鴻巣友季子のレビュー一覧
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翻訳家の鴻巣友季子さんが海外文学の名作を紹介している。小説の形態や技法、時代背景などはもちろんのこと、翻訳家なので原文の英語についても説明されていておもしろい。little 、young といった簡単な単語やwish+仮定法過去完了が持つニュアンスを知ると、印象が少し変わったり、より深く作品を味わうことができて興味深かった。
これらの作品は、著者にとってはなつかしい再会の書が多いそうで、30年ぶりに読み返してやっと真意がわかったということもあったそうだ。その感動をこの本で伝えてくれている著者の「『わからない』は一生の宝」という言葉には説得力があるなあと思う。ほとんどの作品は、読み返したくなった -
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1996年までアイルランドに存在していた「マグダレン洗濯所」。ここは政府からの財政支援を受け、教会が運営していた。未婚や婚外関係で妊娠した女性が無償労働を強いられ、虐待が行われていたという。
本作には、この洗濯所をモデルとした施設が登場する。主人公ビルは、女子修道院に石炭を配達しにいった時に、この施設で少女と出会う。そして彼女がひどい扱いを受けているのを目にするのだ。
彼自身、母親は未婚で彼を産み、父親を知らない。しかし運よく母が女中をしていた屋敷で育てられ、キリスト教徒として真面目に生きて来た。生活は決して豊かではないが、妻や娘たちに誠実なビルのセリフはいちいち心温まる。
ラストはこれから起 -
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土瓶さんの『夜の記憶』のレビューに触発されてトマス・H.クックを初読み。
平穏な村に美しい女性教師が訪れたことによって起こった事件は、どんな悲劇だったのか…
いや〜焦らされる。
こうして思い出すと…、あの時はまだ…、こんな恐ろしいことになろうとは…みたいな思わせぶりにずっと焦らされる。
「一体何が起きたのよ〜、早く教えて!」という思いからどんどん先へと読まされていく。
ヒロインの登場シーンは、色や音や空気感までもが映画のスローモーションのようにゆっくり描写されている。
クック作品の比喩で「雪崩を精緻なスローモーションで再現するような」と言われているのがすごい納得できる。
描写や言葉一 -
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アマンダ・ゴーマンさんの詩集ですね。
アマンダ・ゴーマンさん(1998年、アメリカ生まれ)
詩人、活動家。全米青年桂冠詩人受賞。
2021年1月、ジョー・バイデン大統領の就任式で、自作の「わたしたちの登る丘」を朗読。
訳は、鴻巣友季子さん(1963生まれ)
翻訳家、文芸評論家、エッセイスト。
アマンダ・ゴーマンの第一詩集。
『彼女の詩は苦難の瞬間をとらえ、希望と癒しのりリックに変える。歴史、言語、アイデンティティをかけめぐり、想像力豊かに、そして親密に、ことばをコラージュし、ときに消去する。パンデミックの悲嘆をうけとめ、悲痛のときに光をあてる。彼女はわたしたちの過去からのメッセンジャー、未 -
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著者はアイルランドの代表的な現代作家さんらしい。
舞台はアイルランドのとある都市、1985年のクリスマス。
ファーロングは父を知らぬ私生児として育ったものの、今は燃料店を切り盛りし、
妻と五人の娘に恵まれている。
ところが、クリスマスの直前、
女子修道会に付属する施設で
その実態を目の当たりにしてしまい・・・
自らの生い立ちと重ねつつ、葛藤する・・・
アイルランドには、1996年まで各地に
「マグダレン洗濯所」という施設があった。
母子収容所を併設し、政府の財政援助を受けながら
運営されていたものの、
実態は女性への虐待と労働力の搾取・・・
名ばかりの職業訓練所だったとか。
ファーロングは