Posted by ブクログ
2021年06月19日
2巻で大激動の戦争最中を読み、ここがピークかと思いきや、ここからが闇のスタートになるとは。
タラを襲う北軍のヤンキー、重税の圧力、帰ってきたアシュレやレットとの交わりの中で経験する絶望。とにかく世の流れもスカーレットの人生の流れもここ半年の内に目まぐるしく変化していく。
戦争を経験したことのない身...続きを読むとしては、歴史で語られない敗者側のリアルな実態とプライドに初めて触れた気がしてならない。
打ち負かされても、打ち負かされたと認めず、毅然としていて昔の形式を忘れず誇り高き人としてなり振る舞う。微笑の仮面を身につけて…。
スカーレットの精神力や生命力の漲りは衰えないけれど、明らかに変化していく価値観や文化観に自ら戸惑い、誰よりも現実的に将来を見据えている姿は人間らしさ満載で、読みすすめるごとにスカーレットという人間を好きになる。
「もっとも残忍な復讐は、いま、はじまったばかりなのだ」
「彼女は、うしなうべきなにものもなかった」
「平気で金をまき散らすような時代は過ぎたのだ。古い時代は、すでに去ったのに、なぜこの人たちは、古い時代の身ぶりを忘れられないのだろう」