【感想・ネタバレ】孤独論 逃げよ、生きよのレビュー

あらすじ

仕事、人間関係、因習などにより、多くの現代人は「奴隷」になってしまっている。「奴隷」とは有形無形の外圧によって思考停止に立たされた人のこと。あなたも奴隷になっていないだろうか。自分の人生を失ってはいないだろうか。奴隷状態から抜け出す方法はひとつ。それはいまいる場所からとにかく逃げること。逃げて、孤独の中に身をおくことが、自分を取り戻す唯一の手段であり、成功の最短ルートだ。孤高の芥川賞作家による、窮地からの人生論。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

地方の高卒で大学受験失敗して、そこから引きこもりになって作家になった人生。YouTubeのガイ録も見ました。
一般的な価値観みたいなものを家族が押し付けずにいた事と、自分の好きな事をやってみようと思い立ち、「徹子の部屋」で山田詠美さんが毎日机に向かうと話したのを見てからは、毎日、机に向かって何か書くようにして今も何か書くようにしているとの事。
好きをやり続けるには、自分に厳しくあり続ける事が肝心だと気づかされました。

第四章 なぜ読書が必要なのか
読んで見たいと思って手に取った本が、理解できなかった時の考え方等、参考になる事が多かったのでメモを取りながら読みました。
ただ浸るだけでも良いから読んでみる。の気持ちで本を読んでみようと思いました。

田中慎弥さんの書く文章の空気感が好みなので、また何か読んでみたいです。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

文章が読みやすく一気読みしました。
人間は所詮一人で産まれて一人で死んでゆく。
無理して人との関係を維持する必要もない。
15年間引きこもりだった筆者の実体験が説得力ある。
今まで無理して人に合わせることもなかったが、これで良かったんだと再確認できた。

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

完全な孤独などないこの言葉が私に安心を与えてくれた。

私は今のところ孤独を感じても逃げ場がある。実家や、本や、音楽、、好きなものがたくさんあるし、話をしたい友達もいる。

それは著者曰く奴隷じゃないからなのかと今の私の立ち位置が客観視できた気がする。

本を読まないということはその人が孤独ではないという証拠であるという太宰治の言葉があるがそれが核となっていると感じた。

(太宰治の人柄というものを私は理解してはいないがこの言葉通りというわけではないと思う。ただそれは置いておいてこの本を読んで、、ということだけで考える。)

それはその時代においてであって今は違うだろう。本になり変わるスマホなどの電子機器の存在がそれを変えたと私は考える。
2023年度、本を1ヶ月に一度も読まなかった人は6割を超えているそうだ。その一方で読み続けている人もいるのも事実でその1人がこの著者だ。そしてこの著者は本に救われた人と言えるだろう。

完全な孤独はない、この言葉に私は安心を覚えた。
ただその一方で私は完全な孤独はないというのは屁理屈のようなもので、その人が孤独と感じたらそれはもう孤独なのだと思う。そのもとにはみんな孤独だろ、というわたしの考えがある。
孤独と退屈の境界線が私にはまだできていないので大きな声では言えないが私はみんな孤独を抱えていると思う。それは人と繋がろう!とか友達を作ろう!とかの昔からそう言われて育つじゃない?だからこそ逆に孤独なのでは?と思うのだ。1人と孤独は違うと言われれば崩れそう、、わはは

田中さんはアルバイトもないし、大学にも行ってないし、就職も経験していない。そんな人に何がわかるんだといえばそうかもしれないけど私はそうじゃなくてどんな職種につこうと関係ない、孤独という点で共通している著者は完全な孤独はないと言っていたけどそうとも言えるし完全な……ここで孤独の対義語を言いたかったけど思いつかず調べた。GoogleAIはけど対義語と示していた。私はカネコアヤノの孤独と祈りが好きなんだけど孤独の対義語は祈りな気がしてきた。そんなことまで考えることができて本当に読んでよかった。

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2025年01月15日

Posted by ブクログ

あなたは孤独であり孤独ではない。
現役であるかぎり、能力に磨きを書い続けなければ、たちまち錆びつく
本の奴隷になってはいけない
主体的に生きろ
1日1回机の前に座る
最初に応募したのは29歳のとき
持ち上げられてもそういう状態に慣れるのはよくない
人生は棚からぼたもち


すごく面白かった。

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2023年10月12日

Posted by ブクログ

 「共喰い」で芥川賞を受賞した田中慎弥の人生論。「共喰い」の著者とは思えないほど、その筆致は強烈さなどとはほど遠く丁寧である。
 一つにある仕事に対して、思考停止状態の奴隷状態であれば、そこから「逃げる」ことを推奨する。単純に逃げろというても、色々と難しくはあろうが、実際に自身が高校卒業から大学受験に失敗して、約15年引きこもりになった実体験から、滲み出た苦心さがあるからこそ自然と説得力がある。
 そして逃げた先に、自身を見つめ直し、思考を回復して、本来何を求めていたのかを問うことは、惰性的に生活している者にも警鐘であり、自身を再燃させてくれる意外な優しさを感知させられた。
 まるで坂口安吾の堕落論を思い起こしたのは自分だけでなかろう。
 そして著者にとって、生きていくこと=作家となることしかないと辿り着き、未だ作家の業と向き合い、身悶えながら書き続けていることに真剣さがあろう。

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2023年07月15日

Posted by ブクログ

口述筆記らしく、田中慎弥本人の執筆では無い。
うーん何だろう。面白かったし、真っ当なことを書いてあったけど、衝撃的な事は書いてなくて、だからこそためになるというか、そこに真実が担保されている様な気がしました

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

孤独を勧めるだけでなく、孤独を勧めた先にするべきことも書かれていたのでバランスがとれてる本だと思った。
すべてを投げ出す自暴自棄的な逃避ではなく、次に繋げるための、準備期間としての逃避。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

うまく文章が書けなくてもねちっこくしがみつき、10年かけて賞を獲得した。できることを毎日ちょっとでいいから続ければ。ねちっこく。

ねちっこく続けること。棚からぼたもちが落ちてくるところで待つ。

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2021年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

共喰いの作者、と思って読み始めた割にはものすごく健全で、明るくて希望に満ちている。思考停止に陥った奴隷になるくらいなら、今いるところから逃げて孤独に自分と向き合い自分が好きなことから始めよう。本は自分の視野を広げてくれる。人生の全てが無駄ではなく、何か得るものがある。といった、とにかく明るい本。装丁とのギャップ。

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2020年05月12日

Posted by ブクログ

孤独とは、自分と向き合い自分の頭で考えることのできる時間のこと。
苦しみから逃れて生きろ。生き延びろと伝えたい著者はきっと優しい人だろうなと思った。

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2024年12月17日

Posted by ブクログ

大切なのは、逃げたら、そこからは能動的な思考を継続していくということ。

主体性、能動性、そういったものを取り返すための逃避。

面倒なことを避けると、実態を見失いかねない。

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2020年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

田中慎弥さんの2作品目のエッセィ。
本書は、著者自身初の口述筆記で上梓されている。
高校卒業後、新潮新人賞を受賞するまで無職を貫き通し、その中で得た見識が綴られている。
PC・携帯電話を持たないだけあり、昨今の情報社会から懸念される問題を、アナログ視点で本質を見ることは著書ならではだと感じる。
ただ、孤独になれない状況をもう少し受け入れて欲しかった。どうしても、仕事や社会から抜け出せなく、頼れる人もいない方もいらっしゃることを認識して頂きたかった。

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2020年03月12日

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「共喰い」の作家さん。
働かず、ひきこもって
ひたすら小説を読む&書くということを「生きる」ことにした作家さん。そのストイックさと生き方を「孤独論」としてまとめた本。
小説家になるまでの話がおもしろかった~
そうか…こんな生き方もある…

「奴隷になるな…」

深い言葉だ~

でもってラストの「棚ぼた」の話
好きだわ。

ひと握りの天才は餅を待つのではなく自分で棚に登ってひったくる…
この表現好きだわ~
わかる気がする~。

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2019年10月19日

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高校を卒業してから引きこもりだったという田中慎弥氏、パソコンや携帯電話は所有せず、インターネットも使わないらしい。変わり者と一言で言うのは簡単だが、考え方は興味深い。金儲けとか効率化、成功には興味がないようだ。子供の頃から読書が好きなのは又吉氏と共通だ。

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2019年01月20日

Posted by ブクログ

高校から引き篭もり、読書と執筆の中に身を置き、果てに芥川賞を受賞する著者。捻くれてそうで、常識人ぽくない所が面白そうではないか。本来、作家稼業は生き様が詩的であって欲しいものだ。そして確かに、彼の書く純文学には詩的な魅力があった。

しかし、主張は一本、生業の奴隷になるなと。自分を押し殺し、思考停止、ただ働くだけ、主客転倒に仕事や道具に使われてたまるか、と。少し、ズレているか。奴隷とはある種の状態だが、人は、カロリーを得るために自由を交換する社会性生物なのだから、一時的な「奴隷状態」などは飯を食うためには必ず経験する事だ。それはつまり、肉体の限界や根源的な欲望に対し、それこそ、精神との主客転倒状態が、生理現象では避けられない事だからだ。シンプルに言うと、我々は生きながらに奴隷であるという事になるが、少なくとも現代は肉体的には拘束され続ける訳ではなく、欲望の奴隷という事だ。だから、生業の奴隷の方は、これは手段なのであって、彼の主張は少し言葉の選びがズレていると感じてしまう。奴隷になるなというよりも、単純に、自らの意思を捨てず、自分が何をしているかは理解しとけ、程度の事だろう。その上で、自殺しないで逃げろと。

まあ、この事はあまり大きな問題ではない。後半割かれる読書論が、非常に的を射ており、共感できた。それだけでも、読んで良かったかなと。

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2018年02月03日

Posted by ブクログ

苦手なことを排除して、好きなことをする時間を突き詰めていったら作家になっていた。苦手なことを排除しても、好きな読書から自分の感じ方を拡張することが出来た。最近ノンフィクションばかり読んでしまいがちですが、フィクションの方が自分の試されてる感が大きいのかなと思いました。

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2018年01月04日

Posted by ブクログ

世の中の人はあまりにも孤独を恐れている。ネットで常につながっていたい。1人でメシを食うところを見られたくない。・・・何を言っているのだ、人は孤独なのだ。

著者は高校卒業から10数年の引きこもりを続け、小説家としてデビューし、芥川賞を受賞。孤独な引きこもり時代があったからこそ、今がある。そんな著者が過去を振り返りながら語る孤独の肯定論。

ブラック企業に勤め、自分を見失いそうな人へ、著者は「逃げろ」とアドバイスする。プライドや意地を捨て、親や友人でも頼り、引きこもる。引きこもりだって生きるための立派な術なのだ。そこで初めて孤独のありがたさを知るのだろう。

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2017年11月15日

Posted by ブクログ

芥川受賞作家田中慎弥氏による人生論。田中氏は30代まで引きこもりの生活を続けていたそうだ。作家以外の職業に就いたことはない。世間的に見れば、非常に苦しい立場にあったわけだ。そんな逆境を乗り越えて作家になった意志の強さには、心を打たれる。現代人の多くは奴隷の地位に甘んじている、と彼は指摘する。それは誤りではないと思うが、奴隷として生きるしかない人もいるわけで、そういった人達の胸の内にもっと思いを巡らせて欲しかった。書けても書けなくても必ず机の前にすわるという粘り強い姿勢は、生きる上で参考になる。

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2017年04月10日

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