鴻巣友季子のレビュー一覧
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タイトルがあまりにも有名かつ、カッコいい、その上全5巻の長編なので「高尚な文学作品なんだろうな」などと思い読んでこなかった作品ですが、読んでみると、予想以上にとっつきやすい作品でした。
何よりヒロイン、スカーレット・オハラのキャラクターに、いい意味で予想を裏切られました。
言ってしまえば、貴族階級で男子からモテるスカーレットが、自信満々に自分が思いを寄せる男子に告白したら、思いっきりフラれる、というのが話の書き出しになります。
現代的な翻訳の妙味というのもあると思うけど、スカーレットの生意気さ、傲慢さ、勘違い、一方でのフラれてからの現実逃避であったり、周りの見る目を気にしたり、八つ当たり気 -
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「古き冷き時間は、古き悲しみは、池の沈泥のように、層をなして積む」
カナダの小説家マーガレット・アトウッドの2000年の作品。
チェイス家の二人の娘、アイリスとローラ。
物語は、名家の没落と新興のブルジョアたちの様子、大恐慌、第二次大戦とその後など、その時代の匂いを、「暗き目の暗殺者」という入れ子の小説や当時の記事を挟みながら、アイリス自身の回顧録?を軸に語られていく。
女性の内面を抉るような、それでいて「平穏」を繕う。
老いと皮肉と気位の高さが、積もり積もってまとわりつく。
煩わしくもあるが、厚着して身を隠したような心地良さも、内側から透けて見える。
久しぶりに、苦戦した。
ただ、「 -
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ネタバレ戦争がかくも人の考え方や生き方を変えてしまうのか。主人公マーガレットのような、狡賢い女でさえも、戦争さえなければ。
ただ一方で、戦争でマーガレット自身の根本が変わったかというと、そうでもないと思う。ひもじい思いをしていた時代以外、相変わらず自分のことしか考えていない。最終盤で、メアリーやレットの有難さを知り、アシュリに対する思いはただの自分の妄想に近いものだと悟るが、彼女は果たして本当に心から自省したかというと、してないと思う。結局自分の為になってくれた人、自身の損得勘定でその時プラスだと感じた人の為に好きと言えたり泣けたりするだけであって、彼女は本当に冷たく心の貧しい人だと思った。
現代日本 -
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ネタバレインテリ元モテ男だった主人公の没落。
時代の変遷についていけない古ぼけた文学者は、継続した人間関係を築くことができず、女を買っては消費する日々。
絶対に自分の考えを曲げず、他人の意見に耳を貸さず、大学を追放されるところまでは面白く読めた。
娘の農園へ住み着いてからはとにかく重い...
動物愛護ボランティアの夫婦をせせら笑い、ボランティア女性の容姿を痛烈に批判しながらも結局セックスしちゃう。
黒人コミュニティを下に見て説教じみた話をするわりに、隣人が仕組んだと思われるレイプについて核心をついた言葉は言えない。
元妻にも娘と自分が受けた襲撃についてしっかり話さない。
どの局面でも主人公は自己 -
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「イエスの幼子時代」の続編.ちなみに第三作「イエスの死」も刊行済みらしい(未訳).
相変わらず不思議なトーンで淡々と話は進むのだが,今回は殺人事件も起こる.犯人ドミトリーは,名前からしてカラマーゾフ風なのだが,人物もやっぱりカラマーゾフ風で,非常に濃い.彼の思考回路は独特なのだが,よくよく考えてみれば登場人物のダービド,イネスを始め,全員が思考に特徴があり癖が強い.決してお互いを理解することはない.一見,唯一まともに見えたシモンさえも,なんだかおかしい.
そんなすれ違いが続くなか,シモンの空回りが徐々に目立ってきて,物語は唐突に終わる.
この先,一体この疑似家族はどうなってゆくのだろうか? -
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2015年に新潮文庫からマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」(Gone With The Wind→GWTW)全5巻の新訳を行った鴻巣友紀子氏が、翻訳を通して見えてきたGWTWと、作者マーガレット・ミッチェルがこの大ベストセラー小説に込めた想いを分析した評論。
GWTWはマーガレット・ミッチェルが10年をかけて書き上げ、発売と同時にベストセラーとなりピュリッツアー賞を受賞した。しかしながら、それだけの功績を挙げながらもこの作品はベストセラーになった→大衆小説という扱いを受けてアメリカの文学史においてもあまり顧みられなかったばかりか、作者であるマーガレット・ミッチェル自身の生い立ちや、 -
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何を言いたいのか私にはよく掴めなかった。
ただ、ページが進むにつれて、シモンが愛おしくなる。
ダビードやイネスに冷たくされながらも、ダビードの為に、一所懸命になる姿に応援したくなる。
シモン、イネス、ダビードは疑似家族。でも、シモンはダビードの為に、父親としての任を果たそうと頑張る。
イネスのように、自身が打ち込める何かを見つけるわけではないし、ダビードのように明晰な感じでもない。
それでも、ダビードのために一所懸命な姿は、世の中の親の一般的な姿ではないかと思ったし、それで、いいんじゃないのかなって思った。
特筆すべき何かがなくても、誰かの為に一所懸命になる、愛を注ぐ。それができたら、い -
Posted by ブクログ
初めて読んだのは確か小5くらいのときで、家にあった河出書房の世界文学全集の、なので大久保康雄訳。他のがグリーンなのになぜか「風と共に」と一部の小説が白い表紙で、その乙女っぽい装丁にときめいた記憶がある。その後、高校生くらいまで何度か再読した。映画のほうはたぶんNHKで観たと思う。ヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブルのビジュアルは本を読む前から知っていて、そのイメージで本も読んだ…かもしれないけど、映画は原作の良さが全然入ってなくて退屈だな…と思った記憶がある。なので私の中では映画はあまり印象にない。
鴻巣さんが手がけた新訳版は読んでないが、この本は読書リストには入れていた。なんといっても暗記 -