小松左京のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1993年に刊行された作者自身のセレクトによる怪奇、SF奇談の15話から成る短編集。
日本古来から伝わる伝説から怪談や妖怪の怪奇譚のみならず、時空の歪み、超能力といったSFテイストのストーリー、過去の経験から戦争に対する日本人の深層心理に根付く不安などバラエティーに富んだ小松左京の手腕がさえる『恐怖』のショートショート。昔から伝承される怪談も、科学に裏打ちされたSFも、人が感じる恐怖には“時代”は意味を持たないという「日本民族研究家」であり日本を代表するSF作家の小松左京独特の視点が光る。
中でも『件の母』は主に関西方面で語られた都市伝説の一つ。敗戦の色が濃くなった戦争末期の混沌とした社会不安 -
Posted by ブクログ
なんかの小説で「SFは難しい」と書かれてて、そのときはよく分からなかったのですが…ああそういうことね、と骨身にしみて理解させられた一作。
製作当時、やっとこさっとこ一般化したくらいのプレートテクトニクスを理解しきった上で、その上にフィクション的な設定を載せてきてる。フィクション設定を載せる前の背景が正確・緻密であるが故に、フィクションであるにも関わらずどこまでがホントでどこからがフィクションかが分からなくなる、そんな一作。
製作当時は「SF」であった部分の一部が、40年の年月を経て「現実の科学的モデル」となっているところもあり、さらに読みとくのが難しくなっている一冊。
こんな本も含めて乱読し