あらすじ
人の心を読み、遠くの出来事を察知する遠感(テレパシイ)や透視能力、意志の力で物体を動かす念動力(サイコキネシス)を持つ超能力者たちの諜報集団「エスパイ」。その一員であるタムラに、ソ連首相暗殺計画を未然に防げという緊急指令が下った。しかし、その任務はすでに何者かに嗅ぎつけられ、彼の乗ったジェット機には時限爆弾が仕掛けられていた。いったい「敵」は何者なのか!? 痛快SFスパイ長編!
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Posted by ブクログ
「虚無回廊」のような頭がぐらぐらするような壮大なビジョンはないけど、このスピード感は気に入った。それにしても、小松左京がこういうエンターテイメントに徹した作品を書いていたというのは、ちょっと意外。もっとも俺が読み始めた頃には、もう大作ばっかりになってたからしかたないのかもしれないけど。アイディア自体は平凡な部類に入るんだろうけど、ストーリーテラーとしての小松左京の実力が発揮されたというところかな。SFとしては、「果てしなき」の方がこれよりすごいけど、勢いはこっちの勝ちだな。
エスパーによるスパイ戦から始まったときには、最後の敵はちょっと予想つかなかった。結構強引だよなあ。ちょっと説教臭くなるのは、まあご愛敬かな。ふと思ったけど、ひょっとして「妖獣都市」の元ネタかな?そうなると、田村が滝で、マリアが麻紀絵ってことか。おっ、頭文字同じだ。ホントにそうかも。サラバット氏とマイヤート氏は違うのか、残念。
やっぱ作家は初期の作品の方がいいのかな。「虚無回廊」は別だけどね。
p.s. これって俺が生まれる前の作品らしい。信じられん。