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Posted by ブクログ
SFがSFではなくなってきている。
はるか昔に書かれた作品なのに、新型コロナの時を思い出させる。
各国の思惑と疑心暗鬼による、誰も救われない状態。みながみなを思えばこうはならない。信頼がないとこうなるのだろう。
ワクチンに鶏の卵が使われていることを初めて知った。僕らはたくさんの生物の上で成り立っている。
勝手に核を落としたり、勝手に細菌をばら撒いたり、なんと酷いことをするのだろう。
人間に対してだけでなく、あらゆる生物のおかげで僕らは生きていることを考えなければならない。
国同士で争っても仕方ない。しかし、競争があるから発展することもある。今の資本主義経済はそうしてできた。この物質的豊かさはその最たるものである。
だからと言って、他者を虐げて滅ぼすようなことはあってはならない。
その一助になるのが「哲学者ではないか」と提起されていたのが印象的だった。
つまり、科学も文学も哲学も、その他政治や国交、生活に至るまで、すべては繋がっている。ただ、その根底に他者を蔑ろにするものがあってはならないということ。
みな重要で、みな大事。当たり前だけど、まだ何もできていないのが我々だと思い知った。
Posted by ブクログ
この本を手に入れたのは今から3年前のコロナ禍だった。ずっと「読まなきゃな」と思いながら、ずっと積読にしていた。今年の3月末ごろに読み始めたが、一気読みしてしまった。
率直な感想は、小松左京、天才か?に尽きる。
細かな設定は本作で詳しく説明されるが、大まかに言えば「バイオハザードのち世界崩壊」。しかし、この物語はもちろんそれに留まらない。未知のウィルスから生き残った人たちの苦悩が希望的観測なしに描かれている。
文明も文化も失われた地球上で、もっとも矮小な生き物となった人類は、誕生の時と同じく、幾重もの奇跡と偶然のお陰で、復活の日を迎える。
小松左京、天才か?
Posted by ブクログ
ちらっと読み始めたら止まらなくて1日で一気に読んだ。某国が開発したウィルス兵器が盗み出され、偶然の事故から世界に拡散してしまう。人々はただの風邪だと思い込んでいるが、感染はあっという間に拡大し、死亡率も急速に高まって、医療は崩壊、行政・防衛・産業機能も破綻し、ライフラインは途切れ、人々は街中や職場、自宅で次々と死んでいく。最終的に南極にいた科学者や調査員など約1万人(このうち女性は12人!)を残し、人類はほぼ死滅する。南極に残された人々は、人間の愚かさを悟り、ようやく一致団結して復活の日を待つのだが、そこにも「人類の愚かさの極み」が襲いかかろうとする、、、。本来人を救うべき医療技術が人類を破滅に追いやり、兵器が奇跡を起こすという皮肉。生物兵器に関する科学的知識、国や責任者の隠蔽体質、他国を出し抜こうという欺瞞など、空想小説とは言えないほどのリアルさ。まさに「今」読むにふさわしい一冊。
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