小松左京のレビュー一覧
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「お召し」だ、とすぐにわかった。
巻末にもそのことが書いてあるが、小松左京の「お召し」と違うのは、本作での年齢ラインが18才であることと、両方の世界が描かれていることである。
「お召し」の方は、混乱のあとの「明日はお召しの日だ」という少年の静かな思いが印象的なのだが、本作はもちろん、まったく違うテイストで、オープニングはとても「萩尾望都的」である。ここからどういう世界が展開されていくのかとても楽しみである。
本当に、「平穏無事な日常生活を送って行くこと」って実はとてもむずかしくて、危うい均衡の上にかろうじて成立しているものなんだよなあと思う。 -
Posted by ブクログ
なんかの小説で「SFは難しい」と書かれてて、そのときはよく分からなかったのですが…ああそういうことね、と骨身にしみて理解させられた一作。
製作当時、やっとこさっとこ一般化したくらいのプレートテクトニクスを理解しきった上で、その上にフィクション的な設定を載せてきてる。フィクション設定を載せる前の背景が正確・緻密であるが故に、フィクションであるにも関わらずどこまでがホントでどこからがフィクションかが分からなくなる、そんな一作。
製作当時は「SF」であった部分の一部が、40年の年月を経て「現実の科学的モデル」となっているところもあり、さらに読みとくのが難しくなっている一冊。
こんな本も含めて乱読し -
Posted by ブクログ
小松左京の未完の遺作「虚無回廊」を読んだ。本格的ハードSFだった。
宇宙空間に忽然と出現した長さ2光年、直径1.2光年の途轍もない規模のSS(スーパーストラクチャー)。その探索のために遠藤博士は自分自身を模したAE(アーティフィシャル・エグジスタンス:人工実存)を創造する。長い旅路の果てにAEはSSに到着して、様々な知的生命体と遭遇していく。
まだAIという言葉も馴染みのなかった1986年に、小松左京はAIの先のAE(人工実存)を描いているということに震えた。AEとはAIに魂を吹き込んだものであるらしい。この小説には他にも難しい理論が書き込まれていて、その直感と先見性に舌を巻くと、巻末の座談会