鴻巣友季子のレビュー一覧

  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    タイトルがあまりにも有名かつ、カッコいい、その上全5巻の長編なので「高尚な文学作品なんだろうな」などと思い読んでこなかった作品ですが、読んでみると、予想以上にとっつきやすい作品でした。
    何よりヒロイン、スカーレット・オハラのキャラクターに、いい意味で予想を裏切られました。

    言ってしまえば、貴族階級で男子からモテるスカーレットが、自信満々に自分が思いを寄せる男子に告白したら、思いっきりフラれる、というのが話の書き出しになります。

    現代的な翻訳の妙味というのもあると思うけど、スカーレットの生意気さ、傲慢さ、勘違い、一方でのフラれてからの現実逃避であったり、周りの見る目を気にしたり、八つ当たり気

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    2023年12月05日
  • 昏き目の暗殺者 下

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    「古き冷き時間は、古き悲しみは、池の沈泥のように、層をなして積む」

    カナダの小説家マーガレット・アトウッドの2000年の作品。

    チェイス家の二人の娘、アイリスとローラ。
    物語は、名家の没落と新興のブルジョアたちの様子、大恐慌、第二次大戦とその後など、その時代の匂いを、「暗き目の暗殺者」という入れ子の小説や当時の記事を挟みながら、アイリス自身の回顧録?を軸に語られていく。

    女性の内面を抉るような、それでいて「平穏」を繕う。
    老いと皮肉と気位の高さが、積もり積もってまとわりつく。
    煩わしくもあるが、厚着して身を隠したような心地良さも、内側から透けて見える。

    久しぶりに、苦戦した。
    ただ、「

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    2023年11月30日
  • 風と共に去りぬ 第5巻

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    ネタバレ

    戦争がかくも人の考え方や生き方を変えてしまうのか。主人公マーガレットのような、狡賢い女でさえも、戦争さえなければ。
    ただ一方で、戦争でマーガレット自身の根本が変わったかというと、そうでもないと思う。ひもじい思いをしていた時代以外、相変わらず自分のことしか考えていない。最終盤で、メアリーやレットの有難さを知り、アシュリに対する思いはただの自分の妄想に近いものだと悟るが、彼女は果たして本当に心から自省したかというと、してないと思う。結局自分の為になってくれた人、自身の損得勘定でその時プラスだと感じた人の為に好きと言えたり泣けたりするだけであって、彼女は本当に冷たく心の貧しい人だと思った。
    現代日本

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    2023年10月07日
  • 恥辱

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    ネタバレ

    インテリ元モテ男だった主人公の没落。
    時代の変遷についていけない古ぼけた文学者は、継続した人間関係を築くことができず、女を買っては消費する日々。
    絶対に自分の考えを曲げず、他人の意見に耳を貸さず、大学を追放されるところまでは面白く読めた。

    娘の農園へ住み着いてからはとにかく重い...

    動物愛護ボランティアの夫婦をせせら笑い、ボランティア女性の容姿を痛烈に批判しながらも結局セックスしちゃう。
    黒人コミュニティを下に見て説教じみた話をするわりに、隣人が仕組んだと思われるレイプについて核心をついた言葉は言えない。
    元妻にも娘と自分が受けた襲撃についてしっかり話さない。

    どの局面でも主人公は自己

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    2023年09月12日
  • 風と共に去りぬ 第3巻

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    スカーレットを取り巻く環境が劇的に変わり、スカーレットの生き方も変わっていく巻。
    ここから本格的におもしろくなっていくのかな!

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    2023年07月02日
  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    名前だけ知っていたけど、話の内容は全く知らなかった。
    こんな話だったのか、風と共に去りぬ。
    世界的なベストセラーとして、聖書の次に読まれている本らしい。すごい。

    これからどういう展開になっていくのか?楽しみ。

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    2023年05月13日
  • イエスの学校時代

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    物語自体はすんなり読めるが、訳者あとがきを読むとやっぱり奥が深い。
    後半はドミトリーの話で、ダビートが脇に追いやられた感がする。

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    2022年10月04日
  • イエスの学校時代

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    「イエスの幼子時代」の続編.ちなみに第三作「イエスの死」も刊行済みらしい(未訳).
    相変わらず不思議なトーンで淡々と話は進むのだが,今回は殺人事件も起こる.犯人ドミトリーは,名前からしてカラマーゾフ風なのだが,人物もやっぱりカラマーゾフ風で,非常に濃い.彼の思考回路は独特なのだが,よくよく考えてみれば登場人物のダービド,イネスを始め,全員が思考に特徴があり癖が強い.決してお互いを理解することはない.一見,唯一まともに見えたシモンさえも,なんだかおかしい.
    そんなすれ違いが続くなか,シモンの空回りが徐々に目立ってきて,物語は唐突に終わる.
    この先,一体この疑似家族はどうなってゆくのだろうか?

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    2022年08月09日
  • 嵐が丘

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    調べ物してて見つけて読んでみた。
    時代のせいなのか、まったく登場人物の気持ちが理解できないのに、読みすすんじゃった。

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    2022年04月05日
  • 風と共に去りぬ 第2巻

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    第1巻までの気ままな娘ではなくなって男との約束と家族の歴史を背に大人になったスカーレット、とても格好良く魅力的。同時に自由人だったレットも敗走する南軍を目にして戦争へ合流する。
    単なる少女小説から毛色が変わった第2巻。
    次巻以降も楽しみ

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    2022年04月01日
  • 嵐が丘

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    読者層が女性の恋愛小説と思っていたが、印象が違った。二名家におよぶリベンジや亡霊といったホラーの面もある。ヒースクリフの素性は謎のまま読者の想像に任せる。女中のネリーの話は自らも関わっているので主観的なものであり読者として無意識に真偽を迫られる、いや楽しめる仕掛けとなっている。2022.2.19

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    2022年02月19日
  • 全身翻訳家

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    翻訳家という生き方。

    翻訳について、子どもについて、生活について、昔について。その職業を選んだ流れみたいなのが見えるエッセイが面白い。また翻訳の歴史が見える話も興味深い。「スカーレットと江戸ことば」あの明日は明日の風が吹くと訳したのは誰かについて。歴史を辿っていく謎解きが、個人の歴史と重なり合うところが素晴らしかった。

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    2021年07月25日
  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)

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    2015年に新潮文庫からマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」(Gone With The Wind→GWTW)全5巻の新訳を行った鴻巣友紀子氏が、翻訳を通して見えてきたGWTWと、作者マーガレット・ミッチェルがこの大ベストセラー小説に込めた想いを分析した評論。

    GWTWはマーガレット・ミッチェルが10年をかけて書き上げ、発売と同時にベストセラーとなりピュリッツアー賞を受賞した。しかしながら、それだけの功績を挙げながらもこの作品はベストセラーになった→大衆小説という扱いを受けてアメリカの文学史においてもあまり顧みられなかったばかりか、作者であるマーガレット・ミッチェル自身の生い立ちや、

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    2021年07月20日
  • 嵐が丘

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    おもしろかったのかもしれない。
    ヴァージニア・ウルフの自分ひとりの部屋を読んで、それから気になっていたので手に取った。

    人の忠告に耳を貸さない者と過去にネグレクトされた成人、復讐のため人を操り騙す者など、どの登場人物のことも全く好きになれないし、その言動に不快感は増すばかりなのに、どんどん読み進めてしまうのは、その表現力の力強さ、描写の細かさによるのだと思う。魅力的ではない描写をされている登場人物に対比して、自然の描写が美しかったのも印象的。

    エミリー・ブロンテは閉じた人間関係の中でこの作品を描いたそうで、並外れた力を感じる。

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    2021年04月21日
  • 風と共に去りぬ 第2巻

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    おおお!一気に緊迫感!
    スカーレットの抑えられてきた強さがこれから見れると思うと楽しみ
    あとレット・バトラーめちゃくちゃカッコイイ

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    2021年03月02日
  • 風と共に去りぬ 第1巻

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    んー、おもしろい!
    恋愛なしでは生きていけないスカーレットが私とは正反対過ぎて、彼女の生き様にとっても興味がわく!
    言葉や描写が綺麗だし、歴史の勉強にもなりそう。

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    2021年02月11日
  • イエスの学校時代

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    何を言いたいのか私にはよく掴めなかった。
    ただ、ページが進むにつれて、シモンが愛おしくなる。
    ダビードやイネスに冷たくされながらも、ダビードの為に、一所懸命になる姿に応援したくなる。

    シモン、イネス、ダビードは疑似家族。でも、シモンはダビードの為に、父親としての任を果たそうと頑張る。
    イネスのように、自身が打ち込める何かを見つけるわけではないし、ダビードのように明晰な感じでもない。

    それでも、ダビードのために一所懸命な姿は、世の中の親の一般的な姿ではないかと思ったし、それで、いいんじゃないのかなって思った。

    特筆すべき何かがなくても、誰かの為に一所懸命になる、愛を注ぐ。それができたら、い

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    2020年08月30日
  • 謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―(新潮選書)

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    初めて読んだのは確か小5くらいのときで、家にあった河出書房の世界文学全集の、なので大久保康雄訳。他のがグリーンなのになぜか「風と共に」と一部の小説が白い表紙で、その乙女っぽい装丁にときめいた記憶がある。その後、高校生くらいまで何度か再読した。映画のほうはたぶんNHKで観たと思う。ヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブルのビジュアルは本を読む前から知っていて、そのイメージで本も読んだ…かもしれないけど、映画は原作の良さが全然入ってなくて退屈だな…と思った記憶がある。なので私の中では映画はあまり印象にない。
    鴻巣さんが手がけた新訳版は読んでないが、この本は読書リストには入れていた。なんといっても暗記

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    2020年07月26日
  • 恥辱

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    先が読めない、と思ったあと、人の気持ちは分からないのだから当たり前と思い直した。語り手である彼は、同僚にいたら避けたくなる人物だが、そうした人間になって世の中を見る感覚が面白かった。

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    2020年03月08日
  • 風と共に去りぬ 第4巻

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    やっと4巻読み終えた。
    4巻はちょっと退屈だったけど、この後の展開のためには必要なのかな。
    アシュリの妹インディアは25歳でオールドミスなのか。
    まあ、昔だからね。
    スカーレットがなんでアシュリをいつまでも好きなのか解せない。恋は盲目なのか、顔がどタイプなのかしら。
    最後の最後、事件が起きた時もフランクの心配せずにアシュリのことばっかり考えてるのでフランク気の毒(笑)。

    スカーレットの「後ろばっかり向いてないで、前を向いて生きよう」という考え方は尊敬する。
    この時代にそんな考え方をする、しかも女性はどれだけいたのかな。

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    2020年03月05日