【感想・ネタバレ】孤独論 逃げよ、生きよのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年10月12日

あなたは孤独であり孤独ではない。
現役であるかぎり、能力に磨きを書い続けなければ、たちまち錆びつく
本の奴隷になってはいけない
主体的に生きろ
1日1回机の前に座る
最初に応募したのは29歳のとき
持ち上げられてもそういう状態に慣れるのはよくない
人生は棚からぼたもち


すごく面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年07月15日

 「共喰い」で芥川賞を受賞した田中慎弥の人生論。「共喰い」の著者とは思えないほど、その筆致は強烈さなどとはほど遠く丁寧である。
 一つにある仕事に対して、思考停止状態の奴隷状態であれば、そこから「逃げる」ことを推奨する。単純に逃げろというても、色々と難しくはあろうが、実際に自身が高校卒業から大学受験...続きを読むに失敗して、約15年引きこもりになった実体験から、滲み出た苦心さがあるからこそ自然と説得力がある。
 そして逃げた先に、自身を見つめ直し、思考を回復して、本来何を求めていたのかを問うことは、惰性的に生活している者にも警鐘であり、自身を再燃させてくれる意外な優しさを感知させられた。
 まるで坂口安吾の堕落論を思い起こしたのは自分だけでなかろう。
 そして著者にとって、生きていくこと=作家となることしかないと辿り着き、未だ作家の業と向き合い、身悶えながら書き続けていることに真剣さがあろう。

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

孤独を勧めるだけでなく、孤独を勧めた先にするべきことも書かれていたのでバランスがとれてる本だと思った。
すべてを投げ出す自暴自棄的な逃避ではなく、次に繋げるための、準備期間としての逃避。

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Posted by ブクログ 2021年07月01日

うまく文章が書けなくてもねちっこくしがみつき、10年かけて賞を獲得した。できることを毎日ちょっとでいいから続ければ。ねちっこく。

ねちっこく続けること。棚からぼたもちが落ちてくるところで待つ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年05月12日

共喰いの作者、と思って読み始めた割にはものすごく健全で、明るくて希望に満ちている。思考停止に陥った奴隷になるくらいなら、今いるところから逃げて孤独に自分と向き合い自分が好きなことから始めよう。本は自分の視野を広げてくれる。人生の全てが無駄ではなく、何か得るものがある。といった、とにかく明るい本。装丁...続きを読むとのギャップ。

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Posted by ブクログ 2020年11月29日

大切なのは、逃げたら、そこからは能動的な思考を継続していくということ。

主体性、能動性、そういったものを取り返すための逃避。

面倒なことを避けると、実態を見失いかねない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月12日

田中慎弥さんの2作品目のエッセィ。
本書は、著者自身初の口述筆記で上梓されている。
高校卒業後、新潮新人賞を受賞するまで無職を貫き通し、その中で得た見識が綴られている。
PC・携帯電話を持たないだけあり、昨今の情報社会から懸念される問題を、アナログ視点で本質を見ることは著書ならではだと感じる。
ただ...続きを読む、孤独になれない状況をもう少し受け入れて欲しかった。どうしても、仕事や社会から抜け出せなく、頼れる人もいない方もいらっしゃることを認識して頂きたかった。

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Posted by ブクログ 2019年10月19日

「共喰い」の作家さん。
働かず、ひきこもって
ひたすら小説を読む&書くということを「生きる」ことにした作家さん。そのストイックさと生き方を「孤独論」としてまとめた本。
小説家になるまでの話がおもしろかった~
そうか…こんな生き方もある…

「奴隷になるな…」

深い言葉だ~

でもってラストの「棚ぼ...続きを読むた」の話
好きだわ。

ひと握りの天才は餅を待つのではなく自分で棚に登ってひったくる…
この表現好きだわ~
わかる気がする~。

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

高校を卒業してから引きこもりだったという田中慎弥氏、パソコンや携帯電話は所有せず、インターネットも使わないらしい。変わり者と一言で言うのは簡単だが、考え方は興味深い。金儲けとか効率化、成功には興味がないようだ。子供の頃から読書が好きなのは又吉氏と共通だ。

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Posted by ブクログ 2018年02月03日

高校から引き篭もり、読書と執筆の中に身を置き、果てに芥川賞を受賞する著者。捻くれてそうで、常識人ぽくない所が面白そうではないか。本来、作家稼業は生き様が詩的であって欲しいものだ。そして確かに、彼の書く純文学には詩的な魅力があった。

しかし、主張は一本、生業の奴隷になるなと。自分を押し殺し、思考停止...続きを読む、ただ働くだけ、主客転倒に仕事や道具に使われてたまるか、と。少し、ズレているか。奴隷とはある種の状態だが、人は、カロリーを得るために自由を交換する社会性生物なのだから、一時的な「奴隷状態」などは飯を食うためには必ず経験する事だ。それはつまり、肉体の限界や根源的な欲望に対し、それこそ、精神との主客転倒状態が、生理現象では避けられない事だからだ。シンプルに言うと、我々は生きながらに奴隷であるという事になるが、少なくとも現代は肉体的には拘束され続ける訳ではなく、欲望の奴隷という事だ。だから、生業の奴隷の方は、これは手段なのであって、彼の主張は少し言葉の選びがズレていると感じてしまう。奴隷になるなというよりも、単純に、自らの意思を捨てず、自分が何をしているかは理解しとけ、程度の事だろう。その上で、自殺しないで逃げろと。

まあ、この事はあまり大きな問題ではない。後半割かれる読書論が、非常に的を射ており、共感できた。それだけでも、読んで良かったかなと。

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Posted by ブクログ 2018年01月04日

苦手なことを排除して、好きなことをする時間を突き詰めていったら作家になっていた。苦手なことを排除しても、好きな読書から自分の感じ方を拡張することが出来た。最近ノンフィクションばかり読んでしまいがちですが、フィクションの方が自分の試されてる感が大きいのかなと思いました。

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Posted by ブクログ 2017年11月15日

世の中の人はあまりにも孤独を恐れている。ネットで常につながっていたい。1人でメシを食うところを見られたくない。・・・何を言っているのだ、人は孤独なのだ。

著者は高校卒業から10数年の引きこもりを続け、小説家としてデビューし、芥川賞を受賞。孤独な引きこもり時代があったからこそ、今がある。そんな著者が...続きを読む過去を振り返りながら語る孤独の肯定論。

ブラック企業に勤め、自分を見失いそうな人へ、著者は「逃げろ」とアドバイスする。プライドや意地を捨て、親や友人でも頼り、引きこもる。引きこもりだって生きるための立派な術なのだ。そこで初めて孤独のありがたさを知るのだろう。

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Posted by ブクログ 2017年04月10日

芥川受賞作家田中慎弥氏による人生論。田中氏は30代まで引きこもりの生活を続けていたそうだ。作家以外の職業に就いたことはない。世間的に見れば、非常に苦しい立場にあったわけだ。そんな逆境を乗り越えて作家になった意志の強さには、心を打たれる。現代人の多くは奴隷の地位に甘んじている、と彼は指摘する。それは誤...続きを読むりではないと思うが、奴隷として生きるしかない人もいるわけで、そういった人達の胸の内にもっと思いを巡らせて欲しかった。書けても書けなくても必ず机の前にすわるという粘り強い姿勢は、生きる上で参考になる。

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