【感想・ネタバレ】華やかな兵器のレビュー

あらすじ

時空を超えて歴史上の事件をテレビ中継する「とりなおし(リテイク)」。非友好的な地球外生命体が地球に送り込んだ秘密兵器を探る表題作「華やかな兵器」。ほかに「交叉点」「反魂鏡」「歩み去る」「曇り空の下で」「山姥譚」、ウォーキング・シンクタンクといわれる著者の、知識とメッセージをつめこんだ無茶苦茶面白いSF短篇七つ。笑って、ほのぼのし、ホッとし、不思議ワールドにひきずり込まれ、ドキッとし、ロマンに胸躍り、戦慄し、涙する……。

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Posted by ブクログ

小松左京の短編集。ハードSFに見せかけて、実は星新一みたいなネタだけど深刻に展開する表題作、歴史小説かと思いきや(思わないと思うけど)、タイムパラドックスという「リテイク」など。

1600年。関が原の合戦をテレビでライブ中継しようとするが、確認するたびに何故か開戦が数十秒早まっていく。歴史の改変は許されないものの、多少の接触は大きな影響につながらないと判断し、調子に乗り始めたところ…。

やはりライトSF読み(スペースファンタジーなどが苦手)としては、非常にとっつきやすい小松作品群だ。特に初っ端の「リテイク」みたいな話は大好物。

最後の山姥の作品以外は、思考実験(少しだけ現実をいじった場合のズレや困難というテーマ)の類の話であり、テーマ重視のところはあるが、そこはそう卸さないのが小松商店。

タイムパラドックスの論文から、日本の神話や古典芸能、世界の主要都市のある年における事件に至るまで、事細かに調査された文章がつづく。

むしろ、とある星との架空の外交をでっち上げて底上げしている表題作が割と軽く見えてしまうほど。面白いけどね。

読みやすうございました。

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2017年12月07日

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