鴻巣友季子のレビュー一覧
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今年公開された新たな映画版「嵐が丘」を観たので、原作が気になり読んでみた。
映画はかなり改変されていると聞いたが思った以上に全然違ってびっくり!違うというか、原作の要素をかいつまんでまとめるとああなったというか。
みんな性格に難ありだな〜と思っていたけど、原作は映画の倍くらい難ある登場人物が出てくる(笑)
キャサリンは新旧どちらもヒステリーすぎてマジで一回ちょっと落ち着けよと思うし、ヒースクリフはサイコパスすぎるし、ジョウゼフも気狂いジジイだし、淡々と喋ってるネリーも絶対自分では語らないヤバい部分山ほどありそうだし、一行も気が抜けなくて楽しめた。 -
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ネタバレ初めはすごく好きだったスカーレット、戦争の中メラニーの出産を助け、その後のヤンキーたちからタラを守る姿はカッコ良すぎて痺れた。だが、そこからのスカーレットには感情移入できる部分が少なかった。特にレットと結婚した後のスカーレットに対しては作中で最も嫌いなキャラになってしまった。
ラストシーンではレットのスカーレットへの愛情とレッド以外を失ったスカーレットの対話は素晴らしかった。
最後の1日はメラニーとアシュリ、レットの最愛の人3人を失ってもまだ明日にはなんとかなると考える。
スカーレットはきっとこれからも自分を支えてくれた人や自分が愛した人がどんどんいなくなってもそれに気づくことなく人生を歩んでいくのだろう。
ずっと違和感みたいなのがあって、スカーレットの他者の死への感覚が薄れすぎている。レットのように最愛の娘が死んだ時は酒を飲んで忘れようとしたり、するのが普通なのでは?メラニーが死んだ後もすぐにレットのことを考えている。母親や父親が死んだ時もフランクが死んだ時も、立ち直るのが早すぎる。ヤンキーを1人殺したことが死への考えを薄めてしまったのか?これは戦争の影響も大きい。
誰よりも大人のようでいつまで経っても子供のままのスカーレットの恐ろしさのようなものを感じてとっても面白かった。 -
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解説入れてほぼ700ページ!「侍女の物語」の15年後を描く続編。前作の重々しい感じからはだいぶタッチが変わって軽めのノリで、残酷な拷問場面や女性リーダーによる国家転覆を目論んだ復讐劇や狂信国からのハラハラする脱出劇などのスリルとサスペンス感も多分に加わって意外と読み進めやすかった。アメリカの女性が現実に感じてる違和感や恐怖、もちろんイスラム圏での女性蔑視など世界中、過去現在未来の全ての時制で女性が晒さられる危機をアトウッドはその筆に込めている。人ごととしてではなく自分ごととして考え、注視していかなければ。自分を取り巻く世界なんて簡単にひっくり返るかもしれないのだから。
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北海道恵庭市で元市会議員が経営する牧場で3人の知的障害者が、長い人では40年近く食事もまともに与えられない劣悪な環境で奴隷のように無給で働かされていた。恵庭市はことを荒立てないために虐待事案としての申し立てを無視し続けた。この人たちが解放されたのはなんと2022年のことだ。全く同じ話だし、昔の話ではない。この短い小説は社会の問題を外側から糾弾しているのではない。そんな社会のなかで生きていく中で、どうやって己の倫理を守り通せるのかということだ。そのための行動は確かに未来において大きな難題を産むかもしれない。でも、少なくともいまその倫理や徳を守るための行動はささやかなことなのだ。
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柚木麻子さんの『Butter』、王谷晶さんの『ババヤガの夜』でダガー賞の翻訳部門にノミネート、のち王谷さんが受賞となったあたりから翻訳系の出版関係の人たちが日本のおもに女性作家がよく読まれているというのを聞いて「なんで!?」と思っていたらまんまのタイトルの本が出版された
読んでいくと日本の小説が翻訳、出版される歴史やきっかけとなった要因などが細かに解説される
それにあたり翻訳されている小説が挙げられるのだが「この作品も?」というものがたくさんあり、片っ端から読みたくなってくるからだめだ
本に関する本というのはたいてい読みたい本が増えて、どうしよう…となる、いつものこと。
そのなかで英語圏とそのほかの言語のパワー関係なども解説されており、日本で海外の翻訳小説をよく見るけどそれはこういうことかあと翻訳文化の土壌を認識したりとその点も興味深かった
鴻巣さんが翻訳とは批評と言っていたことも、そのテクストと内容を読み、原典の文化と翻訳する側の文化を照らし合わせて、最適な言葉でつづる。そういう行為はたしかに批評だ。
また謝辞の部分でこの情勢の中で翻訳文学を読むということは排外主義への抗いだという鴻巣さんの言葉がとても心強く、またブームであることに希望が持てた -
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日本の小説が海外で読まれる、といえば村上春樹、というのが定番だった。
が、どっこい今は違うフェーズに来つつある。
女性作家が大いに読まれている。
代表は「コンビニ人間」の村田沙耶香。
その他続々女性が進出している。
その背景には若い翻訳家の登場も大きく影響している、というのがこの新書の見立て
なるほどねえ。
柚木麻子のバター、も取り上げられている。
読んだことはおろか聞いたこともない要チェックだ。
ひところクールジャパンといえばマンガ、アニメだったが、
どっこい文学も頑張ってる、というのはすばらしいことだ。
はじめに 日本文学になにが起きているのか?
第1章 海外に進出する日本の作家たち──村上春樹以後の新たな潮流
第2章 女性作家の躍進と世界の文学潮流──筆をもって闘うということ
第3章 日本文学は英米読者にどう読まれているか──村上春樹、村田沙耶香、柚木麻子の書評を読む
第4章 日本文学をプレゼンする出版社と翻訳家たち──世界に向けて「推し」を叫ぶ
第5章 翻訳をとりまく世界文学の状況──なぜ若者に支持されるのか?
おわりに 翻訳という世界文学ネットワーク -
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アマンダ・ゴーマンさんの詩集ですね。
訳は、鴻巣友季子さん。
アマンダさんが2021年、バイデン大統領の就任式で22歳にして本作品を朗読。
英語の対訳も掲載されているのと、柴崎友香(詩人)さんと鴻巣友季子さんの解説対談も附記されています。
朝が来るたびに、わたしたちは自問する。
どこに光を見出せるというのか?
この果てなくつづく暗がりに。
わたしたちの抱える喪失、これからわたる荒波に。
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朝が来たら、暗がりから踏みだそう。
熱い思いを胸に、臆することなく。
解き放てば、新たな夜明けが花ひらく、
光はきっとどこかにあるのだから。
わたしたちに見る勇気さえあれば、
わたしたちに光になる勇気さえあれば。
黒人であるアマンダさんが、人種差別や戦争や紛争、断絶を解決するように訴え掛けた「わたしたちの登る丘」の詩の完全版ですね♪
現大統領のトランプとは真逆の、人間主義の壮絶な雄叫びに賛歌あれと祈ります(=゚ω゚=) -
Posted by ブクログ
ネタバレヒースクリフとキャサリンは激情型の性格で、言葉で確かめ合うことはなかったものの、互いに愛し合っていたと思う。ただし、キャサリンはヒースクリフを結婚という形で所有しようとは考えていなかった。一方ヒースクリフは、同じ気持ちであれば結婚に至るはずだと信じていたため、その選択に強い衝撃を受け、逃げ出してしまう。帰ってきた後のヒースクリフの生き方は、残酷な支配者だった。他人を支配し、痛めつけることを復讐と呼び、相手を突き放すような言葉を投げつけ続けた。キャサリン亡き後も、彼は復讐を生き甲斐としていたように見える。喪失を埋めるためには復讐を続けることしかできなかったのだろう。感情のままに言葉を投げつけ、その言葉で他人を縛り、傷つけ、最終的には自分自身をも追い詰めていく生き方は精神を病まさせる。そうした激しい感情の応酬による心労で、作中の登場人物たちは若くして亡くなったのだと思う。一方で、若く未来を持つ二代目キャサリンと、遅まきながらも学ぶことを選んだヘアトンは物語の中で次の時代を担う存在として描かれている。激情が渦巻いていた嵐が丘の空模様は凪いだように穏やかに変わっていく。