鴻巣友季子のレビュー一覧
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ネタバレ中々に手ごわい小説です。
久しぶりに読み終わるまでにひと月以上かかった(^▽^;)
下巻があるので、まだ時間はかかると思いますが、読むのを止めるという意識はないです。
財を成した名家の一代記であり、また死んだ人間が書いた小説『昏き目の暗殺者』が交互に物語を形作り、その合間にゴシップが入る。
時代は第一次世界大戦から第二次世界大戦後にかけて、一族の没落や家族が重たい小説ではありますね。
この段階で感想はこの程度しか書くことができないですが、下巻でローラが真に何を描きたかったのか、そしてローラの姉であり語り手の『わたし』であるアイリスが最後まで何を語るのかを読みづつけたいと思います。
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ネタバレ言わずと知れたハリウッド名作映画の原作だが、映画と原作は全く別物だそうです。まぁ映画観てないんで関係ないですが。
アメリカの南北戦争を目前に控えた南部。アイルランドからの移民を父に持ち、大農園の長女であり、周囲の目を惹きつける魅力をもったスカーレット・オハラ。
南部の娘は毎週の様に開かれるパーティーで男性を見つけ結婚するのが昔ながらの幸せとされる。スカーレットはその容姿でいつも男性たちを虜にしていたが、自分が密かに心を寄せるアシュリには想いが届かず、アシュリはメラニーと婚約を発表する。
なんでも自分の思い通りにしてきたスカーレットは傷心の中、全く好意も興味も抱いていないメラニーの兄チャールズと -
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『明治大正翻訳ワンダーランド』を読んで以来。
さすがだなあ、と思う。
翻訳者のエッセイなら、先ごろ岸本佐知子さんの作品を読んだ。
あれもとても面白かった。
岸本さんのサービス精神と、稀有のキャラクターのなせる文章だった。
こちらは、エッセイから伝わる著者の生活ぶりもすてきだが、翻訳者としての苦心や気配りなどが、より突っ込んで書かれている部分が印象に残る。
『風と共に去りぬ』の、「明日は明日の風が吹く」という名訳。
これは誰のものなのか。いつから流布したのか。
「スカーレットと江戸ことば」はこの事情を明らかにしていて、とても面白かった。
阿部知次の昭和十一年の抄訳にはじまり、数々の訳を見 -
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若い頃に読み損ねた「嵐が丘」。こんな悪意に満ちた話だとは恥ずかしながら知らなかった。歌や映画、芝居のポスターで勝手にモンテ・クリスト伯のような勧善懲悪の復讐劇、ロミオとジュリエットのような禁じられた恋の話とずっと思い込んでいたのだ。嵐が丘邸の主人に拾われてその息子たちに虐められたヒースクリフ少年がなぜか裕福になって帰ってきた。話の99%は歪んだヒースクリフの狂った悪意により滅亡していく2つ家の話なのだ。ヒースクリフの行動はシャイニングかサイコを観るようでかなり怖い。拉致監禁、言葉による追い詰め、サディスティックで陰湿な罠。キャシーへの異常な愛。そして最後の最後に彼に希望溢れる死が訪れそれによっ
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ネタバレ20世紀、カナダ。終戦の十日後に自動車事故で死んだ妹のローラは、姉のアイリスに学習帳の束を遺していた。死後出版という形で発表されたローラ名義の小説『昏き目の暗殺者』はゴシップ好きの好奇の目にさらされ、数十年後の今に至るまでカルト的人気を誇っている。83歳になったアイリスは、ひとりで暮らすいまの生活と、ボタン工場で一財を成した祖父の代から続くチェイス家の歴史をノートに記しはじめる。アイリスの現在記録と過去回想、ローラの小説と当時の新聞記事からの断片で構成された、モザイク模様の〈姉妹〉の物語。
最初、というか上巻まるまる一冊ぶんくらい、何が主題の小説なのか掴めず戸惑った。ローラがなぜ死んだのか -
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『言葉とは弱々しいものです―だからこそ、わたしたちは踊るのです。そうして踊ることで、超然たる星々のかなに住む数を呼び寄せる』
主人公のシモンをヨセフ、シモンが前世からの渡航中に知り合った子供であるダビードをイエス、失われた筈の記憶がダビードの母親だと告げるイネスをマリアに擬えて、物語は進行していると前作である「イエスの幼子時代」を読んだ時から思っていた。マリアが受胎告知を受け授かってしまった子を育てるヨセフの視点の話だと。何から何まで聖書の物語を当て嵌めて考える必要はないのかもしれないが、今回もダビードが7歳になろうとする時に国勢調査が行われる際にダビードを隠すエピソードなどは、マタイ書のヘ -
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ネタバレ昏き目の暗殺者(上)では、3つのお話しに激しく混乱。「最後まで読み通せるのかな?」と思いながら読んでいた。
(下)に入ると、アイリスのテンポにうまく乗ることができた。きっと、(上)では、ローラのテンポが私を混乱させていたのかもしれない。いや、ただ単にカタカナや引用が難しいと感じていただけかも・・・。
クライマックスに近づくにつれ、「もしや???ローラの小説なの?」、「昏き目の暗殺者って??」と字面通りに読んでいた私を???にさせる。???が増えるにつれ、この小説にハマりこんでしまった。
ローラは聖人のような書きぶりだけれど、ほんとは単にアイリスが妬ましかったのではないか。自分の人生の不自由さ -
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アトウッドの代表作。色んな書評やらで見かけて、いつかは読みたいと思ってた作品を、文庫化にあたって入手。あと、ノーベル文学賞授賞かも、っていうタイミングもあって。でもそれは逃したけど。メタフィクションの体を取っているけど、それぞれが章立てで区別されていたり、登場人物もそこまで多くなかったりするから、前半を読み終えた印象として、難解度はそれほど高くない。自分の理解度が低いから、単純にこれ以上だとついていけない、っていう話だけど。最初に提示された、妹の死にまつわる謎を解き明かすのが本題だとは思っているんだけど、この超大作の果てに、どんな結末が待っているのか、期待大。
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おなじみ、NHK「100分de名著」で取り上げられていた『風と共に去りぬ』。
その解説をしていた著者による、より詳しく知りたい人のための本だ。
これだけの名作を読んだことがなく、映画も見たことがなかった。
だからなんとなくのイメージで、南部のわがままな金持ちの美人さんがニヒルな男性に惚れて振られる話、だと思っていた。
そもそもからしてほとんど間違っているのだが、なんと!
スカーレット・オハラはヴィヴィアン・リーのような容姿ではない!
四角い顔で、つり目、浅緑の目、猪首、低めの身長。
何も知らない私ですら、ヴィヴィアン・リーの姿は見たことがあり、あのイメージだったのだが。
著者はコンパクトグラマ -
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エリート大学教授が性欲により落ちぶれていく話。簡単にいうとそれだけなんだけど、じゃあ落ちぶれていくってなんだろう?アフリカは落ちぶれている?都会で大学教授をすることはエリート?生きていく上での恥辱とはなにか?
自分たちが味わった恥辱について、大学を追い出された元、エリート大学教授と、アフリカの田舎で農園経営をして必死に1人で生きていくその娘が話し合う所がある
「最下段からのスタート。無一文で。それどころか丸裸で。持てるものもなく。持ち札も、武器も、土地も、権利も、尊厳もなくして」
「犬のように」
「ええ、犬のように」
生きていくなかで、何に裁かれていかなければならないのか。美しい女とセ