鴻巣友季子のレビュー一覧

  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

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    大昔読んだオデュッセイアは当たり前にオデュッセウスの冒険が描かれていて、ペネロペイアはひたすら夫の帰りを待っているだけの存在だった。
    正直、12人の女中が殺されたくだりがあったかどうかも覚えていない。
    英雄の物語の裏で、女たちにはこういうことがあったのかもしれない。新しい視点でおもしろかった。

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    2025年09月22日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    家族でも結局、一人一人の人間なのだから
    分かりあうってことは、ごく珍しいかもしれない。

    この本は第三者から見た景色や語り手から見た景色が進む話ではない。

    出てくる登場人物たちが、お互いにどう思っているか、どんな感情を持っているかが延々と書いてある。

    誰かのたった一言に対して、過去の記憶や複雑な感情が数ページにわたって書かれていたり、何も起こらない静かな情景の中で、人との孤独や繋がりが繊細に描かれている。

    セリフだって無いようなもので、
    読んでいて本でしか表現できないとは
    こういうことかと思った。

    映画ではどうしても台詞や行動で表現する必要があるから、ここまで深く、複雑な感情を伝えるの

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    2025年09月19日
  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

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    初めてアウトウッドの著作を読んだ。

    英雄譚というものは古来より男性視点で語られており、英雄譚の中の女性は戦利品で、家の財産で、奴隷で弱者で声なき者である。ペネロペイアは『賢く貞淑なオデュッセウスの妻』という評判だからこそリアルな女性として声を上げる様を私は想像したことすらなかった。彼女らの生き生きとした姿がよみがえる。

    話が進むに従って、互いの言い分が食い違うペネロペイアと12人の女中たちのコーラスにゾッとした。ペネロペイアも嘘をついたり素知らぬ顔をできるこの仕掛けが気に入った。

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    2025年09月18日
  • ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作

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    翻訳家である著者が海外文学を原著の引用も交えながら紹介する書籍。英語アレルギーがあるので、ところどころ英語の参考書みたいになるのがやや苦痛だった。

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    2025年09月16日
  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    スカーレットはお世辞にも良い子ではないし、性格や考え方が曲がっている部分もあるけど、自分に正直に生きているところが魅力的な女の子。
    彼女がこれからどんな人生を歩んでいくのか、予想もつかないが、とても楽しみに思う。

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    2025年08月10日
  • ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作

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    翻訳家・鴻巣友季子さんによる、海外文学を原語の視点を絡めながら読み解くというもの。
    若草物語やジェイン・エアなどなど、大昔に読んだことはあるが、細かいところはうろ覚えなので、「こういう事ですよ」と言われても、『そうだった…け?』ぐらいの感想しかないのが少々恥ずかしい。「嵐ヶ丘」も「高慢と偏見」も確かに読んだはずなのに…。
    シェイクスピアも、ロックダウンを経験しそこがあったからこそ、名作が生まれたとも考えられるというのは、現代に置き換えることもできて、共感があった。

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    2025年08月07日
  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

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    『オデュッセイア』を、夫を20年待ち続けた賢妻ペネロペイアの視点で⁉なんて、アトウッドにしかできまいよ。死後の世界で前世を振り返るペネロペイアの独白、不実と殺された12人の奴隷女たちによる恨みのコロス(ブロードウェイ風になっていたりしてオモシロ)から、衣食住の詳細も豊かに浮かび上がる現代の女性像との対比。いや~本質はそんなに変わっていないのかも…。
    たまたま飛行機で見た映画が、レイフ・ファインズ&ジュリエット・ビノシュがこの夫妻を演じる『The Return』だったりして、それぞれの解釈の違いも楽しく、薄い本なのに実に読みごたえがありました。

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    2025年08月03日
  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

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    ホメロスのギイシャ神話「オデュッセイア」を、女性登場人物の視点で描く。
    オデュッセイアに20年放置された妻ペネロペイアと、オデュッセイアが帰還した際になぜか殺された12人の女中たちが、
    神話では語られなかったオデュッセイアが冒険に出かけていた間の20年を語る。

    ジェイムズ・ジョイス の「ユリシーズ」を読む前にこれを読んでいたら、「ユリシーズ」の感想は違ったものになっていた気がする。

    「オデュッセイア」を知らなくても楽しく読めるが、「オデュセイア」を知ってから読むと、パロディもの(?)二次創作もの(?)としても楽しめるんじゃないかな。

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    2025年07月17日
  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    昔からそのタイトルだけはすごく有名だったので知っていたが、今になってようやく読むことになった『風と共に去りぬ』。韓国ではこの小説の最後の紋章である「tomorrow is another day」を訳した「明日は明日の太陽が昇る」がとても有名だ。この小説を読んだことがない人でも、このフレーズだけは大体知っている。

    日本ではこのフレーズが「明日は明日の風が吹く」と訳されているようで、同じ意味をおたがい異なって表現している点は面白いが個人的には韓国語の訳の方が好みである。比喩的に語りながらもいいし原文の意味をありのまま含んでいるところが良かった。

    小説は、わがままなスカーレット・オハラが南北戦

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    2025年07月14日
  • ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択

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    小説ではあるが、実際の事件の被害者の聞き取りという形をとっているため、ノンフィクションに分類。

    その宗教団体は、外界から完全に切り離したところに、独自のコロニーを築き、主に農耕などをして暮らしている。そこでは、完全な家父長制がしかれ、女は子供を産み、家事をする道具として所有されている状態であり、よって、一切の教育はされず、読み書きができるものはいない。言語も、ほとんど消えかかっているマイナー言語で、発達していない。ゆえに、彼女らは自分の気持ちや考えなどを、正確に言い表すことも出来ない。そこで起こった事件とは、朝、起きた少女と女性たちが、だるさや痛みを感じ、体にアザや出血が見つかるということ。

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    2025年07月07日
  • 嵐が丘

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    ネタバレ

    リントンさんの一家がなんも悪くないのにめちゃくちゃにされてかわいそう。
    ヒースクリフとキャサリンになんも共感できない。
    真実の愛とは周りにとって残酷なものなのかな。
    部外者にとったらたまったものじゃないな。

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    2025年06月21日
  • ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択

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    映画を観て衝撃を受けたので原作小説に興味がありました。
    アトウッドも絶賛していたので更に惹かれていたのです。

    ボリビアで実際にあった事件。
    そこから着想を得たという今作品は、女性たちが話し合う2日間の議事録がメイン。
    残念ながら、
    映画とは違い、衝撃は感じず緊張感もなかった。

    ただ、ウーマン•トーキングというタイトルは秀逸である。
    そのままでありながら、そのことがどれほど重要で、価値あることかを教えてくれる。

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    2025年06月17日
  • ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択

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    ミリアム・テイヴズ『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』角川文庫。

    映画原作の実話に基づいたフィクション小説。物語というよりも、女たちだけの2日間に亘る会議の内容が、書記として会議に出席した唯一の男であるオーガストの視点で綴られる。

    正直言って、退屈な作品だった。深刻なテーマだけにもっと大きな展開を期待したのだが、宗教的でもなく、哲学的でもなく、余りにも平坦な展開にがっかりした。


    ボリビアにあるプロテスタントのキリスト教団体のコロニーで起きた大量レイプ事件。被害者は最年少が3歳という極悪非道ぶりであった。朝を迎えて、身体の痛みや出血を訴える女性たち。それは『悪魔の仕業

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    2025年06月07日
  • ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作

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    ウルフの「灯台へ」の解説は、ウルフの読み方の助けになるかも。翻訳家ならではの、原文の示唆するところが書かれている。
    今度100分de名著が、鴻巣さんで、しかも、マーガレット・アトウッドの「侍女の物語」と「誓願」。
    軽く予習しようと思ったが、思ったより軽め。

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    2025年05月20日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    新潮文庫の名作新訳コレクションStar Classics シリーズで読んだ。

     第1次世界大戦を挟んだ10年間の年月の推移を、2日間の出来事を描写することであらわしている。戦前の屋敷内は人があふれ、主人公ラムジー家の隆盛が書かれる。一家だけでなく、関係する老若男女が屋敷に集い、主にラムジー夫人の目線で各々の関係を描いている。

     戦後の1日は、空き家状態にあった屋敷を清掃管理する描写から始まり、ラムジー夫人が亡くなり、社交の場としての機能を失った屋敷が書かれる。10年前に屋敷に集っていた画家の女性が主な語り手となり、10年前の記憶と現在の描写を対比し変化を実感させている。

     幼かったラムジ

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    2025年04月26日
  • ほんのささやかなこと

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    “「女の子のなにがいけないのでしょう?」ファーロングはつづけた。「わたしの母もかつては女児でした。お言葉ではありますが、院長もそれに当てはまるでしょう。人間の半分に当てはまります」”(p.85)

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    2025年04月23日
  • 風と共に去りぬ 第4巻

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    最終巻で感想を書く

    さてさて、この第4巻はなかなかねじれている。
    (単純なのはスカーレットだけ?)

    ここまではどちらかというと派手だけど一本道だった。
    現代にまで続く複雑な人種感情が、勝敗や肌の色に関わらず暴露されていく。

    しかし、エンディングへ向かうための重要な巻であることは想像がつく。

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    2025年04月20日
  • 老いぼれを燃やせ

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    あああ。私も高齢者に近づいているんだな。という実感。
    登場人物の心情がわかりやすかった。

    訳がよいと思う。鴻巣 友季子(訳)

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    2025年04月18日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    大家族と客人が住む別荘では、気持ちのすれ違いがほとんど。でもなんとかなっている。会話のやり取りや心情の読み取りが難しい。解説が役立った。2025.4.13

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    2025年04月13日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    難しい。
    同じ場に居合わせても、人それぞれ思っている事は違う。
    何を思ってるのかも、想像と違うかもしれない。わからない。
    人に気をつかって、迷惑がられるかもしれないなら、自分の好きなように、自分の気持ちが良いように生きよう。
    正解は無いと思う。

    訳者あとがきを丁寧に読んだら理解が深まりそうだが、読後、疲れて、その余力は無かった。
    またいつかあとがきをゆっくり読もうと思う。

    キラキラ輝くリゾート地セントアイブスを暗いスカイ島に置き換え。
    モリスの壁紙から心明るくなる壁紙に変える。

    家族の愛の形。本人はそれが愛と思って接している。相手にとっては愛とは思えなくても。

    ウルフは、人は何のために

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    2025年04月12日