【感想・ネタバレ】小説、この小さきもののレビュー

あらすじ

私たちは孤独ゆえに小説を生みだし、小説を読み書きするゆえに孤独を深めてきた─。小説の本質とは何か。私たちはなぜ物語を必要とするのか。神なき時代の叙事詩である小説の起源を探り、フィクションを「読むこと」と「書くこと」の本質に迫る本格文芸評論。

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Posted by ブクログ

なぜ、物語の批評を共感で語るのか。

それは、現代が趣味や志向を肯定しつづけてくれるサービスに触れつづけ確証バイアスを肥大させている時代だからだという。
その著者の分析に大いに賛同し、行く末を思って怖くなった。

いま、読書離れといわれる時代で、物語もよりわかりやすい(共感性をえやすい)ものが売れる時代になってきているように感じる。
他者性が複雑に織りなされた物語は、結局何が言いたいのかわからないとバッサリ切られる時代だ。
そういう人は、AIが要約した文章で事足りるから、とますます本から遠ざかっていく。

本書を読んで感じるのは、文章に織り込まれる人称や、過去形、現在形、二葉亭四迷の「完了形た」の創出やなど、センテンスを紡ぐときに意図的に、繊細に選ばれるこうした文字を、AIが組むことなんて不可能だろうということだ。

文字が発明される前から、物語はずっと人のそばにあった。それはこれからも亡くなりはしないだろうけれど、AIによって形を変えるだろうことは想像できる。

そして、物語がもつ「感情に強く訴える力」を書き手が意識しつづけなければならないと思う。2025年7月の週刊新潮の差別的表現を含むコラム掲載は、それを改めて私たちに突き付けてきた。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

本の雑誌ベスト企画から。先だって読んだ氏の読書本に続き、ここでもかなり丁寧に人称についての言及がある。物語の読解においてそれだけ重要ってことなんだけど、自分的にはなかなか腑に落ちてくれない。ここがもっと分かってくれば、こと純文学ジャンルにおいて、もっと深い読解ができるようになる気がするんだけど…。まだまだ遠いぜ、読解マスター。

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2026年02月13日

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