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【電子オリジナル特典】・生頼範義イラスト原画2点収録 ・連載第一回の加藤直之イラスト入り「SFアドベンチャー」誌面 ・小松左京直筆原稿 ・小松左京ライブラリ解説 ●地球から五・八光年の宇宙空間に突如出現した巨大円筒形物体“SS”の正体は? 超AI開発プロジェクトの研究員遠藤秀夫は、完全自立型人工知能の開発中に、AI(人工知能)に魂を与えたAE(人工実存)という新しい概念に到達していた。やがてSS探査に送り込まれた“AE”が遭遇したのは、複数の地球外知的生命体の姿だった。日本SFの巨匠・小松左京が広大な宇宙を舞台に、「生命」「知性」「文明」の意味を問いかける、本格SF巨篇にして最後の長篇小説、ついに電子化! 堀晃×山田正紀×谷甲州巻末特別座談会も収録。
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小松左京の未完の遺作「虚無回廊」を読んだ。本格的ハードSFだった。
宇宙空間に忽然と出現した長さ2光年、直径1.2光年の途轍もない規模のSS(スーパーストラクチャー)。その探索のために遠藤博士は自分自身を模したAE(アーティフィシャル・エグジスタンス:人工実存)を創造する。長い旅路の果てにAEはSSに到着して、様々な知的生命体と遭遇していく。
まだAIという言葉も馴染みのなかった1986年に、小松左京はAIの先のAE(人工実存)を描いているということに震えた。AEとはAIに魂を吹き込んだものであるらしい。この小説には他にも難しい理論が書き込まれていて、その直感と先見性に舌を巻くと、巻末の座談会には書かれていた。
しかしながら僕には難解すぎて、そういう部分は斜め読みでやり過ごした。座談会にも書かれていたがプロットが単純過ぎて、小説的にはどうなのかという指摘があった。そうあまりにも説明的なのだ。知の巨人の小松左京には書きたいことがいっぱいありすぎて、そうなったのかもと思う。
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小松左京氏の最後の長編にして未完の大作ということである。
苦労したがとりあえず最後まで読み切った。
地球から5.8光年離れたところに長さが2光年もある異常に大きい円筒形の構造物(SS)が現れる。生身の人間が調査に行くには遠すぎるので、AE(人工実存)という、知能だけではなく自我も持つような存在を研究していた人物の分身であるAEを送り込む、というところまでが序章。ここまででもボリュームがあり、内容もかなり濃密。
そのAEが地球との交信を自ら断ち、SSの調査へ自ら乗り込んでいくというところが本編。要するに本編には生身の人間は登場しない。AEは自らの別人格を作り上げ、それぞれに名前と役割を与え、その人格間でやりとりをしながら話が進んでいく。人格たちは通常はプログラム上の存在だが、スーツをまとって実体化することもできる。
SSの中には宇宙各地のさまざまな知的生命体がなぜか集まっていて、さながらゴキブリホイホイのような状態になっている。この辺から、といっても本編が始まってすぐだが、だんだん著者の想像力についていくのが厳しくなった。
で、いよいよこれからというところで中断してしまう。
何しろスケールが大きく、哲学的な面もあり、すごい作品ということは分かりつつも理解できない部分も多かった。
Posted by ブクログ
突如宇宙に出現した円筒形の「SS」(スーパー・ストラクチャー)目指して、ある科学者の全人格と実存を搭載したAE(人工実存)が旅をする。SSに到着したAEは、そこが全銀河系から知的生命体が集まって一斉探索を行っていることを知る…。
1992年で断筆した左京翁最後の小説を、その死に際して合本として出したもの。追悼刊行で敢えてこの作品というチョイスが何とも渋い。ただ、そのスケール感やダークマターの存在を設定に組み込んだ翁の先見性、そして符丁と科学用語と文芸作品からの引用をごたまぜにした文体や、『神曲』につながる古典文学とのリンケージなど個個の要素を見ていくと、なんとなく左京翁という人の凄さがおぼろげな形で見えてくる。
物語のハイライトはタイトルの意味が明らかになるところ。宇宙というものを物語を展開する劇場程度にしか捉えていない作家とは異なり、本当に宇宙というものはとんでもない可能性を秘めているに違いないんだという、翁のスピリットを感じ取ることが出来る。
Posted by ブクログ
SFの魅力は数あれど、私にとって「理屈の通ったホラ話」が第一だ。小学生の頃、アシモフ『われはロボット』所収「堂々めぐり」を児童向けにリライトした話に熱狂したものである。
『虚無回廊』、まずSS(スーパーストラクチャー)の大風呂敷の広げっぷりに圧倒される。地球から5.8光年。この微妙な距離感はどうだ。そこへ到達するためのAE(人工実存)の開発。
AEひとりでは間が保たないので、VP6人を設定。唯一の女性はベアトリス。ダンテの恋人ベアトリーチェ。あれ? ベアトリーチェはアンジェラEの役回りなのでは?
瀬名秀明によって続編が書かれているのを知った。大先輩の広げた大風呂敷を、どう畳んでくれるのか楽しみだ。
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