鴻巣友季子のレビュー一覧
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実際に起きた閉鎖コミュニティーにおける集団レイプ事件に着想を得た本作。衝撃的な話だが、事件そのものではなく被害者やその親族の女性らが、コロニーを支配する男性陣が外出している間に今後の対応策(何もしない、闘う、去る)を話し合う(ウーマン・トーキング)ことが主眼となっている。
個人的には展開が遅くて文学的すぎる印象だった。
なお、本書はある理由から幼い頃一度コミュニティーを離れた男性(それにより男性陣から下に扱われている)が書き留めたノート、という形式を取っている。女性たちは教育を受けられず文字が書けないからである。小説の最終部近くで軽く振れられているコロニーを追われた理由も罪深く考察を深めるポイ -
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ネタバレ最後の方に、バザーでレットにダンス相手として落札されてとびだしていく場面まで、スカーレットのことが一ミリも好きになれなかった。
両親以外の人を見下しすぎてきて、ついていけず…チャールズも十分愛らしい青年だったと思うけど、あんなにあっさり死んでしまうなんて…ここをほんの数行で終わらせる作者の潔さは面白かった。
スカーレットに子どもが生まれてから、決定的に人生の大事な選択を間違えてしまった様がありありと伝わってきて(特に子どもに全く愛情を持てないシーンがリアル)、いたたまれない。17歳という若さゆえに選択を誤り、社会の慣習に押し込まれる様子が、いや自業自得やろという気持ちもありつつ、かわいそうだっ -
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面白かった。
さすが売れっ子の鴻巣さん。
解釈や日本語が新鮮で、わかりやすく、センスが良い。
翻訳家ってこんなにレベルの高いことが当たり前に求められているんだなと改めて思った。
文化や生活習慣に詳しいことはもちろん、あらゆる横糸縦糸をチェックしながら物語を織り直しているうえに、読者にとってはほぼ黒子なんだから、大したものだ。
(日本が翻訳文学大国だってことも、もっとみんなに知らせてもいいっすよ。)
この本ではじめて知ったことは、
アリスのいかれお茶会に出てくる、マッド・ハッター=イカレ帽子屋は、当時の帽子はフェルトを均すために水銀を使うので、水銀中毒がなかば職業病になり、ヤバい言動の人が多 -
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ちょっと、西の魔女が死んだを思い出した。
子供にとってひと夏という短い時間が、一生の中でどれだけ大切なものになりうるかが、さらっと描かれた文章の中に詰まっている。
楽しいときを留めておけないくらいなら、いっそ素っ気なく振る舞う感じ。
願望や喜びの感情をあえてセーブすることで、避け難い現実からのダメージを大したことではないかのように、やり過ごす感じ。
そんな子どもならではの心の防衛反応が、あぁ分かるなーと思う。いろいろと思い出す。
だからラストの一言が、ぐっとくるね。
ここは、クレア・キーガンがうまい。実に鮮やか。
映像やセリフでは、この一言に込められた想いの半分も伝えられないのではないだろう -
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面白くなくはなかったけど、絶賛されてる意味はわかんなかった。。
毒親によって人生をめちゃめちゃにされる子供たちにはシンプルに心が痛んだので、ノットフォーミーだった気もしている。
無理矢理嵐が丘の家に連れて行かれたリントンくんが、最終的にあんなに性格がひん曲がってしまったことが悲しい。
根っこには性格の悪いところがあったとしても、穏やかな叔父の元で慈しまれながら育ったならあんなふうにはならなかったんじゃないか。
ヒースクリフが生涯を捧げた復讐も逆恨みすぎて全然共感できないし普通に嫌い。
でも登場人物一人一人にこうして心を痛めたり、嫌いになったりするってことは、まあ、ちゃんと面白くはあったんだ -
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ネタバレ作者は、南アフリカ生まれの白人。この作品で、2度目のブッカー賞を受賞。
前に読んだ『絵葉書きにされた少年』で、クッツェーの作品が何度か引用されていたので、興味を持って読んでみた。
読んでみると、話は重い。南アの社会的問題に直面させされる。
アパルトヘイトが終わり、民主化の道を開いたマンデラ政権。様々な人種が共存できる「虹の国」として新しい出発をきった南アだったが、長年抑圧されてきた黒人と白人の共存はむろん一朝一夕で実現できるものではない。犯罪率が急増し、白人への強奪、レイプなどが日常茶飯事となり、南アを去る白人も増えた。
話の展開は、一人の大学教授が、ある時女子学生と親密な中になり、それが