田中慎弥のレビュー一覧

  • 死神

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    生きてることに疲れたら田中慎弥先生の本を読む。
    未成年の時の境遇がちかしくて、主人公には共感できる。死に対する距離感が心地いい。

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    2025年04月30日
  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)

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    ネタバレ

    人それぞれの孤独

    17名の著者による孤独論。
    特に興味を惹かれたもの↓

    中条省平(フランス文学者)/孤独と追放――アルベール・カミュ最後の10年
    『異邦人』『ペスト』の作家という程度でしかカミュを知らなかったので…作家にここまでの重圧というのは現代では存在しないのではないかな

    奥本大三郎(フランス文学者)/永井荷風――独身者の悦びと不安
    気ままな一人暮らしが印象的でした。

    新元良一(作家)/ソロー『森の生活』が語りかける声
    この孤独、場所だけなら我が家の近所でも実践できそう。僻地じゃなかったんですね。

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    2025年04月29日
  • 神様のいない日本シリーズ

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    失踪した父親から届く手紙と、ある男を待ち続けるだけのお芝居。
    どちらももう来ないかもしれないし、また来るのかもしれない。その狭間に立つ少年の思い出話。
    何ひとつ劇的な出来事は起こらない、平たく言えばただ待つだけの物語。でも、温かくて寂しい、そんな物語。

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    2025年04月22日
  • 死神

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    評価が難しいです。
    独特だし、雰囲気も好きなんですど、何か学びや驚きがあるかというとそんな刺激は少ない。
    この世界観に浸かりぐるぐる漂っていいるだけど、どこにも向かっていい感じでした。私にはね。
    沼な感覚。妄想豊かで読んでてワクワクしました。

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    2025年04月01日
  • 共喰い

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    女を殴る父と、同じ目をした、俺。
    川辺の町で暮らす17歳の少年。セックスの時に暴力を振るうという父親の習性を受け継いでいることを自覚し、懼れ、おののく…。逃げ場のない、濃密な血と性の物語。第146回芥川賞受賞作。

    映画化もされ好評だったらしい。
    芥川賞受賞時の物言いにも賛否両論出たようで
    なんとなく、世間を騒がせる作家さんのようですね。

    この作品は、読みやすい。
    しかし非常にダークな人間模様を表しており
    なんともやるせない、親子の関係性、情、血縁の悩ましさなどを鬱々と描いている。

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    2024年09月15日
  • 共喰い

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    ネタバレ

    共喰い
    とても面白かった。だが、難しかった。「時間」についての軸が捉えきれなかった感がある。
    父を必要以上には悪く書いていない所がいいなと思った。

    第三紀層の魚
    読みやすかった。面白かった。
    最後に釣り上げたのがチヌでなくコチなのは良いと思ったのだが、なぜチヌでなくコチを「第三期層の魚」にしたのかはわからなかった。

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    2024年05月26日
  • 共喰い

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    暗いし、ひどいし、辛いけれど、自分の望んでいない何かが残る、印象に残った作品。なんだかこびりついた感じがした。

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    2024年04月17日
  • 孤独論 逃げよ、生きよ

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    孤独を勧めるだけでなく、孤独を勧めた先にするべきことも書かれていたのでバランスがとれてる本だと思った。
    すべてを投げ出す自暴自棄的な逃避ではなく、次に繋げるための、準備期間としての逃避。

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    2024年03月24日
  • 共喰い

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    純文学というカテゴリを初めて知りました。なるほど、たしかに娯楽というよりは芸術に近い作品なのだな、と感じました。対談に私小説は書かないとありましたが、体験や経験なしで、遠馬の性衝動をあそこまで生々しく書き上げる腕に驚嘆しました。

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    2024年03月21日
  • 田中慎弥の掌劇場

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    2008年10月4日~2012年1月23日まで毎日新聞西部本社版に連載された37編+文庫のみ文芸誌「すばる」2014年1月号掲載の1編を収録した掌編小説集。居眠りしたときに見る短い悪夢のような話が続いてどれも面白い。内容的にも長すぎないから良いものばかりと感じた。

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    2024年03月09日
  • 流れる島と海の怪物

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    ただのファンタジーと呼んでしまうのには、練られすぎているしリアリティがある。恐ろしいほどの筆圧。辺境の島の恐怖の構造も怪物の正体もわからないまま進む物語は、それを辿りながら前のめりになり、登場人物たちの叫びが聞こえるみたいで恐ろしくて哀しい。
    いったい怪物とは何だったのか。


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    2023年12月22日
  • 共喰い

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    血は争えないよなって
    色んなものが川に流れていく表現が良かった
    ずっとずっと雨だなって感じ

    第三紀層の魚の方が好き
    気づいたらぼろぼろ泣いてた

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    2023年12月03日
  • 共喰い

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    純文学を感じた。
    共喰いは私にはまだわからないところも多かったが、第三紀層の魚は、(すこしありがちなストーリーにも感じたが)読みやすく面白かった。
    巻末の対談も良かった。

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    2023年09月26日
  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)

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    感想
    どれだけの才を持ち合わせても、どれだけの美貌を手に入れても。孤独は人間に付きまとう。耐えるという態度を捨てた楽しむという付き合い方。

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    2023年04月26日
  • 完全犯罪の恋

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    ネタバレ

    本好きで繋がる田中と緑の関係は、甘酸っぱくていいなと思う。そこに三年生の先輩森戸の影がちらつき…
    キスまでしておいて友人認定だったの?と思うけど、結局どちらだったのだろう。好きな作家と同じ死に方をすべき、というのがキーワードになってくる。
    二男一女の三角関係は死人が出るのが文学のお決まり。
    「こころ」のお嬢さんも名前「静」だったな。
    男なんだから、という育てられ方をした田中に対し、静はジェンダーに過敏な反応をするけど、その静自身が田中を「男性」「作家」という枠組みでレッテルを貼っているという解説の指摘に、なるほどなと思った。

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    2023年01月04日
  • 孤独論 逃げよ、生きよ

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    うまく文章が書けなくてもねちっこくしがみつき、10年かけて賞を獲得した。できることを毎日ちょっとでいいから続ければ。ねちっこく。

    ねちっこく続けること。棚からぼたもちが落ちてくるところで待つ。

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    2021年07月01日
  • 切れた鎖

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    写文したくなる名作

    やっぱり「血縁」なんやなテーマは。しかし、共喰いより断然面白い。
    家族はバトンを繋いでいくけどその中身は思いや、時代で形を変えて受け継がれる。そしてそれはいかなる力でも切れないと思わせる。いくら時代がグローバリズムを称揚しても、関係なかったことにはできない。関係ないことにしようとして「関係ないやん」と思うこと自体、関係に縛られている。

    著者は「切れた鎖」でその呪縛を解き放とうとしたのではなく、あえて浮き彫りにしたんだと思う。

    とにかく素晴らしい作品。

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    2021年05月23日
  • 孤独論 逃げよ、生きよ

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    ネタバレ

    共喰いの作者、と思って読み始めた割にはものすごく健全で、明るくて希望に満ちている。思考停止に陥った奴隷になるくらいなら、今いるところから逃げて孤独に自分と向き合い自分が好きなことから始めよう。本は自分の視野を広げてくれる。人生の全てが無駄ではなく、何か得るものがある。といった、とにかく明るい本。装丁とのギャップ。

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    2020年05月12日
  • 図書準備室(新潮文庫)

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    【図書準備室】
    主人公がずっと喋っていくスタイルの文章。序盤のリズミカルな、小気味良い口調が読んでいて楽しかった。子供の頃、倒錯的な強迫観念を抱いた経験が多かれ少なかれ誰にでもあるのではないだろうか。大人になり世の中のことがわかってくるにつれ、それが無知ゆえの取るに足らない思い込みであることに気付く。しかし、大人になればまた別の強迫観念に縛られながら生きている自分がいる。人生が続く以上、この枠組みの外へは決して逃れられないのだと思った。

    【冷たい水の羊】
    自分がいじめられていると思わなければいじめは存在しない、という論理で真夫は自分を騙す。いじめを辛いと感じるような心理描写は全く出てこない、そんな真夫の強がりの論理は積まれ崩されを繰り返し先鋭化されていく。唯一の救いの可能性である水原里子の存在が真夫の積み上げた論理を揺るがす。二人で生きるという選択肢は選びようがなく、倒錯した心理は水原との心中を企てる。思えば誰もが真夫のように意識的に、または無意識的に自前の論理を拵えて生活しているのではないだろうか。その論理は自分を守るかも知れないし、殺すかもしれない。良くも悪くも自分の論理を崩してくれる存在が実は人生にとっては大切なのだ。

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    2020年04月10日
  • 図書準備室(新潮文庫)

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    ◯図書準備室、冷たい水の羊ともに、まず表現の面でエンターテインメントを感じた。
    ◯図書準備室では、現在の語りと当時の行動のギャップに驚き、冷たい水の羊では、凄惨なイジメの描写に驚く。
    ◯しかし、その先に、それぞれの生きることに関する論理がある。あるのだが、なかなか読み解けず、その分心惹かれた。

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    2019年12月02日