小松左京のレビュー一覧

  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集

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    昔々の『日本沈没』以来の小松左京さんの作品でした。さすが、巨匠ともいうべきSF作家です。
    日常の中に潜むぞっとする瞬間を
    冷静な視線で捉えて、
    ぞくぞくするホラー小説に仕上げていました。


    1960年代から1970年代に掲載された
    ホラー短篇が15編。
    舞台は山の中であったり、田舎町であったり、
    太平洋戦争末期の裕福なお屋敷であったりと
    さまざまなパターンの恐怖が描かれています。


    「まめつま」や「くだん」「さとる」・・・
    昔の日本の伝説などにでてくる妖が
    この作品でも登場し、
    関わり合った人々を言いようのない恐怖の世界へ陥れます。
    いつ終わるとしれない不気味な世界が
    作品の中でえんえんと

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    2017年11月09日
  • こちらニッポン・・・(下)

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    複数巻の長編を平行に読破しよう月間。さほど大作ではないが、そろそろ一旦休憩する。

    セスナを手に入れた福井たちは、大阪を発って名古屋、東京と移動し仲間を見つけるが、そのこととも相まって、数々の困難に直面する。

    「いまここから、自分以外誰もいなくなったら」という、小松左京お得意の消失ものの思考実験だが、今読んでも良く出来ている。

    消えたことによる絶望感だけでも、開放感だけでもない。電気はいつまで持つのか、そこに災害が起こった場合の被害など、きちんとある程度検証されている。

    飛行機の操縦、電力の仕組みや食品の流通、生きていくためのライフラインなど、ここまで検証してちゃんと書いている(書けてい

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    2017年05月12日
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集

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    怪異の人形焼詰め合わせ。

    怪異が起こる、
    訳知り顔の男が語り出す、
    オチ。

    毎回この型で焼かれており
    中身だけが違うのだが、
    それでも美味しい。
    ぱくぱく口に運び、
    ごくまれに中身が薀蓄しかなくて
    飲み込んだものを二度見する。

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    2017年03月19日
  • こちらニッポン・・・(上)

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    複数巻の長編を平行に読破しよう月間。角川で無い版では、1冊に収まっているので、さほど大作ではない。

    朝目が冷めたら、周りに全く人がいなかった。しかも車も店も、直前まで人がいたかのように…。人が消えるという、非常に基本的な異変のなかでのサバイバル。

    これ、思い出の1冊(1作)なんですよね。中学の頃に、上下を一瞬で読み切った記憶があり、再度手に入れようと探していた所、数年前にようやく見つけた。小松左京の同様のテーマ「復活の日」「日本沈没」「首都消失」「アメリカの壁」なんかよりも、とっつきやすい名作。

    とにかく、テーマも視点が身近で、目の前から人間が一瞬で消えたら?というだけのものだが、そこか

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    2017年03月18日
  • 日本沈没(上)

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    近年の地震の事もありますが、内容の圧倒的なリアリティに戦慄してしまいます。
    そこまでのことにはならないだろうと思いながらも、それらを否定できない恐ろしさを味わいました。
    この小説の骨組みは時代が進み科学が進歩を続けても、それをそのまま作品に落とし込める余地を持っていると思います。
    いつの日か新しい「日本沈没」が読める日が来るかもしれませんが、どうかいつまでもSFであってほしい…。そう祈らずにはいられません。

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    2017年06月16日
  • 日本沈没(上)

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    ネタバレ

    日本SFの古典的名作で、ち密な設定に立脚した災害パニック小説。発表から40年以上たっても、まったく色あせない骨太の内容に驚き。SF愛好者にもかかわらず、喰わず嫌いをして今まで読まなかったことに後悔。上巻は第二次関東大震災まで。下巻にも期待。

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    2016年10月19日
  • 日本沈没(上)

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    使われる専門用語や現象説明がリアルですごい。今となっては実現出来ている技術もあり洞察の凄さに圧倒された。後半もそうだが、人物像をもっと掘り下げて欲しかった。

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    2016年01月16日
  • 夜が明けたら

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    SFベースの怪談短編集。とんでもないことが起こって、単なるオカルトかと思いきや、ちゃんとSF(あるいは科学)がしっかり基本にあるので、ぶれないため非常に読みやすい。

    入りはみんなシンプルで、停電したり家の外から地響きがしたり。そこまでの引っ張りもコンパクトに収まっているのもあって、こんなに読みやすい小説もあったのだなあと感心する。

    で、内容についてはどういう仕組みかを書いたらほとんど面白くなくなるので、一切書けないという、非常に困った作品集でも有る。

    1本だけ異様なのがカニバリズムな話。エゲツナイ話を、安定感を持ってさらりとバナナの葉に包んで料理してしまうあたり、さすが小松作品であります

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    2015年10月21日
  • AWAY-アウェイ- 1

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    18歳以下の子供だけの世界、って考えただけで恐ろしいんだけど、リアルに怖い世界を萩尾先生の視点がSF作品に仕上げている。

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    2015年09月18日
  • アメリカの壁

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    購入済み

    過去に全部制覇したはずだが、初見のように感じる

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    2015年03月12日
  • 復活の日 人類滅亡の危機との闘い――

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    1940年代に書かれた本を、現代にあわせて、ジュニア版として書き直した作品。
    細菌兵器の研究でできた最悪の新型ウイルスのパンデミックにより、人類は絶滅。たった1万人生き残った南極基地の人々が、人類の存亡に立ち向かう物語。

    本当に人間は愚かで、自分が生きている間に何事もなく平穏に過ごせるだろうか、などと思う。
    第二の滅亡の危機。
    絶望感。

    作者(小松左京)は人間の努力、希望、協力、あきらめない力への願いをこめてこの物語を書いたという。
    人間の理性と良心、優しさや賢さへの信頼が、この物語の深いところにあります。

    作者の願いが伝わるように…

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    2014年11月30日
  • AWAY-アウェイ- 1

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    ネタバレ

    これはもう、「怖い、実に怖い」としか言えないくらいの恐怖を覚える内容です。まぁ怖がってばかりでも進まないんだけどさ。

    大雑把なあらすじをすると、小松左京「お召し」にインスパイアされた、基本設定を少し変えた物を、ベテランSF漫画家がマンガにしました!

    突然隔絶された2つの世界。もとは1つだった世界が、突然「18歳未満の人間しかいない世界」と「18歳以上の人間しかいない世界」に分けられてしまった。しかも、その世界の分け方には、年齢以上の法則性があるらしい。

    大人と子供の世界が分断された。突然、子供を失った親は、冷静でいられるのか。突然、大人を失った世界に生きる子供は、生きる術を身に着けること

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    2014年09月24日
  • アメリカの壁

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    10年以上ぶりの再読の短篇集。表題作は「首都消失」の逆版なんだけど、オチが秀逸。その他の作品も、時事ネタや社会現象、科学の知識をしっかり調べた上で丁寧に書かれていることがわかる、非常によく出来たSFばかり。
    やはり、遺跡の中の未知の科学現象を、まるで映画を見ているかのごとく、映像とスリルをもって読ませる「眠りと旅と夢」は傑作ですな。

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    2014年09月16日
  • AWAY-アウェイ- 1

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    ある雪の日に、18歳未満の世界と18歳以上の世界が分離してしまうという、ガチンコSF。元ネタは小松左京の「お召し」という小説らしいが、コミック化に際して設定の一部を変更したとのこと。そのおかげか、しっかり「読める作品」に仕上がっている。最近、こういう難易度の高い漫画を描ける人が減ってしまったが、さすがは大御所・萩尾望都先生といったところ。この先の世代で、萩尾先生や竹宮先生を超える少女漫画家は二度と現れないと思う。(描こうとする世界観の深みが違う、としか言いようがない)

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    2014年09月15日
  • AWAY-アウェイ- 1

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    小松左京の構想をベースにおモー様が描く「漂流教室」ワールドワイド版。
    起点を3・11とする、20年後の日本が舞台。描きたいことが透けてしまってるからか、個人的に好みなマンガではないが、続巻をたのしみにしちゃう。萩尾マジック!

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    2014年08月14日
  • 日本沈没(下)

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    下巻は災害パニック・脱出シュミレーションのスペクタクルな展開。地殻変動の崩壊活動が始まり、悲痛な悲鳴を上げながら崩れて行く日本列島。沈み行く母国から脱出する国民の姿は日本国民から“日本の難民”へと変わってゆく。
    日本人の作者が自ら「日本」という陸地を屠る事で見せようとした日本民族の“姿”はしかし、いま、作者亡き後では大きな未完の書となってしまった『日本放浪記』の《第一部》であり、小松左京という「日本民族研究作家」の代表作だけあって非常に残念。
    因みに『日本沈没』と同時期に書きはじめ、、先に脱稿した『果てしなき流れの果てに』において、国土を失った日本人が宇宙へ進出するという《その後》の日本人の歴

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    2014年09月29日
  • 日本沈没(上)

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    1965年に発表された小松のSF長編『果てしなき流れの果てに』において、未来人が日本が海底に没した事を語るスチュエーションで日本列島を「沈める」メカニズムを考察した際、その大まかな構想が本書の基本プロットとなり、1964年から随筆が開始され、当時最先端の地球物理学、地質学のデーターを消化しつつ完成までに10年以上をかけたSF大作。
    日本列島が急激なマントル活動による地殻変動で1年以内に日本海溝に沈むという超!有り得ない話。小松亡き後、今となっては筆者未完の大作『日本漂流記』において日本民族を《漂流》させるために日本本土を壊滅消滅させるプロローグとして企画した作品であった。(短編『日本漂流』はこ

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    2014年09月27日
  • 日本沈没(下)

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    『日本沈没』下巻。当時のノベルズ版の方は、シリーズ累計で400万部も売れてるんですね。ただのベストセラーどころじゃないですね。

    下巻では政治家の世界の話も多くなってきます。この分野に疎いので分かりづらいところもあるんですが、読むことが肥やしになりますよね。こうやって、なんとなくでもいいから知らない世界のことを知っていくというのは面白いものです。

    それにしても、後半の沈没に向かっていくシーンを含め、予想外のリアリティさに驚きです。正直なところ、読む前はもっと「SFチック」に、現実感のない仮想世界で日本が沈没していくのかと思っていましたが、ホントに生々しいです。震災も身近であるため、身につまさ

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    2013年08月21日
  • 空飛ぶ窓

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    女シリーズ3編を含む、ちょっと長めの短篇集。やっぱり日本の古典やら民話を交えるようなSFだったりミステリを書かせたら、この人の右に出る人はなかなかいないと思う。とはいえ、本作でSFと言えそうなのはせいぜい2作で、あとはミステリというか、ある意味ハードボイルドなのかもしれない。萩焼の話だけで2ページ書いてしまうからね。

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    2013年07月23日
  • 日本沈没 第二部(上)

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    日本が沈没した後の日本人の流浪を描いた作品。日本人的な思考が世界に放り込まれたらどうなるのか、逆に世界に対してどういう影響を与えるのかが描かれていて大変楽しめた。
    でも、ちょっと話がくどかったり、終わり方が唐突だったりして残念な感じもしました

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    2013年06月26日