鴻巣友季子のレビュー一覧

  • 全身翻訳家
    翻訳家という生き方。

    翻訳について、子どもについて、生活について、昔について。その職業を選んだ流れみたいなのが見えるエッセイが面白い。また翻訳の歴史が見える話も興味深い。「スカーレットと江戸ことば」あの明日は明日の風が吹くと訳したのは誰かについて。歴史を辿っていく謎解きが、個人の歴史と重なり合うと...続きを読む
  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)
    2015年に新潮文庫からマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」(Gone With The Wind→GWTW)全5巻の新訳を行った鴻巣友紀子氏が、翻訳を通して見えてきたGWTWと、作者マーガレット・ミッチェルがこの大ベストセラー小説に込めた想いを分析した評論。

    GWTWはマーガレット・ミッ...続きを読む
  • 嵐が丘
    おもしろかったのかもしれない。
    ヴァージニア・ウルフの自分ひとりの部屋を読んで、それから気になっていたので手に取った。

    人の忠告に耳を貸さない者と過去にネグレクトされた成人、復讐のため人を操り騙す者など、どの登場人物のことも全く好きになれないし、その言動に不快感は増すばかりなのに、どんどん読み進め...続きを読む
  • 風と共に去りぬ 第2巻
    おおお!一気に緊迫感!
    スカーレットの抑えられてきた強さがこれから見れると思うと楽しみ
    あとレット・バトラーめちゃくちゃカッコイイ
  • 風と共に去りぬ 第1巻
    んー、おもしろい!
    恋愛なしでは生きていけないスカーレットが私とは正反対過ぎて、彼女の生き様にとっても興味がわく!
    言葉や描写が綺麗だし、歴史の勉強にもなりそう。
  • イエスの学校時代
    何を言いたいのか私にはよく掴めなかった。
    ただ、ページが進むにつれて、シモンが愛おしくなる。
    ダビードやイネスに冷たくされながらも、ダビードの為に、一所懸命になる姿に応援したくなる。

    シモン、イネス、ダビードは疑似家族。でも、シモンはダビードの為に、父親としての任を果たそうと頑張る。
    イネスのよう...続きを読む
  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)
    初めて読んだのは確か小5くらいのときで、家にあった河出書房の世界文学全集の、なので大久保康雄訳。他のがグリーンなのになぜか「風と共に」と一部の小説が白い表紙で、その乙女っぽい装丁にときめいた記憶がある。その後、高校生くらいまで何度か再読した。映画のほうはたぶんNHKで観たと思う。ヴィヴィアン・リーと...続きを読む
  • 嵐が丘
    最高の恋愛小説、と聞いたけど、ひたすら怖い絶望のホラーだった。
    金色夜叉に似ている。愛していたキャサリンがエドガーリントンに嫁ぐと知って姿を消したヒースクリフは、復讐のために帰ってくる。宮さんに復讐するのとは違い、ひたすらキャサリン以外の人を虐待していくところが余計怖い。ヒンドリーには元からいじめら...続きを読む
  • 恥辱
    先が読めない、と思ったあと、人の気持ちは分からないのだから当たり前と思い直した。語り手である彼は、同僚にいたら避けたくなる人物だが、そうした人間になって世の中を見る感覚が面白かった。
  • 風と共に去りぬ 第4巻
    やっと4巻読み終えた。
    4巻はちょっと退屈だったけど、この後の展開のためには必要なのかな。
    アシュリの妹インディアは25歳でオールドミスなのか。
    まあ、昔だからね。
    スカーレットがなんでアシュリをいつまでも好きなのか解せない。恋は盲目なのか、顔がどタイプなのかしら。
    最後の最後、事件が起きた時もフラ...続きを読む
  • 嵐が丘
    作品の内容は暗くて重いが、そのようなことがどんどん嵐のように過ぎていき、何事もなかったように終わる。
    重要人物の誕生や死が人伝に聞く文章だからか、あっさり書かれている。そして、気になったのはよく泣く登場人物(特に女たち)と、一人よがりで自分勝手な登場人物と、病弱な人たち。今では空気を読まないといけな...続きを読む
  • 翻訳ってなんだろう? ──あの名作を訳してみる
    翻訳とは外国語で書かれたものを日本語に訳することだ。訳するとは何なのか?それは外国語で書かれたものを深く読み、掘り下げて、作家の意図を探り取らなければならない。翻訳とは訳をする作業なのではなく、読み込む作業なのだ。
    翻訳家であり、翻訳教室なども催している筆者が、10作品の例文を提示しながら、その訳し...続きを読む
  • 恥辱
    読みやすくはあるが、扱う主題は難しい。
    都会で教授をしている二度の離婚経験のあるおじさんが、性欲を抑えきれず教え子に手を出して、職を追われ、田舎の娘のところに行き着き、そこから展開していくストーリー。
    南アフリカの白人と黒人の間のわだかまり、治安の悪さ、強姦などといった時代背景がある中、娘とは事件後...続きを読む
  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)
    よく知らなかったミッチェルのことを知れたのは、良かった。メラニーが真の主人公だったんだね。まあ、た確かに一番深みはあったのかなあ。でも、彼女も嫉妬心があったみたいなくだりはよく分からなかった…。
  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)
    どうしても映画版にひきずられること含め、いろいろ看破された感じ。さすがご慧眼! 鴻巣訳で再読しようかという気持ちになりました。
  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)
    かぜともファンには垂涎ものの本だろう。
    時間がなくて飛ばし読みだったけど、スカーレットより、
    メラニーの方がいざとなったら腹が据わっていて度胸があるというのは新しい視点。
  • 風と共に去りぬ 第4巻
    なんというか、共和党、北部の本音も描いてはいるけど、やっぱり奴隷制にはイノセントね。
    そうしたことを除けば、女性の強さ、対しての愚かさなどがよき描かれている。
    よく思うのだけれど、男性作家の描く女性よりも、女性作家の描く男性のほうがリアルに感じる。
    まあ、これが名作だから、ってだけかもしれないけれど...続きを読む
  • 翻訳ってなんだろう? ──あの名作を訳してみる
    英語のニュアンスのあれこれはもちろん、物語の背景も読み込んで日本語に置き換える面白さ。英語がわからなくても、原作を読んだことがなくても、読み物として面白いと思う。
  • 恥辱
    気分が落ち込んだ時に読んでたからますます落ち込んだ。救いがない……。

    定年まぎわのおじちゃん教授は性欲ギラギラで教え子とやっちゃって教職を追われ、娘が住むアフリカへ行ってみるんだけれどギャングどもにやっつけられてやれやれ……というはなし。

    救いのない時代の救いとは何か。成長なき時代の成長とは何か...続きを読む
  • 恥辱
    人間を単純に2つに分けることはできない。という真理を感じる小説だった。
    良い人、悪い人。幸せな人、不幸な人。偉い人、偉くない人…。

    時代や文化が変われば、価値観は変わる。同じ時代、同じ文化においても、人によって価値観は異なる。
    だから、本当の意味で相手を理解するというのは、ほぼ不可能だ。

    だから...続きを読む