小松左京のレビュー一覧

  • 復活の日

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    生きること。当たり前の世界というものは、多くの人に支えられて成立している。自国の利益を優先する愚かな行為が人類を滅ぼす。戦争を経験した作者だから書ける作品なのかなと感じた。

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    2023年06月29日
  • 日本沈没(上)

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    あれの事について中々核心に触れず。
    何度もそういう話になるが、あれは何々だ!って言い切る場面は中々やってこない。しかしメンバーが静かに理解していく様であれが何かはわかる。

    関東での災害被害が色々書かれておりかなり詳しく現実的に書かれていて、へこむ。

    丁度現実でも地震が頻繁に起こっているのも怖いよ。

    後半へ期待。

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    2023年05月26日
  • 厳選恐怖小説集 牛の首

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     小松左京さんのホラー短編小説集。収録作の発表年は1964(昭和39)年から1974(昭和49)年。
     全体的にレベルが高く、作者の力量はやはり確かなものと思われる。さすが小松さんだけあって、SF的な物語も幾らかあるが、そうでないホラー小説もある。もっとも、じめじめと湿ったような、暗い日本的幽霊話とは何となく雰囲気が異なっており、先日読んだ遠藤周作さんの怪奇小説集とは明らかに感触が違う。もうちょっとクールさがあり、物語に対する作者の距離感が維持されて、そこに個性があるのかもしれない。
     出来が良いので楽しい作品集だった。

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    2023年04月21日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    小林泰三『人獣細工』、怪奇趣味的でもありSF的でもあり。
    すごいなこれ。惜しい人を亡くしたって改めて思った……

    他の作品もどれも良かったけど恒川光太郎『ニョラ穴』が特に好き。
    程よく謎が謎のまま残ってて余韻のゾワゾワ感ヤバい。やっぱホラーはこういう読後感が残ってこそですよね!

    ジワジワ怖い、ゾッとする不気味な印象の話が多め。
    同シリーズの『再生』とは毛色の違ったアンソロジーに仕上げてきたなーって感じ。

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    2023年03月20日
  • 復活の日

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    小松左京のSF長編。
    突如として現れた未知のウイルスによって人類が滅亡していく様と、感染を何とか免れ最後の人類となった一万人の人々が人類復活への道を模索して行動する様が描かれる。

    ストーリーは非常に面白く、示唆的だった。
    「人類の滅亡」さらに「人類の復活」という壮大なテーマを描き切ることができる作者の力量には脱帽する。

    本作で人類の滅亡の直接的原因となったのは未知のウイルスだが、その背景にあるのは大国間の既知の対立である。彼らの対立がもたらす際限なき軍拡の結果として開発されたウイルスが漏出し、そしてこの事実も「軍事機密」の壁により世界の防疫体制に向けて発されることはなかった。
    故に、世界中

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    2023年03月16日
  • さよならジュピター

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    遥か昔に一度読破、再読です。
    小松左京の頭の中は、無限に広がる大宇宙なんだなぁ。
    ただのSFではなく、木星信者たち、新興宗教とをからめ、奥深いものにしている。

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    2023年02月08日
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集

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    小気味いい、短編の数々。
    ラストで「にやり」とさせてくれたり、「ほぉ」とさせてくれたり、大好きな作家さんです。

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    2023年02月08日
  • 日本沈没(下)

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    小松左京ワールド全開のストーリーでした
    ストーリーの幅が広くて理解するのに多少苦労しますが読み応えのある一冊です。

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    2023年02月08日
  • 日本沈没(下)

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    本作品が出版されてちょうど50年とのこと。完全なるフィクション、とあるが、そうとは思えない読後感です。

    相当科学は進歩したんでしょう。でも「日本沈没」が起こらないなんて言えない。
    自分が突然難民になったら、なんて想像をしたことがない。そんな必要もなかった。ホント自分のいるところは平和なんだ。

    著者の息子さんによる「文庫版にあたって」に、執筆動機は「戦争」だったと。「日本」を愛しているがゆえ、叱咤を込めて、日本人とは何か、日本とは何かを考え直したと。

    天災も怖いが、人災も怖い。

    長らく執筆をためらわれた『第二部』をしばらくしたら読んでみよう。

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    2023年01月29日
  • 復活の日

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    ネタバレ

    新型コロナが流行りだした当初、中国武漢の研究所で作ったウィールスの漏洩説があった。生物兵器研究の怖さについて今から50年前に予言した名著。科学者の良心、バグウォッシュ会議の意義などが思い浮かぶ。独白部分では、地球の歴史、人類の歴史を顧みて、人間が地球でのいかにか弱い存在か、そして科学とは何か等について小松左京さん自身の哲学が語られている。

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    2023年01月22日
  • 日本沈没(上)

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    小さいころ映画のCMが恐かった覚えがあります。

    「科学者にとって、いちばん大切なことは何かな?」
    「カンです」
    ニヤっとさせられる、この発言をした博士の導く日本の未来。その行く末はどうなるのか?

    過去に起きたことがないから、は通用しないんだ。あまり考えないように生きてるけど。実際にその現実を何度も突きつけられて、その度に人間のちっぽけさを思いしる。

    続きは下巻で。

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    2023年01月15日
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集

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    ネタバレ

    『召集令状』がとっても良かった。一番怖いと思った。
    特に徐々に国民が戦争の雰囲気に呑まれていくところが良い。ただ最後の父親との部分は個人的にはあんまり好きではない(そこが話の核ともとれるが)

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    2022年12月29日
  • 日本沈没 2巻

    購入済み

    緊迫した場面が続きますね

    この巻は日本海溝の調査で終始した感じでしたね。小野寺さんは原作の第2部でも活躍しますが、この辺からしんかいのオペレーターとしての突出した技術が出てくるのが良かったですね。
    数学者の中田先生が出てくるのはもう少し先なのでしょうね。この方も割とキーパーソンです。

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    2022年12月14日
  • 日本沈没 1巻

    ネタバレ 購入済み

    良い出だしでしたね

    日本沈没の原作は何度も読んでいますが、映画等はあまりちゃんと見ていません。
    一色さんによるこの作品は40年ほどアップデートされていますが、基本的な登場人物は概ね一緒のようですね。玲子さんの設定はリメイク映画に近いのか、だいぶ変わっていますね。
    冒頭部分とかは結構、アレンジされていますね。
    主要登場人物の1人、田所教授と日本のフィクサー・渡老人の場面が1巻終盤に出てきますが、こちらは重要な場面なので、ほぼ原作依拠でしたね。
    科学者としての重要な資質、田所教授の言っている通りだろうと思いますね。

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    2022年12月14日
  • 厳選恐怖小説集 牛の首

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    ネタバレ

    恐怖小説と銘打ちながら、結構SF寄りというか、ほぼSFです。共に行間から世界観を立ち昇らせ、読者の想像力を100%喚起することに心血を注ぐ、SFとホラーという両ジャンルの親和性の高さを見せつける短編集です。
    1960〜70年代に発表された古い作品ばかりですが、今読んでも本質的に古びていないのがさすが。

    どの作品も、不条理極まりない展開をしつつ、最後にちゃんと理屈をつけているのが、SFテイストを感じさせる1番の要因だと思います。まぁ、その理屈自体がとんでもない作品も多いんですけど(笑)この振れ幅の広さこそ、まさにSF。
    鴨のお気に入りは、「怨霊の国」「飢えた宇宙」「葎生の宿」。「怨霊の国」は、

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    2022年12月06日
  • 日本沈没 第二部(上)

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    小説としては、小松左京特有のペダントリーがないので第一部より読みやすいかな。第一部の登場人物も出てきます。

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    2022年11月28日
  • 厳選恐怖小説集 牛の首

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    本屋で見つけた大好きな小松左京のホラー短編第二弾

    今作も読みやすい…読みやすい…

    表題作のブラックジョーク感が本当にツボで大好きすぎる
    そのほか「ハイネックの女」の題も含めて完璧さ
    猫の首、黒いクレカ、空飛ぶ窓、夢からの脱走等々好きな話が沢山。
    SFめいた謎ホラー、大好物。

    この「恐怖小説集シリーズ」もっと増やして欲しい

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    2022年11月18日
  • 日本沈没(下)

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    富士火山帯が火を噴きまくり、中央構造線(九州東部から関東へ横断する断層)に沿って大地震が頻発、日本の国土は崩壊の一途をたどります。諸外国への避難民受け入れ交渉に各国の思惑が入り乱れ、東西世界の緊張が高まっていきます。祖国を失い難民となった日本人が自我同一性を保てるのかということが下巻の主題だと思いました。

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    2022年09月07日
  • 日本沈没(上)

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    劉慈欣が影響を受けた作家の一人、小松左京の代表作。1973年3月の作品です。
    日本が晒されている危機の正体、題名通り「日本沈没」なんですが、その一言を中々言わない田所博士にじらされます。自然災害を多く経験してきた日本の国民には、災害の度に面目一新し進んでいくというある種の楽観主義が培われているという考察は合点がいきました。

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    2022年09月07日
  • 日本沈没 第二部(下)

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    日本列島の沈没は、序章にすぎなかった…。地球寒冷化…今実際に問題になっているのは温暖化だけれども視点が変わっていて興味深く読めました。日本で手掛けた地球シュミレーターが最悪の異変を示し、大きな外交問題にも発展する。2部の上巻は、スケールの大きな内容だけれど興奮するほどの感覚は味わえませんでしたが、下巻は違いました!引きこまれるように読めました。ラストがちょっと納得いかない感はありますし、第2部より前作のほうが好きだなぁ…という思いはありますが、読み終えましたの充足感はかなりありました!

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    2022年08月17日