田中慎弥のレビュー一覧

  • 図書準備室(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「図書準備室」「冷たい水の羊」の2編入り。「冷たい水の羊」、すごすぎた。いじめられっこの主人公は「いじめられたと感じたらそれをいじめ」といういじめの定義を採用し、「自分はいじめられていない」とし、ひたすらいじめを受け続ける。いじめの内容もかなり陰惨な部類に入る。主人公はただただ自分の中の論理でいじめっこを観察し、自分の論理に逃避する。ただ一人、先生にいじめがあることを報告した水原里子という女子と心中することを計画しながら。重い。でもあの結末、主人公がいつか「死ねなかった」ではなく「死ななかった」と思える日が来るのだろうか。
    「図書準備室」は芥川賞第一作の「夜蜘蛛」にも通じるものがある、現代に第

    0
    2012年08月16日
  • 切れた鎖

    Posted by ブクログ

    田中さんの作品としては、これが読んだの二つ目でした。


    短編の作品が三つ入っていて、各々、不意の償い、蛹、切れた鎖です。


    共食いと同様、文章が力強くて、短編なのに物凄く疲れるものでした。


    疲れるとはいっても、不快感はなく、本文といい意味で対峙している感覚になれます。


    三つとも印象には残りましたが、三つ目の切れた鎖が一番印象に残りました。


    正直、初め人間関係や、話しのつながりが把握できなくて、半分行く前に初めに戻って、やっと本の世界に入り込むことができましたが。


    自分の国語力のなさに改めて気づかされました。


    まだこの春休み本を読むとは思いますが、今のところ春休みでは、一

    0
    2012年07月21日
  • 田中慎弥の掌劇場

    Posted by ブクログ

    面白かった。少し寒気するような話、陰鬱な話。「男たち(一幕)」は声に出して笑ってしまった。

    動作の描写が素晴らしいと思いました。

    0
    2012年06月24日
  • 田中慎弥の掌劇場

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ゼミの課題図書でした。

    手に取ったときの印象は「随分と短いな」ということ、それとカバーのするりとしたちょっと変わった感触。指紋がつきやすそうだなぁ、と。



    読んでみての感想というか、読みながらの感想になるのですが。
    タイトル通り「掌編小説」が「陳列」されている、全体としてそんな雰囲気の本でした。

    好きな話とかを一つ一つ書き連ねるのも大変そうなので、大まかに思ったことを。



    まず登場人物にほぼ名前がついていないことが気になりました。
    もちろん「男たち(一幕)」は別ね。
    なぜだろうか。

    この掌編が毎日新聞に連載されていたものだと知って、あぁと思いました。
    新聞に載っている記事ってノン

    0
    2012年06月09日
  • 孤独論 逃げよ、生きよ

    Posted by ブクログ

    面白かったです。

    一番思ったのは、主体性を放棄した思考停止の奴隷にだけはなりたくないということです。

    やってみようと思ったのは、古典や文学作品をもっと読んでみようということです。内容がよくわからない状態を怖れず、楽しみながら読めればいいなと思いました。

    田中さんが言っていた「棚からぼたもち論」は、すごく感心しました。せめてお皿を持ち棚の下に行き、手を差し出しておくことくらいはやらないと。とても励みになりました。
    やはり、怠惰だけはいけません。

    田中さんの小説も読んでみたいと思いました。

    0
    2026年02月06日
  • 死神

    Posted by ブクログ

    作品を創るってどういうことなのだろうと考えました。
    何か作品を観ると、それが優れたものであるほど作者の事を知りたくなる。
    作品に内包された作者自身の苦悩、考え、生き方がその作品の魅力に直結している事は多いと思います。
    そういう意味でこの『死神』は、作者自身の人生と、小説的なフィクションを一緒くたに描くことで「創る」という行為の意味を読者に問いかけてきているように感じました。

    0
    2026年01月22日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

    Posted by ブクログ

    読書ってやっぱいいなって再確認した
    働き方や仕事についてもう一度よく考えてみる
    労働の奴隷や本の奴隷にならないように自分で考えて自分で決めていこうと思う
    もともとsnsに割く時間が多かったけど、これを機に辞めてみることにした

    田中慎弥さんの暮らしぶりがかなりアナログで電子機器を全く使用していないことに驚いた
    余計な雑念が入らなそうでデジタル機器がなかった昭和世代を羨ましく思うことがあったが、やろうと思えば現代でもできるんだなと思った

    0
    2025年12月24日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

    Posted by ブクログ

    ピンと来て読み始めました。やはり、著者と自分の価値観というか世界観が肌に合うなぁ、と感じます。

    田中慎弥さんの作品を読んでみたいな、と思いましたね。生きづらいと思う方におすすめ、かも。

    0
    2025年10月17日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

    Posted by ブクログ

    完全な孤独などない、独りの時間が思考を強化する、新しい発見は過去にある、なぜ読書が必要か、など色んな角度からのメッセージが妙に刺さって一気読みしました。あー我、孤独なりよ。

    0
    2025年10月15日
  • 孤独論 逃げよ、生きよ

    Posted by ブクログ

    口述筆記らしく、田中慎弥本人の執筆では無い。
    うーん何だろう。面白かったし、真っ当なことを書いてあったけど、衝撃的な事は書いてなくて、だからこそためになるというか、そこに真実が担保されている様な気がしました

    0
    2025年09月10日
  • 共喰い

    Posted by ブクログ

    読み始めから、暴力性と、閉じた世界の閉塞感が心地悪かったが、生き生きとした会話のせいか、いつの間にか引き込まれていた。

    「共喰い」とは、遠馬と父親の関係であろう。
    そしてそこに、生命力に溢れ泥にまみれた、ヌメヌメとうごめく鰻が重なる。
    遠馬は父を、暴力を否定しつつ、自分の中にもそれがうごめいていることを感じ、自分自身をも否定し、しかし否定しきれない。父の呪縛を超えなければ、自分の生は否定される。

    言い換えればこれは、伝統的な「父親殺し」の物語でもあるのだろうか。
    しかし遠馬は、自らの手で父を殺すことができなかった。
    殺したのは、仁子。これはおそらく、神のメタファーだろう。遠馬の父親と社で出

    0
    2025年08月29日
  • 死神

    Posted by ブクログ

    田中さんの私小説なのかな。面白かった。
    YouTubeで著書「孤独に生きる」の話をしている姿を見て、興味を持った。
    普通の人が話題にしないような、でも、誰もが思っているような、そんなことが書かれているように感じて、共感もあったし、ホッとするところもあった。

    0
    2025年08月28日
  • 完全犯罪の恋

    Posted by ブクログ

    完全犯罪とは。
    露見しない、犯人・被害者が特定できない、証拠が残らない。
    緑との恋は最初こそ露見せず、お、タイトル回収早いですね~とミスリードされましたが、完全犯罪の主語は緑であり、静だったのですね。

    紗倉まなさんの書評が良かった。
    静のことを書いている”成敗しなければ気が済まない”という表現、かなり好き。

    0
    2025年07月29日
  • 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論

    Posted by ブクログ

    受賞の際のインタビューの反応から
    ちょっと違和感を感じた作家

    読んでみて家族関係や
    幼少期からの自己の思考や考え方が
    確立されてきたことは理解できた

    人間は孤独な存在
    どんなにいい家族関係であろうと
    一人一人は 結局は一人で孤独と向き合うことになる
    いかに孤独と親しみその中で己を
    見つめることができるかが大切では
    ないだろうか

    0
    2025年07月17日
  • 共喰い

    Posted by ブクログ

    著者のネットでのインタビューを見て、著書を読んでみたくなった。

    情景と、人物の描写が浮かぶ。
    主人公、17歳の篠崎遠馬は
    生みの親である母は、魚屋を一人で生計をたてている。
    近所だが一緒に住まず、たまに訪問するような間柄
    父と再婚相手の義母と暮らす。
    父は、暴力を伴う性癖があり実母にも義母も同じことをしてきた。
    自分の中にもその衝動を感じ彼女の千種に暴力をふるってしまうことに戸惑う。

    倫理とか、そういうのを超えた暴力性が男性の性の表現かもしれない。
    少しわからなったのは、女性達がどう思っていたのかだ。

    お母さんにしても、琴子さんにしても、暴力を振るわれていてもお父さんのことが好きだったか

    0
    2025年07月13日
  • 死神

    Posted by ブクログ

    生きてることに疲れたら田中慎弥先生の本を読む。
    未成年の時の境遇がちかしくて、主人公には共感できる。死に対する距離感が心地いい。

    0
    2025年04月30日
  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人それぞれの孤独

    17名の著者による孤独論。
    特に興味を惹かれたもの↓

    中条省平(フランス文学者)/孤独と追放――アルベール・カミュ最後の10年
    『異邦人』『ペスト』の作家という程度でしかカミュを知らなかったので…作家にここまでの重圧というのは現代では存在しないのではないかな

    奥本大三郎(フランス文学者)/永井荷風――独身者の悦びと不安
    気ままな一人暮らしが印象的でした。

    新元良一(作家)/ソロー『森の生活』が語りかける声
    この孤独、場所だけなら我が家の近所でも実践できそう。僻地じゃなかったんですね。

    0
    2025年04月29日
  • 神様のいない日本シリーズ

    Posted by ブクログ

    失踪した父親から届く手紙と、ある男を待ち続けるだけのお芝居。
    どちらももう来ないかもしれないし、また来るのかもしれない。その狭間に立つ少年の思い出話。
    何ひとつ劇的な出来事は起こらない、平たく言えばただ待つだけの物語。でも、温かくて寂しい、そんな物語。

    0
    2025年04月22日
  • 死神

    Posted by ブクログ

    評価が難しいです。
    独特だし、雰囲気も好きなんですど、何か学びや驚きがあるかというとそんな刺激は少ない。
    この世界観に浸かりぐるぐる漂っていいるだけど、どこにも向かっていい感じでした。私にはね。
    沼な感覚。妄想豊かで読んでてワクワクしました。

    0
    2025年04月01日
  • 共喰い

    Posted by ブクログ

    女を殴る父と、同じ目をした、俺。
    川辺の町で暮らす17歳の少年。セックスの時に暴力を振るうという父親の習性を受け継いでいることを自覚し、懼れ、おののく…。逃げ場のない、濃密な血と性の物語。第146回芥川賞受賞作。

    映画化もされ好評だったらしい。
    芥川賞受賞時の物言いにも賛否両論出たようで
    なんとなく、世間を騒がせる作家さんのようですね。

    この作品は、読みやすい。
    しかし非常にダークな人間模様を表しており
    なんともやるせない、親子の関係性、情、血縁の悩ましさなどを鬱々と描いている。

    0
    2024年09月15日