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とにかくその日が来る前に。政府は日本人全員を海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。 田所博士は週刊誌で「日本列島は沈没する」と発言して、物議をかもしていた。小野寺は極秘プロジェクトからはずれて、恋人・玲子とともにスイスに旅立とうとするが、運悪く玲子は、ついに始まった富士山の大噴火に巻き込まれ行方不明となってしまう。 そして、日本沈没のその日は予想外に早くやってきた。死にゆく竜のように日本列島は最後の叫びをあげていた。 日本人は最悪の危機の中で、生き残ることができるのか。未来をも予見していた問題作。
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Posted by ブクログ
1973年、小松左京は急激な高度成長時に建設ラッシュで作り上げた日本を突然沈没させた。
その方法は数年前に発表されたばかりの“プレート・テクトニクス”を使って(これで一気に日本でプレート理論が普及した)。
いま現実では、昭和のイケイケドンドン建築物が朽ち始めている。
ゆるやかに、確実に、これも“日本崩壊”か。
さらにM9の東日本大震災が起こり、東海・東南海沖巨大地震発生が近づいてくる。
未曾有の災害は常に未曾有の政治局面をもたらす。
政治とは何か、国とは何か、民族とは何か……
さまざまな思いが読みながら押し寄せてくる。
幼い子供のような日本人、外でケンカしてもいつも温かく迎えてくれる母のような日本という土地が突然無くなった時、アイデンティティなるものは虚だ。
でも、基本は壮大なエンターテイメントだから、面白く読んで、ちょっぴり考えるのが正解……きっとそうだ。
Posted by ブクログ
日本人論 小松左京氏は初めて読む。自分の生まれる前の作品で、もちろん順番が逆であることは承知しているが、シン・ゴジラを連想した。
最初は鈍重かな?とも思ったけれど、日本沈没というXデーが近づくにつれ、政府、対策本部、諸外国、一般市民、日本という国土自体がそれぞれ描写され、私のように群像劇が好きな者には堪らない。
また、ただのスペクタクル、お涙頂戴などでは決してなく、沈没はあくまで題材であり、それを通して日本人のアイデンティティを問うのが主題。
小説発刊から約半世紀。阪神淡路や東日本大震災等、実際に大災害を経験し、社会はIT化を受け、格差は増大。そんな中、変わる物と変わらない物はなんだろう、今の日本人は、沈没の時、どんな行動を取るだろう。
Posted by ブクログ
超有名作品をとうとう手に取った。いわずと知れた日本列島大災害スペシャル。
昔から読まねばならないとおもいつつ、ここまで引っ張った理由はなんだったか?じゃ、どうして読んだのか?
引っ張った理由は、昔のSFで、今から読むと昔の物語みたいに思っちゃうのではないかと思い込んでいたこと。だって私が子供のころから父の書棚にありましたから。
読んだ理由は、そんなにくっきりはしていないのだけど、名作にはふれておかねばと思ったこと。これまた失礼な話だが、藤沢周平とか読まなきゃ読まなきゃと思っても読んでいなかった小説が、やっぱり面白かったなと。『日本沈没』が歴史小説というつもりは決してありません。
それで、読んでみたところ、いろいろな意味で思い込みを打ち砕かれました。まず全然古くない!今の時代でも最先端そのもの。多少コンピュータの性能や使い方は変わっていても、本質的な部分でその使い方想定は全くはずれていない。また、日本列島が大地震にあう前提や、被害状況などは阪神淡路や東日本を経て、その想像力の現実感が物凄い。まさにそのとおり、あるいはもしかして未来で見てきた?といっても過言じゃない。
そして、本書は単なるSFじゃない。社会派小説そのものである。政治家が考えること、あるいは国の責任者となったときの絶対的な孤独、国を率いることの重さといった表現は、そこだけ取り出してもそのまま小説になる。科学者として重大な警告は安易にできない、逆に社会におもねりすぎたとき、結局首が閉まってしまうのは誰なのか?象牙の塔にこもってしまったままでよいのか?社会との上手なコミュニケーションを模索し続ける必要はないか?重大な危機に直面し、与党だの野党だのあるいはイデオロギーを振りかざして過去の行動を攻撃することの意味があるのかないのか。
どれも重いテーマが一つ一つ丁寧に構築されており、手抜きなし感がはんぱない。であるからかもしれないが、一人一人の登場人物の心の動きや人間通しの精神的なやりとりは少々薄いかもしれない。もしかしたらテーマや思い題材の影に隠れてうすくみえているだけなのかもしれないが。
というわけで、ここまで引っ張ってしまったことに後悔しつつ、第二部を予約したのであった。
Posted by ブクログ
ついに日本列島が海に沈む。それまでの脱出劇から政治家の対応など、どれも真に迫る。2015年から2016年にかけて、火山の噴火が相次ぎ、熊本で大きな地震も発生した。この作品は、もしこのような未曾有の災害が発生したときの状況をシミュレーションしてくれている。政府の災害担当者は、「日本沈没」を読んでおくべき、緊急事態発生時の対応マニュアルのベースになるから。
この作品は災害発生時の行動指針を知るだけでなく、ユダヤ人など祖国を失った人々の気持ちを考えることもできる。いかに祖国というものが大事なのかも再認識させてくれる。古くささを感じさせない傑作だ。
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