小松左京のレビュー一覧

  • 日本沈没(下)

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    怒涛の如く崩壊が進む一方で、きな臭い政府連中の動きが妙にリアルでした。

    「今の世界には、ひとつの国を受け入れる力がない」

    このセリフを聞いて、ハッとしました。ホームステイとかバカンス程度の旅行ならまだしも、移住となると話は別。
    移民の受け入れについて、日本人の半数近くが消極的なことが報道で明らかにされていますが、他方で海外においても同じなんです。結局のところ、外国人が移住してくることに対して、それぞれの文化が寛容になるまで発展していないんです。

    ただのディザスターパニック小説かと思ったら、本質に触れやがりました。
    小松左京は天才です。

    ※第5章内で明らかにいらんかった部分がありましたが

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    2025年11月22日
  • やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記(新潮文庫)

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    年譜が圧倒的ですね。すごい行動力。
    目次
    はじめに

    第一部:やぶれかぶれ青春記
    やぶれかぶれ青春記
    「青春記」に書かれなかったこと
    ――漫画家としての小松左京……小松実盛

    第二部:大阪万博奮闘記
    ニッポン・七〇年代前夜
    万国博はもうはじまっている
    小松左京と走り抜けた日々……加藤秀俊

    年譜

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    2025年11月05日
  • 日本沈没(上)

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    ハインリッヒの法則。単一の害が複数の被害を生み、再生不能かつ重大なインシデントを招く。

    それが大陸棚の沈降だったら。

    小松左京がそんなことを思い浮かべてこの作品を書いたとは言わないけど、ここまで洗練されているとデタラメな時間を使ったんだと思う。特に地質学や深海探査にまつわる知識に関しては、脱帽ものです。
    分からない言葉を調べてみましたが、この作品が完成される時点までは観測が達成できていない事象や現象もあったのが、小松左京の想像力の高さだと思います。

    下巻では日本が終わるみたいです。楽しみ。

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    2025年10月18日
  • ゴルディアスの結び目

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    [岬にて]
     一見けだるい、なんてことのない話のような雰囲気が漂ってるが、想像力を刺激されまくった。たんに岬のある場所が南半球だってだけなんだけど、太陽が北にあるっていう描写から、地軸が歪むような大異変があったんじゃないかとか、島が連なっているという風景からは、それが沈んでしまった日本の山脈ではないかと想像したりして。まあ勝手にこっちが想像力を働かせすぎただけなのかもしれないけど、この短編には、静かながらもそうさせるだけのエネルギーがあるのかもしれない。なんか我ながら、えらく思い入れが激しいな。
     明快なオチがあるという種類の話ではないし、琴の音色とともに、時間が流れていくような描写はちょっと

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    2025年10月07日
  • 日本沈没(上)

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    なかなか壮大。
    半世紀以上も前の話なのに理化学的で驚いた。
    当時の社会問題や風潮が垣間見れてそこも読んでいて楽しかった。
    (というか、リニアモーターカーって当時からあったんだ…。)
    ただ。田所博士が途中で力説するシーンが長すぎる。さあついに本題に…?というところで毎回話が脱線して同じようなことを繰り返す。流石にくどかった…。
    下巻、楽しみだけどしんどいなぁ…。

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    2025年09月28日
  • 復活の日

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    SFがSFではなくなってきている。
    はるか昔に書かれた作品なのに、新型コロナの時を思い出させる。
    各国の思惑と疑心暗鬼による、誰も救われない状態。みながみなを思えばこうはならない。信頼がないとこうなるのだろう。

    ワクチンに鶏の卵が使われていることを初めて知った。僕らはたくさんの生物の上で成り立っている。
    勝手に核を落としたり、勝手に細菌をばら撒いたり、なんと酷いことをするのだろう。
    人間に対してだけでなく、あらゆる生物のおかげで僕らは生きていることを考えなければならない。

    国同士で争っても仕方ない。しかし、競争があるから発展することもある。今の資本主義経済はそうしてできた。この物質的豊かさ

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    2025年07月21日
  • 復活の日

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    もともとは別の本で引用されていた、哲学者の最終講義の放送のところが気になって読んだ。とても身につまされるものであった。自身が持ち得たものを責任をもって使用できているか?

    また、当然COVID-19を思う訳だが、あの前に(あるいは出版された1964年に)読んでいたらどう思っていたのか気になるところである。厄災はいつか終わると思っていないか?

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    2025年06月28日
  • やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記(新潮文庫)

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    「やぶれかぶれ青春記」。1969年に受験雑誌『蛍雪時代』に連載されたというのだから驚きだ。学生運動が最高潮に達していた頃である(東大の入試も中止になった)。読んだ高校生・浪人生には相当なインパクトがあったかもしれない。
    「青春記」には、戦中と戦争直後にかけての、旧制中学から旧制高校のことが赤裸々に綴られている。破天荒、過激な行状、壮絶ともいえる経験。そして教育への不信、国家への不信、政治への不信。あきらめと打たれ強さ。ペシミズムとオプティミズムが交錯する。小松左京の作品の持ち味はこの時にできあがったのかもしれない。中学時代の友人には高島忠夫も登場する。
    ところが、この「青春記」には書かれていな

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    2025年05月08日
  • 日本アパッチ族【電子特典付き】

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    スゴイぞ、小松左京。
    はるか昔の60年前に書かれた小説なのに全く古臭さを感じない(という感想は、「復活の日」に感じたことと同じだ )
    エンタテインメントとして面白いだけではなく、マイノリティに向けられた偏見と差別や弾圧、政治の無能さなど、現在のリアルの世の中への批判としてそのまま成立してしまう。
    小松左京が凄いのか、60年経っても進歩していない現実世界がだらしなく無様なのか、はたまたその両方なのか。

    その後に執筆された「日本沈没」につながる、「政治的日本沈没」「種族的日本沈没」とも言える作品。

    子供の頃SF少年でありながら、なぜか流行りものが嫌いなひねくれ者で、小松左京を読まずにいた自分を

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    2025年01月09日
  • 復活の日

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    50年も前に書かれたとは思えない、コロナ感染を経験した今でも生々しく感じられる先見性に敬服する。果たして、感染率、致死率がコロナより悪化する変異体が出てきた時に、世界的な人の移動の速度、量が50年前とは比較にならないぐらい増加している現代社会では、隔離できる地域はないように思える。対応できるのだろうか?宇宙で自給自足できる環境が作れるようになれば、人類としてのリスクは分散できるのか?

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    2024年09月01日
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集

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    SF、伝奇、コメディと色んな要素のある短編集で、60〜70年代の不穏な雰囲気がビシビシ感じられる。特に「招集令状」の、今際の際でなお世の中を呪って社会を息子諸共恐怖に叩き込む親父が怖くて良かった

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    2024年07月08日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    「家が呼ぶ」に大興奮して以来、すこしずつ朝宮運河さん編纂のアンソロジーを買い集めている。今作も大興奮!

    ✂-----以下ネタバレです-----✂








    はじめに収録されたタイトルドンピシャの「恐怖」は、短くもラストにドキッとする極上の作品。最初からこの作品…もう期待しかないが、続くは小松左京「骨」。じっくり掘り進められた恐ろしく壮大な情景が、蘇る記憶とともに一気に駆け抜ける大迫力に感動…。
    「夏休みのケイカク」「正月女」は現代の割と身近な景色を思い浮かべつつ読み進めていたけど、オチに違ったカラーのダークさがあり面白い。
    今回すごく好きだった「ニョラ穴」は、SFチックな作風。日本のこ

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    2024年06月28日
  • 日本沈没 超合本版 1巻

    購入済み

    漫画だとイメージが変わる

    原作を読んだ事があるが、漫画になるとイメージが少々違ってきた。昭和時代を思い出させる絵の描き方も良かった。

    #ドキドキハラハラ #ドロドロ

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    2024年06月06日
  • 復活の日

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    この本を手に入れたのは今から3年前のコロナ禍だった。ずっと「読まなきゃな」と思いながら、ずっと積読にしていた。今年の3月末ごろに読み始めたが、一気読みしてしまった。

    率直な感想は、小松左京、天才か?に尽きる。

    細かな設定は本作で詳しく説明されるが、大まかに言えば「バイオハザードのち世界崩壊」。しかし、この物語はもちろんそれに留まらない。未知のウィルスから生き残った人たちの苦悩が希望的観測なしに描かれている。

    文明も文化も失われた地球上で、もっとも矮小な生き物となった人類は、誕生の時と同じく、幾重もの奇跡と偶然のお陰で、復活の日を迎える。

    小松左京、天才か?

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    2024年04月17日
  • 日本沈没(下)

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    ネタバレ

    名著だと目にはしていたけれど…エンタメだろうと高を括っていた頭に鉄槌を受けた。映像作品に落とし込まれたものを一切目にしてこなかった私は「日本沈没をなんとか止める物語」だと、ハリウッド映画的な内容予測をしていたから。
    これほどの微に入り細を穿ったシュミレーションが50年もの昔に書かれていたとは。書かれた御本人が一番恐ろしかったのではないだろうか。地震が起こるたびに「このあと日本はどうなるか」なんて聞かれても「読んで考えろ」としか答えようがないと思うのだが…
    視点がとてもグローバルで、外から見る日本を少し理解できたと思う。

    地球内部の動きを、気象に当てはめて説明されるのは驚くとともにとっても面白

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    2024年04月10日
  • 日本沈没 超合本版 1巻

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    大災害が起きた時の様子がリアルで怖かったです。こういう時人間に出来ることなんて逃げること以外ないんだと思い知らされます。

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    2024年04月07日
  • 日本沈没 超合本版 1巻

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    クセが強い絵柄ですが、ストーリーが面白くて読む手が止まりません。徐々に被害の規模が大きくなっていってて、国や学者達がどう動くのか興味深いです。

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    2024年04月07日
  • 日本沈没 2巻

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    日本海溝

    知識なくても色々説明してくれるから有難いです。日本海溝での光景が不気味すぎて怖いですね。成果の分析結果が気になります

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    2024年04月07日
  • 日本沈没(上)

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    「日本沈没」小松左京 氏
    ~自然の脅威と人間心理の深層~

    【災害の深刻さと自然の不可解さ】
    小松佐京氏の「日本沈没」は、科学の限界と自然災害の深刻な影響を描いた作品です。この小説は、読者に災害時のパニック状態や人間の不合理な行動をリアルに感じさせます。

    【1970年代の日本を舞台に】
    物語は、1970年代の日本を舞台に展開します。主人公は、潜水艇操縦士です。教授とともに、頻繁する地震災害の原因を探ります。この小説は、島が海に沈むという衝撃的な事象を発端として、地震そして火山の噴火という自然の力に対峙する人間を描写します。人間そして科学の限界は何か?について考えざるをえない物語です。

    【小

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    2024年04月07日
  • 日本沈没 1巻

    匿名

    購入済み

    数年前にやったドラマを見ましたが、原作やコミカライズは読んだことがなかったので登場人物が違くて驚きました。コミカライズとても面白いです!原作も読んでみたいと思います

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    2024年04月06日