かの有名作品を取り上げて、文章の知識、訳し方、英語の表現など勉強になる事がたくさん多かったです。
    中学入試にも取り上げられていますが、英語学習者にも最適な内容だと思います。
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム
    特に上間陽子さんの解説が良かった。やはり現場に入り込んでいる人の言葉は重いし、そして思いにあふれている。上間さんが紹介した「心的外傷と回復」を是非読みたいと思ったが、高額すぎて少し躊躇する。
  • 緋色の記憶〔新版〕
    ミステリーと一言で表現出来ない。細やかな情景、語り部の心情、結末は最初から分かっているようで、しかし深層は分からない・・・とても残酷な美しい、人間を描いた物語だった。初クック作品だったが、善き作家との出逢いに感謝。
  • 風と共に去りぬ 第1巻
    読書会での課題本。

    大学時代に一応読んだハズだが、ほとんど覚えていないので新たな気持ちで(新たな訳で)読む。翻訳本にありがちな、読み返しをほとんどしなくて良いので楽に読み進められるし、第一自分が住んでいたアトランタの事だから、書かれている自然描写や匂いまでが具体的に感じられる。

    若い頃に、多くの...続きを読む
  • 嵐が丘
    殺伐陰険とした暗い世界に一筋の眩い光が射したような、思わず目を細めてしまう痛烈な愛の物語で、何度読んでも溜め息がこぼれます。
    また、200年近く前に遥か遠くの英国の地で生まれた物語が、今私の手の中にあることにも深いロマンスを感じてしまうのです。
  • 緋色の記憶〔新版〕
    まさかのトマスHクック、緋色の記憶、版元を変えての新版。20年ぶりくらいに再読。

    村に降り立った美術教師が同僚を愛した。その結果、悲劇が起こる。過去を悔やむ老弁護士が語る、チャタム校事件の真相とは。

    過去を振り返る系の小説としては、完璧。最高の小説だと思う。
    あの日あの時、誰が何をして、誰に何が...続きを読む
  • 緋色の記憶〔新版〕
    トマス・H・クックは初めて読んだ。
    すごく好みで驚き。クラシックな雰囲気、静かな筆致で、過去の事件が少しずつ浮かび上がる。
    その少しずつの書き方が、すごく上手い。最初は地味かなと思って読んでいたけれど、ぐんぐん引き込まれました。登場人物も多くないけれど、一人一人の置かれた立場からの思惑が練り込まれて...続きを読む
  • 風と共に去りぬ 第3巻
    ああ楽しかった。
    素晴らしい読書体験だった。
    スカーレットの人生が気になりすぎてページを捲る手が止まらなかった。
    第3巻までしか読んでいないのに、私の心の中にはスカーレットがもう住み着いている。
    これが本と友達になるっていうことなのかな。

    アシュリ推しの私は248〜251Pを何度も何度も繰り返し読...続きを読む
  • 風と共に去りぬ 第2巻
    感動という言葉以外の何物でもなかった。
    一巻だけを読んだ人からすれば、この「風と共に去りぬ」は単なる恋物語で、スカーレットのこともわがままで子供っぽいお嬢様、というイメージで終始しただろうと思う。
    実際私もそうで、スカーレットのアシュリーへの思いも、あの自由奔放な性格も本当に本当に愛しているし大好き...続きを読む
  • 恥辱
    ずどんと重いものが内臓に残るような読後感。
    ルーシーの存在は、彼の「女を組み敷きたい」という暗い欲望がどこに繋がっているかをまざまざと見せつける。女がすべて彼の人生の彩りでしかない(彼がルーシー以外の女性を人として捉えられない)状態から、主人公を徹底的に引き摺り下ろす。

    羊の命にこだわり、土地の風...続きを読む
  • 風と共に去りぬ 第1巻
    一度、高校生の時に綺麗な装丁に惹かれて読んだ記憶。
    当時は主人公のスカーレットがどうしても苦手で、その行動一つ一つが理解できなかった。でも3年後に再読してみたらスカーレットってなんで魅力のある女性なんだろうって思うようになりました。自分の中のなにが変わったのかはわからないけど、スカーレットの持つ自由...続きを読む
  • 文学は予言する(新潮選書)
    古今の名著と当時の社会を照らし合わせながら読み解き、その作品がのちに現実のものになった事例も指し示す。
    作家の想像力は、世界の行く末をも見通す。
    それはひとえに作品を生み出す過程で蓄積された広く深い知識見識の賜物なのだろう。
    またそれらを踏まえ、「物語」として後世に語り継がれるものを編み出す類まれな...続きを読む
  • 嵐が丘
    これは恋愛小説ではない。局所的には人間の醜さ、ーー身勝手、意地悪、嫉妬、強欲、怯弱ーーが随所に現れているが、それを繋ぎ合わせると何故か美しい、そんな奇妙な、迫力ある作品。

    アーンショー家に引き取られた孤児ヒースクリフはその家の娘キャサリンと共に育つ。キャサリンの父亡き後、彼女の兄によって虐待され、...続きを読む