小松左京のレビュー一覧
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マントル対流や地殻変動のロジックがどこまでがフィクションなのかわかりづらいところはあるが、次々に発生する地震や火山噴火、津波などによる被害の描写は阪神大震災や東日本大地震を彷彿とさせて痛々しい。
物語が発表された約50年前はネットやSNSもなく、日本を取り巻く各国間のパワーバランスも今とは随分と違っている。日本人を取り巻く環境が大きく変化しているので、同じ題材でもいま執筆したらまったく異なる作品になると思う。そういう意味で、何度も映画化やドラマ化される理由もよくわかる。作者は日本という国を失った後、日本人がどう生きるかを描きたかった、とのことなので、その主題が取り扱われている第二部も読んでみた -
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実は映画化されたとき観てるし、その頃に本の方も読んでいる。でも、ほとんど忘れていたので30年ぶりに。
SFとしての迫力空想が売りなのに、コロナパンデミックの今や切実になってしまってる。ウイルスや細菌などの化学的なことも詳しく描かれてあるのは、前ならちんぷんかんぷんで飛ばし読みしていたと思うが、今、違和感なくよくわかるのがちょっと怖い。当時それだけしっかりし調べあげて書かれたのもすごいと思う。
小説のおもしろさはもちろんだが、作者の述べたかった思索、哲学的な部分も奥深く、メッセージも厚みのある力作。1964年(半世紀以上前だ!)に書かれたとは思えないというか、空想予言力に満ちみちていて、読み -
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最近、何故かあちこちで見かけると思ったら、文庫本が再版されたのですね。
小松左京のデビュー作。若い頃はSFが大好きで、小松左京も良く読んだけど、この本は初読(のはず)です。
「本書が無ければ『日本沈没』は生まれなかった!?」の帯が示す様に、確かに色々と『日本沈没』を思い起こさせるところがあります(と言いつつ、読んだのは30年以上前なので怪しげなものですが)。危機的状況の中で旧弊にしがみつこうとするもの、私利私欲に走る者達と、個人レベルで英雄的に活動する人々。そういうパターンが多い気がします。
しかし危機的状況一つにしても政治や経済、軍事、文化などいろんな面で見せて行き、リアリティーを(嘘か誠か -
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まず表紙絵に度肝を抜かれた。
鉄色のアパッチ人みたいなのが腰かけた洋便器からパチンコ玉みたいなもの(鉄)が流れて・・・印象は気持ち悪い。けれども読み進むとそれが思いもかけない展開でだんだん面白くなってくるのだ。
警察に失業罪(働かざる者食うべからずの社会か)という変な追放罪で広大な囲い地に放り出された主人公。そこは瓦礫累々の廃墟、人っ子一人いない。犬に食われそうになったりいろいろあって、もう野垂れ死にかと思いきや、アパッチ族という食鉄人(鉄を主食とする)に助けられ、仲間に入るところから始まるのであった。まあね、初めて鉄を食べるところの描写は、いい気持ちしないんだけど。
それからの奇想天外の -
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1 前編の「日本沈没」は、小松左京氏の著作です。日本列島が海底に沈むという、奇想天外な物語です。発刊当時は、大ベストセラーとなり、日本推理作家賞などを受賞しました。地球物理学の解説が盛り込まれ、修士論文に値すると高評価もあったそうです。
2 第二部上では、国土を失った日本人達が、世界各地に散らばって、地域住民と問題を起こしながらも、懸命に生きようという生き様が描かれています。この第二部では、日本沈没は、次なる災害の前触れにすぎず、地球が寒冷化し、北半球の中緯度地帯以北が氷結してしまいます。生き残った人類は僅かな土地でいき続けなければならなくなります。
3 本書の中から、気になった箇所を意 -
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1 本書は、小松左京氏の「日本沈没」の続編です。日本沈没では、日本列島が四国を皮切りに次々と海底に沈みます。犠牲者は、2,000~3,000万人で、約8,000万人が国外に脱出し、世界各地へと散りばりました。ここから第二部が始まります。
この第二部上は、日本が滅亡した後に、生き残った人達が流浪の民となって各地で生き延びようとする物語です。
2 本書で、気になった箇所を、意見を加えて、2点書きます。
(1)パブアニューギニアでは、日本人は順調に暮らします。しかし、「この国の住民と日本人入植者の格差は大きくなっていくばかりです。日本人ばかりが豊かになって、パブアニューギニア人の恨みを買うことに -
無料版購入済み
消失
ある日突然大人が消えてしまった。事態を飲み込むには時間がかかるし、可能性を考えて探しに行ったり右往左往するよね。榛野市の子供達は協力し合って火事を消したり小さな子供を保護したり、小さなコミュニティができていきます。
すごくおもしろい! わくわくしました。 -
購入済み
久々の巨匠の手腕はさすがでした
初めて読んだ長編「復活の日」も、十数年ぶりに再読した短編集「夜が明けたら」も、面白かった!
特に好きなのが「葎生の宿」。あんな風にされたら、一緒に行ってしまいそう…
「海の森」は、後半クライマックス場面の緊迫感がいい!
「夜が明けたら」は、この始まりから、あのラストに発展させる発想がすごい!
小松左京様、再びの感動をありがとうございます。 -
Posted by ブクログ
今、どんな自然災害が起きても不思議ではないから、有り得ない話し~ってならないよね。
日本が丸々、沈没するんだもん·····人間には、どうする事も出来ない。
海外へ脱出して生き残る日本の血を引く者達が、その後1から又、日本という国を作るのか。
ウィルスには勝てるかも知れないけど、自然災害には勝てない·····よなぁ。
小難しい話しだったけど、もっと人間の愚かさや卑しさを描いていたら怖すぎて読めなかったかも。
コロナ禍の中、マスク1枚も回って来なかったという日本政府の備蓄の少なさを目の当たりにした今、もし首都直下地震が起きたら日本政府は国民を守れるだけの物資を持って要るのだろうか·····。