田中慎弥のレビュー一覧
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作者の田中慎弥さんは幼い頃に父を亡くし、父の書棚にあった本を読んで過ごしていたと聞きました。実際に父と関わることがなくても、自分の中に受け継がれた父を感じながら大人になった方なのではないかと思います。
共喰い、第三紀層の魚、どちらも母親が責任感のある人ですね。人間としてのどうしようもなさを抱えながら、自分の人生に向き合い、我が子の事も大切にしているように描かれているなと思いました。強く素敵な女性です。
最近読んだ中では、1番私の心の芯の部分に届いた作品でした。情景描写が美しく、心情を表現しています。引き込まれました。さすが芥川賞です。
ただやっぱり共喰いの方は内容が性と暴力なだけあって、読んで -
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地方の高卒で大学受験失敗して、そこから引きこもりになって作家になった人生。YouTubeのガイ録も見ました。
一般的な価値観みたいなものを家族が押し付けずにいた事と、自分の好きな事をやってみようと思い立ち、「徹子の部屋」で山田詠美さんが毎日机に向かうと話したのを見てからは、毎日、机に向かって何か書くようにして今も何か書くようにしているとの事。
好きをやり続けるには、自分に厳しくあり続ける事が肝心だと気づかされました。
第四章 なぜ読書が必要なのか
読んで見たいと思って手に取った本が、理解できなかった時の考え方等、参考になる事が多かったのでメモを取りながら読みました。
ただ浸るだけでも良いから -
Posted by ブクログ
完全な孤独などないこの言葉が私に安心を与えてくれた。
私は今のところ孤独を感じても逃げ場がある。実家や、本や、音楽、、好きなものがたくさんあるし、話をしたい友達もいる。
それは著者曰く奴隷じゃないからなのかと今の私の立ち位置が客観視できた気がする。
本を読まないということはその人が孤独ではないという証拠であるという太宰治の言葉があるがそれが核となっていると感じた。
(太宰治の人柄というものを私は理解してはいないがこの言葉通りというわけではないと思う。ただそれは置いておいてこの本を読んで、、ということだけで考える。)
それはその時代においてであって今は違うだろう。本になり変わるスマホな -
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「共喰い」で芥川賞を受賞した田中慎弥の人生論。「共喰い」の著者とは思えないほど、その筆致は強烈さなどとはほど遠く丁寧である。
一つにある仕事に対して、思考停止状態の奴隷状態であれば、そこから「逃げる」ことを推奨する。単純に逃げろというても、色々と難しくはあろうが、実際に自身が高校卒業から大学受験に失敗して、約15年引きこもりになった実体験から、滲み出た苦心さがあるからこそ自然と説得力がある。
そして逃げた先に、自身を見つめ直し、思考を回復して、本来何を求めていたのかを問うことは、惰性的に生活している者にも警鐘であり、自身を再燃させてくれる意外な優しさを感知させられた。
まるで坂口安吾の -
Posted by ブクログ
大好きな小説集。何度も折り入って読み返しているんだけれど、なかなかレビューを書けなかった。書いてみます。
この小説集には『不意の償い』『蛹』『切れた鎖』の3篇が収録されている。三島賞と川端賞をダブル受賞したそうな。賞の裏付けもある通り、初期の傑作と言えるだろう。中でも衝撃的なのは社会化されていく自己をカブトムシに投影した『蛹』だろうがみなさん言及されていると思うのでここではそれ以外の2編について重点的にレビューを書いてみようと思う。
まず『不意の償い』。収録されている作品の中で個人的に一番好きだ。大まかな筋としては同じ団地で同じ年に生まれて育った男女(夫婦になる)が初めてのセックスをしている時