昏き目の暗殺者 下
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昏き目の暗殺者 下

小説・文芸
1,320円 (税込)

6pt

3.9

ローラの死後出版され、彼女を伝説の作家としてまつり上げることになった小説『昏き目の暗殺者』――人目を忍んで逢引を続ける男女と、惑星ザイクロンの王政転覆を企む貴族に雇われた盲目の暗殺者のふたつの物語に隠された秘密とは? 蜘蛛の巣のように絡み合う現在、過去、そして物語。「昏き目の暗殺者」とはいったい誰を意味するのか? 現代文学の数多の技法を駆使し、虚構の神殿を紡ぎあげるアトウッド文学の総決算。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    早川書房
  • 掲載誌・レーベル
    :
    ハヤカワepi文庫
  • タイトル
    :
    昏き目の暗殺者
  • タイトルID
    :
    650035
  • ページ数
    :
    416ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年10月11日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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昏き目の暗殺者 の一覧

1~2巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~2件目 / 2件
  • 昏き目の暗殺者 上
    1,320円 (税込)
    1945年、妹のローラは車ごと橋から転落して死んだ。あれは本当に事故だったのだろうか? 年老い孤独に暮らす姉アイリスは、釦工業で財をなした町いちばんの名家だった家族の歴史と姉妹の来し方を振り返っていく……。ローラの手になる小説『昏き目の暗殺者』、次々と亡くなっていく親族たちの死亡記事、そして老女の回想が織りなすある一族の波瀾の歴史。稀代の物語作家が圧倒的想像力で描くブッカー賞、ハメット賞受賞作。
  • 昏き目の暗殺者 下
    1,320円 (税込)
    ローラの死後出版され、彼女を伝説の作家としてまつり上げることになった小説『昏き目の暗殺者』――人目を忍んで逢引を続ける男女と、惑星ザイクロンの王政転覆を企む貴族に雇われた盲目の暗殺者のふたつの物語に隠された秘密とは? 蜘蛛の巣のように絡み合う現在、過去、そして物語。「昏き目の暗殺者」とはいったい誰を意味するのか? 現代文学の数多の技法を駆使し、虚構の神殿を紡ぎあげるアトウッド文学の総決算。

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昏き目の暗殺者 下 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    いろいろな感想を読んでいると、アイリスの回想が長すぎるという声が多いけれど、わたしはアイリス部分は面白くて、逆に「昏き目の暗殺者」とその作中作が冗長でちょっと飛ばし読みになってしまった。
    全体として面白かったかといわれると、うーん、だし、作中作の秘密も終盤でうっすらと察しはしたけど、それでも放り出せない魔力のようなものは感じた。『侍女の物語』は近未来(?)のディストピアだったけど、実はそんな世界はちょっと前に厳然と存在していたし、なんなら今でも地域によってはあるしということをあらためて突きつけられる。

    アイリスの己に対する回想や評価はひたすら辛辣なのだけど、描かれていない部分でよろこびを味わったこともあったんだろうか。何も知らない、リチャードとウィニフレッドのいいようにされるばかりだった少女から、最後には、悔恨を抱えながらも貫禄をそなえた女性になったわけだから。そう思わないとやってられない気も。

    それにしてもアトウッドの辛辣なまなざしってすごいよな。ちょっとアリス・マンローを読みかえしたくなった。

    0
    2023年08月28日

    Posted by ブクログ

    作中作が重要な意味を持ち、事件の真相とも密接に関わっているという結末。解説によると、『薔薇の名前』とも似た構造とのことだけど、自分には類似点が殆ど理解出来んかった。サーガとしては結構楽しく読めたけど、ミステリ的側面からはいまひとつピンとこなかった。ってかそもそもが、あくまで文学であって、エンタメ的・ミステリ的に楽しむ必要はないのかもしらんけど。

    0
    2019年10月17日

    Posted by ブクログ

    「古き冷き時間は、古き悲しみは、池の沈泥のように、層をなして積む」

    カナダの小説家マーガレット・アトウッドの2000年の作品。

    チェイス家の二人の娘、アイリスとローラ。
    物語は、名家の没落と新興のブルジョアたちの様子、大恐慌、第二次大戦とその後など、その時代の匂いを、「暗き目の暗殺者」という入れ子の小説や当時の記事を挟みながら、アイリス自身の回顧録?を軸に語られていく。

    女性の内面を抉るような、それでいて「平穏」を繕う。
    老いと皮肉と気位の高さが、積もり積もってまとわりつく。
    煩わしくもあるが、厚着して身を隠したような心地良さも、内側から透けて見える。

    久しぶりに、苦戦した。
    ただ、「エピローグ」を読んだ今、もう一度最初から挑戦すべきかも、と、思った。
    せめて、半分くらいのボリュームだったらな〜。

    0
    2023年11月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった!内容は☆5。でも誤植なのか誤字なのか、??という箇所が複数あったので☆4。校正が甘いですよ、ハヤカワさん!!!

    で、感想。
    ①内容について
    システムへの隷属を指弾する姿勢は『侍女の物語』と共通のように感じた。今回は資本主義に隷属した老女の懺悔を聴いているかのよう。抗うことをしなかった者の懺悔。ローラはシステムに対して言い訳をしなかった者。アイリスは言い訳をし続けた(あるいは目を逸らし続け、被害者の立場を固持し続けた)者、ウィニフレッドはシステムに過剰適応した無知な者の、それぞれの形象か。みんなそれぞれに「昏き目(ブラインド)」だという風に読める。
    ②モチーフの引用について
    シェイクスピアとか聖書とか、わかりやすい引用の他にも、「2足す2」の喩えや、スペインの内戦など、オーウェルの『1984年』を思わせるモチーフが織り込まれているのは意図的……だよね?この作者は余計なことは書き込まない。
    ③構造について
    多次元を行ったり来たり、メタになったり、埋め込まれたりして視界が揺れる感じがたまらない。解説にもあったけど、『ドグラマグラ』とか『熱帯』(登美彦氏!!)とか。なるほど、入れ子構造の小説、意識していなかったけど、私、だいぶ好きらしい。
    ④カナダについて
    カナダの歴史が知りたくなった。『赤毛のアン』しか知らないのが恥ずかしい。

    0
    2021年02月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上巻がどうしてあんなに読みにくかったのか、完読して納得。

    縦横に張り巡らせられた糸を、そして枠の中にはまった物語を、簡単に読み解けるはずはない。

    アラビアンナイトのように、カターサリット・ナーガラのように、読者が慎重に進みながら読むべき作品なのだから。

    その慎重に張り巡らされた糸を潜り、枠を外し、その奥に大事に隠された物語の真意を見つけ出した時、胸の奥にまた一つ、忘れることのできないものを得ることができるのだ。

    アイリスとローラの物語は、ここから私達、読者に手渡されたのだから。

    0
    2021年02月02日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    20世紀、カナダ。終戦の十日後に自動車事故で死んだ妹のローラは、姉のアイリスに学習帳の束を遺していた。死後出版という形で発表されたローラ名義の小説『昏き目の暗殺者』はゴシップ好きの好奇の目にさらされ、数十年後の今に至るまでカルト的人気を誇っている。83歳になったアイリスは、ひとりで暮らすいまの生活と、ボタン工場で一財を成した祖父の代から続くチェイス家の歴史をノートに記しはじめる。アイリスの現在記録と過去回想、ローラの小説と当時の新聞記事からの断片で構成された、モザイク模様の〈姉妹〉の物語。


    最初、というか上巻まるまる一冊ぶんくらい、何が主題の小説なのか掴めず戸惑った。ローラがなぜ死んだのかという話かと思えば祖父の代に遡って話し出すし、リチャードとローラとアイリスの三角関係かと早合点すれば別の男が出てくるし、こちらの勝手な予測がことごとくスカされ、謎がどこにあるのかすらヴェールに覆われている。けれど、アイリスの文学的すぎる悪態と戦前の社交界の様相、そして作中作『昏き目の暗殺者』に惹かれて読み進めると、アイリスが書きながらにして隠そうとしてきたものたちが少しずつその恐ろしい姿を現しはじめる。
    アイリスは本当にあの時点までリチャードの悪事を知らなかったんだろうか? 下巻でのローラとのやりとりは、わざと何度もSOSを受け取り損ねているようにみえる。上巻で語学教師がローラに手を出したときのアイリスの態度が、のちのちに効いてくる。ローラに対して、そして娘のエイミーと孫のサブリナに対して、83歳のアイリスは深い罪悪感を抱いている。きつすぎる皮肉を飛ばすことでその罪悪感を茶化そうとしているが、そのような書き方を選ぶほど、彼女がいまの孤独な生活を〈罰〉だと考えていることがわかって痛ましい。
    私は一人っ子なので、こうした姉妹間の感情の機微についてはよくわからないところもあるが、〈長女の呪い〉の裏側に〈次女の呪い〉がべったりと張り付いていたことに気づく小説なんだろうなぁ。また、物語内で前面に顔を出すのはリーニーにしろウィニフレッドにしろ女性たちだが、その後ろには常に呪いをかける側の男性が隠れている。ウィニフレッドがどんなにムカつく女だろうと罪の主体はリチャードだし、ローラを殺したのは10代のアイリスをリチャードに“売った”父のノーヴァルだとも言える。
    つまり、本書はフェミニズム視点から20世紀を語り直した歴史小説でもあるだろう。モダニスト、服飾芸術、精神病棟などなど、“女性特有の問題”をめぐるおなじみのモチーフも登場する。解説では〈盲目の暗殺者〉が指すものについて「エロス、歴史、エゴ」を挙げた《ロンドン・レビュー・オブ・ブックス》を紹介し、訳者はそれに「戦争」を付け足しているが、一つさらに重要なものが抜けている。「婚姻制度」だ。〈長女・次女の呪い〉以上に、〈婚姻制度の呪い〉をテーマにした作品だと思う。
    大長編だし要素がてんこ盛りなのでいろんな切り口があるが、私には語りが魅力的な一冊だった。耽美的で露悪的な作中作『昏き目の暗殺者』におけるサキエル・ノーンの物語は山尾悠子が書くSFのようだし、老境のアイリスが吐くズキズキするような悪口は金井美恵子、大仰な詩や神話の引用によって重層的な詩情を醸し出す語りは皆川博子を思わせ、女性作家のよいところが一度に全部楽しめるようなお得さがあった。
    また、娘の視点で父性の罪を暴く意味ではアンジェラ・カーター『ワイズ・チルドレン』のよう。一つの姉妹を通して20世紀を描いた点でも類似した二作ではないか。リチャードとローラの関係、罪悪感をいだく語り手のおどけた語り口などからは、やはり『ロリータ』を連想せずにいられない。終わり際は「すごい、『異形の愛』になった!」と思った。
    アトウッドを読むのは初めて。鴻巣由季子さんの訳の美しさに感謝。

    0
    2020年09月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昏き目の暗殺者(上)では、3つのお話しに激しく混乱。「最後まで読み通せるのかな?」と思いながら読んでいた。
    (下)に入ると、アイリスのテンポにうまく乗ることができた。きっと、(上)では、ローラのテンポが私を混乱させていたのかもしれない。いや、ただ単にカタカナや引用が難しいと感じていただけかも・・・。
    クライマックスに近づくにつれ、「もしや???ローラの小説なの?」、「昏き目の暗殺者って??」と字面通りに読んでいた私を???にさせる。???が増えるにつれ、この小説にハマりこんでしまった。
    ローラは聖人のような書きぶりだけれど、ほんとは単にアイリスが妬ましかったのではないか。自分の人生の不自由さやどん詰まり感をアイリスのせいにしていたのかもしれない。聖人でも何でもなく、ある意味気の毒な女の子。
    私には最後まで謎かけの多い物語りだったけれど、読み終わると乱暴に言って、感情ドロドロの物語りだった。
    最後の最後、アイリスは紙を束ねられたのか?サブリナはルーツを知ることができたのか?どうだったんだろう・・・。ってしばらく余韻に浸った。

    0
    2020年01月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ブッカー賞とハメット賞をW受賞した作品の文庫化.老女の現在,彼女の回想,若くして死んだ妹の処女作,兼,遺作が相互に絡み合い,妹の死を始めとする数々の謎が終盤で解き明かされる.
    正直,途中までは「見え見えのトリックでミステリーとして読むと少々期待外れだなあ」と思っていたのであるが,最後にはたたみかけるように,予期していなかったことまで全てが解き明かされる.
    現在と過去とフィクションが重層的に構築され,そのうちのフィクション部分(妹の遺作)のタイトルが本書のタイトルにもなっているのだが,その意味は深い.

    0
    2019年11月14日

昏き目の暗殺者 下 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    早川書房
  • 掲載誌・レーベル
    :
    ハヤカワepi文庫
  • タイトル
    :
    昏き目の暗殺者
  • タイトルID
    :
    650035
  • ページ数
    :
    416ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年10月11日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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