小松左京のレビュー一覧
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ネタバレえ?これ、最近の話?!何度もそういう場面が出てきた。1973年に書かれた日本沈没。大地震の状況は2011年のドキュメンタリーのよう。人間の心理、地震後の場景、全て何十年も前に書かれたとは思えないほどリアルで、フィクションであることを忘れさせる。
上巻では関東地方に大地震がやってくる。きっとこのようになってしまうのだろう、そう思わずにいられない。だから、読み進めると怖くて鳥肌が立ってきてしまう。
「想定外のできごとは起こらない」という態度について、何度も著者からの赤信号が送られている。3.11を経験した今、著者の言葉が身に沁みる。
3.11で起こったことを、40年も前に予想していた著者。震 -
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突如宇宙に出現した円筒形の「SS」(スーパー・ストラクチャー)目指して、ある科学者の全人格と実存を搭載したAE(人工実存)が旅をする。SSに到着したAEは、そこが全銀河系から知的生命体が集まって一斉探索を行っていることを知る…。
1992年で断筆した左京翁最後の小説を、その死に際して合本として出したもの。追悼刊行で敢えてこの作品というチョイスが何とも渋い。ただ、そのスケール感やダークマターの存在を設定に組み込んだ翁の先見性、そして符丁と科学用語と文芸作品からの引用をごたまぜにした文体や、『神曲』につながる古典文学とのリンケージなど個個の要素を見ていくと、なんとなく左京翁という人の凄さがおぼ -
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軍事や外交、気象変化や難民の問題など、興味深いストーリーが続きます。上巻の、どどどそうするのよこんなにたくさんのピンチ!というハラハラ感が、下巻の3/4くらいまで解決しません。全てを語らないうちに話が終わるのはこの著者の特徴なのかもしれません。あと私自身の読解力不足とでもいいましょうか。だからきっと読書マスターの方なら「スッキリしたー!」と感じられたのかもしれませんが、わたしはちょっとモヤモヤが残ったので、第一部を読み返して補足してみようかと思います。しかし、エンディングだけは、唐突なストーリーのインフレを見たようで、納得できなかったです。
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さあー下巻で巻き返しをはかるぞー
ついに「全国民必読」というのは
本当だった!と実感するのか?
なんせいよいよ動き出した日本列島
ディザスター好きをうならせてくれるに
決まってるぜ!
うならなかった
ほぼほぼ政治の話だった
いやそれはそれでアツかったけど
もとめてたの、ソレジャナイ
そして上巻で感じたままに
まわりくどくてしつこかった
1つを描写するのに
何ページかけとんやって
説明ながっ!てなった
そして申し訳ないことに
ラストだけ確認!って飛ばし読みして
最後の最後で
なんて?!って衝撃をうけて
まじか?!ってググったのは
自分だけではないと思う
そのちょっと違う衝撃により
星はギ -
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ネタバレさすがだなあというのが、まず第一。ホラーというより、SFだったり民俗学っぽかったり。
読み終えた感じは柳田国男の遠野物語と近かったです。
くだんのははが読みたくて購入したのですが、印象に残ったのは、その他のお話でした。
ここでいくつか挙げようかと思いましたが、あれもこれもとなってとりとめなくなりそうなのでやめておきます。
一篇一編が長編にしてもさしつかえないのでは?と思えるほど重厚で、通勤時間にサクッと読むには疲れました。
すぐそこ 道迷い
まめつま 赤ちゃんが泣く時は米をまく
くだんのはは 予言する怪物とその継承
秘密〈タプ〉 人を食べた秘密を共有する
影が重なる時 未来のスーパーノヴァで -
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ネタバレ角川ホラー文庫ベストセレクションの第二弾。今回も8名の作家の8作品だった。特に印象に残ったのは以下の3作品。
「骨」小松左京
なにかに突き動かされるように庭を掘り続ける主人公の姿が最後に悲しみを誘った。何かを思い出しかけているという描写がよかった。
「或るはぐれ者の死」平山夢明
こんなにも悲しい話だとは思わなかった。自分だけでも死者を埋葬しようとしたその清らかな心は悪意に踏み躙られる。
「人獣細工」小林泰三
この作品が最も衝撃だった。自分と父の秘密を探らずにはいられない、そのはやる気持ちが痛いほど伝わってくる。凄まじいラストだった。 -
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ついに読み切った。
上巻に比べ、地政学的な話や現場の臨場感を伝える描写がリアルでだいぶ、引き込まれた。
特に印象に残っているシーンが、小野寺の奥さんのシーンだった。
なんども作中で語られてるが、日本という国、自分たちの国を失った日本人の末路を考えると、本当に恐ろしい。流浪に流浪を重ねたユダヤ人の気持ちが少しわかる気がした。
たとえ、外国に住んだとしても、帰る場所というのがあるのは、そうとうな心の支えになると思う。
作中でも、日本列島を竜や母親の様に擬人化していたが、まさに母なる大地だという事を感じた。
また、作者のあとがきにあった本作を書いた動機で、太平洋戦争後の、弛緩した日本人への警鐘。