鴻巣友季子のレビュー一覧
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ネタバレハリウッド名作映画の原作 全5巻のその2巻目。
いよいよ南北戦争が佳境に。
スカーレットが密かに心を寄せていたアシュリーはメラニーと結婚し、衝動的に結婚したチャールズとの間に子どもができたものの、チャールズは南北戦争に出征して、早々に戦わずして亡くなってしまう。
未亡人となったスカーレットはアシュリーが出征して一人アトランタに残されたメラニーの家に同居することに。
メラニーに送られてきたアシュリーからの手紙を盗み読みしたり、未亡人として目立たない振る舞いを強制される南部の伝統に息苦しさと退屈さを感じてそれに逆らった行動をとってみたり、傲慢とも取れるようなスカーレットの奔放ぶりは相変わらず。
一方でレット・バトラーは南部はその旧弊な考えのために北軍には勝てないと言い切って南部連合軍には参加せず、商船の船長としてイギリスなどから買い付けた物資を北軍の封鎖をかいくぐって南部に持ち込み、高い値で売り捌くという事を続けていたため男性陣からは蔑まれていた。
スカーレットはレットが届けてくれる南部ではもう手に入らなくなった贅沢品は欲しいが、彼の言動が自分の愛する南部を否定しているし、自分を揶揄うような仕草を見せられるので、いつも喧嘩別れのような形で突き放してしまう。
しかし、そういう日々の過ぎるうちに戦争が苛烈さを増してきた。一度はメリーランドまで北上して攻め込んだ南部連合軍もリー将軍の敗北と共に、押し返され始め、戦場が徐々にスカーレットの住むアトランタに向けて南下してくる。アトランタから非難する人たちも出てくる中、妊娠しているメラニーを動かす事は命を危険に晒すことになるとわかり、スカーレットは危険を覚悟でメラニーに付き添ってアトランタに残る事を決心する。
やがて南下してきた戦場の砲声がアトランタの街中でも聞こえるようになってきて、、、
映画(見てないですが)は恋愛物だと思っていたので、小説も基本そういうタイプのものかと想像していました。確かにスカーレットとレットの恋愛が軸にはなっていますが、南北戦争前の南部の伝統や風俗を描き出す描写やスカーレットという女性を、彼女の恋愛だけでなく、近づいてくる戦争への不安や、それに負けずに生き抜こうと決意する心の動きなど、恋愛小説という枠にはおさまらない魅力のある作品なんだとわかってきました -
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古典を実際に訳していくゼミのようすから、翻訳の多様性と読解力の重大性を考える。
鴻巣さんがツイッターでもたびたび触れている「透明な翻訳」問題。欧米では「翻訳本だと意識しないで読めるほど文章がこなれている訳」を指すが、日本では「原文が透かし見えるような訳」を指す言葉だという。本書のなかにこの話がでてくるわけではないのだが、逐語訳が〈本物〉と評価されやすい日本の翻訳界において、鴻巣さんは原文が伝達しようとしているものを汲み取る努力を最大限した上で、エンタメとして受け入れられやすい訳文を目指している人なのだなと思った。
そうした訳文を実現させるためには、訳者が踏み込んだ解釈を文章に反映させる必要がある。だから鴻巣さんは「よく読め」と繰り返し言う。読者としても、読んでいて違和感のある翻訳は訳者の解像度が低かったのだな、と訳者あとがきなどで納得するときがある。「訳すために読む」のではなく、「読むために訳す」という順序が大切なのだろう。 -
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ネタバレ2巻でタラに戻ってきて3巻からはタラ再建に努めるスカーレット。タラへの愛に目覚めなんとしても手放すまいと尽力する。
3巻では戦争がようやく終わり、スカーレットはタラに戻りアシュリも無事帰還することができた。けど大変なのはここから。タラに重税がかけられ、このままお金を工面できないとタラが他人の手に渡ってしまう。母の死に悲しみながらも再建に取り組んでいたのに。お金目当てでレットに近づくもばれて失敗。3巻ではお金を持っているフランクに切り替え、スカーレットが魅力を振りまいているところで終了。
3巻のスカーレットは娘時代の彼女とはかなりかけ離れた存在になった。現実主義に磨きがかかり、タラを守るために何ができるか常に頭を働かせている。戦争でどん底を知って彼女をとりまく状況が一変したのが大きい。スカーレットが賢くなって現実に立ち向かうため自分で行動するようになったのは成長の証。けど可愛げは減ったね。レットが言った通り「がちがちに強気のかまえ」になってしまった。どっちが正しいとかではないけど、彼女が元来持ってた可愛らしさがすり減ってしまったようで残念。 -
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ネタバレスカーレットとレットは現代だとカップルに見えなくもないけど、この作品だとよくわからない関係性にある。スカーレットはしょっちゅう激怒するし、レットは辛口コメントばかり言う。顔を突き合わせると喧嘩ばかり。
けれどお互い少しは好感持っているよう。特にレットはかなりスカーレットを気に入ってる。毎回スカーレットに罵倒されてもいざというとき助けてくれる。けど愛してないと言い境界線ははっきりさせている。のめり込んではいない。
2巻はスカーレットとレットの関係が深まり、2人のやりとりだけをかいつまんで読んでも面白い。甘すぎないが徐々に距離が近くなっていくのが良い。 -
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さすが名著。場景と心理描写が丁寧で想像力がかきたてられる。スカーレットの気の強さと行動力にも感心した。
この時代の女性は制約が多く主体性はほとんどなかった。けれどスカーレットは世間になにを言われてもかまわないとし、途中から大胆な行動に出るようになった。勇気がないとできない、やっぱりスカーレットはすごい!
スカーレットはまさに強かな女性。自分の強みと男性が求めるものをよく理解して意図的に媚びる。狙った男性は必ず自分のものにする強い野心をもち、実際成功している。他の女性といい感じになってる男性でもお構いなし。こういう女性は異性にすごくモテるが大抵同性に嫌われやすい。けどスカーレットはほとんどの同性を敵とみなしているから関係ない。このサバサバ感が好き。スカーレットとは友達にはなれないと思うけど、書籍で客観的に見るぶんにはかなり面白い。彼女にはどんどん暴れてほしい。 -
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ネタバレ面白かった!内容は☆5。でも誤植なのか誤字なのか、??という箇所が複数あったので☆4。校正が甘いですよ、ハヤカワさん!!!
で、感想。
①内容について
システムへの隷属を指弾する姿勢は『侍女の物語』と共通のように感じた。今回は資本主義に隷属した老女の懺悔を聴いているかのよう。抗うことをしなかった者の懺悔。ローラはシステムに対して言い訳をしなかった者。アイリスは言い訳をし続けた(あるいは目を逸らし続け、被害者の立場を固持し続けた)者、ウィニフレッドはシステムに過剰適応した無知な者の、それぞれの形象か。みんなそれぞれに「昏き目(ブラインド)」だという風に読める。
②モチーフの引用について
シェイクスピアとか聖書とか、わかりやすい引用の他にも、「2足す2」の喩えや、スペインの内戦など、オーウェルの『1984年』を思わせるモチーフが織り込まれているのは意図的……だよね?この作者は余計なことは書き込まない。
③構造について
多次元を行ったり来たり、メタになったり、埋め込まれたりして視界が揺れる感じがたまらない。解説にもあったけど、『ドグラマグラ』とか『熱帯』(登美彦氏!!)とか。なるほど、入れ子構造の小説、意識していなかったけど、私、だいぶ好きらしい。
④カナダについて
カナダの歴史が知りたくなった。『赤毛のアン』しか知らないのが恥ずかしい。 -
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ネタバレ中々に手ごわい小説です。
久しぶりに読み終わるまでにひと月以上かかった(^▽^;)
下巻があるので、まだ時間はかかると思いますが、読むのを止めるという意識はないです。
財を成した名家の一代記であり、また死んだ人間が書いた小説『昏き目の暗殺者』が交互に物語を形作り、その合間にゴシップが入る。
時代は第一次世界大戦から第二次世界大戦後にかけて、一族の没落や家族が重たい小説ではありますね。
この段階で感想はこの程度しか書くことができないですが、下巻でローラが真に何を描きたかったのか、そしてローラの姉であり語り手の『わたし』であるアイリスが最後まで何を語るのかを読みづつけたいと思います。
『侍女の物語』や『誓願』はあまり時間もかからず読めたのですが……。
ですが、続きも追いかけていきましょう! -
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ネタバレ言わずと知れたハリウッド名作映画の原作だが、映画と原作は全く別物だそうです。まぁ映画観てないんで関係ないですが。
アメリカの南北戦争を目前に控えた南部。アイルランドからの移民を父に持ち、大農園の長女であり、周囲の目を惹きつける魅力をもったスカーレット・オハラ。
南部の娘は毎週の様に開かれるパーティーで男性を見つけ結婚するのが昔ながらの幸せとされる。スカーレットはその容姿でいつも男性たちを虜にしていたが、自分が密かに心を寄せるアシュリには想いが届かず、アシュリはメラニーと婚約を発表する。
なんでも自分の思い通りにしてきたスカーレットは傷心の中、全く好意も興味も抱いていないメラニーの兄チャールズと結婚を決意する。しかし、そんな彼女の前に現れたのは南部の伝統やしきたりを軽視する傍若無人の男、レット・バトラーだった。彼女はレット・バトラーの自由さに驚きながらも、人に見せたくない自分の真の姿を見られてしまい腹を立てる。
チャールズは南北戦争の南軍の兵士として出兵したが麻疹にかかって亡くなり、スカーレットはほんの数ヶ月間に未亡人となってしまう。
南部の未亡人は喪に服し、男性と口を聞くことなど許されない。スカーレットも銃後の守りとして傷病兵の介護をする事を手伝っていたが、パーティーやダンスにも行く事もできない鬱憤が溜まっていた。
しかし、そこに再び現れたのはレット・バトラーだった。彼はスカーレットに、初めて会った時の自由さがなく、南部のしきたりに反抗しない彼女はつまらないと言ってのけ、再び彼女を怒らせる。
レット・バトラーは挑発するようにパーティーでダンスの相手に未亡人となったスカーレットを選ぶ。スカーレットもその挑発に応え、周りの驚きと好奇の目に晒されながらレットの手をとり、ダンスを踊って見せるのだった。
5巻まであるそうですが、その第1巻はまさに導入。自己中心的で世間知らず、南部の世界だけが全てであり、正しいと信じていて、いくら大人ぶっていても少女でしかないスカーレット・オハラと、外から来たよそ者ではあるが、外の世界を知り、南部の閉塞感を嫌うレット・バトラーの人物と、南部の大農園の暮らしを丁寧描いている。
面白いです。 -
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『明治大正翻訳ワンダーランド』を読んで以来。
さすがだなあ、と思う。
翻訳者のエッセイなら、先ごろ岸本佐知子さんの作品を読んだ。
あれもとても面白かった。
岸本さんのサービス精神と、稀有のキャラクターのなせる文章だった。
こちらは、エッセイから伝わる著者の生活ぶりもすてきだが、翻訳者としての苦心や気配りなどが、より突っ込んで書かれている部分が印象に残る。
『風と共に去りぬ』の、「明日は明日の風が吹く」という名訳。
これは誰のものなのか。いつから流布したのか。
「スカーレットと江戸ことば」はこの事情を明らかにしていて、とても面白かった。
阿部知次の昭和十一年の抄訳にはじまり、数々の訳を見てもそれらしきものではない。
どうやら菊田一夫が舞台にかけたところがはじまりらしく、その舞台に立ってきた黒柳徹子の証言を得る。
それが、江戸っ子の流行りことばだった、とは。
こういう、深く深く、一つの言葉、表現にも意識を向けていくところが流石だ。 -
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ネタバレ20世紀、カナダ。終戦の十日後に自動車事故で死んだ妹のローラは、姉のアイリスに学習帳の束を遺していた。死後出版という形で発表されたローラ名義の小説『昏き目の暗殺者』はゴシップ好きの好奇の目にさらされ、数十年後の今に至るまでカルト的人気を誇っている。83歳になったアイリスは、ひとりで暮らすいまの生活と、ボタン工場で一財を成した祖父の代から続くチェイス家の歴史をノートに記しはじめる。アイリスの現在記録と過去回想、ローラの小説と当時の新聞記事からの断片で構成された、モザイク模様の〈姉妹〉の物語。
最初、というか上巻まるまる一冊ぶんくらい、何が主題の小説なのか掴めず戸惑った。ローラがなぜ死んだのかという話かと思えば祖父の代に遡って話し出すし、リチャードとローラとアイリスの三角関係かと早合点すれば別の男が出てくるし、こちらの勝手な予測がことごとくスカされ、謎がどこにあるのかすらヴェールに覆われている。けれど、アイリスの文学的すぎる悪態と戦前の社交界の様相、そして作中作『昏き目の暗殺者』に惹かれて読み進めると、アイリスが書きながらにして隠そうとしてきたものたちが少しずつその恐ろしい姿を現しはじめる。
アイリスは本当にあの時点までリチャードの悪事を知らなかったんだろうか? 下巻でのローラとのやりとりは、わざと何度もSOSを受け取り損ねているようにみえる。上巻で語学教師がローラに手を出したときのアイリスの態度が、のちのちに効いてくる。ローラに対して、そして娘のエイミーと孫のサブリナに対して、83歳のアイリスは深い罪悪感を抱いている。きつすぎる皮肉を飛ばすことでその罪悪感を茶化そうとしているが、そのような書き方を選ぶほど、彼女がいまの孤独な生活を〈罰〉だと考えていることがわかって痛ましい。
私は一人っ子なので、こうした姉妹間の感情の機微についてはよくわからないところもあるが、〈長女の呪い〉の裏側に〈次女の呪い〉がべったりと張り付いていたことに気づく小説なんだろうなぁ。また、物語内で前面に顔を出すのはリーニーにしろウィニフレッドにしろ女性たちだが、その後ろには常に呪いをかける側の男性が隠れている。ウィニフレッドがどんなにムカつく女だろうと罪の主体はリチャードだし、ローラを殺したのは10代のアイリスをリチャードに“売った”父のノーヴァルだとも言える。
つまり、本書はフェミニズム視点から20世紀を語り直した歴史小説でもあるだろう。モダニスト、服飾芸術、精神病棟などなど、“女性特有の問題”をめぐるおなじみのモチーフも登場する。解説では〈盲目の暗殺者〉が指すものについて「エロス、歴史、エゴ」を挙げた《ロンドン・レビュー・オブ・ブックス》を紹介し、訳者はそれに「戦争」を付け足しているが、一つさらに重要なものが抜けている。「婚姻制度」だ。〈長女・次女の呪い〉以上に、〈婚姻制度の呪い〉をテーマにした作品だと思う。
大長編だし要素がてんこ盛りなのでいろんな切り口があるが、私には語りが魅力的な一冊だった。耽美的で露悪的な作中作『昏き目の暗殺者』におけるサキエル・ノーンの物語は山尾悠子が書くSFのようだし、老境のアイリスが吐くズキズキするような悪口は金井美恵子、大仰な詩や神話の引用によって重層的な詩情を醸し出す語りは皆川博子を思わせ、女性作家のよいところが一度に全部楽しめるようなお得さがあった。
また、娘の視点で父性の罪を暴く意味ではアンジェラ・カーター『ワイズ・チルドレン』のよう。一つの姉妹を通して20世紀を描いた点でも類似した二作ではないか。リチャードとローラの関係、罪悪感をいだく語り手のおどけた語り口などからは、やはり『ロリータ』を連想せずにいられない。終わり際は「すごい、『異形の愛』になった!」と思った。
アトウッドを読むのは初めて。鴻巣由季子さんの訳の美しさに感謝。 -
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『言葉とは弱々しいものです―だからこそ、わたしたちは踊るのです。そうして踊ることで、超然たる星々のかなに住む数を呼び寄せる』
主人公のシモンをヨセフ、シモンが前世からの渡航中に知り合った子供であるダビードをイエス、失われた筈の記憶がダビードの母親だと告げるイネスをマリアに擬えて、物語は進行していると前作である「イエスの幼子時代」を読んだ時から思っていた。マリアが受胎告知を受け授かってしまった子を育てるヨセフの視点の話だと。何から何まで聖書の物語を当て嵌めて考える必要はないのかもしれないが、今回もダビードが7歳になろうとする時に国勢調査が行われる際にダビードを隠すエピソードなどは、マタイ書のヘロデ王の幼児虐殺の物語と史実としての国勢調査の関係をを連想させる。だがどうやらタイトルにある「イエス」とはダビードのことを指しているのではなく、主人公であるシモンのことであるように徐々に思えてくる。
ダビードはヒポクラテスのように「なぜ」を繰り返し人々が無意識に受け入れている常識に疑問を投げ掛ける。あたかも独自の倫理観、正義があるかのようなふるまいもする。しかしそれは結局のところ子供故の浅はかさでもある。あるいはそういう文脈でイエスの存在を周囲の人々が見ていたのではないかという文学的問題提起なのかも知れない、という思いは残るものの、ダビードが生れ落ちて(前世から渡航してきて)しまった世界の矛盾や不正義に苦しむ様子はほとんどない。むしろ現実に対応しつつ世の不条理を嘆くのはダビードの庇護者である筈のシモンである。それに加えて、本書の最終章のシモンは、まるでヨハネによる洗礼を受ける人のようでもある。
本書では、クッツェーを読むと必ず感じる人間に対する嫌悪感が、これまでになく希薄だ。老いが人間の根源的な醜悪さを薄めていくのか。前作と比較してみても、主人公の変化にはそんな思いを抱かせるようなところがある。全てを著者の実世界活へ帰結させる必要もないが、クッツェーの重ねた歳が、主人公の価値観にもうっすらと投影されているのかも知れない。 -
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ネタバレ昏き目の暗殺者(上)では、3つのお話しに激しく混乱。「最後まで読み通せるのかな?」と思いながら読んでいた。
(下)に入ると、アイリスのテンポにうまく乗ることができた。きっと、(上)では、ローラのテンポが私を混乱させていたのかもしれない。いや、ただ単にカタカナや引用が難しいと感じていただけかも・・・。
クライマックスに近づくにつれ、「もしや???ローラの小説なの?」、「昏き目の暗殺者って??」と字面通りに読んでいた私を???にさせる。???が増えるにつれ、この小説にハマりこんでしまった。
ローラは聖人のような書きぶりだけれど、ほんとは単にアイリスが妬ましかったのではないか。自分の人生の不自由さやどん詰まり感をアイリスのせいにしていたのかもしれない。聖人でも何でもなく、ある意味気の毒な女の子。
私には最後まで謎かけの多い物語りだったけれど、読み終わると乱暴に言って、感情ドロドロの物語りだった。
最後の最後、アイリスは紙を束ねられたのか?サブリナはルーツを知ることができたのか?どうだったんだろう・・・。ってしばらく余韻に浸った。 -
Posted by ブクログ
アトウッドの代表作。色んな書評やらで見かけて、いつかは読みたいと思ってた作品を、文庫化にあたって入手。あと、ノーベル文学賞授賞かも、っていうタイミングもあって。でもそれは逃したけど。メタフィクションの体を取っているけど、それぞれが章立てで区別されていたり、登場人物もそこまで多くなかったりするから、前半を読み終えた印象として、難解度はそれほど高くない。自分の理解度が低いから、単純にこれ以上だとついていけない、っていう話だけど。最初に提示された、妹の死にまつわる謎を解き明かすのが本題だとは思っているんだけど、この超大作の果てに、どんな結末が待っているのか、期待大。