鴻巣友季子のレビュー一覧

  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)

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    鴻巣訳じゃないけど原作も読んでるのに、やっぱり映画の印象が強いんだなあ。「え、そうだっけ」「あれ、そんなこと書いてあったっけ」というのが多かった。物語に対してもだけど、アシュレの見方がちょっと変わった。

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    2019年10月13日
  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)

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    おなじみ、NHK「100分de名著」で取り上げられていた『風と共に去りぬ』。
    その解説をしていた著者による、より詳しく知りたい人のための本だ。
    これだけの名作を読んだことがなく、映画も見たことがなかった。
    だからなんとなくのイメージで、南部のわがままな金持ちの美人さんがニヒルな男性に惚れて振られる話、だと思っていた。
    そもそもからしてほとんど間違っているのだが、なんと!
    スカーレット・オハラはヴィヴィアン・リーのような容姿ではない!
    四角い顔で、つり目、浅緑の目、猪首、低めの身長。
    何も知らない私ですら、ヴィヴィアン・リーの姿は見たことがあり、あのイメージだったのだが。
    著者はコンパクトグラマ

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    2019年07月14日
  • 翻訳ってなんだろう? ──あの名作を訳してみる

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    直訳ではなく,意訳でもなく,原文のニュアンスを可能な限りくみ取り,適切な日本語で表現する.
    このとても奥が深い作業のエッセンスが味わえるではなく,対象とした小説の優れた批評にもなっているように思う.
    1章「赤毛のアン」
    2章「不思議の国のアリス」
    3章「嵐が丘」
    4章「アッシャー家の崩壊」
    5章「ライ麦畑でつかまえて」
    6章「ピグマリオン」
    7章「灯台へ」
    8章「高慢と偏見」
    9章「情事の終り」
    10章「風と共に去りぬ」

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    2018年12月31日
  • 風と共に去りぬ 第5巻

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    kkkは解散してるね。今に至る悪名高きとは分けて、過渡期の必然、徒花と読むべきなのだろうか。
    終わり方がすごい。

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    2018年12月15日
  • 恥辱

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    前時代的な全くもっていけすかないインテリおじさんの大転落と、その先にある微かな希望の物語。
    始まって30ページもしないうちに主人公が「女の美は当人だけのものではない。この世にもお裾分けがなくては。美を分かちあう義務がある。」とか言い出した時には凄まじい嫌悪感が一周して逆に笑ってしまうくらい、愚かだな~と思っていたけど、南アフリカ独特の閉塞的なムラ社会の中で娘を思って七転八倒する姿と、徐々に価値観が変わっていく様子に、嫌いにはなりきれなかった。

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    2018年12月02日
  • 恥辱

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    衝撃すぎてなんかもう思い出したくないけどとにかく衝撃だった。衝撃すぎて読んでから7年経ってもまだ感想が書けるほど。こんなエグい物語を書く人がいるのか。でも普段考えることもないし、避けていることをガンガン突きつけられて胸糞悪いし、苦しい。密度の濃い感情を起こさせる事においてやっぱりブッカー賞はすごいんだなあと思ったけど、好き好んで読もうとは思わない…。

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    2018年11月06日
  • 恥辱

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    エリート大学教授が性欲により落ちぶれていく話。簡単にいうとそれだけなんだけど、じゃあ落ちぶれていくってなんだろう?アフリカは落ちぶれている?都会で大学教授をすることはエリート?生きていく上での恥辱とはなにか?
    自分たちが味わった恥辱について、大学を追い出された元、エリート大学教授と、アフリカの田舎で農園経営をして必死に1人で生きていくその娘が話し合う所がある

    「最下段からのスタート。無一文で。それどころか丸裸で。持てるものもなく。持ち札も、武器も、土地も、権利も、尊厳もなくして」
    「犬のように」
    「ええ、犬のように」

    生きていくなかで、何に裁かれていかなければならないのか。美しい女とセ

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    2018年08月14日
  • 明治大正 翻訳ワンダーランド

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    明治大正期の名&迷翻訳家14人とその主要作品を紹介。
    経歴の紹介はあっさりとしたものですが、
    それよりも翻訳家としての悲喜こもごもに重点が充てられています。
    著者自身も翻訳家であることからの、想いと感情が入り混じり、
    エッセイ的な色合いが濃い感じの文章です。
    一字入魂の森田思軒、絶妙の会話文の若松賤子、
    荒業師な黒沼涙香、古きパリへの憧憬を窺わせる永井荷風、
    翻訳者としての想い爆発な内田魯庵、発禁と伏せ字、邦題の謎、
    ノベライゼーション・・・等々、明治大正期の彼らの挑戦が
    楽しく語られています。
    引用文献・参考文献も豊富。さすがに当時の文献は大変そう。

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    2018年07月20日
  • 恥辱

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    「百年の誤読」から。ノーベル賞受賞作家ってこともあり。主人公じいさんの、結構なろくでもなさ加減が面白かったです。ただおそらく、自分が本作の素敵さを十分に味わいきれていないんだろうなというもどかしさを踏まえて、満点はつけずです。アパルトヘイトがまかり通っていたかの国の抱える難しさとか、本作からそれとなく伝わってくるものも興味深かったです。もう一方のブッカー賞受賞作品も是非味わってみたい、とは思えました。

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    2017年10月16日
  • 恥辱

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    主人公とその娘の墜落の仕方がうまく対比をなしていて、且つ彼らを陥れる(作為、無作為問わず)人々との照らし方もこれまたうまい。

    動物病院での殺処分など、モチーフも唸らせる。

    ただ、盗難車が見つかった件は何だったのだろう…?

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    2020年07月12日
  • 恥辱

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    ノーベル賞作家クッツェーの代表作。現代作家だけあって読みやすい。しかし、ストーリーが投げかける問いは難解。セクハラにより大学を追放された主人公の娘。南アフリカの田舎で農園を営む。しかしその行動は近代人である主人公やわれわれ読者には理解できない。だけどそれは近代の目指した価値観が崩壊した現代において、オルタナティブを模索しているようにもみえる。

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    2017年01月30日
  • 恥辱

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    読みやすい。原文がよいのか訳文がよいのか、たぶん、どちらもよいのだろう。気をつけているつもりでも、結局、自分のイメージで世界を見ることしかできない知識人の中年男子が、いろいろな試練にあいます。

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    2016年08月15日
  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    ネタバレ

    独立戦争を庶民、個性の強い女性の視点で見た。当時のベストセラーになるのも納得の作品。映像化が上手く出来た。

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    2016年07月04日
  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    スカーレット・オハラとは、絶対に友達にはなれないが、嫌いにはなれない魅力があると思う。
    わがままで破天荒だけれど、ママや男の人たちの言うなりになる女の子たちより、カッコいいなあと思って読んだ。

    レット・バドラーも。
    バザーでのダンスシーンは、すごくカッコいい!

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    2015年12月27日
  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    ネタバレ

    名作を読む。器の小さい人間が何もうまくいかないだけの小説。別にざまーみろって感じじゃあない。むしろ美しいんだよなぁ、スカーレット=オハラ



     人間味が溢れていてすごくいいなぁ。人は自分を押し殺して生きていくけれど、それを割り切れないのがいい。スカーレットの器の小ささがちょうどいい。

     周囲にいる主体性のない当時のスイーツ女子たちはきっと可愛い女たちで、スカーレットは可愛くない女なんだろう。でも、スカーレットには美しさがある。
     世の中の縛りに疑問を持って、主体的に自分の考えを持って、まぁ思いを実行はできないまだ弱いけれど、



     まっとうに生きている感じがする!!



     そう、それが

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    2015年11月18日
  • 明治大正 翻訳ワンダーランド

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    子どもの頃愛読していた世界文学全集の名作たちは実は原作そのものじゃなかったかもしれない…という不安が芽生えた。特に黒岩涙香先生は容赦ないことがわかった。

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    2013年06月18日
  • 全身翻訳家

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     この本で初めて、鴻巣さんのことを知りました。今まで意識して読んだ、外国小説の翻訳者は、村上春樹さんを筆頭にみな男性でした。別に、男女は関係ないかも知れませんが、もしかしたら何か違いがあるのか知らん、とも考えます。今度、鴻巣訳の小説を何か読んでみたいです。

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    2013年06月11日
  • 熟成する物語たち

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    文学界に連載しているエッセーをまとめたもの。文学とワインを融合させた話が多いが、どちらもかなりマニアックな領域まで突き進んでいるため、なかなか付いていける人はいないのでは、とちょっと心配になってしまった。個人的にはかなり楽しめるものだった。

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    2012年09月06日
  • 全身翻訳家

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    この方の文章、かなり好きです。
    日常の描き方、言葉や文章の考察などおもしろく読んだ。

    外国文学にほとんど触れてこなかったことが悔やまれる。

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    2012年06月13日
  • 全身翻訳家

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    翻訳や日常にまつわるエッセイ。

    表現がとても豊か。話の流れも上手い。

    私もこんな文章が書けるようになりたい。

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    2012年02月20日