小松左京のレビュー一覧
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まず表紙絵に度肝を抜かれた。
鉄色のアパッチ人みたいなのが腰かけた洋便器からパチンコ玉みたいなもの(鉄)が流れて・・・印象は気持ち悪い。けれども読み進むとそれが思いもかけない展開でだんだん面白くなってくるのだ。
警察に失業罪(働かざる者食うべからずの社会か)という変な追放罪で広大な囲い地に放り出された主人公。そこは瓦礫累々の廃墟、人っ子一人いない。犬に食われそうになったりいろいろあって、もう野垂れ死にかと思いきや、アパッチ族という食鉄人(鉄を主食とする)に助けられ、仲間に入るところから始まるのであった。まあね、初めて鉄を食べるところの描写は、いい気持ちしないんだけど。
それからの奇想天外のお話というより、現代社会機構の矛盾を突く運びにつれて、辛辣になってくるのが古びていないテーマなのだ。国家権力、マスコミの仕組み、民主主義の煩雑さ、裏社会、底辺の人々の抜け目なさ等々、筆運びはユーモアに富んだ掛け合いで、なかなかのもの。
鉄がらみで、鉄の成分とか、鉄鋼業界とか、微に入り細を穿つ説明もわたしには半分しかわからなかったが、『日本沈没』より『復活の日』より前にかかれた初長編ということ、並び称される作品だと思う。 -
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1 前編の「日本沈没」は、小松左京氏の著作です。日本列島が海底に沈むという、奇想天外な物語です。発刊当時は、大ベストセラーとなり、日本推理作家賞などを受賞しました。地球物理学の解説が盛り込まれ、修士論文に値すると高評価もあったそうです。
2 第二部上では、国土を失った日本人達が、世界各地に散らばって、地域住民と問題を起こしながらも、懸命に生きようという生き様が描かれています。この第二部では、日本沈没は、次なる災害の前触れにすぎず、地球が寒冷化し、北半球の中緯度地帯以北が氷結してしまいます。生き残った人類は僅かな土地でいき続けなければならなくなります。
3 本書の中から、気になった箇所を意見を交えて、2点書きます。
(1)「日本は資源に乏しく、狭隘な土地に1億人もの国民が暮らしていた。洗練された最先端の技術が、国を支えた。さらに、高い教育水準と勤勉さ及び組織力が、技術レベルを嵩上げした」 ⇒ 森嶋道夫氏の著書の一節です。「日本は資本主義の優等生だが、このまま進行すると、途上国に工業振興のチャンスを与えず、すべての国を食い潰してしまう」です。自分達の繁栄だけを望んでいると、必ずしっぺ返しがあるという事です。何事も、節度とバランスある行動が必要です。
(2)「アメリカは自分達の生き残りを最優先にして、情報を操作している。圧倒的多数を占める途上国の住民を見殺しにする事も厭わない」 ⇒ 世界情勢に目を向けると、各地で大国のエゴが散見します。それに対し、
我々が出来る事を思い浮かびません。そうは言っても、普段から世間情勢に関心を持ち、例えば、選挙には立候補者を吟味する等、ちょっとした事の積み重ねが大切と思います。
4 日本沈没第二部上下を読んだ感想まとめです。
(1)良かった点⇒災害大国である日本では、災害を避ける事は出来ません。地震や台風、それにコロナもあります。備えは、難しいものの、普段からの心構えが基本です。私の信条は、“良くない事には、最悪の事態を想定して当たる”です。
(2)要望⇒①登場人物が多彩で、混乱する事があります。他の小説で人物リストが最初についていました。本書もあるといいですね。 ②各地で暮らす人達の切実さが伝わりません。もう少し、庶民を登場させて、発言させる場面があると良い。読者の立場に配慮したシナリオ作りが欲しいと思います。
◆何れにしても、災害国に生まれ育ち、これからも生活し続けなければならない我々への有益な警鐘には違いありません。 -
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1 本書は、小松左京氏の「日本沈没」の続編です。日本沈没では、日本列島が四国を皮切りに次々と海底に沈みます。犠牲者は、2,000~3,000万人で、約8,000万人が国外に脱出し、世界各地へと散りばりました。ここから第二部が始まります。
この第二部上は、日本が滅亡した後に、生き残った人達が流浪の民となって各地で生き延びようとする物語です。
2 本書で、気になった箇所を、意見を加えて、2点書きます。
(1)パブアニューギニアでは、日本人は順調に暮らします。しかし、「この国の住民と日本人入植者の格差は大きくなっていくばかりです。日本人ばかりが豊かになって、パブアニューギニア人の恨みを買うことになりかねない」という記述です。 ⇒ 島国育ちで、世界をあまり経験していない日本人のエゴが露見したのでしょうか。私の偏見かもしれません。
(2)カザフスタンでも、「日本人は憎悪の対象になります。買い占めた食料を相場の10倍以上の値段で売りつけた日本人がいたらしく、現地住民の怒りを買い、日本人に対する襲撃が相次ぎます。 ⇒ 日本人の勤勉さと集団主義(よそ者排除)が悪い方に作用したのでしょう。
3 感想まとめです。
(1)作中で、首相は「日本の復興は残された者の義務」と思い、各地に散らばっていた日本人を集結させたいと考えます。しかし、各地では、日本人の醜態もみられます。確かに、日本は島国単一民族で、教育水準の高さと集団主義などを武器にして、目覚ましい経済発展を遂げました。反面、行き過ぎもあり、反感を買ったのも事実です。バランス感覚の欠如と言わざるを得ません。
(2)国土を失った日本が遊民となって、どのように生きていけばよいのか、難しい問題です。言える事は、他国で生活するには、共存共栄の精神が必要です。自身の利益に固執するだけでは、良い結果は得られません。グラーバル化が進行する今こそ、考え続けなければならない重いテーマです。 -
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消失
ある日突然大人が消えてしまった。事態を飲み込むには時間がかかるし、可能性を考えて探しに行ったり右往左往するよね。榛野市の子供達は協力し合って火事を消したり小さな子供を保護したり、小さなコミュニティができていきます。
すごくおもしろい! わくわくしました。 -
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久々の巨匠の手腕はさすがでした
初めて読んだ長編「復活の日」も、十数年ぶりに再読した短編集「夜が明けたら」も、面白かった!
特に好きなのが「葎生の宿」。あんな風にされたら、一緒に行ってしまいそう…
「海の森」は、後半クライマックス場面の緊迫感がいい!
「夜が明けたら」は、この始まりから、あのラストに発展させる発想がすごい!
小松左京様、再びの感動をありがとうございます。 -
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今、どんな自然災害が起きても不思議ではないから、有り得ない話し~ってならないよね。
日本が丸々、沈没するんだもん·····人間には、どうする事も出来ない。
海外へ脱出して生き残る日本の血を引く者達が、その後1から又、日本という国を作るのか。
ウィルスには勝てるかも知れないけど、自然災害には勝てない·····よなぁ。
小難しい話しだったけど、もっと人間の愚かさや卑しさを描いていたら怖すぎて読めなかったかも。
コロナ禍の中、マスク1枚も回って来なかったという日本政府の備蓄の少なさを目の当たりにした今、もし首都直下地震が起きたら日本政府は国民を守れるだけの物資を持って要るのだろうか·····。
どんぶり勘定だもんね(笑)·····ないよね。
いつ何処で破滅的な自然災害が起きてもおかしくない今だからこそ、古い作品が新しい作品として読めます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレロボットアニメとか児童小説とかでは、何らかの理由で大人がいないか極端に少なくなり、子どもたちだけの力で難局を乗り越える、という筋立てはよく見かけるのだけれど
その子どもたち、大概は幼くても3~4歳で、言葉は通じるし自力で食事も排泄も出来て(まあトイレの場面はないんだけどさ)、赤ちゃんとか病児への対応は考慮せずに物語は進んでいった
この作品でも、設定を近未来にすることで、エネルギーインフラが人間の手を経なくても途絶えなかったり、中高生が運転や消火活動が出来たりと、ファンタジックな側面はあるのだけれど
実際に、今この現代地球でそんなことが起こったら、とリアルに想像できてしまうところが怖い
殺人と赤ちゃん死亡はショッキングだった
HOME側の大人たちの立場は、怖すぎて想像のソの字もできない
(2019-12-24L)