鴻巣友季子のレビュー一覧
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おなじみ、NHK「100分de名著」で取り上げられていた『風と共に去りぬ』。
その解説をしていた著者による、より詳しく知りたい人のための本だ。
これだけの名作を読んだことがなく、映画も見たことがなかった。
だからなんとなくのイメージで、南部のわがままな金持ちの美人さんがニヒルな男性に惚れて振られる話、だと思っていた。
そもそもからしてほとんど間違っているのだが、なんと!
スカーレット・オハラはヴィヴィアン・リーのような容姿ではない!
四角い顔で、つり目、浅緑の目、猪首、低めの身長。
何も知らない私ですら、ヴィヴィアン・リーの姿は見たことがあり、あのイメージだったのだが。
著者はコンパクトグラマ -
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エリート大学教授が性欲により落ちぶれていく話。簡単にいうとそれだけなんだけど、じゃあ落ちぶれていくってなんだろう?アフリカは落ちぶれている?都会で大学教授をすることはエリート?生きていく上での恥辱とはなにか?
自分たちが味わった恥辱について、大学を追い出された元、エリート大学教授と、アフリカの田舎で農園経営をして必死に1人で生きていくその娘が話し合う所がある
「最下段からのスタート。無一文で。それどころか丸裸で。持てるものもなく。持ち札も、武器も、土地も、権利も、尊厳もなくして」
「犬のように」
「ええ、犬のように」
生きていくなかで、何に裁かれていかなければならないのか。美しい女とセ -
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明治大正期の名&迷翻訳家14人とその主要作品を紹介。
経歴の紹介はあっさりとしたものですが、
それよりも翻訳家としての悲喜こもごもに重点が充てられています。
著者自身も翻訳家であることからの、想いと感情が入り混じり、
エッセイ的な色合いが濃い感じの文章です。
一字入魂の森田思軒、絶妙の会話文の若松賤子、
荒業師な黒沼涙香、古きパリへの憧憬を窺わせる永井荷風、
翻訳者としての想い爆発な内田魯庵、発禁と伏せ字、邦題の謎、
ノベライゼーション・・・等々、明治大正期の彼らの挑戦が
楽しく語られています。
引用文献・参考文献も豊富。さすがに当時の文献は大変そう。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ名作を読む。器の小さい人間が何もうまくいかないだけの小説。別にざまーみろって感じじゃあない。むしろ美しいんだよなぁ、スカーレット=オハラ
人間味が溢れていてすごくいいなぁ。人は自分を押し殺して生きていくけれど、それを割り切れないのがいい。スカーレットの器の小ささがちょうどいい。
周囲にいる主体性のない当時のスイーツ女子たちはきっと可愛い女たちで、スカーレットは可愛くない女なんだろう。でも、スカーレットには美しさがある。
世の中の縛りに疑問を持って、主体的に自分の考えを持って、まぁ思いを実行はできないまだ弱いけれど、
まっとうに生きている感じがする!!
そう、それが