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会社の上司の鼻をひっぱったために懲戒免職。さらに三か月以内に就職しなかったとして、失業罪で逮捕、追放の判決を受けた木田福一。 砲兵工廠跡地に追放された彼は、餓死寸前で野犬に食われそうになっていたところを、アパッチ族に助けられた。 赤銅色の肌を持ち、鉄を主食としているアパッチ族。木田は、彼らの一員となり、謎に包まれた生体と生き様について、記録していく。 初の長編にして最高傑作の呼び声高い記念碑的作品! ※電子書籍版特典として、1971年角川文庫刊行時の書影とイラストを収録!
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Posted by ブクログ
スゴイぞ、小松左京。 はるか昔の60年前に書かれた小説なのに全く古臭さを感じない(という感想は、「復活の日」に感じたことと同じだ ) エンタテインメントとして面白いだけではなく、マイノリティに向けられた偏見と差別や弾圧、政治の無能さなど、現在のリアルの世の中への批判としてそのまま成立してしまう。 小...続きを読む松左京が凄いのか、60年経っても進歩していない現実世界がだらしなく無様なのか、はたまたその両方なのか。 その後に執筆された「日本沈没」につながる、「政治的日本沈没」「種族的日本沈没」とも言える作品。 子供の頃SF少年でありながら、なぜか流行りものが嫌いなひねくれ者で、小松左京を読まずにいた自分を今さら反省。
戦後以降の変身ヒーローもしくは異形変態もの、仮面ライダー、デビルマン、AKIRA、東京グール。 これらの力への憧れと人間性の喪失を抱えたヒーロー達、この作品に登場するアパッチは正にこの系列に入るべき存在だろう。 社会から追い出され、極貧の中で屑鉄を食らい、アパッチへと変貌した人間たちは集団を作る。も...続きを読むちろん日本社会との摩擦が生まれ、やがて戦争へと発展する。 この話をお笑い話として大阪弁満載で書いてしまうのが何とも素晴らしい。 アパッチの生態についてとても詳しく科学的に説明している場面も怪獣図鑑みたいで面白い。特撮好きにも読んでほしい一冊。
彼らは一日数百キロの鉄を食べ、 純度の高い硫酸を飲み語り合う。 時代は昭和初期、 失業罪で要塞に閉じ込められた男が、 飢えに飢え、落ちている鉄屑を口にする。 そして、鉄食人種=アパッチとなる。 同時多発的に増えるアパッチを 封じ込めようとする政府。 戦車を投じるも、鉄は彼らの大好物。 強靭な身体...続きを読むで戦車を食い漁る。 日本国の弱部を浮き彫りにしていく 風刺もありつつ、アパッチ族の楽観的な雰囲気が心地よい。 あとがきの、物語誕生エピソードも素敵。
最近、何故かあちこちで見かけると思ったら、文庫本が再版されたのですね。 小松左京のデビュー作。若い頃はSFが大好きで、小松左京も良く読んだけど、この本は初読(のはず)です。 「本書が無ければ『日本沈没』は生まれなかった!?」の帯が示す様に、確かに色々と『日本沈没』を思い起こさせるところがあります(と...続きを読む言いつつ、読んだのは30年以上前なので怪しげなものですが)。危機的状況の中で旧弊にしがみつこうとするもの、私利私欲に走る者達と、個人レベルで英雄的に活動する人々。そういうパターンが多い気がします。 しかし危機的状況一つにしても政治や経済、軍事、文化などいろんな面で見せて行き、リアリティーを(嘘か誠か判りませんが)積み上げて行く手法は見事ですね。時折混ぜる大阪的哄笑も効いてます。 やや古さは感じさせるものの、今でも十分読み応えのある作品でした。
まず表紙絵に度肝を抜かれた。 鉄色のアパッチ人みたいなのが腰かけた洋便器からパチンコ玉みたいなもの(鉄)が流れて・・・印象は気持ち悪い。けれども読み進むとそれが思いもかけない展開でだんだん面白くなってくるのだ。 警察に失業罪(働かざる者食うべからずの社会か)という変な追放罪で広大な囲い地に放り出さ...続きを読むれた主人公。そこは瓦礫累々の廃墟、人っ子一人いない。犬に食われそうになったりいろいろあって、もう野垂れ死にかと思いきや、アパッチ族という食鉄人(鉄を主食とする)に助けられ、仲間に入るところから始まるのであった。まあね、初めて鉄を食べるところの描写は、いい気持ちしないんだけど。 それからの奇想天外のお話というより、現代社会機構の矛盾を突く運びにつれて、辛辣になってくるのが古びていないテーマなのだ。国家権力、マスコミの仕組み、民主主義の煩雑さ、裏社会、底辺の人々の抜け目なさ等々、筆運びはユーモアに富んだ掛け合いで、なかなかのもの。 鉄がらみで、鉄の成分とか、鉄鋼業界とか、微に入り細を穿つ説明もわたしには半分しかわからなかったが、『日本沈没』より『復活の日』より前にかかれた初長編ということ、並び称される作品だと思う。
日本国内にアパッチと自称する者たちが台頭する。彼らは鉄を食物として摂取するという、通常では考えられない行動がみられた。本作は失業で路頭に迷う主人公木田とアパッチたちによる、日本転覆までの過程を描いていく。話が進むにつれて、アパッチが増加して日本国内における脅威とみなされるようになり、最終的に軍とアパ...続きを読むッチとの戦争に発展した。本作はとくに後半における、日本を乗っ取るまでの過程が興味深く、手始めにインフラを抑えて、軍に勝利するための武器を調達するなど、仮にクーデターを起こした場合に、何をするべきかが理解できる。
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